2007年04月

2007年04月29日

C.T.T Selection in HIROSHIMA

今回は、山小屋シアターで行われた
「C.T.T Selection in HIROSHIMA」
の感想です。
えーと、29日現在、まだ本日の公演が残っているので
ネタバレ注意です。

まず会場に入り、山小屋の椅子がソファであることにびっくり。
座り心地もなかなかで気持ちよく観劇できそうな予感。

これは今回だけなのでしょうか?
それともギャラリーからシアターへと
変わったことによる仕様なのでしょうか?
まあ、どっちでもいいとして。

「C.T.T」とは京都がメイン?で行っている、
「試演会」という形でいくつかの劇団が公演を行い、
またその後お客さんを交え「合評会」というものを行うなどをして
役者、劇作家、演出の技術向上をめざす・・・

という感じの企画だったのですが、
会場に行くまではそんなことは露知らず、
僕としては、純粋にお客として観に行ったはずでした。

と、この話はまた後ほどするとして、
まずは公演感想から。

お芝居の本数としては
京都・名古屋の劇団と、広島の劇団が2つ
計4本上演されました。

まず一本目。
正直者の会・「12分」(京都)
ラジカセを4台使った一人芝居で
そのラジカセから効果音が流れたり、
ラジカセと会話したり、それらを実に巧妙に使い、
お話しが展開していきました。
とても器用でよく作りこまれてるなぁ
といった感想でした。
ラジカセ4台も使ってるのにも関わらず、
会話もきちんと成り立ってるし。
(まぁ、陣○さんをほうふつとさせられもしましたが。)
さらに違ったバージョンも色々あるようなので、
それらも観てみたいなと感じさせられました。

次に二本目。
劇団無色透明・「笑う亀の実験」(広島)
これは女性二人での二人芝居。
どろどろした女性関係?
妊娠や堕胎?などを扱った作品でした。
日常の会話劇のようでもあるのですが、
とてもシュールな印象で、
ちょっと上級者向けなお芝居(?)だなぁと感じました。
客席の方を双眼鏡でのぞいたりしてるのですが、
もしそれがちゃんと見えるようになっていたとしたら、
確実に僕は目があっていたと思いましたが・・・。
目をそらそうか変な顔でもしてやろうかと
ちょっと悩みましたが、基本的ににらみ返してみました。

んで三本目。
劇団ジ・オイスターズ 「愛の無断駐車」(名古屋)
基本的にコメディタッチの作品。
初めから変な雰囲気をかもし出しつつ、
最後に向かいどんどん変な感じが加速していくイメージでした。
面白かったのは面白かったのですが、
正直「それで?」といった感じ。

最後に四本目。
劇団愛宕山レシーブ 「渠渠(きょきょ)」(広島)
こちらが今回僕がメインで観にきた作品で、
元広島大学演劇団の新名君出演の一人芝居でした。
学生運動(?)やらをする男と、
猫に生まれ変わった女のお話(?)でした。
相変わらず豪快に演じる新名君。
脚本が僕のレベルではちょっと難しかったですが、
新名は叫ぶは水吹くはギター弾くはとなかなか楽しめました。
以前も新名は広島大学演劇団時代に一人芝居を行ったのですが、
それと全く同じセリフがあったのは・・・
多分偶然でしょう。

と、ここまでが公演の話で、
この後に「合評会」がありました。
先に断りますが、
おそらくここからはほとんど支離滅裂な
不満しか書きませんのでその点をご了承ください。

まず、この「合評会」、特に参加するつもりはありませんでした。
しかし、アンケートを一行書いたとたん
いきなり何の前触れもなくはじまってしまい、
一番前に座っていた手前もあり、なんとなく出るに出られず、
そのまま参加することになりました。
ここの時点で、もう少し退出する間を与えろよ
なんて感情がわきあがりつつ、
まあ、多少の興味(特に新名作品に対する興味)は
あったのでまあいいかとも思ったのですが。

「合評会」の全体の流れとしては
司会(C.T.Tの代表?)と各劇団の演出四人+ゲストの人が
ステージにならんでおり、
まず演出一人一人がこの劇に対する心意気などを語り、
その後お客さん交えた評論(?)という形でした。

一番不満に感じたのが劇団ジ・オイスターズの方の発言。
まず、自分はこのお芝居は未完成だ
自分の思うとおりにいっていないので
意見をもらっても、別に「ふーん。」としか思わない…。
というもの。

え?ならこの「合評会」自体な〜〜〜〜んの意味もないんじゃ…

そしてさらに、このお芝居が未完成なのは
役者が悪いからだ、ダメ役者ばっかりだ、
というもの。

え?仮にも「お客」の前でする発言か?
はっきりいってお芝居が悪いのならばそれは演出のせいでは?

続けて、役者よりラジカセがしゃべるのがいい、
といった感じの発言。

え?じゃあそうすれば?
僕はいったいここまであなたに何を見せられにきたの?

結局、練習は4回計8時間しかやっていない、と。

え?練習それだけしかやってなくてなに今までの発言?
プロでもあるまいし、4回じゃ普通できないでしょ。

といったもろもろの発言にいちいちぶちっときながら。
その後に新名作品の劇評じゃなかったら
確実に席をたっていたと思います。

その他にも、なぜか舞台にいる演出同士や
関係者のする質問のやりとりに
打ち上げでやってくださいとか思いつつ。

舞台に司会、演出の人々がならんでいたこともあり、
とても面白くない、5本目のお芝居を見せられた
という感想でした。
せめて同列の目線で話しができる環境をつくらないと、
お客側もコメントもしにくいんじゃないかと。

一番間違っていたのは僕が
「お客」として観にいったことだったかもしれません。
僕は純粋にお芝居だけ楽しめればそれで満足だったので。
「お客」ではなく、劇評をするんだ、
といった立場で観にいけば、
多少はこの苛立ちもなかったかも。

・・・
ともかく、もし再び広島で「C.T.T」が開かれたら、
公演は観に行っても
絶対「合評会」には出るまいと思います。