労働契約法に関する記事が日経電子版に掲載されています。

「  勤務5年超で無期雇用転換、非正規の8割が制度知らず  
 2017/5/5 20:53
 非正規労働者が5年を超えて勤務すると正社員と同様に定年まで働けるようになる「無期転換ルール」について、非正規の85.7%が制度の存在や内容を知らないことが5日、人材サービス会社アイデム(東京)の調査で分かった。このルールは非正規の雇用安定を目的に来年4月に始まるが、当事者に十分浸透していない実態が浮き彫りになった。

 アイデムの担当者は「企業が周知に取り組むことも大事だが、働く人は自ら申し込まないと権利を行使できない。積極的に情報収集すべきだ」と指摘した。

 ルールは2013年4月施行の改正労働契約法に盛り込まれた。非正規労働者は同じ会社で契約更新が繰り返されて通算5年を超えた場合、本人の申し込みに基づき正社員と同じ契約更新の必要がない「無期雇用」として働けるようになる。一般的には企業の中核を担う正社員ではなく、職種や勤務地を定めた限定正社員となるケースが先行導入した企業では多い。

 調査は3月、同じ勤務先で6カ月以上働く20~40代のパートやアルバイト、契約社員の男女679人と、従業員30人以上の企業の経営者、人事総務担当者554人にインターネットで実施した。

 ルールを「知らない」と答えた非正規は58.6%で、「内容はよく分からない」は27.1%。「内容も理解している」はわずか14.3%だった。

 一方、企業側は71.7%が「内容も理解している」と回答。「内容はよく分からない」は21.5%で、残りは「知らない」と理解不足の企業も目立った。雇用している非正規への周知・説明を「すでにした」のは48.2%にとどまり、「これからする予定」は38.6%、「予定はない」も13.2%に上った。〔共同〕」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG05H30_V00C17A5000000/

この記事にある無期雇用転換は、企業にとって、それほど驚異的なことではありません。
労働契約法では次の通りに定めています。
第18条
1項
同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。 

後半の「この場合において」以下を見ると、契約期間を除いて有期労働契約の内容と同一の労働条件としているのです。有期労働契約の時に時給で、無期労働契約になっても時給で契約できるのです。変わることは労働契約期間の定めがあるか、無いかだけです。

労働契約期間が無いと、定年まで雇用しなければならないとされていますが、雇用契約解除(解雇)するときには、民法第627条で「各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる」と定めています。このため、正当な理由があれば、無期労働契約者であっても、いつでも雇用契約解除できるのです。

まあ、このような契約期間の有無で雇用を安定させるよりも最低賃金を使ったほうがいいでしょう。
なぜ企業は有期雇用者を使うかというと、長期的な雇用の保証の回避と安い人件費のためです。
長期的な雇用の保証の回避は、労働契約法の改正である程度解消できそうです。
安い人件費の対策として最低賃金法を改正して、有期労働契約者の最低賃金を一般的な最低賃金よりも高水準にすればいいのです。これであれば有期雇用者も収入が増えるでしょう。

そもそも有期雇用者は雇用期間が不安定なので、生活保障を考えるのであれば、時給単価は高く設定しなければならないのです。

最後に、正社員は月給制でなければならないという法律はどこにもありません。
月給であるか日給であるか時給であるかは会社と労働者の合意で決まります。
正社員や非正規という言葉も法律上、どこにもありません。