毎年10月から地域別最低賃金の改定が行われます。
最低賃金は、憲法で定められた、「最低限度の生活」を根拠としているので、労働基準監督署は絶対に妥協しません。この地域別の最低賃金のほかに職務別の最低賃金もありますが、その職種別最低賃金は毎年12月から改定され、地域別の最低賃金よりも金額が高く設定されています。

読売新聞から引用します。

最低賃金アップ 継続へ中小企業の支援強化を

2018年07月26日 06時05分
 賃金の底上げは、働く人の意欲を高めるとともに、消費を刺激して景気拡大を後押しする。企業が賃金アップに耐え得る環境作りが大切だ。

 2018年度の最低賃金改定について、厚生労働省の中央最低賃金審議会が目安を決定した。時給を全国平均で26円引き上げ、874円とする。昨年度の25円を上回り、時給表示となった02年度以降で最大の上げ幅だ。

 引き上げ率は3%で、政府が目標に掲げる「年率3%程度」を3年連続で達成した。労使の意見に隔たりは大きかったが、政府の意向に沿う結果となった。

 最低賃金は、企業が労働者に支払わねばならない最低限の時給だ。全労働者に適用され、経済状況を踏まえて毎年改定される。

 今回の目安額を参考に、都道府県ごとに地域の実情を勘案して実際の引き上げ幅を決める。着実な実施が望まれる。

 好調な企業業績と労働力人口の減少を背景に、人手不足感が強まっている。企業は人材確保のために、パートなどの時給を引き上げている。最低賃金の大幅アップには適した環境にある。

 日本の最低賃金は、標準的な賃金の4割にとどまり、先進国の中で低水準だ。非正規雇用の賃金が低くなる要因である。パートの賃金水準は正社員の6割程度で、欧州の7~8割を下回る。

 政府は、中期的に最低賃金を1000円にする目標を掲げる。

 非正規雇用や中小企業で働く人にとって、最低賃金の上昇は暮らし向きに直結する。昨年度の改定では、小規模事業所で働く人の12%に賃上げが必要になった。波及効果は小さくない。労働者全体の賃金改善につなげたい。

 パートなどの賃金が上がれば、正社員への移行を進める企業が増えることも期待できる。

 重要なのは、中小・零細企業が賃上げを継続できるよう、収益力向上の支援を強化することだ。

 生産性を高める設備投資や、成長分野への進出を後押しする。大企業と下請けとの取引条件の改善を図る。働く人の能力開発のために、職業訓練の拡充も重要だ。

 最低賃金の地域格差は拡大している。今回の引き上げ幅の目安は、東京都などの27円に対し、沖縄県などは23円だ。時給の最高額と最低額の差は225円にもなる。

 労働者の生計費や企業の支払い能力を反映した結果だが、過度な格差は働き手が地方を敬遠する要因となろう。いかに地域間のバランスを取るかが課題である。
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20180725-OYT1T50130.html

最低賃金ではどのような生活を送れるかはご想像の通りです。
平成30年7月現在の東京都の最低賃金は時給958円です。1日の労働時間が8時間で月間労働日が22日の場合で約168,000円です。
これが高いか安いはわかりません。

それはそうとして、有期雇用労働者や派遣労働者等の、いわゆる非正規雇用者を助けるのであれば、これらの人に適用する最低賃金は地域別最低賃金よりも高く設定するべきです。有期雇用や派遣で働かざるを得ない人たちはそれだけで不安定なのですから、このような人たちの生活を守るために非正規雇用者向けの最低賃金を最低でも30%以上高く設定するべきです。

企業が非正規雇用者を使うかというと、人件費を抑制したいからでしょうから、非正規雇用者を雇用しても人件費の抑制ができないようにすれば、非正規雇用者を雇用するよりも正社員を雇用することになるでしょう。

なので、政府が本当に非正規雇用者を救いたいのであれば、非正規雇用者向けの最低賃金を設定しなければなりません。

まあ無理でしょうね。財界の要請で、働き方改革をゴリ押ししてしまったのだから。

20180404給料袋と現金