hiroken's blog

劇団主宰 劇作家 演出家 俳優 演技講師 セミナー講師の観点からいろいろと綴っております。このブログが今のあなたの何かになれたら幸いです。

2019年12月

2019年も残りわずかとなりました。

今日でとりあえず今年の講師は終了です。と言っても今期の後期授業はまだ続くわけで、、

ただ実は自分、講師をし出して10年目の節目だったりします。

全くやりたくないと思ってた講師でしたが、面白いものでもう10年か。

で、やっていくうちに、自分の講師論なんかも生まれてきたりして、ブログ書いたり、メルマガ書いたりといろいろやってきました。かと思えば、文化も著しく変化し、自分もそれに合わせて変わらないと立ちいかないこともあったり、、、とまぁ、何だかんだ紆余曲折ありつつも、幸いなことにここまでやってこれました。

主に指導者という立ち位置なのだろうけど、自分はあくまでも演技講師なので、ただの先輩と思ってやってきた。

でもやはり先生と呼ばれるし、偉ぶればそれだけ崇められる可能性もあるのだけど、偉くないしね。

それに、演技講師はティーチャーではないと考える。

どちらかというとコーチだと思う。

コーチの語源って「馬車」なんですよ。
だから導くことなんじゃないかなって思う。

確かに経験してきたことはあるわけだから、アドバイスはする。でも、決して答えを言うのではなく、あくまでも答えを探す手伝い。

またその答えも十人十色なので、本当に各々のスタイルが伸びればいいと思うし、各々が出した答えが自分の糧。

そんな風なことを考えてやっている。

これからも時代は変わり続け、自分も何かしら変化をせねばならないことがあるだろう。

その時は抗わず、しかしながら自分に対するスジだけは通していきたいなと。

また来年は来年の風が吹く。

ぶらっと俳優道!-ロゴ

どうも、広瀬謙です。

お待たせしました第89号となります、ぶらっと俳優道!のお時間です。

 

役者を目指して上京したとき、友人から「死ぬ気で頑張れ!」と言われました。

でも、死ぬ気で頑張れと言われても、正直どうしていいかわかりませんでした。


それより生活に追われ、どちらかというと死ぬ気でバイトしてました。
夢はかなうより、かなえるために走ってる時の方が楽しいもんでね。今思うとしんどかったけど充実してたように思います。


ただ役者って免許がないので、自分は役者してます!と言えば、

すぐに役者になることができ、あっという間に夢がかなうという不思議な職業だったりします。

現在、編集技術も著しく進歩し、演技ができなくても役者してますと言えばもう役者になれる、、、というか、このままいけばロボットが演じても成り立つのではないかとすら思うほどです。


しかも個人でいくらでも発信できるツールも増えてきて、役者の線引きがつけにくくなってきてます。


ただね、何事もそんな甘いものではない。

ラクなものなどない。


 

冒頭で言いました「死ぬ気で頑張る」とは何か?


それは、

一生懸命やるということです。

何だそんなことかと思うなかれ。
簡単なようでかなり難しいからね。

一生懸命で居れば人間の魅力が出てきます。

芝居の中でも、役を一生懸命生きていれば魅力は出ます。
魅力的とは格好いいばかりではありません。
印象に残るということです。

嫌な役を演じたとして、それを観たお客さんが、ムカつくわこいつ!って思ってもらえたならそれは役者冥利だし、そうなるためには与えられた役を一生懸命生きてないと伝わるものも伝わりません。

 

皆さんは自分のこと好きですか?嫌いですか?

 

たまに、生徒の中に、今欲しいものは何?って聞くと「別にないです」って言う子がいます。

じゃあ、好きなものは?って聞くと「特にないです」と言います。

「じゃあ役者なんてやめてしまえ!」と言いたくなるのを堪え、帰り路、講師をやめようかと真剣に悩んだりします。


役者になりたいというなら一生懸命でいろよ!魅力的でいろよ!

 

有名人はチヤホヤされるし、お金も沢山もらえるし、ラクして稼げてモテまくり…なわけないだろう!華やかな裏には涙ぐましい努力があるんだよ。何なら、努力すれば報われるといった保証もないから。確かに運もある。でもそれだけで継続させるなんて無理だから。

 

例えばね、筋肉隆々な体に憧れ、トレーニングをするとしよう。

でもできることならトレーニングをせず、筋肉隆々になりたい。

しんどいことはしたくない。ラクをして手に入れたい。誰もがそう思うでしょう。

 

そういう思考があるから、通販番組が儲かり、また、世の詐欺師たちもあの手この手で犯罪をおかすわけだよ。

 

でもね、すぐにゴールに辿り着くより必死でゴールに辿り着く方がね、全てにおいて2倍っていうか、その後もずっと生きてくるんだって!

 

そのためには、常に自分と向き合ってないと。甘えてちゃ駄目!


自分はどうしたいのか?
自分は何が好きなのか?何が嫌いなのか?
何故好きなのか?何故嫌いなのか?

考えてみようよ。で、動いてみようよ。

 

そしたらね命の根も深くなりますよ。

 

死ぬ気で頑張れ!

アイリッシュマン

最近、観た中でグッときた映画『アイリッシュマン』。

レビューなんかを見てると、長い!って感想が凄く多いけど、自分は飽きず最後まで観ましたよ。

長いという意見もわからなくもないけど、この手の作品を短く起伏の激しいものにする方が苦痛。


確かに3時間半もあるときついのかなぁ。。。
むしろもっと観てたかったぐらいなんだけどな。

役者なら、こんな役をやってみたいって思うよね誰もが。

何せ、デニーロとアルパチーノが同じ枠内に入ってるってすごいからね。
それを映画館で観られる贅沢さ。
確かに今まで共演はあった。マイケルマン監督の『ヒート』とかね。
2人が共演!と話題になった作品だけど、でもあの作品は2人の顔が同じ枠内に収まってはいない。

それがだ、ここへ来て、こんな豪華な顔合わせ!

さらに、ジョーペシ、ハーヴェイカイテル増して監督がマーティンスコセッシ。もうたまらない。



ホッファは過去、ジャックニコルソンなど、いろんな役者さんが演じているが、アルパチーノが演じたホッファはとても人間的で魅力的だった。

ホッファとはどういう人間かというのを知ってから観るのもありだと思う。もちろん知らなくても観ることはできるが社会背景など知っておいた方がさらに楽しめるかもしれない。


自分は、
この時代のアメリカの背景がそこまで詳しくなく、難しい点も多々あった。
でも、その時代に流されてか抗ってか、そこで生きてる男たちのドラマがそこにはあった。


しかしまぁ、スコセッシ監督とデニーロのコンビは時代を見事に映すコンビだね。

フランク(デニーロ)とホッファ(アルパチーノ)の演技バトルも必見ですぞ。


映画を観終えた帰り道、切なさがこみ上げた。
やられた。とても良かった。



ネットフリックスが絡むことで配信作品は映画ではないという声もあったりして、確かにネットフリックスと契約すれば今すぐ、『アイリッシュマン』が観られるわけだから、線引きが難しいよね。

でも、公開劇場は少ないが、映画館で是非観てほしい。



俺がアカデミー会員なら『ジョーカー』よりこちらを推すな。

まぁ、マーベル作品にかみついたスコセッシ監督ゆえ、アカデミー賞に絡んでくるのかはわからないけど。


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