12/13に発売された光文社新書『犯罪不安社会 誰もが「不審者」?』では、当少年犯罪データベースが紹介されていて、わざわざ一冊送ってきていただいたので宣伝しておきます。

著者は浜井浩一さん芹沢一也さん。編集者は安原宏美さんです。

新書ですが内容の詰まった本格的な本です。
こういう本が出ることはもちろん大いに意義があるのですが、ただ、こういう硬い本を手に取る方はすでになんらかの問題意識を持っているのでしょうから、肝心な処へはあまり届かないような気もします。
現在は治安が悪化していてひどい世の中になったと思い込んでる人はワイドショーなんかの情報を日々浴びていることによってそう洗脳されているのですから、実際には治安はよくなっていい時代になっているという正しい情報を広めるには、昔はもっと凶悪で理解不能な異常事件が多発していたひどい時代であったことをワイドショー的に示すのが一番よいのではないかと思います。
わざわざ煽らなくても、普通に昔の事件を列挙しただけで現代のワイドショーよりも遥かに煽情的な内容になります。なんせ、昔の事件は凄まじいですから。よくこんなひどい時代にのほほんと生きてたもんだと感心します。
とくに戦前は凄いです。戦前の社会を理想郷のように持ち上げている方は戦前の新聞さえ読んだことがないんでしょうけど、いったいなにによって戦前をイメージするようになったんでしょうか。ワイドショーではないと思うのですが。

ワイドショーなんかに洗脳されているのは低俗な一般大衆ではなく、学者や官僚やジャーナリストと名乗っている人だったりしますから始末に負えません。結局のところ、これは治安や監視社会がどうしたというような高尚な話ではなく、たんに学力低下の問題なんです。
現在の学者や官僚やジャーナリストは、基本的なことを調べて、基本的なことを考えるという、基礎的学力が著しく欠けています。なかには判っていて、額に汗せず儲けるために治安が悪化しているとわざとデタラメな情報を流して不安感を煽っている輩もおりますが、そういうのはほんのわずかで、大多数はたんに学力が無いためなにも判っていないだけです。
治安悪化がウソだと漠然と判っているつもりの人も、実際には少年犯罪データベース程度の基礎情報さえ調べてはいませんから、本来の学者や官僚やジャーナリストの基準から云うと、まったくなにも判っていないのです。
『犯罪不安社会』のような高級な本は、一般大衆ではなく、こういう学力の低い学者や官僚やジャーナリストにもあまり届かないような気がします。もうちょっと噛み砕いてあげないと。
少年犯罪データベースドアを読んでいるような、すでに問題意識を持っている方には一読をお奨めします。