働き方改革の大きなテーマの一つである「同一労働同一賃金」よりも、派遣労働者や有期雇用労働者の最低賃金を上げる方が簡単に格差が縮小できそうですが。

日経電子版に派遣労働者の賃金上昇の記事が掲載されてます。

3月の派遣時給2.4%上昇 民間調査、過去最高に 
2019/4/18 15:24
人材サービス大手のエン・ジャパンが18日発表した3月の派遣社員の募集時平均時給は、三大都市圏(関東、東海、関西)で前年同月比2.4%(37円)高い1572円だった。これまで過去最高だった2016年9月(1571円)を上回った。新年度を控えて事務スタッフの需要が拡大し、時給を押し上げた。

平均時給の前年同月比プラスは10カ月連続。職種別ではオフィスワーク系が同1.3%(20円)高い1572円と5年7カ月連続でプラスだった。高い時給でも経験者を希望する企業が多いという。システムエンジニアなどIT(情報技術)系は2230円と6.3%(132円)上昇した。

同業大手のディップが同日発表した3月の派遣社員の募集時平均時給は三大都市圏で前年同月比3.4%(48円)高い1480円だった。同社のサイト「はたらこねっと」に掲載された3月の求人件数は約13万3000件と25%強増えた。データ入力や一般事務の求人が伸びたという。

一方、リクルートジョブズが発表した3月の募集時平均時給は三大都市圏で同2.5%(41円)安い1629円だった。オフィスワーク系は上がったが、営業・販売・サービス系が下がったとしている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43889560Y9A410C1QM8000/

なぜ派遣労働者や有期雇用者を使うかを考えると、理由は2つでしょう。
まず、人件費を低く抑えられること、つぎに雇用契約終了が容易であること。

人件費が低く抑えられるというのは、時間給分の賃金だけで良くて、社員には必要な社会保険料をはじめとする法定福利費、教育研修費、各種福利厚生費が不要です。

雇用契約の終了が容易なのは、派遣社員であれば派遣元会社との契約で期間満了にしやすいし、有期雇用者であれば採用時に雇用期間を明示して雇用契約を締結すれば期間満了で容易に雇用契約を終了することができます。

そこで問題になっている、同一労働同一賃金。
現在では、同じ職務をしている社員と派遣労働者・有期雇用者の間で給料に著しい格差があります。これを是正させるための施策が、同一労働同一賃金です。そのためには、各人の職務内容と会社から求められる職内容を徹底的に洗い出して、分解して、人員配置のやり直しが必要になり、極めて膨大な時間と経費がかかり、困難になります。

そして、この同一労働同一賃金に飛びつく悪質なコンサルタントや士業者が出てきて、何百万円もの膨大なコンサルタント料金を提示しています。

そんなことよりも、この格差を縮小させるには最低賃金を変更すればよいのです。
現在、最低賃金は、地域別最低賃金と産業別最低賃金がありますが、それに加えて「派遣・有期雇用者の最低賃金」を設定します。もちろん、地域別、産業別最低賃金の1.5倍くらいにすれば、経営者側も安易に派遣労働者や有期雇用者を使うことに一定のハードルが上がるでしょう。

それにしても、労働組合はなぜこのようなことを言わないのでしょうか?
おそらく、社員と派遣労働者・有期雇用者の格差が縮小すると都合が悪くなるのかな?

20190419男性工場労働者