昭和34年のデータ完成が遅々として進まないので、ここでまだ昭和33年ネタを引っ張ることに。
昭和33年といえばフラフープ。この時代についての本を読むと必ず
「爆発的な大ブームとなったが、腸ねん転になるといった噂のためにわずか2ヶ月ほどで終わった」と記されています。
なぜかたいていは、ほんとに腸捻転になったのかどうかがぼかされています。事実はどうだったのでしょうか。
朝日新聞と毎日新聞の東京版に載った、フラフープによる子供の事故は以下がすべてです。読売は最後の「卵巣破裂」以外は未調査。
フラフープによる腸捻転が4件出てきます。そのうちの3件が千葉県八日市場市です。
じつはもう1件の匝瑳郡の小6も八日市場市の病院に入院していて、フラフープによる腸捻転4件すべてが同じひとつの病院で9日のあいだに起きています。
さらにこれら4件すべてが毎日の記事で朝日には出てきません。
最初の女の子だけは朝日も取り上げているのですが、急性盲腸炎という記述だけで腸捻転という言葉は出てきません。ちなみに「18日に千葉県八日市場市で、小学6年生女子(11)がフラフープが原因で急性盲腸炎」と微妙にずれていますが、女の子の名前と病院名は同じです。
腸捻転は急性盲腸炎と併発なのに、毎日は2回も腸ねん転を見出しに大きく打ち出してます。「大網膜が盲腸にからみ腸ねん転を併発」なんていう詳しくも怪しい記述もあって、毎日は執拗に腸捻転にこだわっていたのが判ります。
私などには卵巣破裂のほうが強烈に感じますが、毎日はこの記事は出てきません。まあ、近場でいい情報源を得たのででしょう。
フラフープ性腸捻転発祥の地である病院はかなり大きいとこみたいですけど、年譜を見るともともと結核療養所で、フラフープ騒動の前年の昭和32年に初めて内科ができて正式の病院になったみたいです。
まあ、こんな診断を下しても病院の宣伝になったりはしないでしょうから、おそらく毎日の記者のほうが突っ込んで引き出したのではないでしょうか。
事実は確かに存在するものの、情報というのはそれとはあんまり関係なく人の手によって作られるものであることが判るような気がする事例です。その情報によって全国民が狂ったように腰を振ったブームも一瞬のうちに終わらせることができるのです。なんせ2ヶ月ですから、在庫を抱えて首をくくった人もいることでしょう。
地元の新聞を読んでみれば、この診断についてもうちょっと詳しい背景が判るかもしれません。
と、ここまで書いてから、盲腸と腸捻転の関係を検索してみて、こちらのページで数日前にまったく同じ考察をしている方がいることに気付きました。
本や新聞と違って、ネットにはまだきちんと物事を分析できる方がいるようです。
しかし、ネット上でもまだまだフラフープで腸捻転はたんなる都市伝説だという思い込みが大勢を占めています。情報というのは物理法則を越えた、チョーネンテンなんかよりも遥かに妙なものであります。
つーか、昭和33年のデータ更新をしてから、フラフープについて記そうとずっと思っていてぐずぐずしているうちに先を越された。やっぱり思い立ったらすぐに出さんと情報は意味がないな。
昭和33年といえばフラフープ。この時代についての本を読むと必ず
「爆発的な大ブームとなったが、腸ねん転になるといった噂のためにわずか2ヶ月ほどで終わった」と記されています。
なぜかたいていは、ほんとに腸捻転になったのかどうかがぼかされています。事実はどうだったのでしょうか。
朝日新聞と毎日新聞の東京版に載った、フラフープによる子供の事故は以下がすべてです。読売は最後の「卵巣破裂」以外は未調査。
昭和33年(1958).11.16〔小3らがフラフープで重体〕※参考 16日に東京都荒川区で、少年(15)がフラフープをしていて、胃かいよう部分に穴が開いて胃の3/4を切ったが重体。 20日に千葉県八日市場市で、小学5年生女子(11)がフラフープが原因で急性盲腸炎と腸捻転を起こし重体。 20日に愛知県中島郡で、中学3年生(15)がフラフープが原因で急性腹膜炎で胃に穴が開いて重体。 21日に千葉県船橋市で、無職(17)がフラフープが原因で急性腹症で入院。 27日に千葉県八日市場市で、小学6年生女子(12)がフラフープが原因で急性盲腸炎と腸捻転を起こし重体。 28日に千葉県八日市場市で、小学3年生(9)がフラフープが原因で急性盲腸炎と腸捻転を起こし重体。 28日に千葉県匝瑳郡で、小学6年生(12)がフラフープが原因で急性盲腸炎と腸捻転を起こし重体。 また、狭い路地で遊んでいて車に輪を引っかけられて転倒したり、輪の結び目がほどけて跳ねて目に刺さるなど、事故が続出。 |
昭和33年(1958).11.20〔小6女子がフラフープで卵巣破裂〕※参考 奈良県大和郡山市の自宅で、小学6年生女子(13)がフラフープで遊んでいて卵巣破裂の重傷となった。市教育委員会は12.5に小中生のフラフープ全面禁止を通達した。 |
フラフープによる腸捻転が4件出てきます。そのうちの3件が千葉県八日市場市です。
じつはもう1件の匝瑳郡の小6も八日市場市の病院に入院していて、フラフープによる腸捻転4件すべてが同じひとつの病院で9日のあいだに起きています。
さらにこれら4件すべてが毎日の記事で朝日には出てきません。
最初の女の子だけは朝日も取り上げているのですが、急性盲腸炎という記述だけで腸捻転という言葉は出てきません。ちなみに「18日に千葉県八日市場市で、小学6年生女子(11)がフラフープが原因で急性盲腸炎」と微妙にずれていますが、女の子の名前と病院名は同じです。
腸捻転は急性盲腸炎と併発なのに、毎日は2回も腸ねん転を見出しに大きく打ち出してます。「大網膜が盲腸にからみ腸ねん転を併発」なんていう詳しくも怪しい記述もあって、毎日は執拗に腸捻転にこだわっていたのが判ります。
私などには卵巣破裂のほうが強烈に感じますが、毎日はこの記事は出てきません。まあ、近場でいい情報源を得たのででしょう。
フラフープ性腸捻転発祥の地である病院はかなり大きいとこみたいですけど、年譜を見るともともと結核療養所で、フラフープ騒動の前年の昭和32年に初めて内科ができて正式の病院になったみたいです。
まあ、こんな診断を下しても病院の宣伝になったりはしないでしょうから、おそらく毎日の記者のほうが突っ込んで引き出したのではないでしょうか。
事実は確かに存在するものの、情報というのはそれとはあんまり関係なく人の手によって作られるものであることが判るような気がする事例です。その情報によって全国民が狂ったように腰を振ったブームも一瞬のうちに終わらせることができるのです。なんせ2ヶ月ですから、在庫を抱えて首をくくった人もいることでしょう。
地元の新聞を読んでみれば、この診断についてもうちょっと詳しい背景が判るかもしれません。
と、ここまで書いてから、盲腸と腸捻転の関係を検索してみて、こちらのページで数日前にまったく同じ考察をしている方がいることに気付きました。
本や新聞と違って、ネットにはまだきちんと物事を分析できる方がいるようです。
しかし、ネット上でもまだまだフラフープで腸捻転はたんなる都市伝説だという思い込みが大勢を占めています。情報というのは物理法則を越えた、チョーネンテンなんかよりも遥かに妙なものであります。
つーか、昭和33年のデータ更新をしてから、フラフープについて記そうとずっと思っていてぐずぐずしているうちに先を越された。やっぱり思い立ったらすぐに出さんと情報は意味がないな。
産業経済新聞
昭和33年11月23日
16日、奈良、25歳が疲労回復にフラフープをしたところ、
突然腹痛を起こし、幽門閉塞と診断される。
20日、名古屋、15歳がフラフープで遊んでいるうちに胃が
痛み出す。
胃潰瘍による急性腹膜炎と診断され、胃を三分の一切除。
9日、蒲郡 市小江町、5歳がフラフープで遊んでいるうちに腹痛、腸閉塞と診断される。
18日頃から。広島、少女が眼球出血 12歳が2〜3週間登校前と帰宅後も夜遅くまでフラフープ遊びをし右目に出血症状が現れる。