不思議ナックルズ14今週出た『不思議ナックルズ』Vol.14で原稿を書いてます。
『戦前の少年犯罪』には載せることのできなかった戦前の事件についての内容です。とにかく数が多くて、この手のものは無限に書けてしまいます。
文章はいつもの調子なんですが、やたらとおどろおどろしい誌面デザインになってまして、なにやら鬼畜系ライターになってしまったかのようでもあります。鬼畜路線は90年代には儲かったらしいんですが、最近は厳しいようでどんなもんなんだか。
編集部のほうで当時の新聞記事の画像を載せてもらってますので、それだけでもご覧いただければ。昔の新聞のおもしろさの雰囲気だけでも味わえるかと思います。

戦前については犯罪だけではなく、ほのぼの系やら、びっくり系やら、おもしろ系やらのデータを大量に蓄積してしまったので、そっちのほうもこれからは出してバランスを取っていかねばなりませんな。もともと、私は犯罪にはまったくなんの興味もない人間なので。
とにかく、戦前という時代についてはほんとに実像が知られていない。戦時中も食べ物を粗末にしていたり、太りすぎて新しいダイエット法に大金を出して飛びついていた人が結構いたことなんてみんな忘れてしまっていて、驚きの連続だったりします。
新婚旅行で離婚するカップルが大勢いたりとか、子どもにおかしな名前をつけて受け付けなかった役所を訴えるだとか。戦前はおもしろいですよ。
戦前についての歴史書は高尚なのばかりで、こっちの路線の人はいないんでしょうかね。山本夏彦なんかもわりといいかげんところもあるんですが、誰もチェックしてないようですし。

ところで、『戦前の少年犯罪』を出して一番意外だったのは、結構あちこちで話題になったのに雑誌の執筆依頼がまったくなかったことです。本の準備のために時間を取られて収入が激減して、この先も次の本のために同じような状況になるので当面は雑誌の原稿料でしのごうかと目論んでいたのに当てが外れて大笑いといったところでした。
これでは雑誌も売れんはずだなあなどと思っていると、一番最初に執筆依頼が来たのが毎日新聞で、ほーと思ったわけです。新聞ならではの表現の制限もあると云いつつ最低限の直しだけで掲載した原稿はなかなか思い切った内容でしたし。とくにタイトルは読めば読むほど凄いことを云っていて、まあ、ちょっと見では判らないようなテクニックは駆使しているわけですが、それでもよく通ったもんです。
取材も雑誌はまったくなく、新聞が2件で、新聞はやはりかなり深刻に危機感を持って、なんとかしないといけないという焦りがあるのは感じます。雑誌は先行きヤバイとはいってもつぶれたらまた新しい雑誌をやればいいやというところがまだまだあって、新聞のようにつぶれたらもうお終い、次はないというほんとの後がない切羽詰った感はありません。
毎日新聞に論稿が掲載された2月15日の前日にようやく雑誌からの依頼もあったのですが、せっかくお話をいただいて、しかもありがたくお受けしておいてこんなことを云うのもなんですが、まあこれは褒め言葉として雑誌のなかでも一番最底辺でなんでもありのはずのナックルズみたいなのよりも新聞のほうが先駆けたというので結構な感慨がありました。
こういう話をすると、あんたそれは自分ひとりの体験だけであまりに一般化し過ぎてるだろと云われたりもするのですが、私は結構この件については状況を的確に表してると勝手に思っています。
雑誌からの話が、新聞に載る一日前というのがかろうじての救いで、これが紙面を見てからなんてことになればもういよいよ雑誌も終わりかという感じでした。さすがにナックルズの面目躍如といったところです。
雑誌もこれからいよいよ死ぬところまで追い詰められるでしょうから、そこで初めてほんとになんでもありのおもしろいことになるだろうと私は期待しています。