
『冤罪と人類 道徳感情はなぜ人を誤らせるのか』と、
より一層壮大なるタイトルに改めて、文庫となりました。
ハヤカワ・ノンフィクション文庫NFです。
全体的に文章に手を入れ、加筆もそこそこしています。
Kindle版など、電子本も各種出ましたので、すでに読まれている方もこれを機会に再読してみていただければ幸いです。
値段は半額になりましたから、単行本が高くて手が出なかった方も手軽にお読みいただけると思います。
なお、宮崎哲弥氏には、解説と帯の推薦文をいただきました。
宮崎氏の解説文は、HONZサイトに全文アップされています。
『冤罪と人類』精密な世界模型たる迷宮(ラビリンス) 文庫解説 by 宮崎 哲弥
本書では積年の悲願を達成し、背に絵を入れることができました。
単行本出版の折り、背に絵を入れることをそうとうにひつこく迫ったのですが、洋泉社の営業に蹴られました。
本の売り上げに確実にプラスとなり、マイナスは何もない方策を、なにゆえ本を一冊でも多く売ることだけが使命である出版社の営業が頑なに拒むのか、私にはどうもよく判らないことでありました。
皆さんご存じのように、文庫には決まった装幀フォーマットがありますから、こういうことをするのは単行本より遥かにハードルが高いのです。
その無茶を通すことができたのは、ヒット連発でいま一番勢いのある編集者、一ノ瀬翔太氏のお陰であります。
しかしながら、この書の背にタイトルや著者名はいらないという当方の進言は入れられず、いささか無念ではあります。
背に絵を入れた本がほとんどない、とくに進化的に人間が注意を向けざるを得ない人間の顔や眼を入れた本がほぼない状況で、さらに背にタイトルや著者名がないというのは一番最初、つまり唯一の本であるからこそ赦される暴挙なのですが。
それでも、惚れ惚れするような素晴らしい仕上がりとなっています。ぜひとも、書店で手に取ってご賞味してみていただければ。
万巻の書を読み飽いた諸姉諸兄も、これほどの装幀の本はなかなか見ないと唸ることでありましょう。

4年近くブログの更新もなかったので心配しておりました。戦前の少年犯罪の続編の執筆状況についてはいかがでしょうか。
国立国会図書館もコロナ・緊急事態宣言の影響でなかなか自由に利用できない状況が続いておりますが。