2024年09月03日
『エターナル・メモリー』
『エターナル・メモリー』は、消えゆく夫の記憶を支えて生きる妻のドキュメンタリーだが、夫はチリの軍事独裁政権時代に反権力のリポートを続けた有名ジャーナリスト、妻は民主政権に戻った時代に文化大臣も務めた女優という組み合わせで、それぞれの若い時の映像がフラッシュバックし、二人だけでなく、チリの歴史も肌で感じられる痛み。
1970年に社共連合の力でアジェンデ大統領が生まれ、日本も選挙で革命を目指す不破哲三が「チリのように」と言っていたのでチリをずっと注目していて「日本も社共で民主連合政府を作る。選挙で革命だ、血は流れないぞ」と思っていた高校生の金子君はあっと言う間にアジェンデ政権がCIAによって潰され軍部クーデターでアジェンデ大統領は官邸で自決するニュースを見て・・・ヘナヘナとなってしまう金子君に連合赤軍事件のダブルパンチで「革命」という言葉からリアリティが消えていった・・・
でも、チリではずっと民主勢力が抵抗していて、多くの犠牲のうえ、17年後にまた選挙で軍事独裁政権を破り、民主政権が復活したのであった。その活動をしていたのがこの夫アウグスト、妻パウリナで、輝かしい記憶がある。その記憶が消えていってしまう切なさを深い愛情が包んでいる美しい映像で辛さも増す。映画としても美しい。
金子由里奈がフライヤーにコメントを寄せている。
1970年に社共連合の力でアジェンデ大統領が生まれ、日本も選挙で革命を目指す不破哲三が「チリのように」と言っていたのでチリをずっと注目していて「日本も社共で民主連合政府を作る。選挙で革命だ、血は流れないぞ」と思っていた高校生の金子君はあっと言う間にアジェンデ政権がCIAによって潰され軍部クーデターでアジェンデ大統領は官邸で自決するニュースを見て・・・ヘナヘナとなってしまう金子君に連合赤軍事件のダブルパンチで「革命」という言葉からリアリティが消えていった・・・
でも、チリではずっと民主勢力が抵抗していて、多くの犠牲のうえ、17年後にまた選挙で軍事独裁政権を破り、民主政権が復活したのであった。その活動をしていたのがこの夫アウグスト、妻パウリナで、輝かしい記憶がある。その記憶が消えていってしまう切なさを深い愛情が包んでいる美しい映像で辛さも増す。映画としても美しい。
金子由里奈がフライヤーにコメントを寄せている。
2024年08月30日
『箱男』
『箱男』はファーストシーンからカッティングと音楽でノセてくれる。自由な作りでワクワする。ロックってやつ? 原作は高校時代に出た時、文学好きは皆読んでいたな。安部公房の新作が出たというのがニュースだった。歴史的な文豪というイメージだったから。その読んだ内容の記憶は殆ど無いが、箱男のビジュアルイメージはそのまま、こういう感じだ。箱の中はどうなっているのか・・フムフムこうなっているのか、映画のマジックだな。アクションが変わっていて面白い。また見たくなる毒もある。
石井岳龍、健在、健在で狂っているのが嬉しい。
石井岳龍、健在、健在で狂っているのが嬉しい。
2024年08月29日
『フォールガイ』『ソウルの春』
『フォールガイ』は予告で「スタントマンが仕事だと思って受けたら実際の犯罪に巻き込まれる」というストーリーだと思って、出だしはその通りに快適にスタートしていったが・・・いや、確かにそうなのだが、そうすると復帰の仕事をPから受けた時点でアレはすでにアレしてたって訳?そうなのか変だな〜
カメラオペレーターからメジャー作品監督に抜擢された役をエミリー・ブラントが魅力的にやっていて、オペレーターの時と監督の時の差が上手く出ている。どちらも優秀そうでエミリー史上ベスト級か。
ライアン・ゴズリングもスタントマンというよりスーパーマンで、もうちょっとリアリティがあるアクションじゃないとこの設定では乗り切れんなあワシは。でも、これが今のハリウッド映画で、「もうちょっとリアリティを」の考え方は「それじゃスーパーヒーローものに勝てん」の考え方に負けてしまうんだろうな。で、ガンガン金注ぎ込んで負けないと分からないスゴい世界だ。
『ソウルの春』は見るこちらの基礎知識が足りないけれど驚きハンパない。朴の次の大統領の記憶なんか、ないもんね。
ファン・ジョンミンは全斗煥に良く似ていたけど、あの人がこういうキャラだったとは知らなかった〜。盧泰愚は似てないよね? 最初に「フィクション」だと出るけど、殆ど事実なんでショと思って見たがフィクションの部分もあるんだろうけど、それがどこだか分からない、こんなに死んでるの?
こういう2作品、映画祭で見て喋りたい。
「けもやん」さんより(@johniewalk83901)
はじめまして。僭越ながら。チョンウソン演じる片方の主人公は創作だそうです。ただ記録こそ消されているがクーデターに反発した軍人がいたにはいたらしく、これが作品の基になっているようです。
カメラオペレーターからメジャー作品監督に抜擢された役をエミリー・ブラントが魅力的にやっていて、オペレーターの時と監督の時の差が上手く出ている。どちらも優秀そうでエミリー史上ベスト級か。
ライアン・ゴズリングもスタントマンというよりスーパーマンで、もうちょっとリアリティがあるアクションじゃないとこの設定では乗り切れんなあワシは。でも、これが今のハリウッド映画で、「もうちょっとリアリティを」の考え方は「それじゃスーパーヒーローものに勝てん」の考え方に負けてしまうんだろうな。で、ガンガン金注ぎ込んで負けないと分からないスゴい世界だ。
『ソウルの春』は見るこちらの基礎知識が足りないけれど驚きハンパない。朴の次の大統領の記憶なんか、ないもんね。
ファン・ジョンミンは全斗煥に良く似ていたけど、あの人がこういうキャラだったとは知らなかった〜。盧泰愚は似てないよね? 最初に「フィクション」だと出るけど、殆ど事実なんでショと思って見たがフィクションの部分もあるんだろうけど、それがどこだか分からない、こんなに死んでるの?
こういう2作品、映画祭で見て喋りたい。
「けもやん」さんより(@johniewalk83901)
はじめまして。僭越ながら。チョンウソン演じる片方の主人公は創作だそうです。ただ記録こそ消されているがクーデターに反発した軍人がいたにはいたらしく、これが作品の基になっているようです。
2024年08月26日
湯布院映画祭最終日
湯布院映画祭ラス前日から始まった新作上映とゲストを呼んでのシンポジウムは
1)杉田雷麟&寛一郎主演、飯島将史脚本監督『プロミストランド』(大盛況)。最終日は朝から
2)蓮佛美沙子&伊藤万理華主演、有働佳史脚本監督『女優は泣かない』(女優は来ず、M!LK吉田仁人のみ出席。吉田ファンで会場満パイ)
3)桜坂46藤吉夏鈴&高石あかり主演、小林啓一監督『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる』(高石あかりのみ出席でも盛況)。クロージングは
4)ADHDだと自ら公言している君塚匠監督が自分も出演してのドキュメンタリーとドラマの融合作品『星より静かに』であった。(渡辺真起子、蜂丸明日香、内浦純一 出席)
聞くと、これも最終回としてはかなり盛況で、今回は入場者数が例年より多いらしい。
これで自分の映画含め、映画祭上映作品全14本ちゅう『再会』除いた13本を鑑賞。映画漬けの四日間であった。
振り返るとアイドル映画特集なら小泉今日子が無かったな・・桜田淳子もなあ・・シンポジウムは人の頭でパネラーの顔が見えなかったな・・とか思いながらラストパーティに参加。
湯布院の名旅館の料理人たちが作ったオードブルを振る舞われ、会場はごった返す。連日飲んでいたのでもうビールはいいがな〜と思いながらも口を湿らす。
ある方から「全上映作のなかで『香港パラダイス』が一番良かった。あんな魅力的なヒロインのスラップスティックコメディーが日本にあったっていう発見に驚いた」なんて言われ、周囲もウンウンとうなづいてニコニコ。僕も口が耳まで裂けていたに違いない・・・
1)杉田雷麟&寛一郎主演、飯島将史脚本監督『プロミストランド』(大盛況)。最終日は朝から
2)蓮佛美沙子&伊藤万理華主演、有働佳史脚本監督『女優は泣かない』(女優は来ず、M!LK吉田仁人のみ出席。吉田ファンで会場満パイ)
3)桜坂46藤吉夏鈴&高石あかり主演、小林啓一監督『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる』(高石あかりのみ出席でも盛況)。クロージングは
4)ADHDだと自ら公言している君塚匠監督が自分も出演してのドキュメンタリーとドラマの融合作品『星より静かに』であった。(渡辺真起子、蜂丸明日香、内浦純一 出席)
聞くと、これも最終回としてはかなり盛況で、今回は入場者数が例年より多いらしい。
これで自分の映画含め、映画祭上映作品全14本ちゅう『再会』除いた13本を鑑賞。映画漬けの四日間であった。
振り返るとアイドル映画特集なら小泉今日子が無かったな・・桜田淳子もなあ・・シンポジウムは人の頭でパネラーの顔が見えなかったな・・とか思いながらラストパーティに参加。
湯布院の名旅館の料理人たちが作ったオードブルを振る舞われ、会場はごった返す。連日飲んでいたのでもうビールはいいがな〜と思いながらも口を湿らす。
ある方から「全上映作のなかで『香港パラダイス』が一番良かった。あんな魅力的なヒロインのスラップスティックコメディーが日本にあったっていう発見に驚いた」なんて言われ、周囲もウンウンとうなづいてニコニコ。僕も口が耳まで裂けていたに違いない・・・
2024年08月24日
湯布院映画祭2日目で『香港パラダイス』上映
本日の湯布院映画祭は朝10時から16歳の高峰秀子主演『秀子の応援団長』は日米開戦の前だから野球のシーンもストライク、ボール、ワンツースリーと英語を使っている。
やっぱりデコちゃん、顔小さくて可愛くてスタイル良くて芝居上手くてすばしこい感じ。
社長令嬢秀子が応援歌を作ると叔父さん監督の弱小職業野球チームがどんどん勝ってゆく話でテンポいい。秀子がものを食べるシーンが多く、親しみがもてる。
やはり日本人はお嬢様、お姫様映画好きなんだな。それがアイドル映画につながっている。
11時20分から吉永小百合主演・西河克己監督63年作『伊豆の踊子』はTVで見たことあったがスクリーンは初めて。実に格調高い作りだが、踊り子を小百合が演じると差別された貧しさが今ひとつ足りないかな、豊かな溌剌さを感じさせてしまう。とてもいいんですけどね。「学生さん、活動連れてってくださいね」が耳に残り当時流行したのでは?・・・百恵の踊子の方が貧しさは出ていたかも。そう言えば昨日の『泥だらけの純情』の百恵は、大富豪の令嬢としてはリッチ感が薄かったかもな・・・
続いて13時からの浅田美代子主演・山根成之監督74年作『あした輝く』は僕が推薦したので上映前に説明させて欲しいと小原実行委員と登壇。
「小原さんは美代ちゃんなら『幸せの一番星』がいいと言ったが、僕は『ばかもの』で浅田さんに成宮君の母親をやってもらって素晴らしかったんだけど『幸せの一番星』の延長線にはとても思えなかった。『幸せ〜』は可愛いだけで物足りず、当時は次の『あした輝く』は見なくていいや、と思ってしまい見なかったんだけど、後から考えると浅田さんは『あした輝く』で変わったのでは?と思い、見ていないけれどコレを湯布院でやったら浅田さんも来てくれるのではないか、浅田さんと一緒に見たいと思ったんです」と未見を告白。小原さん、その場でびっくり仰天。
事実、浅田さんは純粋にスケジュールの問題だけで来てくれる意思はあったようで、最近CSや上映会で『あした輝く』が見られる機会が急に増えているのだが、これは湯布院で上映という情報がキッカケになっているのではないだろうか?今まで全然顧みられなかったのに。
ということで初めて見た『あした輝く』は、『さらば夏の光よ』以前のまだ下手な(失礼)山根茂之監督の過剰テクニックで冷や汗かく出だしで低予算の満州であるが、次第に脚本構成で感情を盛り上げ、浅田さんの熱演もあって最後には泣かされてしまったよ。やっぱりこの役が浅田さんの原点になっているハズだ、と確信。
続いての14時40分〜斉藤由貴主演『香港パラダイス』超ウケの話は温泉入ってから・・・
『リンキング・ラブ』もだが、『香港パラダイス』が湯布院映画祭で上映される日が来るとは思っていなかった。やれば「お祭り映画」という感じなのでピッタリであったが、勝手に湯布院向けではないだろうと・・いや、別にやると想像することもなかったから、ですね。
『リンキング・ラブ』は厳しいシンポジウムでは「メンバーの一人一人が描かれたうえにラストに全員で歌い踊るミュージカルへ至る構成が感動的だ」と言ってもらい、『香港パラダイス』は90年の上映時よりも面白がって受け取られた気がする。ギャグが笑いを取っている。どぎつい批判とか長年覚えていたが、これで忘れたワイ。
上映後、舞台でのトークショーでは、高間賢治さんもノッてくれて、40分あったが高間さんは20分ぐらいだと錯覚しているようだった。
ただやはりプリントは5年前に神保町シアターで見たのと同じもので、小林薫のボロ車が停止するとドアが外れるシーンで、停車場面がなく、いきなりドアが落ちるようになっていた。巻頭なのでその部分が失われているままだ。ニュープリントしなくては復活出来ないが、そんな機会はないだろう。
それでも、斉藤由貴の体当たりコメディエンヌぶりによって香港〜日本〜香港と突っ走る予想つかない展開は、上映時よりも今見た方が面白いと感じる時代になっているようで、初見の人も多かったが、再見の人からも「これが金子さんのピークじゃないか」とまで言われ、そういうことは他の映画でも良く言われるもんで何ゆーとんじゃいピークはこれからじゃと思うが、別に不快ではなかった面白がってくれてるなら。
34年前に由貴ちゃんの衣装合わせで黒のタイトミニ選んで良かった😃
やっぱりデコちゃん、顔小さくて可愛くてスタイル良くて芝居上手くてすばしこい感じ。
社長令嬢秀子が応援歌を作ると叔父さん監督の弱小職業野球チームがどんどん勝ってゆく話でテンポいい。秀子がものを食べるシーンが多く、親しみがもてる。
やはり日本人はお嬢様、お姫様映画好きなんだな。それがアイドル映画につながっている。
11時20分から吉永小百合主演・西河克己監督63年作『伊豆の踊子』はTVで見たことあったがスクリーンは初めて。実に格調高い作りだが、踊り子を小百合が演じると差別された貧しさが今ひとつ足りないかな、豊かな溌剌さを感じさせてしまう。とてもいいんですけどね。「学生さん、活動連れてってくださいね」が耳に残り当時流行したのでは?・・・百恵の踊子の方が貧しさは出ていたかも。そう言えば昨日の『泥だらけの純情』の百恵は、大富豪の令嬢としてはリッチ感が薄かったかもな・・・
続いて13時からの浅田美代子主演・山根成之監督74年作『あした輝く』は僕が推薦したので上映前に説明させて欲しいと小原実行委員と登壇。
「小原さんは美代ちゃんなら『幸せの一番星』がいいと言ったが、僕は『ばかもの』で浅田さんに成宮君の母親をやってもらって素晴らしかったんだけど『幸せの一番星』の延長線にはとても思えなかった。『幸せ〜』は可愛いだけで物足りず、当時は次の『あした輝く』は見なくていいや、と思ってしまい見なかったんだけど、後から考えると浅田さんは『あした輝く』で変わったのでは?と思い、見ていないけれどコレを湯布院でやったら浅田さんも来てくれるのではないか、浅田さんと一緒に見たいと思ったんです」と未見を告白。小原さん、その場でびっくり仰天。
事実、浅田さんは純粋にスケジュールの問題だけで来てくれる意思はあったようで、最近CSや上映会で『あした輝く』が見られる機会が急に増えているのだが、これは湯布院で上映という情報がキッカケになっているのではないだろうか?今まで全然顧みられなかったのに。
ということで初めて見た『あした輝く』は、『さらば夏の光よ』以前のまだ下手な(失礼)山根茂之監督の過剰テクニックで冷や汗かく出だしで低予算の満州であるが、次第に脚本構成で感情を盛り上げ、浅田さんの熱演もあって最後には泣かされてしまったよ。やっぱりこの役が浅田さんの原点になっているハズだ、と確信。
続いての14時40分〜斉藤由貴主演『香港パラダイス』超ウケの話は温泉入ってから・・・
『リンキング・ラブ』もだが、『香港パラダイス』が湯布院映画祭で上映される日が来るとは思っていなかった。やれば「お祭り映画」という感じなのでピッタリであったが、勝手に湯布院向けではないだろうと・・いや、別にやると想像することもなかったから、ですね。
『リンキング・ラブ』は厳しいシンポジウムでは「メンバーの一人一人が描かれたうえにラストに全員で歌い踊るミュージカルへ至る構成が感動的だ」と言ってもらい、『香港パラダイス』は90年の上映時よりも面白がって受け取られた気がする。ギャグが笑いを取っている。どぎつい批判とか長年覚えていたが、これで忘れたワイ。
上映後、舞台でのトークショーでは、高間賢治さんもノッてくれて、40分あったが高間さんは20分ぐらいだと錯覚しているようだった。
ただやはりプリントは5年前に神保町シアターで見たのと同じもので、小林薫のボロ車が停止するとドアが外れるシーンで、停車場面がなく、いきなりドアが落ちるようになっていた。巻頭なのでその部分が失われているままだ。ニュープリントしなくては復活出来ないが、そんな機会はないだろう。
それでも、斉藤由貴の体当たりコメディエンヌぶりによって香港〜日本〜香港と突っ走る予想つかない展開は、上映時よりも今見た方が面白いと感じる時代になっているようで、初見の人も多かったが、再見の人からも「これが金子さんのピークじゃないか」とまで言われ、そういうことは他の映画でも良く言われるもんで何ゆーとんじゃいピークはこれからじゃと思うが、別に不快ではなかった面白がってくれてるなら。
34年前に由貴ちゃんの衣装合わせで黒のタイトミニ選んで良かった😃
2024年08月23日
湯布院映画祭初日で『リンキング・ラブ』上映
本日の第49回湯布院映画祭、朝10時から9歳の美空ひばり主演・家城巳代治監督1949年『悲しき口笛』初見。画質はそれほど悪くないが、音がちょっと残念で雑音多くセリフが聞き取りにくい。でも美空ひばりの歌はしっかり聴こえて凄みある上手さ、確かに超人気出るよねこれは。戦争で生き別れになった兄・原保美(怪奇大作戦キャップ)と妹・ひばりは随分年が離れているが、最後に会えるまでのスレ違いを何度も見せる。
家城監督は『恋は緑の風の中』のシナリオを三鷹高校に持って来て高校生の僕らの前で自ら全編朗読されて感想を募ったということがあり、僕が「8ミリ映画を撮ってるんです」と言ったら真剣に「お仲間ですな」と言われた思い出がある。その3年後に実際に映画化。このような作品を戦後スグに撮っておられたのだなあ、とシミジミ・・・
続いて野口五郎主演・斎藤耕一監督の75年作『再会』はよく覚えているからパス、
13時からモーニング娘。石川梨華・藤本美貴主演03年澤井信一郎監督『17才 旅立ちの二人』はあまり覚えていなかったので再見、63分の小品だが、しっかり作られてはいるが、ちょっと子役がしんどい、複雑な芝居させて無理だろう、でも女優二人は誠実で良かった、と見た当時も思ったことを思い出した。『デスノート前編』の直後に亡くなった高瀬比呂志さんのカメラだった。タイトルにも知り合い多い。
続いて小原実行委員から「山口百恵作品なら何がいい?」と聞かれて「コレだろ」と推薦したのが富本荘吉監督77年作『泥だらけの純情』で、上映時大林監督『ハウス』との二本立てで学生時代に見た当時でも「相当古臭い映画だな〜」と思ったが、今回の「なんてったってアイドル映画特集」にはふさわしいのではないか、と思ったもので、実際に47年ぶりに見るとその古さはかえって新鮮でハラハラする面白さ。大富豪の令嬢・百恵とチンピラヤクザ友和の命を賭けた恋で、ラストこうだったのかあ、とちょっと驚く。みんなも驚いていた。一緒に見た高間賢治さん、ケッサクだと喜ぶ。上映後、金子登壇して百恵ネタ満載のトークショー40分。ヒヤヒヤでした・・・
真嶋優ちゃん合流後の夕食を挟んで18時から『リンキング・ラブ』は大分初上映で大ウケ拍手喝采、これは映画祭向きの映画でしたね盛り上がるよ。上映後のシンポジウムも好意的な正確な批評的意見を浴び、happyな気分となりました。
懇親会では乾杯の音頭でひとこと・・
「40年前の監督第一作『濡れて打つ』は第9回の湯布院映画祭に上映され、ご招待頂きましたが、その時月曜ドラマランド『ザ・サムライ』を撮っていたので行けなかったのを直接、亡くなった伊藤雄さんと電話でやり取りして『映画ならともかくテレビですかあ』と露骨にガッカリされた。
以来、しばらく来られなかったけれど、編集の冨田功さん特集の時から来ていまして今回4回目、脚本家特集の時に『監督と脚本家は映画の両輪』と言ったら、西岡琢也さんから『嘘つけえ、心にもないことを言うなあ』とヤジられた思い出があります。映画ファンの一人として映画ファンと一緒にスクリーンを見つめる幸せをかみしめ、また思い出を作りたいです」
家城監督は『恋は緑の風の中』のシナリオを三鷹高校に持って来て高校生の僕らの前で自ら全編朗読されて感想を募ったということがあり、僕が「8ミリ映画を撮ってるんです」と言ったら真剣に「お仲間ですな」と言われた思い出がある。その3年後に実際に映画化。このような作品を戦後スグに撮っておられたのだなあ、とシミジミ・・・
続いて野口五郎主演・斎藤耕一監督の75年作『再会』はよく覚えているからパス、
13時からモーニング娘。石川梨華・藤本美貴主演03年澤井信一郎監督『17才 旅立ちの二人』はあまり覚えていなかったので再見、63分の小品だが、しっかり作られてはいるが、ちょっと子役がしんどい、複雑な芝居させて無理だろう、でも女優二人は誠実で良かった、と見た当時も思ったことを思い出した。『デスノート前編』の直後に亡くなった高瀬比呂志さんのカメラだった。タイトルにも知り合い多い。
続いて小原実行委員から「山口百恵作品なら何がいい?」と聞かれて「コレだろ」と推薦したのが富本荘吉監督77年作『泥だらけの純情』で、上映時大林監督『ハウス』との二本立てで学生時代に見た当時でも「相当古臭い映画だな〜」と思ったが、今回の「なんてったってアイドル映画特集」にはふさわしいのではないか、と思ったもので、実際に47年ぶりに見るとその古さはかえって新鮮でハラハラする面白さ。大富豪の令嬢・百恵とチンピラヤクザ友和の命を賭けた恋で、ラストこうだったのかあ、とちょっと驚く。みんなも驚いていた。一緒に見た高間賢治さん、ケッサクだと喜ぶ。上映後、金子登壇して百恵ネタ満載のトークショー40分。ヒヤヒヤでした・・・
真嶋優ちゃん合流後の夕食を挟んで18時から『リンキング・ラブ』は大分初上映で大ウケ拍手喝采、これは映画祭向きの映画でしたね盛り上がるよ。上映後のシンポジウムも好意的な正確な批評的意見を浴び、happyな気分となりました。
懇親会では乾杯の音頭でひとこと・・
「40年前の監督第一作『濡れて打つ』は第9回の湯布院映画祭に上映され、ご招待頂きましたが、その時月曜ドラマランド『ザ・サムライ』を撮っていたので行けなかったのを直接、亡くなった伊藤雄さんと電話でやり取りして『映画ならともかくテレビですかあ』と露骨にガッカリされた。
以来、しばらく来られなかったけれど、編集の冨田功さん特集の時から来ていまして今回4回目、脚本家特集の時に『監督と脚本家は映画の両輪』と言ったら、西岡琢也さんから『嘘つけえ、心にもないことを言うなあ』とヤジられた思い出があります。映画ファンの一人として映画ファンと一緒にスクリーンを見つめる幸せをかみしめ、また思い出を作りたいです」
2024年08月22日
第49回湯布院映画祭前夜祭
本日は前夜祭の湯布院映画祭アイドル映画特集にゲスト参加するため大分行きの便に羽田でチェックイン、保安検査所でピー音はベルトであった。時間までKindleで買った京極夏彦でも読むか。ちゃんと時間通り出るだろうな。
前夜祭の映画は舟木一夫主演の「君たちがいて僕がいた」未見だが歌はこの部分は歌える。
湯布院映画祭前夜祭は、由布院駅前にスクリーンを立てかけての野外上映、その前で獅子舞が舞われ、実行委員挨拶で僕と高間賢治さんがヒトコトの後、60年前の東映映画『君たちがいて僕がいた』上映。
舟木一夫主演というより、本間千代子の可愛さ炸裂。
体育教師役の千葉真一のオリンピック目指していた鉄棒も見られる。
はにかむ舟木の前で、本間が舟木の持ち歌を歌い出す瞬間は鳥肌(は大袈裟か)・・・子供の頃、好きだったな、本間千代子、守屋弘に取られチッチ・・・わかる人はもう少ないだろ。
明日の特別上映は「リンキングラブ」明後日は「香港パラダイス」真嶋優ちゃん、高間賢治さん来ます。
前夜祭の映画は舟木一夫主演の「君たちがいて僕がいた」未見だが歌はこの部分は歌える。
湯布院映画祭前夜祭は、由布院駅前にスクリーンを立てかけての野外上映、その前で獅子舞が舞われ、実行委員挨拶で僕と高間賢治さんがヒトコトの後、60年前の東映映画『君たちがいて僕がいた』上映。
舟木一夫主演というより、本間千代子の可愛さ炸裂。
体育教師役の千葉真一のオリンピック目指していた鉄棒も見られる。
はにかむ舟木の前で、本間が舟木の持ち歌を歌い出す瞬間は鳥肌(は大袈裟か)・・・子供の頃、好きだったな、本間千代子、守屋弘に取られチッチ・・・わかる人はもう少ないだろ。
明日の特別上映は「リンキングラブ」明後日は「香港パラダイス」真嶋優ちゃん、高間賢治さん来ます。
2024年08月20日
海賊は本当にバイキング料理を食べていたのか
「世界史の裏面」という本を読んでいたら、「海賊は本当にバイキング料理を食べていたのか」の章で、食べ放題料理をバイキングと呼んでいるのは世界で日本だけで、それは帝国ホテルのレストランが当時上映中のカーク・ダグラス主演リチャード・フライシャー監督の海賊映画「バイキング」で海賊の食べ放題スタイルが豪快に描かれているのを見て名づけた、と書かれてあった。そうなのかいナルホド。監督名は本には記されてないけど、バイキングと言えばフライシャー、昔テレビで見て、確かにそういうシーンあったなあ。
(これ、Xでポストしたら8/29日現在、29万だって)(フォロワー1.3万のところ)
(これ、Xでポストしたら8/29日現在、29万だって)(フォロワー1.3万のところ)
2024年08月17日
友達天体図OCHA NORMA
2024年08月13日
『墓泥棒と失われた女神』
『墓泥棒と失われた女神』はイタリア映画なのに「クラウン」でチャールズ皇太子やってたジョシュ・オコナーがダウジング能力ある務所帰り男やっている。
ついこのあいだはゼンデイヤと三角関係のテニスプレイヤーやっていたが幅広いね。
『帰らない日曜日』のいやらしいエリートの印象が強いが、今回は渋い。
あのお婆さん、イザベラ・ロッセリーニ?『永遠に美しく』の印象が強い・・調べたらスコセッシとスコッシだけ結婚してたのね。スコセッシもバーグマンの娘だと思って・・まあ・・・アリーチェ・ロルバケル監督も「女性」って、本当にどこにも書いてないね今や、リラ・アビレス監督も、だけど。写真みないと分からない。女性だからどうだってことは無いんだが、フェリーニと比べると、女性だな、って少し思いますね。面白い映画です。内容は、金子由里奈が上手く紹介している↓
<爪の先まで映画を観る幸福に包まれる。金子由里奈が綴る『墓泥棒と失われた女神』>
ついこのあいだはゼンデイヤと三角関係のテニスプレイヤーやっていたが幅広いね。
『帰らない日曜日』のいやらしいエリートの印象が強いが、今回は渋い。
あのお婆さん、イザベラ・ロッセリーニ?『永遠に美しく』の印象が強い・・調べたらスコセッシとスコッシだけ結婚してたのね。スコセッシもバーグマンの娘だと思って・・まあ・・・アリーチェ・ロルバケル監督も「女性」って、本当にどこにも書いてないね今や、リラ・アビレス監督も、だけど。写真みないと分からない。女性だからどうだってことは無いんだが、フェリーニと比べると、女性だな、って少し思いますね。面白い映画です。内容は、金子由里奈が上手く紹介している↓
<爪の先まで映画を観る幸福に包まれる。金子由里奈が綴る『墓泥棒と失われた女神』>
kaneko_power009 at 12:34|この記事のURL│Comments(0)
2024年08月12日
『夏の終わりに願うこと』(TOTEM)
『夏の終わりに願うこと』は原題『TOTEM』で、スペイン系のキャスト名なのでスペイン映画?と思って見たらメキシコ映画だった。
大家族で抗がん治療末期の若いパパを親戚も友達も呼んで励ますパーティを開くので、7歳の娘が鼻ピアスしているママと久しぶりに祖父の家にいるパパに会いにゆき、パーティでママと共同でパフォーマンス・・それがママに肩車して長身のピエロを演じて口パクで歌うトーテムポール・・が、とても可愛く、ずっと見ていたいくらい・・その1日を、殆ど手持ちカメラで迫って撮っている。
ホームビデオのように撮っているところもある。
娘がベッドの下で携帯のAIチャットに「世界の終わりはどんな?」とか聞いたり「パパを治すのはどうすればいいの」とか・・でも、泣かせない爽やかな印象の映画。
リア・アビレス監督は10年女優やって制作側に転向、いろいろ賞を獲りまくっているが、7歳の少女になりきっている感じである。
大家族で抗がん治療末期の若いパパを親戚も友達も呼んで励ますパーティを開くので、7歳の娘が鼻ピアスしているママと久しぶりに祖父の家にいるパパに会いにゆき、パーティでママと共同でパフォーマンス・・それがママに肩車して長身のピエロを演じて口パクで歌うトーテムポール・・が、とても可愛く、ずっと見ていたいくらい・・その1日を、殆ど手持ちカメラで迫って撮っている。
ホームビデオのように撮っているところもある。
娘がベッドの下で携帯のAIチャットに「世界の終わりはどんな?」とか聞いたり「パパを治すのはどうすればいいの」とか・・でも、泣かせない爽やかな印象の映画。
リア・アビレス監督は10年女優やって制作側に転向、いろいろ賞を獲りまくっているが、7歳の少女になりきっている感じである。
2024年08月07日
シネマ&トークで『ウルトラマンマックス』
昨日は相模大野グリーンホールにて「シネマ&トーク」イベント(相模女子大学主催だが市民も参加自由)(年に1、2回やっているのが数年続いている)で、『ウルトラマンマックス』の監督回12話「超音速の追撃」36話「イジゲンセカイ」を連続上映、ゲストに今回はマックスには変身しなくて良いからねとお願いして青山草太くんに来てもらい、19年前の話で大いに盛り上がった。
お客さんは当時マックスを楽しんだ子供が大人になってDASHの隊員服をコスプレしている人が2人以上いたり、早めに整理券が履けてしまい200人近く集まって熱気ムンムン、地方から泊まり込みで来ていた人も。こんなにマックス人気あったんだ。唯一、映画になっていないウルトラマンと言われているのに。
2004年末の映画監督協会忘年会で当時は円谷プロの若手監督・八木毅さんが新しいウルトラマンをプロデュースすることになり「金子さん、メイン監督やってもらえませんか」と声をかけられ、こちらは『ホーリーランド』をやっている最中で真面目少年を演じていた青山くんが何かピッタリくるよなと円谷に推薦したら、青山くんもそれまでウルトラマンをやることを人生の目的としていたくらいで大興奮、スンナリ決まった。珍しい主役決定ケースだろう。
「ホーリーランド」では路上のカリスマ役でオーディションに来た彼と面接し、その時はウルトラマンの話など出る訳もなかったが、生き方などを話すうちに別な役にピッタリくると思ったカンがウルトラマンにも繋がった、というのは青山くんの話で思い出したのであった。
隊長役の宍戸開さんにはiモードメールで「やりませんか」と聞いたら即決、アンドロイドエリーの満島ひかりは落ちたら沖縄に帰るつもりのオーディションで決まった。
39話中6話を監督(2話は特技監督も)したマックスの撮影合間に『デスノート』が決まり、青山くんには松田刑事、満島ひかりにはライトの妹で出てもらったんだが、これはいま意外に忘れられているようだ。
会場には12話で怪獣の嫌いなロックを演奏したアクションの高橋ヨシロウさん、12話脚本の他にタイトルバックの怪獣切り絵影絵を切った弟・二郎さん、八木毅さん、円谷内で上映に協力して頂いた渋谷浩康さんも来てくれた。マックスはみんなで楽しんで作っていたんだな、と当時を振り返ったのであった・・・青山くんも、本当に変わってない、ウルトラマンまだ行けるね。
今日は早稲田松竹で『ゴールド・ボーイ』の挨拶。
お客さんは当時マックスを楽しんだ子供が大人になってDASHの隊員服をコスプレしている人が2人以上いたり、早めに整理券が履けてしまい200人近く集まって熱気ムンムン、地方から泊まり込みで来ていた人も。こんなにマックス人気あったんだ。唯一、映画になっていないウルトラマンと言われているのに。
2004年末の映画監督協会忘年会で当時は円谷プロの若手監督・八木毅さんが新しいウルトラマンをプロデュースすることになり「金子さん、メイン監督やってもらえませんか」と声をかけられ、こちらは『ホーリーランド』をやっている最中で真面目少年を演じていた青山くんが何かピッタリくるよなと円谷に推薦したら、青山くんもそれまでウルトラマンをやることを人生の目的としていたくらいで大興奮、スンナリ決まった。珍しい主役決定ケースだろう。
「ホーリーランド」では路上のカリスマ役でオーディションに来た彼と面接し、その時はウルトラマンの話など出る訳もなかったが、生き方などを話すうちに別な役にピッタリくると思ったカンがウルトラマンにも繋がった、というのは青山くんの話で思い出したのであった。
隊長役の宍戸開さんにはiモードメールで「やりませんか」と聞いたら即決、アンドロイドエリーの満島ひかりは落ちたら沖縄に帰るつもりのオーディションで決まった。
39話中6話を監督(2話は特技監督も)したマックスの撮影合間に『デスノート』が決まり、青山くんには松田刑事、満島ひかりにはライトの妹で出てもらったんだが、これはいま意外に忘れられているようだ。
会場には12話で怪獣の嫌いなロックを演奏したアクションの高橋ヨシロウさん、12話脚本の他にタイトルバックの怪獣切り絵影絵を切った弟・二郎さん、八木毅さん、円谷内で上映に協力して頂いた渋谷浩康さんも来てくれた。マックスはみんなで楽しんで作っていたんだな、と当時を振り返ったのであった・・・青山くんも、本当に変わってない、ウルトラマンまだ行けるね。
今日は早稲田松竹で『ゴールド・ボーイ』の挨拶。