2015年05月24日

トークショーのあとで……

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トークショーのあとで、あ、こう言えば良かった、と思うのは良くある話で、相模女子大ホール「おそろし」上映後のトークで、司会の先生が「金子監督は映画の監督というイメージですが、今回テレビを作られて、どうなんでしょうか?」という質問に対して、ほぼ反射的に「今やテレビと映画の区別は無くなっているんですね、双方ともデジタルで撮られているので、かつてフィルムで撮られていた映画の本質とは『1秒24コマの光と影』とか言われていたのに、その定義が崩れた現在、テレビも映画も本質は同じものとなってしまい、映画館で見るかテレビで見るかスマホで見るか、という観客状況論になっており、予算の面でも、僕自身の映画としての最新作である『少女は異世界で戦った』の予算より、この『おそろし』第一話一本ぶんの方が多かったりするんで……」という、まあ、そんな話をしてゆくしうちに、頭の奥底では違う事を考え始めていた。と、いうのは、初めて暗闇の大スクリーンで見た『おそろし』に感じたものは、役者の芝居の安定感がこの江戸時代町人文化を背景とした「宮部ワールド」に貢献している、落ち着いて見られる、それは即ち、演出の見事さと言ったら手前味噌過ぎるが、NHKという「多分ずっと将来までつぶれないであろう体制」のなかで演じている役者の精神的余裕、とでも言おうか、美術にしてもカメラワークにしても、それが一体となって世界観を醸成している、ということが分かりつつ、それって、映画全盛時代の「撮影所」に求められていたものと同じなんじゃないか、と……つまり、宮部江戸ワールドの住民は「この平和な時代がいつまでも続く」という根底の安心感のなか、時代の変遷には影響されない人情というものが、時として邪悪な面を見せ、人は傷つき翻弄され闇も生まれる物語なので、背景の「時代の安定感」が重要になり、実は、そういうことは映画全盛時代の時代劇一般にも言えたのだろう、と。一方、『少女は異世界で戦った』は現場的にも「将来なんて無い、いつツブれてもおかしくない体制」で撮られ、アクションにつぐアクションを美少女の肉体を酷使して作り上げた金子ワールドであり、物語自体も、この世界がいつまで続くのか分からない、今やこの世界は昨日までの世界とは違うんじゃないか、という不安定な世界観、パラレルワールドが見えて来る謎解きに収斂されており、一所懸命やってくれたスタッフには失礼な表現を許してもらえるなら、チープな美術やロケーションこそが、この映画世界の醸成に貢献している、という事も自ら分かったのである。だからチープさもテーマと一体なのであって、何ら恥じるものでは無い。そういう観点で来週5月27日水曜・池袋新文芸座にて「気になる日本映画」として上映の『少女は異世界で戦った』をご鑑賞頂くのも一興であるかと思います。同時上映は園子温『TOKYO TRIBE』。
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2015年05月23日

佐野史郎さんと『おそろし・曼珠沙華』上映会@相模大野

昨日は夕方より小田急線相模大野の相模女子大グリーンホール(学内では無く駅近く伊勢丹裏)で『三島屋屋変調百物語おそろし・第一話・曼珠沙華』を大スクリーンにて上映、ディレクターズトークと称して佐野史郎さんをゲストに迎え200人ほどのお客さんの前でお喋りしたが、殆ど「ウルトラQ」の話だったんで女子大生の皆さんは大丈夫だったろうか?
『おそろし』は十年近く前の初版の時に読んでいたのだが、宮部みゆきの連載が始まると聞いて朝日をちょっと止めて読売にして『あんじゅう』を読んだらアレ?おちかとか前に読んだことあるが……と思い、それが『おそろし』続編の三島屋シリーズだった事に気づき、他にもいろいろ話を集めればこれ江戸版ウルトラQになるじゃん、と思って企画出して数年を経て実現したのであったが、第一話が花の話でウルトラQのマンモスフラワーとダブったりして、佐野さんと話すとどんどんそっちへ行ってしまうのを止められない……
さて、ではシーズン2はあるのかというと、波留ちゃんが朝ドラの主役に抜擢されてしまったんで今年は無理かなあ来年かなあ……という状況……朝ドラ主演獲得には『おそろし』も貢献したのであろう。
写真を撮ると、何故か怪奇現象が起こり、ウルトラっぽくなってしまったのを証拠として残します……佐野さんには似合うかも……
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kaneko_power009 at 12:32|この記事のURLおそろし | 俳優

2015年05月17日

アメリカの戦争にまきこまれることは絶対にない?

なんだか分からないな……今度の国会では「集団的自衛権が行使された場合における自衛隊員の戦死者の扱いについて」討議されるのではないかと勝手に想像していたんだが、「アメリカの戦争に巻き込まれることは絶対に無い」って?…この前、首相がアメリカで言ったことって…あれ?…これ、アメリカではどう報道されるんだろう……「安倍首相はアメリカの戦争には協力しないと言った」という報道にはならないのだろうか……ネトウヨも「サヨクがアメリカの戦争にまきこまれるというデマを飛ばしている」とか言ってるんだが、あれ?……ちゃんと同盟国の戦いを助けなければ、こちらがヤられた時に助けて貰えないって論理だったんじゃないの…あれ?、てことは、ネトウヨもアメリカの中東での戦争にウチらが巻き込まれるのはマズいと思ってるってこと? だったら一緒に「戦争反対」って言えるんだよね。そうなんですね、日本国民は、右も左も祖国防衛戦争以外の戦争、つまり、遠い国に行っての戦争には反対でまとまってるってことでいいんですね?

kaneko_power009 at 00:47|この記事のURLComments(1)TrackBack(0)雑記 | 歴史

2015年05月07日

バードマン

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映画監督には目の毒と言われる『バードマン』観たが、大ネタ小ネタ満載だね……未見の人でもネタバレにならない程度の話題でゆくと、主役のリーガンが「ジョージ・クルーニーと飛行機が一緒だった」と呟くシーンがあって、思い出すのはマイケル・キートンがバットマンを2作で止め、3作目のヴァル・キルマーがアチャー!という感じだったが、4作目のジョージ・クルーニーも何だコイツ、とその時は思った。その後急激に芝居も上手くなって監督もやってセンス良かったりして大スターになったので免罪されているが、バットマンでのクルーニーは首振り人形みたいで駄目だったろ、みんな覚えているか?その時、つくづくキートンはバットマン止めちゃって何やってんだよと思ったもので、ハリウッドの人々もやっぱりそう思ってたのか、そういうアイロニーを利用して作ってるな……あと、代役は誰が空いているかというので実名が次々出て来る時にゴズリングと聞き取れたが、『君に読む物語』のライアン・ゴズリングのことか?あの人、そういうポジションなんだろうか、そういうところまでは分からないな……あの演劇評論家もモデルがいるんだろうな……

kaneko_power009 at 00:59|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)

2015年05月04日

憲法記念日

昨日、憲法記念日に何か呟こうと思ったが、どうにも世の中が「改憲か護憲か」に二分されてしまっているので言いにくい状況だ。十年以上前から憲法9条に関しては「戦争放棄はそのままで、自衛隊の存在を明記し、同時に集団的自衛権を禁止する」というふうに一部改変しておかないと、いつか全とっかえされちゃうから考え直した方がいいよと警告したのに全くスルーされたのを恨みごと言っても仕方無いが、今からでも遅く無いから戦略立て直した方がいいんじゃないのか。
「守る」ばかりで「攻め」が無いと負けるだろ。それに今現在、この瞬間て、考えると「憲法停止状態」と言えるのではないか?三権分立の世の中で、最高法規である憲法に即して様々な法律が施行され、その法律で我々の市民生活が守られているのに、現行憲法の良い悪いは別にしても、これだけ行政府の代表が最高法規を否定していのるって、実はつまり今の日本は「無法状態」になっているとは言え無いのだろうか?日々の不安感は、そこから来ているのではないか。裁判官たちも何が正しいのか分からない状態になっているのでは?……いえ、安心して下さい、天皇陛下は「憲法を守る」と仰ってますから、と答えればこの不安感は安らぐのだろうか?

kaneko_power009 at 01:02|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)雑記 | 歴史

2015年04月13日

『妻への家路』

『妻への家路』は切なく悲しい物語だが、チャン・イーモーはうらやましい。若きコン・リーからチャン・ツィイーを経た後、峠を超えても尚美しく凄い演技派となられたコン・リーとまた出来て…僕もまたフカツとかミポリンとか…出来ての意味が違うが…いや違わないが…その替わり、文革という深い傷を負ってるんだよな…だから映画作りで癒しているんだよな…やっと往年の中国映画祭で見たところから継続している中国映画に再会した感もあり…『罪の手ざわり』とか『So Young』とか完全に断絶していて国が変わった感じだったもんね…この国の人々は他国にあんまり興味無い、というか、その暇無いと思うよ…同じコン・リーの『きれいなおかあさん』で6歳くらいの息子を叱る言葉を思い出した…「あなたには10億人のライバルがいるのよ!」って。
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kaneko_power009 at 23:10|この記事のURLComments(1)TrackBack(0)見た映画 | 女優

2015年04月04日

キューブリック祭り

久々にキューブリック祭りで『バリーリンドン』『フルメタルジャケット』『アイズワイドシャット』を連続で観たが(池袋新文芸座)、改めて思うに、全く「分からないカット」が無く、だから分かり易いかと言うと、迷宮に迷い込むような感覚があって、絶望的で恐ろしいが、暗いのとはまた違うニヒリズムなのか、重苦しい諸々を美しく魅せてくれて、いつまでも古くならない、と思った。

kaneko_power009 at 01:10|この記事のURL見た映画 

2015年03月31日

『ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー』

3月14日(土曜)亀戸だからカメリアホールなのかと知った「南京・史実を守る映画祭」にて第一部『南京!南京!』第二部『ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー』を見て、日本人にはキツい一日だったが、何と知らない事が多いものかと思い知らされた。
当時、宣戦布告無きままに中国派遣の日本軍は圧倒的に強く、待て待てという中央の指示にも従わずに弱過ぎる中国軍を面白いように蹴散らし、首都南京をあっと言う間に攻め落としたので膨大な捕虜をキープ出来ず、「生きている捕虜は見たく無い」という司令官の言葉に従って兵士と難民の区別もつかずに殺しまくり、当時は中国人をチャンコロと呼ぶような差別意識があって民度も低かった我が祖先の一部は、子供は殺すわ強姦するわの大虐殺を繰り広げて世界から非難されたのだが、その後アメリカとの戦争になって原爆落とされ大負けして裁判やられて一億総ザンゲの相手は曖昧、中国は政権変わってアメリカの敵になったから昔の罪は黙っていたらニクソンに頭越しされて慌てた角栄さんが日中国交回復、その時周恩来が賠償は良いから仲良く援助してくれと言ったんで戦後生まれは中国への罪悪感など持たずに合言葉は日中友好となり、民度も育って今こうして南京大虐殺の事を言われても、まさかお爺ちゃんたちがそんな非道をした訳が無かろうという感情が先走り、30万人も殺せる訳が無いし、正式な戦争じゃないから正式な指示は残っていない虐殺なんて無かったんじゃないかと言う人も出て来て、確かに死者の数には疑問はあるし人々の記憶も曖昧になって来たが、問題は数じゃなかろう、知らない事が問題だろう……と、ここまで書かないと問題点が分からない状況のうえに中国自体が妙な軍事大国になって来ちゃってどうするんだ……
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シンポジウム出席の『かぞくのくに』監督ヤン・ヨンヒさんは『ばかもの』にラーメン屋のおカミで出演されてます。岩上安身さんは、体調不良のため欠席。
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kaneko_power009 at 12:09|この記事のURL見た映画 | 歴史

2015年03月27日

3.11の夜は……

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3.11の夜は恵比寿のライブハウスでハードロックをギンギンに体感していた。今は“ハードコア”と言わないといけないらしいんだが、それだと違う意味に感じてしまう……のは映画屋だけ?

お客も今まであまりお付き合いした事の無いタイプの人々で一見怖いが、ステージは熱く、売り上げは全て東北義援金になるそうで、そこに父の友人の写真家・森下一徹さんのお嬢さんみほさんが「世界ヒバクシャ展」として反核を訴え、僕もステージに上げられ、ゴジラも戦争や核の恐怖から生まれた怪獣なんだと話すと、皆さんじっと真面目に聞いてくれた。そして再び、熱く激しい演奏が始まったのである。
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……あ、最も早く3.11をお笑いで不真面目に描いた劇映画『青いソラ白い雲』の宣伝も忘れませんでした。images











311の朝の呟き……
「3.11から四年か……いろいろあり過ぎましたが……先ずは犠牲者の方々のご冥福をお祈りしつつ、その後の我国の異世界のような変貌に想いを巡らせ、正しい事をエンターテインメントに繋げたいものです……
『ソロモンの偽証』は原作読んでるんで、前編見ただけでも傑作だと分かりました。校内裁判への導入が疑問無く展開され、新人たちの演技も自然で、あの子ホントに可哀想だな……唯一、藤野涼子は尾野真知子より美人になるだろ……って、冗談くらい言わせて下さい……」

2015年03月20日

『百年の時計』〜『租谷物語』

去る3/1東京工芸大学中野キャンパスにて『百年の時計』上映と私のベシャリがあり…トークと書くのも気恥ずかしいのでベシャリが妥当か…卒業生の蔦哲一朗氏も来てくれて、だからという訳では無く前から行くつもりだった早稲田松竹『祖谷物語 おくのひと(蔦監督作)/ほとりの朔子』二本立てを最終日に見た。
祖谷物語は「いやものがたり」と読ませるのが祖師ケ谷大蔵に住んでいる者としては違和感あるが、フィルムで3年かけて撮っているのが見応え有り、リアリズムが途中からファンタジーに変化してゆくように見えるが実はファーストシーンからファンタジーだった事に気づく仕掛けが随所に散りばめられていた技巧的な作品だった。武田梨奈がアルプスの少女ハイジみたいな野性少女から都会女性までを自然に演じて驚かされ、これを見て『少女は異世界で戦った』も見れば鬼に金棒……
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『ほとりの朔子』はエリック・ロメールの『海辺のポーリーヌ』を思い出したが、こんな若い監督(深田晃司)が最初からそんな境地で撮ってんの?とチャチャ入れたくもなるが、現在の何気ない会話で過去の物語が見えて来るのが面白い。



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太賀くんは『阿久悠物語』の少年時代の阿久悠なんだぜ、とまたも自分の事にかこつけるのを許されよ、批評じゃないんだから。
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出演もしている美女・杉野希妃プロデュース作品で、怪我されていると聞いたが心配……ハリソン・フォードも心配……でも、早稲田松竹は結構お客入ってました。

2015年03月18日

27年目の『ラストキャバレー』

3/1に出演したレインボータウンFM「上野淳の東京夜会」のスタジオ生放送中、ものまね芸人なかじままりさんに初めましての挨拶をしたところ、「私は27年前の『ラストキャバレー』に出る予定だったが、衣装合わせ当日に所属事務所社長から”あれ断ったから”と言われて、無念の想いが残っています」と驚きの話を聞く。本編では橋本杏子さんが演じた流れ風俗嬢の役である。『ラストキャバレー』は純粋な日活作品ではなく、NCPとの提携作品。当時『マルサの女2』でソープランド姫を村井のりこ名義で演じたなかじまさんを、NCPの笹岡さんがキャスティングしたのだが、一般映画しかやってないなかじまさんの事務所社長が脚本を読むと、余りに過激な性描写なので遠慮した、という事だったらしい。ホン読めよ社長って話だが、なかじまさんはやる気充分で、未だにセリフも入っているので恐縮してしまった……
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kaneko_power009 at 01:40|この記事のURLComments(1)TrackBack(0)思い出 | 女優

2015年02月27日

アメリカンスナイパー American Sniper

『アメリカンスナイパー』に行ったら、内田裕也さんが来ていたので挨拶した。助監督の時、『少女娼婦けものみち』に就いてたので。132727

これは神のような映画だったが、アカデミー賞はやっぱり無理だったろう。
アメリカのヒーローは人間世界の悪だという話だからね……淡々とそれを語ってしまうイーストウッドの頭ってどんな構造になっているんだろうと思うくらいで最後までドキドキしっぱなし……
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見ていて思ったのは、集団的自衛権行使容認したい人がコレ見たら考えが変わるんじゃないかって……こんな戦争のプロの国と、70年戦争してないウチらと一緒にちょっとでも戦争したら大変な事になって美しい国が壊れるって……イラクでのアメリカの軍事行動ってどんなものだったのか具体的で良く分かるので、軍事オタクが見ても満足するんじゃないのか。日本は無理だよ、ゾッとするよ…

kaneko_power009 at 15:33|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)見た映画 | 俳優