2014年08月13日

夏を探しに九州へ(3)

 鹿児島の宿で8月7日の朝を迎える。この時点では台風11号は週末に九州を直撃
するものと見込まれる。9日夕方福岡発の飛行機に乗る予定だが、前倒しも検討する
必要がありそうだ。

 鹿児島中央から普通列車で川内へ出て、九州新幹線の開業でJRから分離されて
発足した「肥薩おれんじ鉄道」に乗る。海沿いを走る区間が多く、美しい車窓風景が
売りなのだが2輌編成の乗客は少なめ。しかも途中の出水からは1輌で走る。肝心の
車窓風景であるが、本日の鹿児島・熊本は昼過ぎまでは快晴であり、夏らしい風景を
満喫することが出来た。

写真(クリックで別窓/別タブが開き拡大表示、1024×682pixel)は
3枚とも肥薩おれんじ鉄道の車窓風景。

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 終点の八代で下車。ちなみに八代から北の区間については並行在来線ではあるが
JR九州が手放さなかった区間である。丁度昼飯どき、しかも乗換列車の待ち時間も
あるので駅前で昼食。人気の駅弁も手がけるという店で鰻重など食うことに。密かに
小生今年最初の鰻だ。

 鰻重(竹・松・特上)のほかに「八代海の天然鰻重」なるものがある。聞くと通常のは
養殖ものだそうな。折角なので天然ものを選択。しっかりとした食感ながらもしつこさの
無い味はなかなか。ちなみに天然鰻重の価格は松と特上の凡そ中間で2600円也。
昼飯にはちと高いがスーパー等で売られている国産と称する鰻でさえ2000円前後は
することを考えると存外良心的な価格ではなかろうか。

 八代からJR肥薩線の列車で人吉を目指す。人吉迄は球磨川の流れに沿って走る
ため、これまた車窓からの眺望を楽しめる路線である。1時間半近く掛け14時17分
到着。宿に荷物を置いてから駅前に戻り、貸自転車を借り出して人吉城跡へ。全くの
余談ではあるが人吉を訪れたのは昔読んだ短編漫画の舞台であり、是非訪れたいと
思っていたからである。

写真は3枚とも肥薩線の車窓から眺める球磨川。

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 随分前に一度立ち寄った事があるにはあるのだが、乗換の間の僅かな時間であり
おまけに着くやいなや大雨が降り出したので駅前の土産店より先には進めなかった
事が思い出される。人吉城跡は大分整備が進んだようだが、草むした石垣は何とも
いえない雰囲気を出しているのだが、このあたりで空が厚い雲に覆われてきた。

写真は以下の通り
左・中:人吉城跡にて。
右:国宝・青井阿蘇神社 鳥居と楼門

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 今夜の宿であるが、せめて一泊位は温泉旅館に泊まりたいと考えていたため伝統
ある「芳野旅館」に投宿。昭和初期のものだという建物は風情豊か。さて温泉という
話だがその前にやっておくことがある。やはり帰りの便が台風の影響を受けるのは
必定、ということで日程の前倒しと云うか打ち切りを決断、翌8日の便に振り替える
ため日航に連絡して手続きを完了。

 浴場に降りると温泉は豊富な湯が惜しげもなく掛け流されており、実に心地よい。
但し広くはないので混んでいる場合などはちと大変そうではあるが、小生が泊まった
時は静かに入浴を楽しむことが出来た。

 宿探しの折の情報では料理自慢の宿だと云う話であったが、夏の球磨川と云えば
何と云っても鮎と云う訳で夕食のメインは鮎であった。しかも鮎の刺身が出てくる。
鮎を刺身で頂くのは初めてだが、新鮮なこともあって上品な旨味が印象的であった。
更に塩焼き、稚魚の天麩羅と合わせて刺身の時に出た骨の部分を揚げたのも出て
正に鮎尽くし。しかも鮎の他にも旨いものが色々と。

 普段ならば麦酒など傾けるところだが、人吉と云えば忘れてはならない球磨焼酎。
お薦めのを、とお願いして2種類を1合ずつロックにて楽しむ。食堂の大きな窓からは
趣のある庭園が見渡せるのだが、徐々に夕闇に包まれ行く日本庭園など眺めつつ
佳酒佳肴をしみじみと味わうのは正に幽玄の境に遊ぶの観がある。

写真は3枚とも芳野旅館にて、庭園・大広間・客室。

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 最終日となってしまった8日、朝風呂の後はこれまた質量共に充実した朝食を頂き
宿を後に。空模様は曇り空で時折雨がぱらついている。八代を経由して熊本に到着。
本来ならば城見物などしてから市内に投宿し、9日は堀割で知られる柳川など散策
してから空路にて帰着の予定であったが致し方ない。列車の時間は多少あるので、
当地の名物料理という太平燕(タイピーエン)など食べて道中を急ぐ。

 急ぐとはいえ「青春18きっぷ」で普通列車の旅なのでのんびりしたものではあるが、
16時過ぎに福岡空港に到着。18時発の便は少々遅れたがぼちぼち平穏な飛行で
羽田に到着、今回の旅も無事終了である。



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2014年08月12日

夏を探しに九州へ(2)

 8月6日、博多からの夜行バスは6時過ぎに鹿児島中央駅前に到着。天気は快晴。
どうやら九州南部は台風10号の影響を脱した模様ではあるが、この時点で11号が
南から近づいていたりする。ともあれ漸く夏らしい旅の始まりだ。

 しかし先ずは一風呂浴びて夜行バスの疲れを癒すべく駅近くの銭湯へ。鹿児島市
には天然温泉を用いた銭湯が数多く存在し、たいてい朝から営業していたりするので
旅行者にとっては有り難い。湯を満喫した後レンタカーの営業所へ出向き車を借りる。
道中コンビニで朝飯を済ませつつ、鹿児島湾沿いに車を走らせて薩摩藩主の別邸で
あった仙巌園へ。桜島を借景にした広壮な庭園は夏の日差しがよく映えるのだが、
肝心の桜島は雲に隠れ気味。保存されている屋敷などのんびり見物。

写真(クリックで別窓/別タブが開き拡大表示、1024×682pixel)は3枚とも仙巌園。

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 再び海沿いに進み、大隅半島中部の鹿屋市を目指す。鹿屋には旧海軍が開設した
航空基地があり、現在も海上自衛隊基地として使われている。以前から基地併設の
史料館を見物したかったのだが、大隅半島には鉄道が無く、バス路線等も貧弱なため
観光となると車で回る他はない。

 丁度昼頃の到着、眩しい南国の日差しが屋外展示の機体に降り注いでいる。道路を
挟んだ一角には旧海軍の二式大型飛行艇がある。10年ばかり前迄は東京は台場の
「船の科学館」に長く展示されていたのであるが、自衛隊に移管された事でここ鹿屋で
展示されることとなった現存する唯一の機体である。

 屋外の展示を一通り眺めた後館内へ。海上自衛隊の施設らしく旧海軍時代からの
展示となっているが、鹿屋基地は戦争末期には特攻基地であったことから、特攻隊に
関する遺書・遺影などの展示が特に印象深い。

写真は以下の通り。

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左:鹿屋基地史料館入口にて。左の機体はHSS−2A対潜哨戒ヘリコプター
中:海上自衛隊のUS−1飛行艇。おもに救難任務で活躍。
右:旧海軍の二式大型飛行艇。US−1の先祖にあたる機体である。



 展示館を後にして大隅半島をひたすら南下する。目的地は九州最南端の佐多岬で
ある。思ったよりも遠かったが快調に走り到着。しかし岬の展望台(跡)までは駐車場
から800mばかりある。日頃の運動不足を呪いつつ階段が点在する道を上っていくと
青い海と白い雲が広がる。ちなみに(跡)と記したのは、以前は観光施設として整備
されていたのだが老朽化と運営会社撤退により施設が撤去されているためである。
今後町が再整備する方向らしい。

 佐多岬を出発したのが午後3時過ぎ、これから7時前に鹿児島市内の営業所まで
走って車を返却しなければならない。正直ちと不安だが頑張って走る。普段やらない
追い越しも時折頑張りつつ先を急いで何とか間に合いそうな感じになってくる。しかし、
鹿児島湾の対岸・鹿児島市へは便利なショートカットルートが存在する。桜島である。

 垂水から桜島に入り、南側を通って桜島港に到着。頻繁に鹿児島行きのフェリーが
出ているので車を乗せてしまえば15分程で市街地に隣接する鹿児島港に到着する。
航送運賃も4m未満の車なら1150円(運転手の運賃含む)と気軽な額である。桜島
の勇姿を眺めつつ、あっというまの船旅にて鹿児島港に到着。ガソリンを満タンにして
車を返して、近くの宿に到着。繁華街へ出て名物のラーメンを食べ、再び朝とは別の
温泉銭湯で汗を流して宿に帰る。

写真は以下の通り。

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左:佐多岬にて、北西に薩摩半島南端の開聞岳を望む
中:佐多岬にて、佐多岬燈台が立つのは岬の南にある大輪島。
右:桜島フェリー船上から望む桜島。噴煙は控えめ。



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2014年08月11日

夏を探しに九州へ(1)

 梅雨明けの遅かった今年だがどうにか夏は巡ってくる。思えば昨夏は多忙であった
上に秋の英国旅行を控えていたこともあり毎年恒例の夏の旅行に出掛け損ねた次第。
今年こそは夏らしい旅がしたい、と早い段階で福岡への往復航空券を予約。車で行く
選択肢も勿論有りだが、時間と費用を考えると得策ではない。また鉄道で行くとしても
夜行列車が無くなってしまったのでこれまた具合が宜しくない。

 出発日と帰着日だけは決めたものの例によって直前迄詳細予定が立てられぬまま
出発一週間前を迎え、慌てて旅程と宿を決定。訪れたい場所が散らばっていたので
些か効率的ではないコースになった気もするが致し方ない。しかし、出発日が近づくに
つれて期間中の天気予報が思わしくなくなってくる。というか全日程で雨となるらしい。

 旅行中止も考えたが、今になって休暇を撤回するのも業腹だし、これ迄旅行期間を
通してずっと天気が悪かったという経験もない。まぁそれなりに楽しめるのではないか、
と高をくくることにして8月2日の土曜日夜に出発。今回は羽田空港に宿泊するという
変則日程である。

 何故わざわざ羽田に泊まるのかと云えば朝早い飛行機の方が安かったからである。
折しも最近羽田のターミナルビル内に簡易宿泊施設が開業していたので、物珍しさも
あって利用してみることにした次第。費用的にはビジネスホテルより少し安いくらいか、
と云う感じだがそこそこ快適。しかし各部屋はカーテンで仕切られているだけなので、
目覚まし時計は使用禁止なので指定した時間に係員が起こしに来るシステムである。

 明けて3日(日曜日)朝6時、出発ロビーはかなりの混雑であった。流石は夏休みと
云う事かも知れないが手荷物の預け入れに40分近く並んだのには閉口。手続きの後
朝食を取り、日航303便福岡行きに搭乗。概ね快適な飛行ではあったが韓国の西岸
黄海に居座る台風10号の影響を受けて西日本上空は時折気流が乱れる。

 雨の福岡に到着して地下鉄で博多駅に移動。雨の為乗り鉄メインにしようかと思い
何となく筑豊方面への列車に乗り込む。そういえば飯塚には「旧伊藤伝右衛門邸」が
あったのを思い出したので新飯塚で列車を降りる。バスも暫く無いのでぶらぶら歩こう
などと思い、先ずは古い木造の劇場として有名な嘉穂劇場を見に行ったのだが、何と
お化け屋敷の特別営業中のため見学不可であった。それではと旧伊藤邸に向かうが
雨が降ってきたので通りかかったタクシーを拾って移動。思っていたよりも遠かった為
歩かなくて正解であった。

 現在放送中のNHK朝ドラ(観ていないが)ゆかりの場所だそうで雨の中大賑わいで
あったが流石に昔の炭鉱王の屋敷は立派である。雨に濡れた庭園もまた趣があって
良いのだが大雨洪水警報の防災無線放送が聞こえてくるのはちと旅の前途が思い
やられる。バスで駅まで戻り、列車で小倉へ出る。天気が良ければ門司港界隈など
散策するつもりでいたのだがもう宿へ向かうべく佐賀まで。

 佐賀駅前の宿に荷物を置いて再び電車で40分程、武雄温泉へ。駅から暫し歩くと
温泉街があり、奥に共同浴場がある。伝統の「元湯」は何とも体の温まる湯であった。
夏以外の季節に来ると更にありがたさが際だつことであろう。


 4日の朝は時折晴れ間も見えるお天気。しかし列車で西へ向かうにつれ天気が悪く
なってきた。昼前に佐世保到着。駅前で昼食など済ませ、暫く港で海を眺めたりした後
バスに乗って海上自衛隊の資料館へ移動。大分前にも一度訪れたことがあるのだが
このときは時間が無くて駆け足見学だったので今回はじっくりと。残念乍ら館内は撮影
禁止のため写真はないが、結構興味深い展示物が多い。

 帰り道は何となく長い長いアーケードを歩いて駅まで帰還。海沿いに走る大村線の
列車で長崎へ。路面電車に乗って中華街へ出向く。微妙に寂れている感じもするが、
お目当ての店だけは混んでいる。名物のちゃんぽんを賞味。濃厚でありながらくどくは
ないスープが後を引く旨さである。駅前の宿に戻って洗濯などして就寝。

 5日は長崎らしく、と云うべきか雨である。駅前からバスで三菱重工業長崎造船所の
史料館を訪問。100年以上前の煉瓦造りの建物に、官営造船所としての創建と三菱の
成り立ちに始まり、戦艦武蔵に代表される艦艇や、豪華客船といった同社が建造して
きた船について、また機関などの実物展示があり結構充実している。目を引いたのは
試験中に破裂したタービンの巨大な破片や、建造中の客船の火災事故といった失敗の
歴史についても敢えて展示しているところである。

 史料館見学を終えて市街地へ戻ると雨も上がったので何となく観光。グラバー園など
見物し、昼食は茶碗蒸し好きには知られた名店「吉宗(よっそう)」へ。更に市内を散策
して夕方のバスで福岡へ移動。特急列車より安いかと思ったのだが、市内で回数券の
ばら売りを買えば同額だったので失敗したかもと思うが存外快調に走り福岡へ。

 福岡では目を付けていたラーメン店にて夕食を、と思っていたが行ってみると閉まって
いたので近くで適当に済ませて福岡駅前のバスターミナルに舞い戻る。今回は旅費を
節約するべく、福岡から鹿児島まで夜行バスにて移動するという挙に出た次第。23時
55分発のバスは定刻通りやってきた。ほぼ満席。

 それにしても九州は韓国人観光客だらけである。もう観光地や駅、バスターミナルは
エライ有様になっており、小生も何と3回も韓国人に道を聞かれてしまう有様。しかも
彼らは一応日本語を話すから大したモノであるが九州が早晩占領されてしまうのでは、
との危惧を抱いたのも事実である。



写真(クリックで別窓/別タブが開き拡大表示、1024×682pixel)は以下の通り。
なおここまでの行程は天気が悪かったこともあり余りよい写真がない。

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左:旧伊東伝右衛門邸の庭園(邸の二階から撮影)
中:長崎造船所史料館にて、戦前の客船「浅間丸」の内装デザインなど。
右:グラバー園から見下ろす長崎の町と造船所



kanonenfutter at 23:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)つれづれ旅日記 

2013年12月27日

年末参拝の怪

 安倍首相が昨日靖国神社を参拝した。唐突であった気もするが、よく考えてみれば
このタイミングでの参拝には「親韓」政治家としての安倍首相の本音が透けて見える。
参拝を巡る安倍政権、そして韓国の思惑は何処にあるのだろうか。

 明確にしておかねばならないのは、今回の靖国参拝により最大の利益を得たのは
韓国の朴政権である、と云う点である。韓国は経済指標こそ好調だが物価の高騰と
所得の伸び悩み、家計負債の増加が喫緊の問題となっている上に頻発するストなど、
労働運動の過激かも経済に悪影響をもたらしている現状がある。

 更に、韓国が華夷秩序への回帰を鮮明にする一方で安倍政権は積極的な外交を
行い、日本は中国の支配下に入る意志はない、と云うメッセージを発信し続けている。
中国の「一の子分」で有ることを誇りに思う韓国にとってこれは不愉快千万であろう。

 そこに降って湧いたのが南スーダンPKOにおける弾薬供与問題であった。韓国側と
しては日本に借りを作ったばかりか、「武器輸出三原則」改正への大きな一歩を自ら
提供した形になってしまい、朴政権としては準備不足で部隊を派遣したことと相まって
強い批判にさらされることになった。


 もしこの状況下で、様々な問題から国民の目をそらし、かつ一致団結させてくれる
テーマがあれば、朴政権にとっては渡りに船である。しかし韓国にとってのそれとは
先ず反日、あとは反米くらいしかない。韓国としては反日で燃え上がるための強力な
燃料を欲していたのは間違い有るまい。靖国参拝こそはまさに格好のネタである。

 恐らくは韓国側から何らかのルートを通じて、「今回もまた日本が悪者になって貰う
わけにはいかないだろうか?」といった打診があったであろうことは想像に難くない。
そして自民党外交の基調には徹底した韓国への配慮がある。

 一方で、安倍政権としては絶対に履行できない公約に頭を抱えていた。竹島問題
である。政権奪還時の選挙公約は「竹島の日」を国家行事にすることだった筈だが、
もとより韓国への配慮が先に立つ安倍政権にそのようなことが実行可能な訳がない。
しかし2年目もまたやっぱり無視、となれば流石に支持者から不満の声が出るだろう。
そのため竹島の日に近い時点で靖国参拝を敢行することによっていわばガス抜きを
目論んだと考えるのが自然ではないだろうか。


 以上述べたように、今回の靖国参拝は韓国と、安倍親韓政権操法の利益にかなう
ものであった。参拝前に中国やアメリカには予め話を通してあったとのことであるが、
特に今後中国が示す反応は、小生の仮説が正しいかどうかを判断する重要な材料に
なるだろう。

 中国が貿易制限等の措置に出たり、また反日暴動のような事態が起こるとすれば
別だが、あくまで中国の反応が口だけに留まる、まあ抑制的なモノであるとすれば
それは今回の参拝が韓国への外交的配慮として実施されたことを中国政府が了解
している証左にほかならないと考えられる。

 また、韓国側の今後の対応として特に注目すべきは、日立製作所と三菱重工業の
火力発電事業の統合計画である。これは、当初2014年1月1日の発足を目指して
いたそうだが、韓国の独禁当局の認可が遅れているために延期となっている状況で
ある。

 本件の認可遅れについては戦後補償の追加要求問題も影響しているとみられるが、
この事業の認可がそう遠くない時期(1〜2ヶ月中?)〜にも出るのだとすれば、参拝
を巡る対立が出来レースであることを強く示唆する材料と考えて良い。


 果たして安倍首相の靖国参拝は出来レースであったのか、それとも「暴走」なのか、
新年早々にも明らかになるのではないだろうか。



kanonenfutter at 22:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)社会時評(国際) 

2013年11月05日

イギリスに行ってみた(8)

8日目 10月18日(金)

 とうとう英国旅行も最終日。今朝は宿で朝食を摂ることに。昨日一昨日と朝食時間の
前に外に出ていたため、この宿ではこれが最初で最後の朝食である。どの宿にも共通
しているのだが、ベーコンが妙に旨い。この辺り日本は食肉文化がアレなのか、又は
小生がろくなものを食べていないだけなのか。

 重い鞄を担いでパディントン駅に辿り着き、11番線の傍らにある手荷物預かり所へ。
危険物等が入っていないかのチェックリストに回答して預ける規則なのだが、質問票
には親切なことに日本語版も用意されていた。本日はロンドンの名所巡り、と云う訳
で、多くの施設に入場できる「ロンドンパス」を購入。結構高価だが十分元はとれる筈。

 地下鉄に乗って向かうはセントポール大聖堂。300年ばかり前に竣工した大建築
である。拝観料もかなり高いがロンドンパスを持っているので見せるだけ。オーディオ
ガイドも込みである。荘厳にして豪華絢爛、よくもまあこんなモノを造ったモノだな、と
賛嘆の限りであるが残念なことに写真撮影禁止の為、堂内の写真はない。

 ドームの上に登ることができるので、まあ一度くらいは高いところからロンドンを見て
みようかと思い、500段以上有る階段に挑む。途中「ささやきの回廊」を経てドームへ。
ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂のドームの場合、ドームの曲面が二重構造になって
いて、この曲面に沿う形で階段が設けられている為に上り下りは大変窮屈な苦行で
ある。

 しかし、セントポールの場合はドームの天井と屋根部分の間の空間が極めて大きく
取られているので、階段のスペースには十分なゆとりがあり格段に楽な登りである。
午前の日差しを受けてうっすらもやの掛かったロンドンの景色はなかなか趣があった。
再び階段を下りて大聖堂を後にし、ぶらぶら歩いてシティの中心部、王立証券取引所
やらイングランド銀行やらが有る辺りを見物。なかなか壮観である。

 モニュメント駅から1駅地下鉄に乗ってロンドン塔へ。英国史の中でもとびきり陰惨な
歴史の舞台となってきたことで有名な城塞である。こちらも大した人出である。城壁の
上や中を移動して1/3周ほどして今度は内部の建物、ジュエルハウスを見物。王冠
その他の儀式用の宝物がずらりと並ぶ。これぞ大英帝国の豊かさ、と云う感じ。

 お次は隣接するホワイトタワー。武器や甲冑等の展示があるのだが、人が多すぎて
よく見えない。殆どラッシュ時の新宿駅の様な有様である。辟易して駆け足で出口へ。
ロンドン塔を切り上げて外に出ると、すぐ隣にはお馴染みタワーブリッジ。内部見学も
出来るのだが今回は時間がないので割愛。

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写真(クリックで別窓/別タブが開き拡大表示、1024×682pixel)は以下の通り。
左:セントポール大聖堂の上からの景色。
  右の高層ビルは平壌にある某ホテルではない。
  左の上が大きいビルは先日太陽光の反射で路上の車を溶かしたとか。
中:ロンドン塔にて。
右:ロンドン塔・ホワイトタワー内部の武器展示。たまたま人並みが途切れた一瞬。


 タワーブリッジを渡り、すぐそばに浮かんでいる退役巡洋艦、HMSベルファストへ。
しかし喉が渇いてきた為船を見る前にちょいと一杯、と云う訳で昼間から賑わっている
パブをみつけてギネスなど。一息入れていよいよ乗艦。1936年に建造された1万トン
級軽巡洋艦である本艦は、1965年まで使われた後、1971年に帝国戦争博物館の
別館として公開されたとのこと。

 ちなみに帝国戦争博物館は今回の旅で訪問したかったのだが、残念なことに現在
改修中で来年まで見られない。しかし第二次大戦期の軍艦を見物するなど初めて。
期待しつつ乗り込むと、まずは後部主砲塔の内部が見られる。海戦の映像に音と光、
号令が響くと砲身が動き装填準備……という流れを再現している。何とも凝っている。

 しかし船体内部は更に凄かった。等身大の人形を並べて艦内生活を再現展示して
いたりする。食堂で調理する水兵やらハンモックの下でトランプに興じる水兵、果ては
手術室(開腹手術シーン)や歯科治療室(ご丁寧に機械音と悲鳴!つき)まできちんと
展示している。おまけに調理室や病室は匂いまで再現しているあたり物凄い。

 艦橋まで上がったら、今度は下に降りて船底へ向かう。日本では船舶を展示しても
下の方は余り見せてくれないが、機関室までが見学コースになっている。ボイラーや
タービンが並び、通路と配管が迷路のようになっている。配管の断熱材にアスベスト
と書かれたシールが貼ってあるのには驚かされた。更には砲塔の下部、砲弾を砲塔
へ持ち上げる機械なども見ることが出来る。まさかここまで見応えのある船だったとは
思わなかった。さすがはロイヤルネイビーである。

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写真は以下の通り。
左:タワーブリッジから見たHMSベルファスト
中:ベルファスト艦内、調理室の再現。タマネギを切って泣くという芸が細かいシーン。
右:ベルファスト艦内、主砲弾薬庫と揚弾機


 艦内探検を終えて、遅めの昼食でもと考えつつぶらつくと、パイが売りらしいパブを
発見したので魚とポテトのパイ、そしてエールをいただく。昼間から一杯、と云う御仁
はここでも多い様で随分と賑わっている。パイのお味はぼちぼち。

 食事も終えていよいよ最後の予定、ウエストミンスター寺院など見物すべく地下鉄で
移動。14時半頃に到着するとそこそこの人だかりが。入り口に向かうと、何と本日の
拝観は午前中でおしまいとのこと。15時半までは開いている筈と踏んでいたのだが。
残念ではあるが外観のみ見て撤退。

 まだ若干時間もあり、また折角ロンドンパスを持っている為近くで何処か見物できる
場所を探したらば天井画が有名なバンケティング・ハウスが近くにあったのでちょっと
見物。中はがらんとしており何もないが、天井だけは凄い。ルーベンスの絵だと云う。

 そろそろロンドン滞在もタイムアップ、出発地のパディントン駅に戻ってきた。この駅
は「パディントン・ベア」の舞台として知られる駅であり構内には銅像とグッズショップ
がある。グッズには余り興味深いモノが見あたらない。英語の勉強がてら原作本でも
買おうかと思ったが荷物になるので帰国後アマゾンで探そう、と撤退。

 そろそろ空港へ向かう時間、ヒースローへの直行列車はこの駅から出る。空港へは
「ヒースロー・エクスプレス」「ヒースロー・コネクト」の2種類の列車が運行されており
前者は所要15分で運賃は何と20ポンド。後者は途中駅に停まるため25分あまり
掛かるが運賃は半額以下の9.5ポンド。余程急ぐ場合でもなければ答えは明らか
なのだが敵もさるもの。

 「エクスプレス」の乗り場は大々的に表示されているのだが、「コネクト」についての
掲示は全然見あたらない。やはり利幅の大きい方に客を誘導したいのだろう。しかし
もう少し何とかならないモノかとは思う。朝に利用した手荷物預かり所のそばにある、
11番線改札にいた駅員に聞くとこの11番線から出るという。早速切符を買い求め、
荷物も受け取って16時過ぎに発車する列車に乗り込む。

 宣伝不足の所為かは知らないが、どうも空港連絡列車と云うよりは途中駅までの
利用が多い感じ。小生の舞に座っていた黒人男性はしきりに周囲の座席の下などを
調べ、駅に着くたびにホームに出て誰かを捜している模様。さては何かやばいブツの
受け渡しでもするのでは、と不安になったが空港の一つ手前の駅で降りていった。

 空港に到着、日本航空のカウンターでチェックイン。係員の胸にはアメリカン航空の
バッジが。さてはワンワールド加盟社間で人の融通もしているのか、と感心。手荷物
検査は時間が掛かると聞いていたが意外に早い。しかし靴の金具に反応した所為で
靴を脱いで再検査する羽目に。フランクフルト空港ではガムの銀紙だったが今度は靴
とは。日本では絶対に引っかからないのに海外は厳しい。

 靴を履いて免税店エリアへ。色々あるが手持ちのポンドも残り少ないので、まずは
英国最後のパブへ、と云う訳でサイダー(リンゴ酒)を一杯。やっぱり美味。店員氏は
こちらを日本人と見て片言の日本語で話しかけてきた。飲み終えて店を後にし、次は
有名デパート・ハロッズの出店へ。主に実家向けに菓子や茶など購入。

 搭乗時刻も近づいたので搭乗口へ移動。待合室にはこれから乗る機体が日本から
運んできた朝刊が置いてある。3年前ドイツからの帰りでは何故だか前日の新聞が
置いてあったが、今度はちゃんと今日の新聞。ここで初めて伊豆大島の土砂災害を
知る。

 時間通りに搭乗開始。機体の日本語表示を見て、「ああ、祖国の船だ」などと妙な
感慨に浸りつつエコノミー窓側の自席に。さあ出発かと思っていたら定刻になっても
ドアを閉めていない。待つこと暫し、赤ちゃん連れの一家が飛び乗って搭乗は完了。
誘導路ではちと待たされて漸く離陸。

 やがて機内食のサービスが始まるが、昼間っから合計3パイントも酒を飲んだので
酒はもう十分。茶など飲みつつ晩飯を食べ、映画など1本見て眠りにつく……のだが
なかなか寝付けない。しかしいつの間にか眠っていた様で起きるともうシベリア東部。
しかし一面雲の上。

 日本海上空、日本列島が近づく頃に雲が切れた。新潟県北部上空である。程なく
またも雲海の上を飛び、出発時とは打って変わって冷たい雨の降る成田空港に無事
到着。考えたら7泊9日は今までで一番長い旅行だったような気がする。

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写真は以下の通り。
左:ウエストミンスター寺院
中:パディントン駅にて、ペルーから来た謎の子グマさん
右:遂に日本へ。左手に鳥海山を望む。



kanonenfutter at 23:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)海外旅日記 

2013年11月03日

イギリスに行ってみた(7)

7日目 10月17日(木)

 今回の旅程の中で、本日の日程は旅程中の思いつきで設定。当初は本日と翌日の
最終日はロンドン巡りで、と考えていたがそのままでは乗り放題の切符が1日分残る
ことになり何とも勿体ない。ヒースロー空港行きで消費するよりも有効に使うべきだ、と
思い立ち、日帰りできる手頃な観光地を目指すことに。

 かくして今日もまた宿の朝飯を食べずに出発。ウォータールー駅へ出て、車内で喰う
朝食を調達すべく探索。マックの看板を見つけて、じゃあイギリスと日本で朝マックは
どう違うのか試してみようと思っていたら、隣にコーニッシュ・パスティを売っている店を
発見。折角なのでここはコーンウォールの伝統的軽食に決定。

 8時20分発エクセター行の列車はかなり空いていた。コーニッシュ・パスティも美味。
ロンドンから134キロ、1時間半近く掛けてソールズベリへ到着。大聖堂や町並みが
有名な街ではあるがとりあえずは中心街迄歩き観光案内所を探す。某ガイドブックに
拠れば、ここからストーンヘンジへ向かうバスが出ていると云う。案内所に辿り着いて
入場券込みのバス券を買い、バスはここで乗れるのか、と云うとバス停は別にあると
云う。少々手こずりながらもバス停到着。

 バスが来てから判ったことだが、券はバスの運転手から直接買ってもよかったこと、
そして鉄道駅から乗ることが出来たことである。まあバスは順調に走り出す。しかし、
田舎道を結構な速度で飛ばす2階建てバスというものは微妙にスリルを感じる乗物
である。

 暫く走って、微妙に起伏のある草原にたたずむストーンヘンジに到着。人出は多め。
オーディオガイド(代金は入場料に込み)を聞きつつ巨石の周囲をゆっくり散策。初め
曇っていた空もだんだん晴れてきた。見れば見る程何とも不思議な建造物である。
何の為に、どのようにして造ったのか。そして4000年前も、この大地には同じような
風が吹いていたのだろうか、と思う。

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写真(クリックで別窓/別タブが開き拡大表示、1024×682pixel)は以下の通り。
左:ソールズベリーへ向かう車窓
中:お馴染みストーンヘンジ。なぜか英軍のアパッチ攻撃ヘリが飛来。
右:こちらもストーンヘンジ。


 ソールズベリーへ戻り、13世紀に建てられた英国最高の塔を持つという大聖堂など
見物。ステンドグラスがことのほか美しい。所蔵されているマグナカルタの原本も見る。
鎌倉時代の文書が今なお憲法の一部として生き続けている国。凄いものである。

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写真は以下の通り。
左:ソールズベリーの町並み
中:大聖堂の外観
右:大聖堂の内部


 ソールズベリーから列車で小一時間ほど、温泉で知られるバース(BATH)へ到着。
駅から10分も歩くと当地最大のみどころ、街の名の由来であるローマ浴場跡がある。
残念乍ら一部が改修中(今回の旅では観光名所の至る所で改修工事をやっていた)
であるが、今なお源泉が湧き出るこの浴場、有名な大浴場の他にも幾つもの浴槽が
ありかなり大きな展示施設である。

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写真は以下の通り。
左:ローマ浴場跡の入り口
中・右:ローマ浴場内部


 ローマ浴場跡を見た後は隣接する大きな教会、バース・アビーを見物。アビーと云う
のは大修道院、または修道院であった大寺院のことらしい。こちらも築500年余りの
由緒ある建物。天井装飾が特に美しい。さらに足を伸ばして北の方へ緩やかな坂を
登っていくと、名物の円弧状の建築がある。

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写真は以下の通り。
左:ローマ浴場跡にて、当時の浴場全体の再現模型
中:バース・アビー外観
右:バース・アビー内部


 大きなラウンドアバウト(ロータリー型の交差点)、ザ・サーカスを取り囲む様に建つ
建物を見て更に進むと、有名なロイヤル・クレッセントがある。三日月状に円弧を描く
建物の前には美しい芝生の園地が広がっているが、これは居住者専用の庭だそう。

 時刻もそろそろ夕方、駅へ戻ろうと南に向けて歩いていくと、微妙に道を間違えて
西に行きすぎてエイヴォン川へ出てしまう。橋の両側が建物になっているパルトニー
橋が目くらましになってしまった模様。しかしここもまた美しい景色である。

 駅へ戻り、ロンドン行きの列車に乗ろうとするとホームは人が沢山。これは座れるか
どうか判らんな、と思いつつ乗り込むと車内には予約札が林立。しかし幸運なことに
僅かな空席を得ることに成功。ロンドンが近づくにつれて綺麗な夕焼けが見えてくる。

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写真は以下の通り。
左:ロイヤル・クレッセントにて。
中:ザ・サーカスとそれを囲む円形の建物
右:パルトニー橋とエイヴォン川


 日の落ちたロンドンに到着し、先ずは晩飯を喰うことに。一昨日のカレーが当たりで
あったので、二匹目のドジョウを求めて予め調べておいた別の店へ。カレーの他ナン
とサイドメニューのタンドーリチキンを頼んだら店員がしきりに米も食え、と薦めてくる
ので頼んでしまう。流石に予定外の米を頼んだ所為で少々苦しかったが味はかなり
良かった。

 英国最後の晩飯を終え、土産に紅茶など買い求めるべく、ピカデリーのフォートナム
アンドメイソンに出向く。伝統ある百貨店だが1階は紅茶と菓子等の売場で、土産品
目当ての観光客が気軽に入ることが出来る。日本で買えば結構高価な紅茶も意外と
安い。お菓子もあったので職場向けに「ピカデリービスケット」の詰め合わせなど購入。
帰国後小生も食べてみたが大変美味。別途自分用に一缶買うべきであった、と後悔。
レシートを見て気付いたのだが付加価値税の記載が無い。紅茶もビスケットも食品と
いうことで全て非課税らしい。よいことである。

 土産を抱えて宿に帰り、モノが鞄に入るかどうか確認。幸いにも鞄に収めることが
できた。明日はいよいよ最終日、ロンドンを散策した後に夜の飛行機で帰国の予定。



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2013年11月01日

イギリスに行ってみた(6)

6日目 10月16日(水)

 英国滞在も残すところ3日。本日は石造りの古い家並みで知られるコッツウオルズ
など見物に行く予定。しかし観光名所でありながら、公共交通で行くのは大変不便な
場所の為、日帰り現地ツアーに参加することに。出発前にネットで申込み、後は当日
集合場所に出向けばよい。問題は予約した日の天候がどうなるかは判らないところ
にある。

 果たして朝起きてみると雨が。BBCの天気予報では夕方には回復するとのことだ。
ツアーが終わるのが先か、晴れるのが先か。朝食を食べていては集合に間に合わぬ
ため朝食抜きでヴィクトリア駅へ向かい、集合前にパンでも買って食べようと云う算段。
何となくソーセージロールを買ってみたのだが、これが実に英国的な代物であった。

 英国のソーセージは肉が少なくパン粉等の混ぜ物が多い為食感が良くない、と云う
話は聞いていたのだが、これまで宿で食べた朝食に着いてきたソーセージは普通に
肉だったので云われているほど悪くないではないか、と思っていたがこいつは違った。
何とも頼りない噛み応え、恐らくこれこそがイギリスのソーセージと云うモノであろう。
ただ温かかったのと味自体はそう悪いモノではなかったので喰うには支障はない。


 集合場所に着くと結構な人がいる。バス1台がほぼ満席になるくらいか。客は全員
日本人、添乗員も日本人でお気楽ツアーの始まりである。駅から少々歩いたところに
バスターミナルがあり、そこから貸し切りバスに乗り小雨降るロンドンを抜け高速道路
A40へと進む。雨脚はどんどん強くなる。

 2時間近く走り、一つ目の訪問地・バーフォードに到着。広い通りに沿って散策する
がなかなか風情があって良い。ちょっと歩くと川も流れており景観に花を添えている。
天気が良ければ又違った景色なのだろうが、雨には雨の良さがあるのかも知れない
と少し思う。

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写真(クリックで別窓/別タブが開き拡大表示、1024×682pixel)は3枚とも
バーフォードにて。なお本日の写真は全て超広角レンズにて撮影。


 2つめのバイブリーに着いた頃には雨脚が強まって、歩くのもちょっと大変。しかし
この寂れた村が微妙に水墨画めいて見えたりするから面白い。…しかし写真の腕が
ないのでそんな風に写すことはとても無理だが。道路脇を流れる川では黒い白鳥が
泳いでいる。なかなか見られないモノらしい。

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写真は3枚ともバイブリーにて。


 3つめとなるボートン・オン・ザ・ウオーターへ移動。雨脚も大分弱まって歩きやすい。
昼食時間込み、ということで滞在時間も長め。添乗員さんが云うにはフィッシュアンド
チップスの店があるそうで、そこで昼食とする。なかなか旨かった。ぶらぶらと散策を
続け、折角なのでデザートがてら? ティールームに立ち寄りクリームティーを試す。
紅茶にスコーン、そしてクロテッドクリーム。イギリスは朝食のみならずティータイムも
美味しい。

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写真は2枚ともボートン・オン・ザ・ウオーターにて。


 いよいよ最後の訪問地、チッピングカムデンへ移動。田舎道を走るうち、晴れ間が
見えてきた。到着時にはすっかり気持ちよい雨上がりの青空。午後の日差しにライム
ストーンの家並みが輝く。当地は石造りに茅葺き屋根の屋敷が見物だそうで、成程
こんもりとした屋根を乗せた家が幾つも。そのうちの一軒には売家の看板があった。
この辺りは移り住んで余生を過ごす年金生活者も数多いと聞く。

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写真は3枚ともチッピングカムデンにて。


 コッツウオルズ見物を終えて一路ロンドンへ。途中世界遺産・ブレナム宮殿の前を
通る。余談だがブレナムの綴りはBlenheimとなるのだが、事物によってカタカナ表記
に揺れが出る。過去の戦役についてはブレンハイムの戦いと呼ばれ、当地の名前を
冠した空軍の爆撃機はブレニムと書かれるのが一般的。

 ロンドンの街に戻ってくると添乗員さんが「左手に凄い車が見えます」と云う。何と
金色に輝くブガッティ・ヴェイロンである。アラビア文字のナンバープレートまでついて
いる。何と云う車か知っている人いますか、と問われたので手を挙げて車名を云い、
2億円くらいすると云うと車内にどよめきが。しかし金張りにした場合幾らするのかは
小生にも見当が付かない。

 程無くヴィクトリア駅隣のバスターミナルに到着し解散。駅から国会議事堂の方へ
歩き、そこから橋を渡ってテムズの対岸へと出て暫し川岸を散策。ランビス橋を渡り
再びビッグ・ベンの前に戻り地下鉄に乗るべくウエストミンスター駅へ。駅構内にて
面白い広告を発見。地下鉄と海軍の取り合わせと云うのも微妙に面妖である。

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写真は以下の通り。
左:お馴染み国会議事堂。
中:対岸から見る夜の国会議事堂。
右:地下鉄ウエストミンスター駅の広告。地下鉄の列車代行として海軍が保有する
 同名の船を導入する話……では無い。


 夕食は性懲りもなく中華街リベンジ、と云う訳で昨日の昼に出掛けた折に見かけた
かなり繁盛していそうな店に行ってみた。今夜も行列している。入れるか、と聞いたら
20分待ちだと云う。これはさぞ人気の店なのだろうと期待が高まる。中に通されると
中国系と思しき客が沢山。思案の末、ワンタンスープとチャーハンを注文してみたの
だが、来たのはワンタン麺とチャーハンだった。

 まあ大差有るまいと思って大人しく喰う。しかしハッキリ云って旨くない。特に麺は
宜しくない。…ロンドンの中華街に期待などするべきではない、と断言してしまおう。
今回の旅では試していないが、ロンドンの街のそこら中にある中華デリの方がまだ
マシなのではないだろうか? とさえ思う。



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2013年10月30日

イギリスに行ってみた(5)

5日目 10月15日(火)

 ヨークの宿で迎える朝。朝食はこちらもイングリッシュ・ブレックファストであるのだが
最初に泊まったロンドンの宿と異なり質量共にかなり豪華。ふと壁を見ると、「朝食の
良い宿」の賞状と思しき額が壁に。初めて喰うブラッドソーセージもなかなか。英国で
旨いのは朝食だけ、と云う話も有るようだがこれは特筆モノである。

 すっかり満足してなぜだか地番と同じ名前の宿を後に。改めて見ると、インテリアも
玄関廻りもこぢんまりしていながら上品かつ暖かい雰囲気であった。またイギリスに
来ることがあったら泊まりたいと思う。


 ヨーク駅からロンドン行きの列車に乗り込むと多数の予約札が並んでいたが何とか
空席を見つけることに成功。天気は雲が多いもののまずまず。走行中、ふと空を見る
と遠くに小型機が飛んでいる。一瞬のことだったが第2次大戦当時の戦闘機のように
見えた。昼頃にキングス・クロス駅に到着し、地下鉄に乗りパディントン駅近くにある
宿へ向かい、丁度チェックイン開始時刻の13時に到着。何故だかフランスの地名を
冠するこの宿の4階まで階段で重い荷物を運び上げて街へ出る。先ずは昼飯だ。

 ロンドンで旨いモノと云えば中華とカレーだそうで、香港やインドを植民地としていた
影響から移民も本場出身の料理人も数多く暮らしているからだと云う。先ずは香港式
飲茶など試すべく中華街の「新世界」なる店へ。蒸籠を乗せたワゴンが巡回している
方式の為、英語や中国語のメニューを解読せずとも中身を直接目で見て注文可能。
そもそも、英語で表記された中華料理のメニューというモノは読めても内容をイメージ
することが実に困難である。アレは喰って覚えるしかないのか。

 肝心のお味はと云えば悪くはない、と云う感じ。少なくとも日本人にとっては横浜の
中華街にでも行った方がより美味しいと思うし、台湾で食べたものと比べても格別に
優れているという訳ではない。でも欧州では一番中華の旨い所なのかも知れないが。


 やや遅めの昼食を終えて、性懲りもなく大英博物館へ。未だ見ていない2階以上の
展示物を見て回る。エジプトのミイラにパルテノン神殿の彫像、まあ盛り沢山である。
一応これで展示物は一通り制覇した筈なので移動。トラファルガー広場の前にある
ナショナルミュージアムである。世界有数の絵画コレクションだそうで、しかも無料だ。
因みにこの日、トラファルガー広場の前はサッカーのサポーターっぽい人が多くいた。
ワールドカップ予選でイングランドがポーランドと対戦する日であった。

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写真(クリックで別窓/別タブが開き拡大表示、1024×682pixel)は以下の通り。
左上:ヨークからロンドンへ向かう車窓
中上:大英博物館にて、時計の展示
右上:お馴染みエジプトのミイラ
  
左下:ミイラの作り方も徹底解説
中下:トラファルガー広場とネルソン記念柱
右下:ナショナルミュージアム




 有料のガイドマップを買うのも業腹なので、手持ちの観光ガイドの平面図を見ながら
見て回る。芸術にはからきし疎い小生でも名前を知っている画家の作品が目白押し。
かなり見応えがあった為、つい帰りがけにミュージアムショップにて解説本など買って
しまったくらいだ。ただこの本は重いので買おうかどうかかなり迷ったのであるが。

 美術館見物を終えて時刻も夕方、トラファルガー広場から海軍門を経てザ・マルを
通ってバッキンガム宮殿へ。何故だか宮殿の前の柵には多くの人がとりついている。
宮殿からはセント・ジェームズ・パークの南側の道を歩く。公園の中に目を向けると、
沢山のリスがいる。見回すとそこらじゅうにいる感じ。

 そろそろ夕飯時、今度はカレーを食べてみようと予め調べておいた店へと向かう。
ロイヤルオペラハウスのすぐ近くにある「マサラゾーン」なるお店。市内何店舗か有る
模様。行列していたが、お一人様向けにカウンター席があったのでそれ程待たずに
入れる。辛口だというマトンのカレーを試す。これは旨かった。

 宿への帰り道、一杯飲もうかと宿近くのパブに行くと丁度サッカーの中継を流して
おり混んでいて騒がしかったのだがきちんと1パイント飲んで帰る。

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写真は以下の通り。
左:海軍門
中:バッキンガム宮殿
右:セント・ジェームズ・パークのリス


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2013年10月28日

イギリスに行ってみた(4)

4日目 10月14日(月)

 3泊した宿を引き払い、今日はイングランド北部にある古都ヨークへ向かう。一昨日
訪れたキングス・クロス駅に行くのだが、地下鉄利用も半端な距離なので拾えるなら
タクシーを途中で拾おう、と思って歩き出す。暫し歩いて丁度良くロンドン名物である
ブラックキャブを捕まえる。ユーモラスな見かけだが中は広く実用的である。運転手は
何処に行くんだい、と聞いてくるのでヨークへ行く、というと良いところだよ、と云った。

 程なくしてキングス・クロス駅に到着し、ヨーク行の列車に乗る。昨日は短距離の為
切符を買ったが、本日は日本出発前に予め用意しておいた外国人向けの乗り放題券
「ブリットレイル・イングランド・フレキシーパス3日用(2等車)」を利用。有効期間中の
お好きな3日間にイングランドの旧国鉄(現:ナショナルレール)線が全線乗り放題で
ある。イギリスは鉄道運賃の高い国なので、ヨーク往復のみでも十分元がとれそうな
代物である。小生が購入したときは邦貨で17000円と少々(送料別)。

 イギリスの列車には「特急」「快速」といった列車種別がないのだが、小生の列車は
まぁ特急または急行に相当する代物。二人掛けの席が並ぶのは日本の特急に似て
いるが車体が細いので結構狭い。しかも座席間隔も狭い(回転式の椅子ではない)
予約の入っている席の背もたれには予約札が刺さっているので、刺さっていない席を
選んで座ればよい。(刺さっていても表示区間外は自由席である)

 この方式、ドイツでも基本的に一緒である (ドイツの場合は網棚の所に電光表示か
予約札が貼ってある)のだがフランスやイタリアでは優等列車は基本、全車指定席で
あるため事前の予約が欠かせない。このため乗り放題券が使いづらかったりすること
を付記しておく。なおイタリアの場合は運賃が安いので多分元が取れないと思われる。

 あまり天気の良くない東海岸本線を列車は快調に北上する。目測だが150〜160
キロは軽く出ているだろうか。最高速度200キロ迄出せる車輛とのことらしいのだが。
車窓は降ったり止んだり、時折晴れ間が少々見えたりと云う感じ。日本と同様に車内
販売のワゴンもやってくる。2時間半程でヨーク駅に到着。程無くして、小生の列車の
30分後にロンドンを出発したエジンバラ行きの列車が到着。この列車こそが伝統ある
「フライング・スコッツマン」の名を冠する列車であることを漸く思い出す。

 特別な車輛かと思いきや塗装が違うくらいで小生が乗ってきた列車と同型である。
かなり混んでいたのでヨーク止まりの1本前の列車に乗ったのは正しかったようだ。
暫く写真を撮ってから、さあ荷物を預けて街へ出ようかと思ったら手荷物預かり所が
無い。勿論コインロッカーもない。困ったことになったが仕方がないのでチェックインの
時間には未だ大分あるが宿へ行き荷物を預かって貰うことに。

 直線距離では近いのだが、グーグルの地図では橋までの迂回を強いられるコース。
重い荷物を担いで15分ばかり歩いて漸く宿に辿り着くと、チェックインOKだとのこと。
フレンドリーな雰囲気の女主人にヨークでは何を観るのか、と聞かれて鉄道博物館と
城を観るつもりだ、と云うと地図に道順を記してくれる。鉄道博物館は駅の裏手にある
のだが、実は駅から宿への道には近道があって、鉄道の鉄橋に歩道が付属している
ので、こちらを歩くと大分短くなるらしい。

 空は未だ曇りだが時間が経てば回復しそうだったので、先に屋内展示である鉄道
博物館を見物すべく先刻教えて貰った道を通り、世界最高と名高い国立鉄道博物館
へ。ガイドブック等では「入館無料」と書いてあるが、入り口には係員が陣取って1人
3ポンドの寄付を求めてくる。恐るべきことにちゃんと寄付金収受用のレジまである。
まあタダじゃこれだけの展示は流石にやってはおれんわな、と思う。

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写真(クリックで別窓/別タブが開き拡大表示、1024×682pixel)は以下の通り。
左:ヨークへと向かう車窓
中:ヨーク駅にて。右端のライトグレーの列車が小生の乗ってきた列車
右:国立鉄道博物館の展示室。手前のゲート状の構造物は英仏海峡トンネルの
  模型で、その下にユーロスターのカットモデル有り。



 展示室に入ると、明るい館内にはさまざまな車輛が所狭しと並んでいる。特に目を
引いたのが、LNER(ロンドン・アンド・ノース・イースタン鉄道)のA4型蒸気機関車で
ある。今から75年前に蒸気機関車としての世界最高速度記録(202.58km/h)を樹立
した「マラード号」で有名な形式であり、このマラード号を含め4両が展示されていた。
何故かその内の1台には「ドワイト・D・アイゼンハウアー」なる名前が付けられている
のが面白い。

 肝心のマラード号は、と云うと整備のためか館内の端の方に置かれており、係員が
運転台の外側を磨いているのが見えた。館内で異彩を放つのは、日本から贈られた
新幹線0系電車の先頭車両である。誤解を恐れずに云えば、マラード号の記録樹立
こそイギリスの鉄道が世界一だった最後の瞬間であったのではなかろうか。何しろ、
鉄道発祥の地であるこの国が最近は日本から車輛を輸入する位なのだから。全くの
余談ではあるが本日10月14日は日本の「鉄道の日」であって、1872年に英国から
導入した鉄道が開業した記念日である。

 現在の英国鉄道の有様はさておいて、栄光の歴史を伝える国立鉄道博物館は実に
充実している。オープンになっている収蔵品庫にはケースに収められた様々な品物が
うずたかく積み上げられ、更にその奥では展示車両の重整備を行っている場所もある。
歴史と伝統を今に伝える営みの重さを強く感じさせられる。又別の展示室では嘗ての
プラットホームを再現して長距離列車や英王室のお召し列車の編成を再現している。
床にはお召し列車到着時の人の配置と足跡の軌跡が記してあったりして興味深い。

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写真は以下の通り。
左上:LNER A4型機関車3台揃い踏み。中央がアイゼンハウアー号。
中上:当館の目玉、速度記録を樹立したNo.4468“MALLARD”
右上:昔の駅を模した展示

左下:英国鉄の歴史を展示したパネルの一つで、「ビーチング・アックス」といわれる
   大規模な路線廃止計画を立案・実行した当時の国鉄総裁ビーチング博士など。
中下:過去の栄華を偲ばせる食堂車の食器。
右下:博物館を出ると虹が架かっている。左下にはちらりと列車。



 鉄道博物館の見学を終えて外に出ると天気も好転し、線路の向こうに虹が架かって
いるのが見える。市外へ移動して先ずは城跡へ。小高い築山に円筒形の砦が残って
いる。近くには博物館があって昔のヨークシャー地方の生活を再現しているというので
覗いてみる。結構面白い。またこの博物館、嘗て実際に使われていた地下牢も展示
されている。

 城跡からのんびり15分程も歩くと英国最大のゴシック建築だというヨーク・ミンスター
聖堂がある。東の壁にある巨大なステンドグラスは修復中で見られないが、その他の
ステンドグラスや精緻な壁面装飾は実に素晴らしい。塔の上にも登れる、というので
頑張って登ってみる。日頃の運動不足を痛感しつつ登り切ると美しい町並みが一望の
もとに見渡すことが出来る。時刻は夕方。5時の鐘と、カリヨンベルの演奏も特等席で
鑑賞できる。鐘楼をよく見るとカリヨンを演奏している人の姿も見えた。

 塔を下りると、丁度聖歌隊の合唱会があるという。実は塔に登る前に、練習なのか
パイプオルガンを鳴らしていた。合唱よりもむしろオルガン聴きたさに見物することに。
聖歌隊は地元の学生さんっぽい雰囲気の男女合わせて40人程。司祭に導かれて
入場し、拝礼や説教を挟みつつオルガン伴奏にて合唱。やはり石造りの聖堂の音響
効果は素晴らしい。

 合唱も終わり外に出ると日も落ちて後は暗くなるのを待つばかりの時間帯。晩飯を
喰うべく、またぞろパブに入ってエールと何か食べるものを、と考え風情有る町並みを
ぶらつくことに。途中で某ガイドブックに載っていた店を見つけるが、中はがらがらだし
入り口には妙なオッサンが陣取って立ち話をしているので退散して適当に歩くうちに
狭い間口の向こう、中庭の先にある店を見つける。なんだか雰囲気が良さそうなので
入ってみる。エールとサイダーを1パイントずつ、そしてビーフアンドエールパイ。要は
牛と野菜のビール煮が入ったパイ。大量生産品っぽい気もするが結構旨かった。

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写真は以下の通り。
左:ヨーク城跡の一部、クリフォーズ・タワー
中:ヨーク・ミンスター内部。
右:ヨーク・ミンスターの塔からの眺め。


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2013年10月26日

イギリスに行ってみた(3)

3日目 10月13日(日)

 昨日の晴天と替わって朝から雨。本日はロンドン南方にある保存鉄道を訪ねる予定
である。この時期の通常運行は土日のみのため、旅行期間中の日延べはできない。
天候回復に一縷の望みを抱きつつ朝食後駅へ向かう。地下鉄の駅に着いたら何やら
ダイヤが乱れているのかなかなか来ない。待つこと凡そ15分、漸く来た電車に乗って
ヴィクトリア駅へ向かう。

 何とかヴィクトリア駅に着いて乗車ホームを確認すべく発車案内を見上げると事前に
調べておいた時刻と異なる。しかも目的の駅へ向かう列車が無い。どうしたことか、と
周囲を見回すと告知用と思しき立て看板がある。拙い英語力を駆使して解読を試みた
結果、保存鉄道に接続する列車は本日に限り区間運休となり代行バスがあると云う。
別に事故などではなく予定された事象らしい。線路工事かはたまた廃止の布石かは
判然としないのではあるが、こうなると解っていれば昨日のうちに乗っておいたものを、
と後悔。

 しかし今更予定を変更した所で、雨のロンドンを散歩するのも余り魅力的では無い。
これも貴重な経験と心得て9時36分オクステッド行の列車に乗り込む。50分ばかり
走ってオクステッド駅に到着。駅前に出ると本来の目的地イーストグリンステッド行の
バスが止まっている。しかもロンドンらしい2階建てバスだ。折角なので2階に乗る。

 田舎道を結構な速度で走るバスは25分程でイーストグリンステッドに到着。ここで
本日のお目当て、英国初の標準軌保存鉄道として知られるブルーベル鉄道に乗る
のだが当初予定していた始発の10時45分はさっき出たばかり。次は12時丁度発。
駅で時間を潰しつつ待つ。切符売り場の隣には古い食堂車を改造した喫茶室があり、
折角なので紅茶を飲む。雨の車窓が却って食堂車っぽい雰囲気を盛り上げる気が。

 ブルーベル鉄道は当初英国鉄の路線であったが、1958年に廃線となった2年後
保存鉄道として開業。長い間イーストグリンステッドと一駅先のキングズコートの間は
列車が走っていなかったのだが、近年用地の買い取りが完了し、昨年からは現在の
イーストグリンステッドとシェフィールドパークの間18キロ弱を結んでおり、さまざまな
蒸気機関車と昔の客車が大切に運用されている。

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写真(クリックで別窓/別タブが開き拡大表示、1024×682pixel)は以下の通り。
左:ヴィクトリア駅にて、オクステッド行きのサザン鉄道の列車(左)
中:イーストグリンステッド駅にて、発車を待つブルーベル鉄道の列車
右:窓枠と乗車券



 緑色の小さな蒸気機関車に牽かれて列車が入線してくる。客車も素晴らしく古いが、
よく整備されている様だ。内装は悉く木製で味わい深い。(というか、車体構造自体も
台枠を除いては木造なのかも知れない)。発車時刻が迫るにつれてどんどんお客が
乗ってきて小生の周囲はほぼ満席。やがて時間となり、汽笛と共に走り出す。

 速度がそれ程出ていない所為もあってか揺れも少なく中々快適な旅。近くに座って
いた人は50歳の誕生日祝いの旅らしく、飾りの付いた風船(50歳おめでとうとある)
やら何やら持っていた。そのうちにハッピーバースデーの歌まで始まったので小生も
控えめに歌ってみんなで拍手。

 それにしても、ロンドンは様々な人種が寄り集まって暮らしている街であるのだが、
こういったところに来ると見事に白人ばかり、それも大柄な方々ばかりである。白人と
云っても色々いる訳だが、アングロサクソンの中でさえ階級によって背格好まで違う
そうだし、これはひょっとして階級社会の一面を垣間見てしまったのでは、そんな気も
してみたり。

 雨の中を50分近く走って終点に。そんなに長く乗っていた気がしない。駅では早速
機関車の入替作業やら給水作業が行われる。駅には展示室や土産物売り場もある。
プラットホームは古いポスターや荷物のディスプレイまであり、昔の賑わっていた駅の
雰囲気を盛り上げている。

 帰りの列車は13時30分発。コンパートメントの客車に乗ってみようか、とも思った
が廊下が無く各室に直接出入りするタイプの客車は流石に妙な圧迫感を覚えたので
普通の客車に移動。相変わらずの雨の中だが、往路より少しモダンな客車は快適。
短い旅ではあるが「イギリスの伝統」を強く感じた汽車の旅。

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写真は以下の通り。
左:シェフィールドパークの駅にて。
中:小生が乗ってきた列車の機関車。
右:連結も手作業。



 イーストグリンステッドの駅に到着し、オクステッド行きの代行バスへと急ぐ。発車
まで間があるようだが、次のバスは往路と異なり各駅停車だと云う。オクステッドに
行くならこれに乗れと係員は云うのだがどれだけ時間が掛かるのか。シェフィールド
パークからの列車には結構乗っていた気がするのだが、このバスには何と3人しか
乗っていない(しかも途中で全員下りた)。不安が深まる。

 暫くして発車したが線路に平行する道が無い為物凄い遠回りをしながら一駅ずつ
回ってゆく。果たしてオクステッドに着いてみると、後に発車した直行便の方が先に
到着していた模様。しかし列車の待ち時間が短かったのはよい。程なくロンドンへ
向けて動き出し、小一時間掛けて16時過ぎにヴィクトリア駅に着く。雨は止んだ。

 昨日予約してあった大英博物館の春画展を見に行く。16時台の券なのでぎりぎり
間に合った感じである。本来なら2時間は早くロンドンに戻り、昨日は見なかった2階
以上の展示室を見て回るつもりだったが春画展だけでタイムアップの見通し。

 で、問題の春画展だが初めて見る江戸の春画は何と云うかじつに生々しい代物で
あった。何故だか展示ケースの硝子に手や鼻の痕と思しき汚れが目立った。皆さん
熱心に見つめる余り近づきすぎてしまう模様。

 それにしてもよく描いたなぁ〜、と思うが考えてみたら時折取り沙汰される漫画やら
アニメの規制問題に通じるモノも感じる。アレは最近出てきた悪い文化などでは無く、
日本の大昔からの伝統なのではないのか? 因みにこの春画展、海外でも開催の
予定だそうだが日本国内では開催困難らしい。実に嘆かわしい。

 大英博物館を後にしてふらふらとテムズ川へ向かってお散歩。途中見つけたパブ
にて喉を潤すことに。今度はエールではなくサイダー(発泡性のリンゴ酒。日本では
「シードル」の方が通りがよい)を試してみる。とても旨い。散策を続け夜のテムズ川
など眺めてみる。遠くに国会議事堂が見える。暫し眺めてから宿に戻る。

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写真は以下の通り。
左:ブルーベル鉄道のコンパートメント客車。客室毎に直接外に出るドアがある。
中:ブルーベル鉄道の車窓風景。イギリスらしい田園風景を行く。
右:列車代行バスの勇姿。


kanonenfutter at 23:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)海外旅日記