みなさまこんにちは 雨ですね~。
梅雨だというのに全然雨が降っていなかったので、ちょっと安心しました

いよいよ明日は今年こその企画、オール・リヒャルト・プログラムです
飯守泰次郎さんは皆さんのイメージ通り、ワーグナーをはじめとする
ドイツ音楽はお手の物
そして練習では”水を得た魚”のように活き活きと指揮台の上を泳ぎ回られます
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練習前に、「今年はリヒャルトイヤーで演奏されることが多いでしょう?」と
お伺いしたところ、目をキラキラさせてお話しくださいました

「ここまで豹変する作曲家も珍しいですね!!
ベートーヴェン、モーツァルト、ブラームス、ワーグナーとかは、
なんとなく音楽の形があるのですが、リヒャルトは音楽の変貌ぶりがすごいです。
人間的・音楽的に豊かだったのでしょうね。
それぞれの曲が多彩で全く違った個性があって、私は大好きです。
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今回のプログラムは時代を遡ることになる組み方です。
前半に演奏するカプリッチョとオーボエ協奏曲は後期の作品、後半に演奏するドン・ファンとサロメは初期のころですね。
大編成のドン・ファンとサロメ、初期の頃の作品なのに円熟しきった響きに溢れ、
オーケストレーションの醍醐味を味わっていただけます。
リヒャルトの音楽の豹変ぶりを堪能していただけると思いますよ。」

明日の合言葉は”豹変”ですね

管楽器は大編成ですが、弦楽器はいずみホールに合わせて12型。
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これは「サロメ」の練習ですね。

管楽器や打楽器は明日の曲目の中で最大です。
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打楽器が全部写せなかったのですが、ティンパニ2名、打楽器奏者6名です。
それ以外にハープ2台、チェレスタ。

いずみホールの舞台に乗るでしょうか・・・

「サロメ」の有名なヴェールの踊り、今回は少し編成を小さくしたアレンジ楽譜を
使用しますが、それでも上記のような木管楽器の編成。
このサロメのある意味異様な音楽が、いずみホールでどのように響きますでしょうか
(もしかしたらいずみホールで「サロメの踊り」が演奏されるのは始めてかも!?)

後半のもう1曲の「ドン・ファン」、冒頭では昔の日曜夜9時12チャンネルを必ず思い出す
有名な曲ですね。ホルンの咆哮が印象的なドラマティック交響詩です

コンサートの一番最初、「カプリッチョ」からの2曲、「弦楽六重奏曲」と「月光の音楽」は
続けて演奏します。
この2曲の間、奏者の出入りはありませんので、本番では分かりにくいですが、
「弦楽六重奏曲」を演奏しているのは、19名の弦楽器群。
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1番ヴァイオリン、2番ヴァイオリン、1番ヴィオラ、2番ヴィオラ、1番チェロ、2番チェロ、
の6パートに、コントラバスを1本補強で入れています。
本当に繊細で優美な室内楽的楽曲です
続いて演奏するホルンソロが印象的な「月光の音楽」、リヒャルト・シュトラウス自身が
「これ以上美しい音楽はもう書けない」と言ったそうですよ

詩や台本を元に作られた音楽達、飯守さんは
「音符がしゃべらないといけない!音が生きてないといけない!!」
と何回もおっしゃっていました

そして前半最後のオーボエ協奏曲のオーボエを吹いていただくのは
28歳のイヴァン・ポディオモフさん
管楽器のコンクールとしては最難関のミュンヘン国際コンクールで最高位
この若さでその他多くのコンクールで優勝されています

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素晴らしいオーボエです。
限りなく美しく消え入りそうなピアニッシモ、
音色自体が嬉しくて微笑んでいるような高音

飯守さんも、
「体は大きい大男だけどね~、とても繊細でしなやかな感覚を
持ってるよ彼は!華美ではなく、内面的であたたかいね。
素晴らしい音楽性だけど、それをひけらかすのではなく、どこまでも
良い音楽を追求しようとしている音楽家だね」
とおっしゃっていました。
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リヒャルト・シュトラウスのオーボエ協奏曲、
ソロオーボエとオーケストラとの対話が素敵なオーボエの名曲ですよね。

オーケストラの小ぶりな編成からしていずみホールにぴったり

練習でのひとコマをご紹介します
練習1日目、このオーボエ協奏曲をオーケストラだけで練習しました。
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こじんまりした編成ですね。
フルート2本、イグリッシュホルン1本、クラリネット2本、ファゴット2本、ホルン2本という
編成です。

んん?オーボエ奏者が3人いますね・・・。

実は・・・
オーボエ協奏曲のオケだけの練習が始まる直前、飯守さんが
「佛田さん(オーボエトップ奏者)、ちょっとオーボエのソロを吹いて
もらえませんかね~」
とのむちゃぶり!!!!直前ですよ!!

とても優しい佛田さんは飯守さんの強引な要求(全て良い音楽のためなのですが)を
断りきれず、「あっ、えっ、はい・・・」と。
そして、なんと吹いてしまいました、最後まで!!
楽団員からも大きなブラボーが
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何の準備もせずに吹ける曲ではありません、絶対に!!

なので、上記のオケの写真のオーボエパート、
オーボエソロを吹く佛田、オケパートのイングリッシュホルンを吹く高名、
それを見学するエキストラ奏者の福田さんの3人なのでした。

ポディオモフさんをお迎えする前に、とても有意義なオーケストラ練習に
なったのは言うまでもありません。

色々あった練習3日間。
ぜひその成果をいずみホールに聴きにきていただければ
嬉しいです。

当日券は18時から発売開始致します。


【関西フィル いずみホールシリーズVol.34】
[日時]2014年7月8日(火)19:00開演 (18:30開場)
18:40~ 指揮:飯守泰次郎によるプレトーク開催!
[出演]
指揮:飯守 泰次郎(関西フィル桂冠名誉指揮者)
独奏:イヴァン・ポディオモフ(オーボエ)

[プログラム]
◆R.シュトラウス:弦楽六重奏曲(歌劇「カプリッチョ」前奏曲)
◆R.シュトラウス:月光の音楽(歌劇「カプリッチョ」間奏曲)
◆R.シュトラウス:オーボエ協奏曲 ニ長調
◆R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」作品20
◆R.シュトラウス:「サロメの踊り」作品54

※出演者、曲目、曲順など、内容が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。

入場料:S席¥5,000/A席¥3,500(全席指定・消費税込)