少し前ですが、日経新聞電子版に国民年金の強制徴収に関する記事が掲載されていました。

「 国民年金の強制徴収、所得基準下げ決定 17年度300万円に  
 
2017/3/29 20:00

 厚生労働省は29日、自営業者らが加入する国民年金の保険料を強制徴収する基準を2017年度に引き下げると発表した。今の年間所得350万円から300万円へ改める。保険料を督促する文書や戸別訪問でも支払いに応じない場合、財産を差し押さえるのが強制徴収。国民年金の納付率は6割程度と低迷しており、強制徴収を広げ納付率を底上げする狙い。

 29日の社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)部会で基準変更を提示し、了解を得た。今の強制徴収の基準は「年間所得350万円で未納月数7カ月以上」。来年度からは「300万円で未納月数13カ月以上」に変わり、従来は強制徴収を免れてきた層が対象に含まれることになる。

 強制徴収の基準は15年度まで所得400万円以上だったが、16年度に350万円に変えたばかり。2年続けて強制徴収の対象が広がる。厚労省は悪質な保険料逃れを見過ごさない姿勢を強め、毎年の保険料上昇で国民にくすぶる年金への不満を和らげたい考えだ。

 厚労省は同日、厚生年金に加入していない企業への加入促進策も公表した。自治体に新規の事業許可を申請する際、厚生年金加入の有無を確認し、未加入なら厚労省に通報する仕組みを拡充。対象業種に飲食や理容などを7月に加える。今後は厚労省の所管以外の業種にも拡大を目指す。

 厚生年金は法人や従業員5人以上の個人事業主は加入義務がある。保険料は労使折半で払うが、保険料を逃れるために意図的に加入していない悪質な企業が後を絶たない。今年2月末の時点で未加入の可能性がある事業所は52万カ所ある。 」

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS29H3M_Z20C17A3EE8000/

この記事はかなり無理があります。
国民年金加入者とは、自営業者とその配偶者、学生、無職の人等です。
確かに所得の多い自営業者がいるでしょうが、その配偶者も国民年金の納付義務者であります。
 
 一方、年間所得が600万円を超える会社員や公務員の扶養配偶者は第3号被保険者となり、国民年金納付義務がありません。この第3号被保険者の期間は、保険料を納付したこととして国民年金の金額が計算されているのです。(所得とは、収入から扶養控除や社会保険料控除等の各種控除を差し引いた金額なので、年収とイコールにはなりません)

 所得が少なくても自営業者の配偶者は国民年金保険料を納付しなければならず、配偶者の所得が高くても国民年金保険料を納付しなくてもよく、国民年金の金額は変わらないのです。 

 これは極めて不公平でしょう。

これを解消するには、
(1)第3号被保険者制度を廃止する
(2)第2号被保険者(会社員や公務員)の所得に上限を設けて、それを超える者の扶養配偶者は第3号被保険者になれないようにする。(自分で国民年金保険料を納付する)
このいずれかをしなければなりません。

でも実現しないでしょうね。
なぜかというと、法律を決める霞が関の人たちの配偶者のほとんどが第3号被保険者でしょうから、自分たちが不利になることはやらないでしょう。