漢文委員会kanbuniinkai 紀頌之のブログ 女性詩、漢詩・建安六朝・唐詩・李白詩 1000首:李白集校注に基づき時系列に訳注解説

李白の詩を紹介。青年期の放浪時代。朝廷に上がった時期。失意して、再び放浪。李白の安史の乱。再び長江を下る。そして臨終の歌。李白1000という意味は、目安として1000首以上掲載し、その後、系統別、時系列に整理するということ。 古詩、謝霊運、三曹の詩は既掲載済。女性詩。六朝詩。文選、玉臺新詠など、李白詩に影響を与えた六朝詩のおもなものは既掲載している2015.7月から李白を再掲載開始、(掲載約3~4年の予定)。作品の作時期との関係なく掲載漏れの作品も掲載するつもり。李白詩は、時期設定は大まかにとらえる必要があるので、従来の整理と異なる場合もある。現在400首以上、掲載した。今、李白詩全詩訳注掲載中。

▼絶句・律詩など短詩をだけ読んでいたのではその詩人の良さは分からないもの。▼長詩、シリーズを割席しては理解は深まらない。▼漢詩は、諸々の決まりで作られている。日本人が読む漢詩の良さはそういう決まり事ではない中国人の自然に対する、人に対する、生きていくことに対する、愛することに対する理想を述べているのをくみ取ることにあると思う。▼詩人の長詩の中にその詩人の性格、技量が表れる。▼李白詩からよこみちにそれているが、途中で孟浩然を45首程度(掲載済)、謝霊運を80首程度(掲載済み)。そして、女性古詩。六朝、有名な賦、その後、李白詩全詩訳注を約4~5年かけて掲載する予定で整理している。
その後ブログ掲載予定順は、王維、白居易、の順で掲載予定。▼このほか同時に、Ⅲ杜甫詩のブログ3年の予定http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-tohoshi/、唐宋詩人のブログ(Ⅱ李商隠、韓愈グループ。)も掲載中である。http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-rihakujoseishi/,Ⅴ晩唐五代宋詞・花間集・玉臺新詠http://blog.livedoor.jp/kanbuniinkai10-godaisoui/▼また漢詩理解のためにHPもいくつかサイトがある。≪ kanbuniinkai ≫[検索]で、「漢詩・唐詩」理解を深めるものになっている。
◎漢文委員会のHP http://kanbunkenkyu.web.fc2.com/profile1.html
Author:漢文委員会 紀 頌之です。
大病を患い大手術の結果、半年ぶりに復帰しました。心機一転、ブログを開始します。(11/1)
ずいぶん回復してきました。(12/10)
訪問ありがとうございます。いつもありがとうございます。
リンクはフリーです。報告、承諾は無用です。
ただ、コメント頂いたても、こちらからの返礼対応ができません。というのも、
毎日、6 BLOG,20000字以上活字にしているからです。
漢詩、唐詩は、日本の詩人に大きな影響を残しました。
だからこそ、漢詩をできるだけ正確に、出来るだけ日本人の感覚で、解釈して,紹介しています。
体の続く限り、広げ、深めていきたいと思っています。掲載文について、いまのところ、すべて自由に使ってもらって結構ですが、節度あるものにして下さい。
どうぞよろしくお願いします。

自代内贈

自代内贈 #3 李白 241 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239―#3

自代内贈 #-3 李白 241 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239―#3

李白が妻に代って詠じた詩である。



自代内贈 #1 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#1
自代内贈 #2 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#2
自代内贈 #3 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#3



自代內贈
寶刀截流水。無有斷絕時。妾意逐君行。纏綿亦如之。」
別來門前草。秋黃春轉碧。掃盡更還生。萋萋滿行跡。
鳴鳳始相得。雄驚雌各飛。」―#1
游云落何山。一往不見歸。估客發大樓。知君在秋浦。梁苑空錦衾。陽台夢行雨。妾家三作相。失勢去西秦。猶有舊歌管。淒清聞四鄰。」―#2
曲度入紫云。啼無眼中人。
曲のリズムは心地よいもので朝もやから立ち上って雲まで上がるのです、だけど、一人に気が付いて涙を浮かべ、眼に留まる人などいないのです。
妾似井底桃。開花向誰笑。
わたしは井戸の底で冷やすために下した桃のようなものなのです 花を開いたとして、誰に向って笑んだらよいのですか。
君如天上月。不肯一回照。
あなたは大空にのぼった月のようなものです、こうして一度照らしていても二度と照らしはしないのです。
窺鏡不自識。別多憔悴深。
鏡をのぞき見ても自分でも見わけがつかない、別れてからこんなに長くなったので憔悴が深くなってしまったものですから。
安得秦吉了。為人道寸心。」―#3

いまさらどうして九官鳥がいるっていうの、でも人につたえるためにわたしの心の中を言ってもらおう。


時。之。/碧。跡。飛。/歸。浦。雨。秦。鄰。/云。人。/笑。照。/深。心。

自ら内に代りて贈る
#-1
宝刀流水を截(た)つとも、断絶の時あるなし。
妾が意 君を逐うて行く、纏綿(てんめん)またかくのごとし。
別れてこのかた門前の草 秋は黄に春はまた碧(みどり)なり。
掃い尽せば更にまた生じ 萋萋(せいせい)として行跡に満つ。
鳴鳳 はじめあい得しが 雄驚いて雌おのおの飛ぶ。

#-2
遊雲いづれの山にか落つ 一たび往いて帰るを見ず。
估客大楼を発し 知る 君が秋浦にあるを。
梁苑むなしく錦衾 陽台 行雨を夢む。
妾が家は三たび相となりしが 勢を失って西秦を去る。
なほ旧歌管あり 凄清 四鄰に聞ゆ。

#-3
曲度(きょくど)  紫雲に入り 啼いて眼中の人なし。
妾は井底の桃のごとく 花を開けども誰に向ってか笑まむ。
君は天上の月のごとく あへて一たびも廻照せず。
鏡を窺ふもみづからも識らず 別多くして憔悴(しょうすい)深し。
いづくんぞ秦吉了(はっかちょう) 人のために寸心を道(い)はしめん。

nat0022

自代内贈 #-3 現代語訳と訳註
(本文)

曲度入紫云。啼無眼中人。妾似井底桃。開花向誰笑。
君如天上月。不肯一回照。 窺鏡不自識。別多憔悴深。
安得秦吉了。為人道寸心。」―#3

(下し文) #-3
曲度(きょくど)  紫雲に入り 啼いて眼中の人なし。
妾は井底の桃のごとく 花を開けども誰に向ってか笑まむ。
君は天上の月のごとく あへて一たびも廻照せず。
鏡を窺ふもみづからも識らず 別多くして憔悴(しょうすい)深し。
いづくんぞ秦吉了(はっかちょう) 人のために寸心を道(い)はしめん。

(現代語訳)
曲のリズムは心地よいもので朝もやから立ち上って雲まで上がるのです、だけど、一人に気が付いて涙を浮かべ、眼に留まる人などいないのです。
わたしは井戸の底で冷やすために下した桃のようなものなのです 花を開いたとして、誰に向って笑んだらよいのですか。
あなたは大空にのぼった月のようなものです、こうして一度照らしていても二度と照らしはしないのです。
鏡をのぞき見ても自分でも見わけがつかない、別れてからこんなに長くなったので憔悴が深くなってしまったものですから。
いまさらどうして九官鳥がいるっていうの、でも人につたえるためにわたしの心の中を言ってもらおう。

(訳注)#-3
曲度入紫云。啼無眼中人。

曲のリズムは心地よいもので朝もやから立ち上って雲まで上がるのです、だけど、一人に気が付いて涙を浮かべ、眼に留まる人などいないのです。
曲度 曲のリズム。#2にでた楽人の奏でる曲 ○紫雲 曙を彩る彩雲。前夜の紫煙が上り詰めてできる問うこと。○眼中 目にあたる、とまる。

妾似井底桃。開花向誰笑。
わたしは井戸の底で冷やすために下した桃のようなものなのです 花を開いたとして、誰に向って笑んだらよいのですか。
 妾は女性がかわいらしく自分のことを言う時に使う。めかけではない。○井底桃 戸の底で冷やすために下した桃。井は井戸。


君如天上月。不肯一回照。
あなたは大空にのぼった月のようなものです、こうして一度照らしていても二度と照らしはしないのです。


窺鏡不自識。別多憔悴深。
鏡をのぞき見ても自分でも見わけがつかない、別れてからこんなに長くなったので憔悴が深くなってしまったものですから。
窺鏡 鏡をのぞきこむ。○自識 自分でも見わけがつかない。○別多 別れてからこんなに長くなったこと。 ○憔悴深 こころがふさぎ込み身も痩せ細ったさま。


安得秦吉了。為人道寸心。」
いまさらどうして九官鳥がいるっていうの、でも人のためにわたしの心の中を言ってもらおう。
秦吉了 はっかちょう九官鳥。○寸心 心。



杜甫は、自分の気持ちをストレートに、誠実に詩に歌っている。詩に見る杜甫の妻について、他の詩人の家族に対する考え方。
月夜の背景  kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 143

月夜 杜甫   kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 144

月夜 解説   kanbuniinkai紀頌之の漢詩ブログ 杜甫特集700- 145

儒教的見方からは、李白は、誠実さに欠ける、人の口を借りたり、相手が李白のことを「きっとこのように思っているであろう」と間接的に李白の考えをあらわしている。このような表現法に終始している。だから、数多く、娼婦や、妓女、あるいは線上に送り出した妻、行商人の妻というように景色を借りて妻のことを語っているのである。
 この詩のように、妻が特定できるのは少ない。特定できるものから判断して、4人の妻がいたことになっている。
 
この詩は明清の詩人が多く作った閨怨の詩よりも清新である。ところでここで問題になるのは、その梁苑にゐる妻とは誰かといふことである。李白の結婚に関しては魏顥(魏万)以外に拠るものがない。
それによると李白が妻を四度娶っていたことをいっている。①最初は許氏を娶って一男一女を生み(前述)、②次に劉氏を娶って離婚し、③三たび魯の一婦人を娶って一子頗黎(ハリ)を生んだという。杜甫と斉趙で遊んだ直後である。④四度目の結婚を「終ニ於宋ニ娶ル」といっている。そこで開封にいた妻は、この後の二人の中のどれかでなければならないが、この詩でみると新婚の情を湛へているやうな所もあるから、宋に娶った妻のようである。ところでまたこの宋が地を指すのか、姓を指すのかが問題になるが、李白が後に夜郎に流される時、宗璟といふ者に贈った詩があって、その姉が自分に嫁いだ趣をのべているから、宋は宗の誤りで、宗氏の婦人を娶ったと解すべきだろう。そうするとこの詩の「妾家三作相」というのは、則天武后の治世に三度宰相になった宗楚客の家の出ということになり、この婦人の素性は一層はっきりして来る。
この詩に表はれた孤閨にある自分の妻の心情をこれに代って詠ずるといふ詩作の態度が、李白の多くの閏怨の詩の基盤であったといふことである。即ち彼は自己の生活が常に羈旅にあり、そのため妻とは殆どすべて別居の状態にあったが、この別居に関しては彼もたえず責任を感じていた。従って妻の立場になって考へることしかできなかったということだ。
李白らしい表現ということなのだ。古表現を多くの人が指示したことが歴史の結果として理解する。いずれにしても、儒教的な思考の持ち主には理解が難しいということではある。

自代内贈 #2 李白 240 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239―#2

自代内贈 #2 李白 240 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239―#2

李白が妻に代って詠じた詩である。


自代内贈 #1 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#1
自代内贈 #2 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#2
自代内贈 #3 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#3



自代內贈
寶刀截流水。無有斷絕時。妾意逐君行。纏綿亦如之。」
別來門前草。秋黃春轉碧。掃盡更還生。萋萋滿行跡。
鳴鳳始相得。雄驚雌各飛。」―#1
游云落何山。一往不見歸。
鳳凰も帰るところがあり、大空に浮んでいる雲もどこかの山のいわやの中に隠遁していく、でも、あなたはいったん旅に出ていくと帰ってくるということを全くしないのです。
估客發大樓。知君在秋浦。
先日、旅の行商人に聞いたところによると大楼山を出発したということだった、それで、あなたが秋浦にいるということを知ったのです。
梁苑空錦衾。陽台夢行雨。
あなたとの梁苑での二人だけの暮らしというのがむなしい気がします、朝廷につかえ、官僚として十分な働きをすることは夢です。
妾家三作相。失勢去西秦。
わたしの実家は則天武后の治世に三度宰相になった宗氏です、その後は、政権の交代で勢を失って長安を去ったのです。
猶有舊歌管。淒清聞四鄰。」―#
2
しかし、いまでもなお古くからの詩歌、歌人、笛、管楽器をするものがおります、卓越してすずしく清い音をたてているということは天下に知られているのです。
曲度入紫云。啼無眼中人。妾似井底桃。開花向誰笑。
君如天上月。不肯一回照。 窺鏡不自識。別多憔悴深。
安得秦吉了。為人道寸心。」―#3

時。之。/碧。跡。飛。/歸。浦。雨。秦。鄰。/云。人。/笑。照。/深。心。

自ら内に代りて贈る

#-1
宝刀流水を截(た)つとも、断絶の時あるなし。
妾が意 君を逐うて行く、纏綿(てんめん)またかくのごとし。
別れてこのかた門前の草 秋は黄に春はまた碧(みどり)なり。
掃い尽せば更にまた生じ 萋萋(せいせい)として行跡に満つ。
鳴鳳 はじめあい得しが 雄驚いて雌おのおの飛ぶ。

#-2
遊雲いづれの山にか落つ 一たび往いて帰るを見ず。
估客大楼を発し 知る 君が秋浦にあるを。
梁苑むなしく錦衾 陽台 行雨を夢む。
妾が家は三たび相となりしが 勢を失って西秦を去る。
なほ旧歌管あり 凄清 四鄰に聞ゆ。

#-3
曲度(キョクド)  紫雲に入り 啼いて眼中の人なし。
妾は井底の桃のごとく 花を開けども誰に向ってか笑まむ。
妾は井底の桃のごとく 花を開けども誰に向ってか笑まむ。
君は天上の月のごとく あへて一たびも廻照せず。
鏡を窺ふもみづからも識らず 別多くして憔悴(ショウスイ)深し。
いづくんぞ秦吉了 人のために寸心を道(い)はしめん。

宮島(3)

自代内贈 #2 現代語訳と訳註
(本文)

游云落何山。一往不見歸。
估客發大樓。知君在秋浦。
梁苑空錦衾。陽台夢行雨。
妾家三作相。失勢去西秦。
猶有舊歌管。淒清聞四鄰。」―#2

(下し文)
遊雲いづれの山にか落つ 一たび往いて帰るを見ず。
估客大楼を発し 知る 君が秋浦にあるを。
梁苑むなしく錦衾 陽台 行雨を夢む。
妾が家は三たび相となりしが 勢を失って西秦を去る。
なほ旧歌管あり 凄清 四鄰に聞ゆ。

(現代語訳)
鳳凰も帰るところがあり、大空に浮んでいる雲もどこかの山のいわやの中に隠遁していく、でも、あなたはいったん旅に出ていくと帰ってくるということを全くしないのです。
先日、旅の行商人に聞いたところによると大楼山を出発したということだった、それで、あなたが秋浦にいるということを知ったのです。
あなたとの梁苑での二人だけの暮らしというのがむなしい気がします、朝廷につかえ、官僚として十分な働きをすることは夢です。
わたしの実家は則天武后の治世に三度宰相になった宗氏です、その後は、政権の交代で勢を失って長安を去ったのです。
しかし、いまでもなお古くからの詩歌、歌人、笛、管楽器をするものがおります、卓越してすずしく清い音をたてているということは天下に知られているのです。


(訳注)#-2
游云落何山。一往不見歸。

鳳凰も帰るところがあり、大空に浮んでいる雲もどこかの山のいわやの中に隠遁していく、でも、あなたはいったん旅に出ていくと帰ってくるということを全くしないのです。
遊雲 大空に浮んでいる雲。昔から、中国では雲は巌谷の割れ目、奥まったところから発生し、また楚聲帰っていくとされて絲ことを踏まえる。○一往 ひとたび旅に出ていくこと。


估客發大樓。知君在秋浦。
先日、旅の行商人に聞いたところによると大楼山を出発したということだった、それで、あなたが秋浦にいるということを知ったのです。
估客 行商人。○大樓 秋浦の北の大楼山。


梁苑空錦衾。陽台夢行雨。
あなたとの梁苑での二人だけの暮らしというのがむなしい気がします、朝廷につかえ、官僚として十分な働きをすることは夢です。
梁苑 前漢の文帝の子、景帝の弟、梁孝王劉武が築いた庭園。現在の河南省商丘市東南5kmに在った、と考えられる。この句により、開封にいた妻4人目の妻であることがわかる。○錦衾 きんきん にしきのふすま。李白たちの閨。○陽台 朝廷、政治の中心でつかさどる。 ○行雨 朝廷につかえ、官僚として十分な働きをするさま。


妾家三作相。失勢去西秦。
わたしの実家は則天武后の治世に三度宰相になった宗氏です、その後は、政権の交代で勢を失って長安を去ったのです。
三作相 則天武后の治世に三度宰相になった宗○失勢 則天武后が病死をすると王朝は、政権争いになり、玄宗のクーデターで様変わりしたため、それまでの高級官僚は排斥されたことを言う。○西秦 西都長安のこと


猶有舊歌管。淒清聞四鄰。」
しかし、いまでもなお古くからの詩歌、歌人、笛、管楽器をするものがおります、卓越してすずしく清い音をたてているということは天下に知られているのです。
舊歌管 古くからの詩歌、歌人、笛、管楽器をするものがおり淒清聞 すずしく清い音をたてて。○四鄰:四隣。四囲の国。周り。周囲。

自代内贈 #1 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#1

自代内贈 #1 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#1

李白が妻に代って詠じた詩である。


自代内贈 #1 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#1
自代内贈 #2 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#2
自代内贈 #3 李白 Kanbuniinkai紀頌之の漢詩 李白特集350 -239-#3

自代內贈
寶刀截流水。無有斷絕時。
宝刀でもって流水をたちきったとしても、断絶するのは瞬間で、きれるものではない。
妾意逐君行。纏綿亦如之。」
私の思いというものはあなたに従い衝いてゆくもの、纏わりついた綿のように心にまつわりついて離れない。
別來門前草。秋黃春轉碧。
別れてこのかた、私はあなたを待つ、門前の草のようなものです。 秋は黄色の草になり枯れ、そして春になればまた碧(みどり)なる。それの繰り返し。
掃盡更還生。萋萋滿行跡。
草を抜いて掃除をするように、あなたへの思いを消そうとするのですが、なおさら生えてくるように思いが募るばかり。それは萋萋として草が茂って来て、あなたの旅立ちの跡をいっぱいにしている。
鳴鳳始相得。雄驚雌各飛。」-#
1
つがいの鳳凰はいっしょに鳴いて、はじめは互いに心を通い合わせていた。雄の鳳凰は驚いて、雌もつづいておのおの飛びあがるのです

游云落何山。一往不見歸。估客發大樓。知君在秋浦。
梁苑空錦衾。陽台夢行雨。妾家三作相。失勢去西秦。
猶有舊歌管。淒清聞四鄰。」-#2
曲度入紫云。啼無眼中人。妾似井底桃。開花向誰笑。
君如天上月。不肯一回照。 窺鏡不自識。別多憔悴深。
安得秦吉了。為人道寸心。」-#3

時。之。/碧。跡。飛。/歸。浦。雨。秦。鄰。/云。人。/笑。照。/深。心。

自ら内に代りて贈る
#-1
宝刀流水を截(た)つとも、断絶の時あるなし。
妾が意 君を逐うて行く、纏綿(てんめん)またかくのごとし。
別れてこのかた門前の草 秋は黄に春はまた碧(みどり)なり。
掃い尽せば更にまた生じ 萋萋(せいせい)として行跡に満つ。
鳴鳳 はじめあい得しが 雄驚いて雌おのおの飛ぶ。

#-2
遊雲いづれの山にか落つ 一たび往いて帰るを見ず。
估客大楼を発し 知る 君が秋浦にあるを。
梁苑むなしく錦衾 陽台 行雨を夢む。
妾が家は三たび相となりしが 勢を失って西秦を去る。
なほ旧歌管あり 凄清 四鄰に聞ゆ。

#-3
曲度(キョクド)  紫雲に入り 啼いて眼中の人なし。
妾は井底の桃のごとく 花を開けども誰に向ってか笑まむ。
妾は井底の桃のごとく 花を開けども誰に向ってか笑まむ。
君は天上の月のごとく あへて一たびも廻照せず。
鏡を窺ふもみづからも識らず 別多くして憔悴(ショウスイ)深し。
いづくんぞ秦吉了 人のために寸心を道(い)はしめん。

宮島(5)

自代内贈#1 現代語訳と訳註
(本文)#1

寶刀截流水。無有斷絕時。妾意逐君行。纏綿亦如之。」
別來門前草。秋黃春轉碧。掃盡更還生。萋萋滿行跡。
鳴鳳始相得。雄驚雌各飛。」

(下し文)#1
宝刀流水を截つとも、断絶の時あるなし。
妾が意 君を逐うて行く、纏綿(テンメン)またかくのごとし。
別れてこのかた門前の草 秋は黄(?)に春はまた碧(みどり)なり。
掃い尽せば更にまた生じ 萋萋(せいせい)として行跡に満つ。
鳴鳳 はじめあい得しが 雄驚いて雌おのおの飛ぶ。

(現代語訳)#1
宝刀でもって流水をたちきったとしても、断絶するのは瞬間で、きれるものではない。
私の思いというものはあなたに従い衝いてゆくもの、纏わりついた綿のように心にまつわりついて離れない。
別れてこのかた、私はあなたを待つ、門前の草のようなものです。 秋は黄色の草になり枯れ、そして春になればまた碧(みどり)なる。それの繰り返し。
草を抜いて掃除をするように、あなたへの思いを消そうとするのですが、なおさら生えてくるように思いが募るばかり。それは萋萋として草が茂って来て、あなたの旅立ちの跡をいっぱいにしている。
つがいの鳳凰はいっしょに鳴いて、はじめは互いに心を通い合わせていた。雄の鳳凰は驚いて、雌もつづいておのおの飛びあがるのです。


(訳注)#1
自代内贈
 
自ら内に代りて贈る


寶刀截流水。無有斷絕時。
宝刀でもって流水をたちきったとしても、断絶するのは瞬間で、きれるものではない。
 [音]セツ(漢) [訓]たつ きるずばりとたち切る。「截然・截断/断截・直截・半截」 ◆「截」を「サイ」と読むのは「裁」などとの混同による。 .


妾意逐君行。纏綿亦如之。」
私の思いというものはあなたに従い衝いてゆくもの、纏わりついた綿のように心にまつわりついて離れない。
妾意 私の思い。・妾は女性がかわいらしく自分のことを言う時に使う。めかけではない。・意はおもい。○纏綿 まつわり離れがたいさま。1 からみつくこと。「蔦(つた)が木に纏綿する」「選手の移籍に纏綿する問題」 2 複雑に入り組んでいること。心にまつわりついて離れないさま。「情緒纏綿として去りがたい」


別來門前草。秋黃春轉碧。
別れてこのかた、私はあなたを待つ、門前の草のようなものです。 秋は黄色の草になり枯れ、そして春になればまた碧(みどり)なる。それの繰り返し。
門前草 自分の家の門前の草。待つ身の表現として使われる。○それの繰り返し。○ 青々とした緑で覆われるさま。は性的な意味のこもった語である。


掃盡更還生。萋萋滿行跡。
草を抜いて掃除をするように、あなたへの思いを消そうとするのですが、なおさら生えてくるように思いが募るばかり。それは萋萋として草が茂って来て、あなたの旅立ちの跡をいっぱいにしている。
掃盡 草を抜いて掃除をするように、あなたへの思いを消そうとする。○更還生 なおさら生えてくるように思いが募るばかり。○萋萋 草の茂った様。


鳴鳳始相得。雄驚雌各飛。」
つがいの鳳凰はいっしょに鳴いて、はじめは互いに心を通い合わせていた。雄の鳳凰は驚いて、雌もつづいておのおの飛びあがるのです。
鳴鳳 鳳凰が鳴く。つがいでいるのが基本の鳥。○始相得 はじめは互いに心を通い合わせているさま。

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