2016年09月26日

レバノンのLGBTについてお話を聞く会を開催しました

少し前の活動報告になりますが、先々月の7月17日に、レバノン出身のカリム・ナデルさんをお招きし、レバノンのLGBTについてお話を聞く会を開催しました。

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カリムさんは英語が得意なので、発表は英語で行っていただきました。
カリムさんが作成してくれたスライド原稿(PDF) 

カリムさんの話す英語を、英日訳が得意な方にお願いして、同時に日本語通訳もしていただきました。

カリムさんのお話ではまず、カリムさんご自身が当事者として、またLGBTの運動に関わる中で、実践されてきたこと、創意工夫されてきたことについて伺いました。

また、様々な宗教が存在感強く同居しているレバノンの社会・文化について(例えば、学校教育は宗教・宗派をベースにした私立学校ばかりであること、教会やモスクの存在感がとても強いことなど)、フランスの委任統治領であった歴史があるため学校教育はフランス語で行われていること(よって、レバノンの法律はフランスの法律と同じであることや、個人のブログではアラビア語の他にフランス語や英語を使用言語とするので国外への発信力を持っていることなど)についての言及もありました。

そして、レバノンは地理的には西アジア・中東地域にあり、アラビア語が公用語であり、アラブ・イスラーム世界の中に位置しています。
そのことから、レバノンと西側世界との関係について考えるというお話もありました。
「イスラム嫌悪と同性愛嫌悪」と題して、運動の中で中東にいるLGBTの人達の存在が置き去りにされやすいことや、アラブ世界における「抑圧された存在」であるクィアや女性達の「救済」を大義名分として西側諸国がシリアや他のイスラム諸国を軍事侵攻することが正当化されていること(参考:「ピンクウォッシュってなに?」)などについて言及がありました。

その後参加者からの質疑応答があり、閉会後残った人達でそうめんを食べて交流会を行いました。

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以下は、一参加者であった私の感想です。

まず、レバノンにおけるLGBTを巡る状況と運動について捉え考えるために必要なこととして、日本社会とレバノン社会は異なる文脈と状況を持っているということを意識することが大切だと思いました。
それぞれに文化が違うということもそうですし、グローバルに見た時にそれぞれが持っている権力にも違いがあるということ(具体的には、レバノンはイスラーム世界に属することで西側諸国が最も権力を持つ現在の世界情勢の中では不当な攻撃の対象にされやすいし、日本はアメリカとの関係も絡んで、イスラーム世界に対する不当な攻撃へ加担する側になりやすいということ)についても考えました。

また、カリムさんのお話の締め括りは、LGBTの権利を主張できる存在もいればそれが難しい存在もいて、そこに複合的な差別・抑圧の状況があるということ、LGBTの中にも権力関係があるという点であったことも印象的でした。
この点は、日本社会で行う運動の在り方について考える時に、私達が普遍的に参考にすべき点であると感じました。


全体の参加者は10人程だったので、それぞれの顔を見ながら話せて、参加者がお話の中で分からない所を気軽に質問できるような雰囲気があった所も良かったです。

カリムさん、ありがとうございました!

(文責:あい)


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