2006年07月12日

「売られ続ける日本、買い漁るアメリカ/本山美彦」


「売られ続ける日本、買い漁るアメリカ ―米国の対日改造プログラムと消える未来/本山美彦」



内容(「BOOK」データベースより)
日本市場「完全開放」のゴールを2010年と決めた米国は、肉や野菜を始めとした食品、電気通信、金融、建築、保険、法律、学校、証券市場など、ありとあらゆる社会構造の「最終改造」に入った。開放という美辞麗句の下、痛みを伴う構造改革の果てに我々日本人がたどり着くのは、これまで経験したことのない想像を絶する「下流社会」と「植民国家」の誕生である。『年次改革要望書』『共同現状報告書』『外国貿易障壁報告書』『日米投資イニシアティブ報告書』『首脳への報告書』。日本改造を進める五つのレポートとは。

内容(「MARC」データベースより)
日本市場「完全開放」のゴールを2010年と決めた米国は、肉や野菜を始めとした食品、電気通信、証券市場など、ありとあらゆる社会構造の「最終改造」に入った。痛みを伴う構造改革の果てに、我々日本人がたどり着くのは…。

目次
第1章 米国エスタブリッシュメントが進める日本改造
・超党派による「日本改造計画」
・2010年までに、米国は日本市場を「開放」する
・ほか
第2章 「神々の争い」に敗れた日本
・オプスディとカリスマ運動
・実利を宗教で裏打ちするキリスト教右派
・ほか
第3章 日米投資イニシアティブの正体
・日本を「安値」で買うために構造改革する
・日本の政策決定プロセスが変わった瞬間
・ほか
第4章 日本の「医療市場」が飲み込まれる
・日本の大学は「米国の予備校化」する
・米国医療制度という名の「地獄」
・ほか
第5章 「五つのレポート」が与えるアンダー・プレッシャー
・「抗議のポーズ」を取るだけの日本政府
・クリントン政権下の包括協議と『年次改革要望書』
・ほか
第6章 世界経済を恫喝する「USTR」
・組織ではなく「代表者」という事実
・安全保障を軸とする政治同盟とSTRの誕生
・ほか

---

この本について、詳しく紹介しているサイトがありましたので、転載して紹介します。以下、http://d.hatena.ne.jp/rainbowring-abe/からの転載です。

ブッシュ・小泉会談の合意文書として毎年発表される『日米投資イニシアティブ報告書』は、日本が米国の州レベルどころか、植民地そのものであることを示すような、溜め息の出る内容である。日本を安値で買うために、日本経済を「構造改革」することの必要性が毎回この報告書で謳われている。それは例えば次のようなものだ。

 峭餾歸な株式交換を促す制度の整備」

日本に比べて株価水準の高い米企業が、現金を使わずに自らの株式と相手企業の株式を交換することで、日本での企業買収や資本参加を可能にすることを狙ったもの。株式がキャッシュの代わりになることを知った米国の錬金術師たちが、そのノウハウを日本でもフル活用しようとしている。

◆峩軌蕁Π緡泥機璽咼絞野への外国投資の促進」

まさに小泉内閣が喧伝する「規制緩和」の重点分野でもある。

「雇用流動化の促進」

好きなときにリストラできる雇用環境を、米国が求めていることの表現。小泉改革と米国の対日投資戦略がピタリと重なるからこそ、USTRのゼーリック代表はこの報告書を絶賛した。

それ以前に日本政府が実施してきた外資規制緩和は以下の19項目である。

1992年、「外国為替および外国貿易管理法」の改正が行われ、外国人の直接投資が許認可制から原則事後報告に改められた。

1994年、首相を長とする対日投資会議が設置された。

1997年12月、純粋持ち株会社禁止が解除され、外国資本による日本企業買収が認められた。

純粋持ち株会社とは、経営せずに企業への支配権のみを得る会社のことを指す。これは独占禁止法第九条として、憲法第九条に匹敵するものであった。つまり、憲法第九条が日本の再軍備を禁止したのと同じく、独占禁止法第九条は戦前の財閥本社の復活を阻止するためのものだった。しかし米国企業が日本企業を買収しようとするとき、この法律が邪魔になったので、禁止が解除された。

1997年10月、合併手続きが簡素化された。

1998年7月、KDD法が廃止され、同社への外国参入規制が撤廃された。

1998年9月、SPC法が成立し、企業の切り売りが可能になった。

1998年、金融ビッグバンが開始され、銀行間の区分がなくなった。

1999年4月、一部業務における有期雇用契約の期間が延長された。

1999年10月、株式移転制度が新設。

これは既存の会社が新たに持ち株会社を設立する制度で、みずほ銀行やUFJ銀行などが利用した。

1999年10月、株式交換制度が設置された。

これは、既存の会社間で100%親子会社という関係をつくる制度である。ソニーやソフトバンクが利用した。

1999年12月、労働者派遣法の派遣業務の対象範囲が原則自由化された。これも従業員の転職を容易にする措置である。

2000年、大店法が廃止。これで外資系巨大スーパーの日本進出が可能となった。

2000年4月、民事再生法が成立。迅速な処理を可能とする再生法である。

2001年4月、会社分割制度が創設。会社がその営業の全部または一部を他の会社に継承させ、継承する会社がその対価として株式を発行することが認められた。

2001年4月から2002年3月にかけて、持合株式やその他有価証券の「時価会計」が導入され、企業は財務体質を改善するため、価格が低下した持ち株を売却せざるを得なくなった。これが外国人による日本株買収を促進させた。

2001年10月、確定拠出型年金制度が導入され、従業員の転職を容易にした。

2001年、NTT法の改正により、同社への外資比率規制が1/5から1/3未満へと緩和された。

2002年、商法改正により、日本の会社が米国型コーポレート・ガバナンスのシステムを選択する余地が拡大した。

2002年、ストック・オプション制度が自由化され、付与対象者、付与株式数の制限が撤廃された。



そして2002年6月最初の『2002年 日米投資イニシアティブ報告書』が作成された。

報告書の要旨には以下のことが掲げられていた。

‘本経済を再生させるためには、海外からの対日直接投資が促進されなければならない。

外国企業が日本経済に実質的な影響を与えるために、日本企業が米国型コーポレート・ガバナンスのシステム制度を選択できるよう、会社法の改正を行う。

F明な会計手続き、ストック・オプションの自由化、労働の流動化、土地の流動化などにおける進展は、国内外の投資を容易にし、生産性と成長を促進して行く助けとなるだろう。

M&Aを行い難くしている「規制」を取り除くこと。

この第一回目の報告書では、日本も韓国並みの「外資規制撤廃」を行うべきだということが強調された。韓国はIMFの主導下で、1998年外資の100%出資を認める規制緩和を行い、実質的に外資の敵対的M&Aを自由化した。

2003年5月最初の『第二回 日米投資イニシアティブ報告書』が、両国首脳に報告された。この二回目の報告書の「要旨」では、小泉首相が今後五年間で、対日直接投資残高を倍増すると表明し、そのための施策の最重要事項が「クロスボーダー株式交換」への参加を、外国企業にも認める法律を導入することであると強調された。

クロスボーダー株式交換というのは、文字通り、国境を越えた会社や個人間での株式交換のことである。



さらに三回目の報告書は、小泉首相による「対日投資倍増の約束」といえる内容である。この『第三回 日米投資イニシアティブ報告書』では、金融・通信・流通の分野において日本の規制緩和が進んだことで、その対日直接投資が2002年末には前年対比で40%以上伸びたことを歓迎するという文言から始められている。

この第三回の報告書では、対日直接投資を促進させる主な手段は株式交換である、と明確に表現されている。外国の親会社の株式や現金を対価として、日本における外国企業の子会社が日本企業を合併することが推奨されているのだ。

「米国政府は、日本ではすべき資産が市場に不足しているため、外国からの投資が進まないことを指摘するとともに、不良債権処理の過程において、投資可能な資産が市場に出る可能性が高いことから、産業再生機能の取り組みについて説明を要請した」

これも第三回報告書の内容だが、ここまで言われると、さすがにちょっと待ってくれといいたくなる。米国の投資とは、日本企業に融資し、日本での新しい産業を生み出すことではなかったのか。

そうした投資可能な資産が乏しいので、不良債権処理に当たり、投げ売りされる安い物件を、日本政府はもっとたくさん出して欲しい、安く買って高く売ることができる機会を増やしてほしい、単にそうコメントしているだけだ。

ここからは、米国が望む対日直接投資とは、投資ファンドの金銭的リターン以外の何ものでもないことが、あからさまに見て取れる。

日本経済の再生に貢献するという建前の下、米国政府はあらゆる手段を用いて、投資ファンドの投資先確保を、日本政府に居丈高に要求し続けている。


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この記事へのコメント
対外干渉主義のネオコンにいいように利用されていますね。
本来はアメリカのもともとの保守の中核のグループと力を合わせなければならないと思います。
Posted by takeyan at 2006年07月19日 02:21
コメントありがとうございます。
ご指摘のように、まず、アメリカの政治勢力を見極めることが、日本が生き残る上で必要なのだと思います。
Posted by kanconsulting at 2006年07月22日 23:46