2016年01月27日

『ガールズ&パンツァー劇場版』ちょっと騒動記(長文)微修正

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『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』マスコミ試写が始まっている
1/18、『ガールズ&パンツァー劇場版』を新宿バルト9で見た。
戦車と少女という相反するイメージの組み合わせの新趣向アニメだ。

それを観て「スイマセン、女性キャラ多過ぎて見分けつきません」とだけ、ツイッターに呟いたところ、ひと騒動もちあがった。
『ガールズ&パンツァー劇場版』を批判するつもりは全く無いので、騒動の経緯に興味のある方は、それを前提に書いておりますことをご理解下さい……


僕はTV「うる星やつら」で脚本デビューなのでアニメ界出身の……とも言え無いか、日活助監督時代にアルバイトで書いていた、という程度だから。あと「魔法の天使クリィーミイマミ」とか「銀河旋風ブライガー」とか……

昨年は劇場で223本映画を見ているが、日本のアニメは『ラブライブ』『サイボーグ009VSデビルマン』くらいしか見て無いから、最早部外者と言えよう。
部外者がファンの大勢いるところに批評的なことを書くと、怒りを買う場合が多いので、おそるおそる言ってみると……

導入部からテレビシリーズを見て無い僕のような客のために、なのであろう主役5人の少女をカリカチュアした体型にしてそれぞれの関係を簡単に紹介しつつ「華道や茶道と並んで乙女のたしなみである”戦車道”があるのだ」という強引な設定を語るが、アニメとは言え超ミニスカートの可愛い女子高生が制服のまま鋼鉄の戦車に乗り込むとエロチシズムと共にすんなり受け入れていることに気づく。

しかし彼女たちは本当の戦闘をするのか、ハッチを開いて顔出して敬礼しているが実弾が当たっても死なない設定なのか?
空気を切り裂いて飛ぶ砲弾と爆発の迫力にちょっとドキドキしながら見てゆくと、全く血も流れず傷一つ受けず、戦車がひっくり返って逆さまになって動けなくなったら白旗というルールが分かり、これはバーチャル的感覚をアニメで見せるゲームで、ドラマを目指している世界では無いんだ、と安心して見始め、敵側は戦車の中で優雅に紅茶なんか飲んでいる、ということで、敵キャラクターの方は行動を誇張しておいて初見の客にも分かり易い工夫があるのだな……

と思っていたら、戦車は敵味方各一台づつという単純な話では無く、それぞれに数台、いや数十台のパートナーがおり、その数十台にも×5の乗員がいて、それがバレー部だとか何部だとかの役割があって、これも主役たちと同じくらい可愛い、というかブスでは無い、というか「マンガの脇役」としての顔ではなく「主役級」の顔と声なので、僕のような初見の客には混乱が始まってしまう。

主役たちが細胞分裂して増殖し敵にもなった?……とは大袈裟だが、元祖アニメ脳の連想とも言える。

何故、完全なる脇役たちも主役と同じように可愛くなければならないのだろうか……この世界はAKBや乃木坂のように「すべての女子がある程度可愛い」世界観に裏付けられているのかも知れない、或はアイドルグループ乱立のイマの文化を背景にしたキャラクター造形と言えるのかも知れない、などと考えているうちに、戦車それぞれにも当然個性というものがあって、見分けるためにウサギさんなど動物の顔のマークがついており、それを頼りに見分けていこうとすると、様々な角度から描かれるのでマークが見えない時もあり、瞬間的に認識するのが難しくなっても戦車戦は容赦なく敵味方入り乱れての戦いになるので、客観的アニメスペクタクルとしては見応えがあるものの、頭の中にアバターを持ったゲームフィールドが展開されて来ない。こりゃ年のせいもあるのか……

そうするうちにゲームに参加出来ない傍観者的な感覚になってしまい、それなら単にこのスペクタクルを見ればいいはずだと思って場面場面の迫力に息を呑むが、やはり、今、その戦車には誰が、向こうの戦車には誰が乗っていて、どんなショックを受けているのか、「痛み」をアニメ的にどう描こうとしているのかが気になり出すとそれは無く、この映画をどう見ればいいのか見失われる瞬間が出て来て、疎外感を感じるオジサンの心境になる。

戦車戦それ自体は実に丁寧に描き込まれ、市街地を破壊してゆく描写……実写の戦争映画には有り得ないアニメならではの表現、それはガールズが傷一つ負わないルールから派生しており、住宅が破壊されても実際の災害イメージには結びつかないから安心してこれを見られるという発見等にも感心し、そういう創作には敬意を払いたいものだが、そればかりを絶賛するならば媚びになるかな、という想いで

「スイマセン、女性キャラ多過ぎて見分けつきません」

とだけ、ツイッターに発言した。

つまり、これはファンのためのお祭り映画なのであり、部外者は外側から分析的に何を言っても内部のファンは特に気にしない文化なのであろうし、このように細かい感想を書いても意味が無いだろう、と思って、決着したつもりだったが、すぐに

「金子修介がガルパン程度で同じ顔の女の子4,5人が見分けつかないって…この人も老いたなぁ」

と書かれると、自分の大人げなさが顔を出してきちゃったんだよなあああああ……

自分で「トシかも」と思っていても、それを人から言われると老いてはないぞおおお……違うんだよ、主役のことを言ってるんじゃないんだよ、と言いたくなってしまい、以下の画像を使って
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『ガールズ&パンツァー』女子キャラ多過ぎて見分けられんと言ったら「…この人も老いたなぁ」って言われちゃったよ。そうなのかい老いたのかい。レギュラー5人は何とかなっても、他はどうなのよ、若い衆。

……と書いた。

これならファンにも「老いた」と言われたことを気にしているオヤジの茶目っ気として、面白がってもらえるかも、と思ったのだが……
これを本当の挑発と受け取るむきもあったようなのだ。

まあ、その辺がネット言語利用の計算違いか……何を書いても、意図が伝わらない場合が起きる。

下段の画像検索して引用したものが、ファンが作った二次画像であって公式のものではなかったらしく、それを突いてくる人もいるし、悪意の皮肉を返されたり、興味が無いから覚えられないだけでしょ、という冷た〜い表現も複数見受けられ出すと、これに言い返したらどんなことになるか想像つかない、それならもう、言い返すより、この人たちに『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』の名前くらい覚えて貰おう、なにしろガルパンは興行10億になろうとするという話すら聞こえてくる、ここに網をかけない手は無いぞ、と思って以下のツイートを写真入りで出した。
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「『ガールズ&パンツァー』女性キャラ見分けつかんの問題発言で波紋を呼んでいる金子修介の新作は東映GW公開の『スキャナー記憶のカケラをよむ男』無名の美少女がファーストシーンからガルパンファンの心をつかむ。」と。










『スキャナー』は美少女モノという訳では無く、野村萬斎さんの初の現代劇で、良く出来た笑えるところもあるミステリーであって、写真の美少女は全くの無名で初演技であって主役では無いが、実は本筋と大きく関わっており、物語構成も通常のドラマを装いながら、ガルパンファンやアニメファンが見ても共感する部分があるはずだが、それを言うとネタバレになる。
とにかく見て貰いたい。
見てもらえば、アニメ顔の好きな人でも、グッと来るのではなかろうか……と、思うんだが。
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通常なら、野村萬斎+宮迫博之+杉咲花+木村文乃+安田章大(関ジャニ)という顔ぶれにはガルパンファンなどはスルーしてしまうかも知れないところ、この美少女の写真と「元祖アニメ脳」を知ってくれれば見てくれるんじゃないか……と思ったんである。

しかし、これも炎上商法だとか言われ出して、コスいだの何だのとも言われてくると、効果あるんですかね……と思い始めて、こうしてまとめていたら、昔の全然別なウルトラマンマックスの話まで「許せん」と突っ込んで来られた。

許してよ……

「金子修介監督って、ガルパンのキャラの見分けつかなかったら、知能検査とか就活筆記試験の図形比べるやつアウトだろ」というのも来たよ〜







kaneko_power009 at 07:29│Comments(14)TrackBack(0)スキャナー | アニメ

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この記事へのコメント

1. Posted by 名無し△   2016年01月24日 16:19
お気の毒に・・・
結構図星なんで過剰反応されたのかも
最近は批判に敏感ですよね
2. Posted by 名無し◇   2016年01月25日 11:59
単純に言葉が足らなかっただけです。

「戦車戦それ自体は実に丁寧に描き込まれ、背景描写等の熱意にも感心」

引用させて頂いた上記部分を先にコメントしておけば問題なかったと思いますよ。
一言感想でネガティブな表現を使えば、当然返ってくる反応もネガティブなものに決まっています。
3. Posted by 真夏日   2016年01月25日 17:41
今度は、年甲斐がない(笑)
ガルパンのコアファンである「ガルパンおじさん」の多くは、キャラの区別ついていません。名前を覚えるのは不可能に近い。なにしろおじさんなので。
水島努監督はわざとそういうキャラデザをしていはところがあって、そど子率いるカモさんチームは、チーム全員同じ顔、全員井澤詩織さんによる同じ声。
劇場版では、有名声優さんは平均5キャラくらい声を当てています。わかりようがない。おじさんだもの。
水島努監督はオリジナル作品では同様のキャラ作りをよくします。モブ扱いというより、コアなファンに向け集中力を要求します。

目的として、戦車に細かく拘ったから、国別のイメージとテーマ曲と見せ場作ったので、戦車の形くらいは区別つけて帰って。という意図が強く、
似たような戦車の違いが分かるなら、キャラの微妙な違いも区別できるだろう?とモブにも見せ場を最大限用意して、投げやりな二段仕込に暗記力が試されます。無理だけど。
4. Posted by にゃむ   2016年01月25日 23:07
私はテレビシリーズを見た上で劇場版を観た口ですが、
「一見さんは全キャラ見分けるの無理だろうなー」
と思っていたので、件のツイートも「ですよねー」ってなもんでした。
過剰反応ですよね、本当に。
5. Posted by 名無しさんチーム   2016年01月26日 22:20
過剰反応と言うか。
例えば、「宝塚歌劇団」の中の青春期とかをテーマとした映画に「女の子が多すぎて良くわからない」という感想をぶちかましたら。
カーレースを題材にした映画に「車が多くて見分けがつかない」とかコメントしたら。
普通、あきれられますよね?
もっとひどい言葉が出てきても変じゃないですよね。

まぁ、金子さんは「萌え萌え美少女アイドルもの」を見に行ったつもりだったので「計り知れないもの」に素直に感想しただけなんでしょうが。
「物差し」が違っていました。
理解するには「教養が必要」な映画ってあると思いますが、金子さんにとって「ガルパン」は勉強が必要な映画だったのでしょう。

その意味で。
「解っていない人」が「ガルパンファンにも受ける‼」とお勧めする実写映画は、「無理」ですね(笑)
6. Posted by 名無し   2016年01月27日 10:43
修正が頻繁で女々しいと非難が続くなら
75日で噂が立ち消える説に従い
Twitter上の発言をしばらく封じてみれば
心の安寧を得られませんか?
7. Posted by 金子   2016年01月27日 11:49
そういう非難は全く無いよ。
非難するの?
8. Posted by 名無し△   2016年01月27日 12:10
1でコメントしたものですがやっぱり過剰反応ですよ ツイートは誰に向けたものでもないですもの 映画の観方だって人其々なんですから、ああそうなんだと思ってスルーすればいいだけのこと 色々とああだこうだと言うのは怖いですわ
9. Posted by 名無しさんチーム   2016年01月27日 20:52
まぁあれデスねぇ1と8の方。
このブログ記事の終端を見れば解るように、金子さんは「ガルパン」に対して「コバンザメ」しようとしているわけです。
ツィートのプチ炎上も「計画通り」でしょうねえ。
コバンザメプチ炎上マーケティング。新しいかな?
それはまぁ良いんですが。
「ひっつくんだったらその大型魚の“理解”くらいはしようよ」ですかね気分的には。
ガルパンは作品的には何も複雑ではないので、別に今から勉強してもすぐ追いつけるわけですし。

しかし「みんな可愛いのが不思議」ってのは、長いことアニメファンやってて初めて見る感想でしたね(笑)
主役級と脇役に明快な容姿差別が必要って感覚は、確かに古すぎるでしょうねぇ。
10. Posted by BBB   2016年01月27日 22:55
Twitter上で後追いでいくつかのやり取りを見てましたが、第三者としては大変楽しませてもらいました。

ガルパンの世界はアニメファンでも評価が二分化するようなものなので、劇場版だけ見られたのであればなおさら入りにくいとは思います。

脇役も主役級に可愛い造形の女の子ばかりというのは金子さんの考察の通り、グループアイドル的なコンセプトで最近のアニメではもはや見慣れた光景ですね。みんな違ってみんな良いみたいな。
レストランのメニューにまずそうな料理が並んでないのと同じです。

初めてのレストランで、トマトパスタとクリームパスタくらいは見分けられても、ソースに絡まってる具材がなんなのか、唐辛子やチーズの有無がパッと見でわからないのは仕方ないです。
その様子を店を愛してやまない常連客に見咎められるのも(迷惑ではありますが)ある意味仕方ないことなのかもしれません。

またあれだけ戦車でアクションしておきながら、女の子たちが決して怪我しないという設定はTVアニメの時にもいろいろ言われたはずですけど、これも最近のアニメの傾向としてネタとして消化できるものはツッコミ入れながら受け入れていくような"ある種の"アニメオタク達の雰囲気があります。彼らはハードでシリアスな"作品"を求めてるわけではないんですね。

それでもまあガルパンTV版第一話と劇場版には、はっとするような戦車描写や、本気のごっこ遊びの魅力があって、それ故のヒットだとは思います。

だんだん自分がどの立ち位置で書いてるのか分からなくなってグダグダになってますが……最近のアニメファンをウォッチしてきた自分の雑感と監督へのエールだと思っていただければ^^;
新作楽しみにしてます。
11. Posted by しおり   2016年01月29日 08:51
5 はじめまして。私の応援しているWeb漫画家さんがガルパン好きで影響されて検索してこちらの記事にたどり着きました!
その2枚目の大人数のガルパン絵はまさしく私が応援しているcomico作家の城谷間間先生のpixivの絵でした^^
一目見てわかったのが嬉しくてコメントしてしまいました。もしお時間ありましたら城谷間間先生のWebでのご活躍も見て頂けると大変嬉しいです。失礼致しました。

12. Posted by taka   2016年01月30日 22:45
島田フミカネのキャラはぶっちゃけ見分けつかないですよね。
あるいは,みんなうすうす思ってて痛いとこ突かれたから過剰反応したのかも。
でもまあ主役は戦車だし。中の少女はネタ要員だし。

金子監督の「1999年の夏休み」心に残ってます。
これからも頑張ってください!
13. Posted by 774   2016年02月07日 22:13
とりあえず、ガメラ3は怪獣映画の頂点だと思います
あと、おれは二十代だけど、金子先生の意見に同感(爆)
14. Posted by 名無しん   2016年08月31日 19:18
ガルパンは最近のアニメでもかなりキャラ多い方だし、ましてや映画だけだとキャラの見分けはつかんでしょーな、慣れれば覚えちゃうもんだけど笑

それと、リアリティの部分だともうアニメと実写じゃ話が違いますしね〜(極端な例ノーヘルでf2戦闘機乗ったりする世界ですしアニメは笑)

まあそーゆーのも引っ括めて私はガルパンやらのアニメも、それに金子さんの作品やらも全て好みですわ(`・∀・´)

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