2007年01月05日

「悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環/内橋克人」


「悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環/内橋克人」



内容(「BOOK」データベースより)
迫害を逃れて、アメリカにわたったユダヤ出身の一経済学者の思想は、はじめ「国家からの自由」を求める小さな声に過ぎなかった。70年代、その声は次第に大きくなり、やがてアメリカの政権中枢部を覆い、南米をかわきりに世界へとあふれ出す。―市場原理主義(ネオリベラリズム)。市場が人間を支配する思想へと変質したそれは、実体経済を破綻させ、人心を荒廃させる「悪夢のサイクル」を産み出した。

内容(「MARC」データベースより)
ネオリベラリズムはただの景気循環ではない。バブルと破綻を繰り返すなかで共同体を破壊し、人々の心を狂わせる「悪夢のサイクル」なのだ。50年のスパン、世界史的な広がりの洞察から発見された経済のダイナミズムを紹介。

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新聞に掲載された、著者のコメントを転載します。

バブル崩壊後の「長期構造的停滞」をもたらしたものは、狂乱的な土地投機や金融資本の節度喪失、もとをたどれば円高誘導を決めた85年のプラザ合意以降の日本政府の重大な「政策エラー」に真因があった。
ところが一部の論者は巧みに現実をスリ替え、あたかも公正や平等に価値を求める在来の価値観に不況や停滞の原因があったごとく唱え始めた。彼らは平然と「悪平等主義」とか「ぬるま湯につかる日本人」、ついには「日本型社会主義」なる珍語までひねり出し、長期停滞の責をもっぱら社会一般、とりわけ働く者に転嫁し、糾弾を始めた。
アメリカ帰りのある学者は「格差ある社会は活力ある社会」などといい、「金持ちにうんと金持ちになってもらうほか、日本が豊かになる選択肢はない」とまで公言している。その後、この人物が経済政策を担った。日本財界、超富裕層の長きにわたる宿願が、すべて見事に達せられた。ごく普通に生きる日本人の「不幸の始まり」だ。
社会をむしばむ「格差」を一気に深めたものは、小泉政権が完成させた雇用・労働の解体だ。この政権は「改革」の名において、経済界の悲願であった「雇用・労働の規制緩和」の流れを一気に加速させ、不可逆で決定的なものとした。03年改正における差別的派遣労働の全面解禁(期間の上限延長)、製造業への派遣労働の解禁断行などがその核心的なものだろう。まさにここに「格差問題」の起源は発している。
いま、私たちは「あるべき日本社会」の展望を打ち出さねばならない。時の権力に密着してグローバルスタンダードなる「幻想」をふりまき、「既得権」を糾弾しながら「新規権益」をほしいままにした不公正な「利得者」らをあぶり出すことだ。市場が市民社会を支配するのではなく、社会で暮らし、働く人々を守る新たな「共生経済」へ向けてかじを取るほかにない。

毎日新聞 2006年7月24日 東京朝刊

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経団連・法人税と格差社会 グローバリズムとトリクルダウン効果 ホワイトカラー・エグゼンプション(3)【国家破綻研究ブログ】at 2007年01月07日 22:50
この記事へのコメント
kan様

はじめまして外国為替証拠金取引 サヤ取り投資日記というブログを運営しているZakiと申します。
この度は突然のコメント失礼致します。

kan様のこちらのブログを拝見させていただきました。

本日はkan様のブログと相互リンクさせて頂きたいと思いコメントさせて頂きました。
誠に勝手ながらkan様のブログを当ブログのトップページ及びリンク集に掲載させて頂きましたのでご報告までと思いご連絡させていただきました。

トップページ及びリンク集1
http://saya01.seesaa.net/article/24164418.html

お忙しいところお手数では御座いますが当ブログをご確認頂き、よろしければ相互リンクをしていただけないでしょうか?

サイト名 外国為替証拠金取引 サヤ取り投資日記

唐突なお願いですが、ご検討いただければ幸いです。
Posted by FXサヤ取り☆Zaki at 2007年01月11日 19:03