今年の9月から派遣労働者に関する法律が改正され施行されました。
今回の改正で注目されているのが「3年ルール」というものです。この3年ルールとは、簡単に言うと、「同じ事業所の同じ部署について同じ派遣社員の派遣を受けることができるのは最大で3年まで」というルールです。これには派遣先と派遣元企業が納得する落としどころがあります。
「同じ事業所の同じ部署」と「3年」がそれです。3年にならないうちに別の部署で再派遣すれば違法ではなくなります。その後の運用はご想像にお任せします。

なぜこのような落とし所があるのかというと、派遣先企業にとって派遣社員は商品なので、派遣先に雇用されると派遣元企業の売上が少なくなります。
一方の派遣先企業も同様に不都合が生じます。具体的には、福利厚生と解雇です。福利厚生費とは社会保険料、所得税や住民税の納付業務ですが、派遣先企業の本音としては、解雇の方が派遣を使う理由になります。現在の労働関係法令では、解雇することが難しいので、無期雇用での採用を躊躇しているところが多いのです。しかし、派遣であれば、何らかの理由をつけて派遣元企業に相談すれば当該派遣労働者は別の企業に派遣されるため、実質的に解雇できて、余計な労働トラブルが発生にしにくいのです。

ここで朝日新聞デジタルの記事を引用
派遣社員の4割、正社員希望 実態は狭き門 厚労省調査
松浦祐子2018年10月17日19時34分

 派遣社員の4割が「今後は正社員で働きたい」と考えていることが、厚生労働省が17日発表した2017年の実態調査で分かった。ただ、調査では派遣社員が派遣先で正社員に採用されにくい実態も浮き彫りになり、「狭き門」の状態が続いている。

 調査は4~5年ごとで、今回で4回目。17年9~11月、従業員5人以上の事業所を対象に同年10月1日時点の状況を尋ね、1万158事業所、派遣社員8728人から回答を得た。

 派遣社員に今後の働き方の希望を尋ねたところ、「正社員で働きたい」が39・6%で最も多く、「派遣社員」が26・8%、「パートなど」が5・4%で続いた。正社員を望む人の勤務希望先は、「今の派遣先」が最多で56・8%だった。

 一方、派遣社員が働く事業所のうち、「派遣社員を正社員に採用する制度がある」のは24・4%だった。また、「過去1年間に正社員に採用したことがある」のは、制度がない事業所を含めて13・0%にとどまった。

 派遣社員をめぐっては、15年…
https://www.asahi.com/articles/ASLBK3JXCLBKULFA00D.html?iref=pc_ss_date

この記事にあるように、派遣先企業は、派遣社員を正社員に採用したくないのです。
派遣労働者を使う最大の理由は、実質上の解雇が簡単だからです。

20181018そうだと手を打つ男