2006年11月25日

現世美術館 2006 展示作品

gense-niwagense-niwa yoru





lime-yoru nakalemon-yoru naka




立体が2つある。
それは、レモンとライムである。
中を覗くと・・・。

ライムの中では、ぼんやりとそしてゆっくりとみどりや青色の光が灯っては消え、また灯っては消える。外見は似ているが今度はレモンの中を覗き込むと輪切り状の形状の中に見る者の顔が、空や背景と共に映し出される。

この作品は「刺激とリラックス」を、さらに追求したものである。リラックスを表現した立体:ライムの中では心臓の鼓動が鳴っていて胎内をイメージさせる意図がある。もう一方のレモンの中では、走馬灯がぐるぐると廻っていて、これを照らす光はフラッシュバック現象をイメージした光だ、眩しくてチカチカする。

この二つの立体作品は、脊椎動物の末梢神経系の一つである自律神経(交感神経と副交感神経)を表している。と、同時に<生まれる前の状態>と<死ぬ前の状態>を表現している。レモンは、生きていて刺激的な状態〜死ぬ間際にかけて、ライムは生まれて来る前の穏やかな胎内なのである。

後方に見えるペイントは、高さが2m40cm、幅が3m60cm、奥行が92cmとその空間に入ることができるようにしている。このエリアに入って異次元のように異空間を感じてほしい。

壁面ペイントは向かって、右端からカオリが描き、左側からマリ子が描いた。同じ技法で、それぞれがとことん独自の表現を込めた。カオリは「刺激」を、マリ子は「リラックス」を。そして真ん中で融合するようにした。

私の描いた右半分は、脳の中でアドレナリンが激しく分泌し、目に見えるもの、感じ取れるもの全てが光り輝いている状態を表現した。幻覚や心理的恍惚状態に似たサイケデリック状態とも言えよう。これを目に見えるようにしたかった。

マリ子の描いた左半分は、まるで彼女がそこに居るような安心感を私は受ける。それは彼女の持っている、許す心や優しさや穏やかな思い、そのようなものが自然と出てくる中、みどりや青色や銀色の筋、足元にはまるで静かな雨の中をはずむ毬藻のような丸い物体、天には雲や星といったロマンチックとも言える穏やかな空気感が広がっている。

右半分が脳が覚醒して異常な色と光を放っているのに対して、左半分は霧のような湿度さえ感じてしまう、ひんやりとした穏やかな色調だ。

これが、真ん中でぶつかりあうのか?
交感神経と副交感神経の切替をスムーズにできなければ、感覚は不快となりたちまちにして相乗効果を得られぬままとなるであろう。

私は、右半分であちらこちらへ斜めに勢いよく飛び散っている花を、真ん中に近づくにつれ、マリ子の描いた銀色の雨のような縦の筋に引き寄せられて調和するかのように、次第に大人しくさせ、ついには中央で真っ直ぐにすくっと立ちすくむ一輪の花のように描いた。

毬藻のような物体や小さな花々も
混ざり合うことを歓迎しているかのように
ささやかに優しく飛び散っている。

スプレー顔料で一面を描いたあと、そこに重ねてシルクスクリーンを刷った。

右半面には、蛍光色でグラデーションした蝶々が紛らわしく混在している。と、ふと気付けばそこを密かに巣食うように、墨一色の幼虫が点在している。
左半面には、シルバーの猫とゴールドの猫の餌、コロナのようなビールの瓶にライムがささっている図を風景とうち溶けるように配置している。

この作品、一見相反する「刺激とリラックス」を通して人間に欠かせない神経のはたらきを感じ取ってもらえれば幸いだ。


uketsuke-fujiringowashitsu ringo





kaomaringo


そして、会場の和の雰囲気を見て非常に展示したくなった作品はこれ。おなじみ「フジリンゴパワー」。雑誌等に写真を載せて頂くことがあるこの作品だが、作者自身も実物を目にするのは、実に3年ぶりであった。六本木から帰ってきて、梱包を解いていなかったので。

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/kaomari/50956164