宮崎哲弥氏が6月22日のラジオ番組『ザ・ボイス そこまで言うか!』で、拙著『道徳感情はなぜ人を誤らせるのか 冤罪、虐殺、正しい心』について熱く語っていただいたため、あっという間に売り切れてしまいました。
アマゾンの中古が5千円になってもバンバン売れて、一時期は8千円以上になってもまだ売れるという勢いで、半泣きになりましたよ。
中古がいくら売れても、飢え死に寸前で8年間執筆していたこちらには一円も入ってこないというのに、弾切れでは如何ともし難い。
こういう時こその電子出版なんでしょうけど、洋泉社はあくまで紙の本にこだわってる出版社で、断乎として出さないようです。
増刷もすぐに売り切れて、これではせっかくの熱い語りを紹介することもできないという事態で、歯噛みをしていた一ヶ月以上でしたが、ようやく3刷4刷も出回って、いつでも新品が手に入る状況になりましたので、ここにリンクを張っておきます。

まだ聴いていない諸氏は、宮崎氏の語りをぜひとも聴いてみていただければ。
すでに聴いた方も、もう一度聴いてみるとなかなか凄いことを仰っておられることを再認識できるかと思います。
冒頭7分間と、番組の最後、54分からもまた語っておられますので、後半もゆめゆめお聴き逃しなきように。



「人間の思考を起動させる本です。これは」
「今年の一番の名著だと思う」
「私は三度読みました」
「まだ付箋は甘いんだ。これは」
「もう一冊持ってるけど、そっちはバラバラになってる」
等々、数多くの過分なるお言葉をちょうだいしております。

仏教に反応していただいてるのも宮崎氏ならではで、筆者として嬉しいところです。
仏教思想なり、悟りを目指すための修行なりは、たんなる観念的な言葉遊びではなく、何百万年の進化によって人間の身に着いてしまった認知バイアスとその克服法に根拠があるなんてことを本書では書いておるのですが、いままでにこんな根本的なことを喝破した人はいるんですかね。
本書の「正しい心」というのは、<道徳感情>のみならず、こういう人の心の本質を指していることを読み取っていただけるのはありがたいです。

さらに二週間後の7月6日放送でも、またもや熱く語っていただいております。
こちらもまた、なかなか大変なことを仰っておられますので、3分39秒から、ぜひともお聴きください。



「ある時代の中では読まなければならない本」
「この時に読んでなければいけない本」
「いま日本人には非常に、ひょっとすると世界的にもこの本が必要なんじゃないか。そういう政治、社会、経済状況だというふうに見ています」
格差が広がって道徳感情が刺激されると、人間は幾何学的な美しい計画に取憑かれるようになり、テロやら扇動政治家やらが蔓延するようになるといったことも本書には書いてますが、その点に反応していただけたのかもしれません。

極めて非効率で一本筋の通った思想のない民主主義が、なにゆえ明確なビジョンを掲げ意志決定も早くて効率のいいはずの独裁やエリート少数支配より優位になって、歴史上に生き残ってきたのか。
これも認知バイアスの克服に根拠があるなんてことまで本書では書いてるのですが、こんな大それたことを云い出した人は、これまでいるんですかね。
本書のテーマは、人類の進化に於ける、宗教も含めたこのような生存率を上げるシステムの形成なんですが、その中でももっとも重要なる裏テーマである憲法に言及する方が、宮崎氏以外にほとんどいないのは、当方といたしましては、いささか残念ではあります。

この手の小難しいことだけではなく、
「それ以上にね。楽しく読めるんだ、これは」
「松本清張の推理小説を読むかのように読める」
とも云っていただいて、これは完璧なる紹介でありますな。
事件や歴史の謎解き部分だけではなく、宗教と民主主義やら憲法やら経済やらを統一理論で根本から解き明してしまうという大風呂敷ぶりを笑いながら楽しんでいただければ、書き手としてはこの上ないところであります。

それにしても、この件で、ラジオの影響力はまだまだ侮れないということを思い知らされました。
宮崎哲弥氏が特別なだけかもしれませんが。
また、5千円の中古がバンバン売れる状況から、本は高いから売れないという話も嘘ではないかと思えてきました。
税込み2700円の本が安く見えて来るというのも、すごい話ではあるんですが。
これらもろもろもまた、たんなる認知バイアスに過ぎないのでしょうか。