1999年の夏休み

2012年09月17日

カチンコ雑感

『百年の時計』イベント(『百年の時計』とラッピングされた電車が高松を走る発車式)で香川に向かう新幹線の中でカチンコについて思い出していた。

佐々木浩久監督が「シンクロカチンコに失敗すると、どんなに普段おとなしくて紳士的な監督でもきつい言葉で怒った」とツイートしてたから。

僕は25年前からカメラスタートしてカチンコ入れた後「よーいハイ!」にしてる。そうすると色々な問題が解決する。ひとつは、芝居の開始が監督のタイミングになる。
「よーいハイ」カチン!だと、それは芝居開始のタイミングが助監督に委ねられている、と言える。
下手なカチンコだったら芝居に影響するし、カチンコマンである新人助監督は大抵は下手である。
また、カチン!で俳優が不要な緊張状態になる場合が多い。冒頭に余分な力が入った芝居になる。
最初にカチンコを入れておくと、編集の時にも芝居スタート前の絵を使える場合がある。カチンコが入っているとギリギリからしか使えない。そういう事が一本の映画で二回くらいある。ただ、編集の 時、いつも自分の「よーいハイ!」を聞く羽目になる。

カチンコを画面に入れるのは相当の経験か、空間に立体を想像する才能が必要だ。カメラと被写体の間の空間を想像出来ないとカチンコは入れられ無い。大昔はそうやって若い助監督が想像力を鍛えられたのかも知れないが、僕が現場に入ったチョイ昔は既にカチンコは助監督を現場に縛りつける道具と化していた。

僕もカチンコが下手だの何処に出してんだよだのと怒鳴られ次第にカチンコを憎むようになり、監督になったら芝居開始としてのカチンコは廃止した。ロマンポルノはアフレコだったので、実はカチンコは必要無いのだった。

『1999年の夏休み』でもカチンコを使わなかった。だから深津は次の現場でびっくりしたらしい。
古い俳優さんだとカチンコが無いと落ち着かないので、自分で「カチン!」と言ってから芝居を始める人もいた。

最近は新人の助監督がお金を払って大道具さんにカチンコを作って貰っている事があり、聞くと二万円くらい出しているらしいんだが、それはプロデューサーが出してやれよと思うぞ。可哀想じゃないか、そのカチンコで怒鳴られるのにさあ。

kaneko_power009 at 17:05|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)