少年犯罪データベースの主宰をやっている者が、kangaeru2001だの管賀江留郎(かんが えるろう)だの、恥ずかしくもいかがわしくちょっぴりおセンチな名前を名乗っているのは、わたくしは考えているぞとか、あるいはみなさん考えましょうとか云いたいわけではないのです。その逆です。

そもそものはじまりは<少年犯罪を考える>というすばらしいサイトがある日突然なくなってしまって、どうしたのだろうと思っていたら、データをまるまる違う場所にアップしたミラーサイトをはじめた方がいまして、サイト閉鎖の経緯などを訊こうとメールを出したのですが、その方もたまたまデータを保存していただけで理由は知らず、やりとりをしているうちになんでかなりゆきで私がそのミラーサイトを引き継ぐことになってしまったのでした。
つまり、ひとさまのサイトを無断で勝手にまるごとコピーするという、およそなにも考えていないところからすべてははじまっているわけであります。そのコピーさえも私の考えではなく、ひとさまのモノマネなわけです。
データをもらって多少はまずいかと思って米国のサーバにアップして、なんにも考えずに<少年犯罪を考える>だけどsyounenhanzaiでは長いしkangaeruというアカウントにしようとしたらば遠い異国なのにすでにその言葉は取られておりまして、代わりにこれはどうだと向こうのサービスが提示した名前の一番上にあったのがkangaeru2001なのでした。時に2001年のことでしたから。うーん、ほんとになんも考えてない。

<少年犯罪を考える>は大変な労作でウェブ黎明期には貴重な存在だったのですが、とくに1970年以前は弱く、間違いも多く、ほんとは閉鎖された時点で歴史的役割を終えて、もっとまともなデータベースが構築されるべきだったのです。
ミラーサイトはあくまでそれまでの空白を埋める臨時のつなぎとして、名前からも判るように、まず1年以上もやることになろうとは思っておりませんでした。ところが、少年犯罪への異常な感心の高まりにも関わらず1年経っても2年経ってもそのような動きはまったくなく、結局はあのミラーサイトがこれまでよりいっそうに頼りとされて、しかも、昔のデータがあまりないのを見て昔は事件が少なかったと勘違いする方までがいて、これはさすがにまずいので、できればやりたくはなかったのですが仕方なく<少年犯罪を考える>のデータはすべて書き換えて、何十倍もの新しいデータを加えて、2004年に<少年犯罪データベース>として生まれ変わったわけですが、それからも初心を忘れないように、管賀江留郎というおよそ各方面からここまで悪評さくさくの名前もないのではないかという名前を名乗ることにしたのでありました。

忘れるべきではない初心とははたしてなんぞやということでありますが、一言で云えば「考える前にやるべきことがあるだろ」ということです。
昨今は本でもブログでもみなさんじつにいろんな方面についてご自分の考えを壮んに述べておられますが、あなた方のその立派な考察にはきちんとした根拠があるのかと私は問いたい。いや、きちんとした根拠はたぶんあるんでしょうけど、それならまずその根拠のほうを先に提示して、全員で共有できるようにしていただきたい。
たとえば一番基本的なデータである警察庁の『犯罪統計書』なども国会図書館や警察庁まで出向かなければすべて見ることはできず、ウェブ上にアップされてるのはわずか数年分だけで、それ以前の一部を取り出しただけの少年犯罪データベースの統計がいまだに頼りにされてるような事態で、それもその方面の専門家と称する学者先生でさえ素人の私がこちょこちょ造った統計をあてにしているような惨状で、まことに現状はゆゆしきことであります。
愚にもつかない感想文のたぐいを本やブログに書いてる閑があるのなら、まずこういう基本的なところを抑えておくべきではないのか。基本的データがない状態で、ものごとを正しく考えられるはずがありません。そんな感想文は、宇宙人の電波を脳内で受信してわけのわからないことを口走ってる人のたわごととまったく同じです。
<少年犯罪データベース>のトップページには「データの完成度は50%」という文言が2004年からずっと掲げられておりますが、新しいデータを毎日積み上げていってもその分まだ判っていない領域が拡がっていることを思い知らされるだけで、当面は50%を超えられそうにありません。
少年犯罪が増加していると云ってる人だけではなく、昔のほうがひどかったと云ってる人もほんとにきちんと調べてそんなことを云ってるのかせいぜい統計数字を見てるだけではないのかと私はずっと疑問でこんな途方もない作業を続けてきたわけなんですが、少年犯罪データベース主宰である私は、いまだ何かを考えられるほどの最低限の基本的データを持っておりません。
少年犯罪以外の分野はなおさらのこと。考える前にやるべきことはまだまだいくらでもあります。
みなさんも考えることはやめて、先にやるべきことをやりましょう。