健保組合(健康保険組合)の解散ラッシュが始まりそうです。

その前に。
政府は社会保険をはじめとする各種手続きの届出を電子申請にすることを求めていますが、小規模の健康保険組合では電子化に対応できていません。今後の組織の存続にも関係することでしょう。

健康保険組合と似たもので厚生年金基金があります。これは厚生年金の一部の運用を代行できる組織でして法律で認められているものですが、最近この厚生年金基金の解散が急増しています。理由は、少子高齢化のため、現在厚生年金基金を受給している人たちへの給付に対して、保険料を納付する人たちの減少。


産経ビズから
生協の健保組合、高齢者分負担重荷 解散決定、協会けんぽ移行
2018.7.16 05:00  

 全国の生協(コープ)の従業員や扶養家族約16万4000人が加入する「日生協健康保険組合」は、本年度いっぱいで解散し、来年4月から中小企業向けの協会けんぽに移ることを正式に決めた。高齢者医療への拠出金負担で保険料が上昇しており、協会けんぽへ移れば保険料率が下がることが主な理由。
 生協本体の事業には直接影響はない。
 10日の組合会で4分の3以上の賛成を得て議決した。来年2月に厚生労働相に解散の認可を申請する予定。加入者の移行に伴い、国が協会けんぽに出している補助金が数十億円増える見通しで、その分、国民負担が増すことになる。

 健保組合では、派遣社員ら約48万6000人が加入する「人材派遣健康保険組合」も、本年度末での解散と協会けんぽへの移行を検討している。

 日生協健保組合は2007年度から赤字が続き、現在の保険料率は10.7%(労使折半)と協会けんぽの10.0%を上回る。今後も上昇が見込まれ、健保組合を維持する利点が少なくなった。スポーツクラブの利用契約など独自の保健事業は事業主負担での維持を求めていくが、一律に残すのは難しいとみられる。

http://www.sankeibiz.jp/business/news/180716/bsg1807160500006-n1.htm

そもそも健保組合に加入するのは、協会けんぽに比べて、健康保険料が安いからだったのですが、この記事あるように、「協会けんぽへ移れば保険料率が下がる」とは、健康保険組合に加入する理由がなくなります。

また、「高齢者医療への拠出金負担で保険料が上昇」とありますがその根拠が大和総研のレポートからわかります。
総世帯数の5%にも満たない「標準世帯」
2018年07月10日
金融調査部 研究員 是枝 俊悟

夫が働いて収入を得て、妻は専業主婦、子どもは2人の4人世帯——この家族構成のことが「標準世帯」と呼ばれ、家計の税や社会保障の給付・負担などを計算する上でのモデルケースとして扱われることがしばしばある(※1)。筆者も、何らかの制度改正の際には、まずは標準世帯における影響を試算することが多かった。

総務省(当時は総理府)の「家計調査」において標準世帯の調査・集計が始まったのは昭和40年代で(※2)、この頃に標準世帯という用語が一般化したようである。日本の世帯を世帯人員と有業者数(※3)で分類すると、昭和49(1974)年時点では、世帯人員が4人で有業者数が1人である世帯が最多で、総世帯数の14.56%を占めた。当時としては、「4人世帯・有業者数1人」こそが標準世帯であり、この世帯における収支の動向が日本の縮図を示すと言っても差支えなかっただろう。

しかし、時代とともに世帯構成は変わっていく。昭和63(1988)年の時点では、世帯数のトップは有業の1人世帯に代わり、「4人世帯・有業者数1人」は2番目に後退、シェアも9.67%に低下した。

平成の時代に入っても1人世帯の割合は上昇し続ける。平成29(2017)年現在では、世帯数のトップは無業の1人世帯に代わっている。「4人世帯・有業者数1人」は世帯数で9番目の存在でしかなく、シェアは4.60%だ。また、「4人世帯」の中では有業者数1人よりも有業者数2人の世帯(シェア6.82%)の方が多い。

「標準世帯」は日本の総世帯数の5%にも満たず、もはや日本の縮図とは言えない。高齢者のみの世帯や単身世帯、夫婦共働きの世帯なども日本の総世帯数の相当の割合を占めている。このことは、制度改正の家計への影響を考える際に、自戒も含め、強く意識しておきたい。
https://www.dir.co.jp/report/column/20180710_010074.html

この通りに、「4人世帯・有業者数1人」という昭和の時代での社会制度の設計は運用できなくなってます。平成29年では無業の一人世帯がトップになっていますが、高齢者の一人暮らしでしょう。
また、専業主婦は減少の一途をたどって、少数派になっています。

前提条件が変わっているのですから、公的健康保険制度の改革をしなければなりません。
そうです、全国民を国民健康保険の対象者にするのです。
国民健康保険にすれば、保険料を国民健康保険税にすることが出来、マイナンバーを活用すればもれなく保険料を徴収できるでしょう。
マイナンバーとはそのためのものなのでしょうから。