担々麺大好き(特にゴマ風味のもの)。
アジサイ大好き(桜や紅葉も)。
そして経済ニュース大好き(国際ニュースも)。
ということで「担々麺とアジサイと
ちょっと経済」です^_^

日本でもネット通販が実店舗を脅かしていますが、アメリカではさらにすごい!米小売は転換点(tipping point)を迎えたという記事やネット通販の増加で犬にかみつかれる郵便屋さんが増加しているという思わぬ波紋の記事などネット通販をめぐる環境変化のニュースが目立ちます。

(The Economist)

New York Timesは社説でAs Retail Goes, So Goes the Nation (小売りと国は一心同体)として、「ワーキングクラスの怒れる有権者の典型は、製造業での職が奪われ、かつては中間層の仲間入りができなくなり、低賃金のサービス業で働くことを余儀なくされた人たちだ」と指摘しています。

ネット通販は2004 年以降、 6年ごとに2 倍に増えて、 2016 年末には小売り全体の8.3%を占めるまでにいたったということです。この結果、百貨店やスーパーなどの雇用が奪われました

一方で、物流や倉庫での雇用は増えていて、都市部の店舗の雇用は減少する一方で、ネット通販が雇用創出をしている証だと紹介しています。さらに、アマゾンなどが実際の店舗(brick and mortar stores)を開店する動きも。

社説では、受け取れる雇用保険の増加や退職後の医療保険の継続などセーフティネットの強化を求めています。

さらに法律や規制の結果、サービス業の労働組合の組織化が遅れているとも指摘。

トランプ大統領はこうした有権者にアピールすることで勝利した。今こそ、大統領がそうした有権者を支援するときだ (President Trump won by appealing to these voters.  Now it’s his turn to help them)」と結んでいます。

実際、女性服のBebe 21 日、5月中に全米の180 の店舗を閉鎖すると発表したと USA Todayは伝えています。

アメリカのモールでよく見るブランドですが、Bebe to close all stores, becoming latest retail casualty (ベベ、全米の店舗閉鎖で、犠牲者また増える)の中でネット通販に負けたと報じています。

Wall Street Journalも「普通の店舗(brick and mortal stores)が記録的なペースで閉店に追い込まれる中、アメリカの小売りは転換点(tipping point)に達したようだ。かつてはショッピングモールを埋め尽くした店舗は"ゾンビ"となる一方で、ネット通販は若者層と富裕層というもっとも貴重な顧客層をとらえている」と伝えています。

一方、ネット通販の増加は思わぬ波紋も。

The Economist For posties, online shopping has an unpleasant bite郵便屋さんにとってネット通販は痛いことも)によりますと、最近、アメリカで犬にかまれる郵便配達の方が増えているそうです。 

2013 年に5581件だったかみつき件数が去年は 6755 件まで増加。とりわけ多いのがロサンゼルスやヒューストンなどの都市部。郵便屋さんが一軒一軒歩いてまわるためです。

電子メールの普及で、配達する手紙は減っています。2008年に 910億通だった取り扱いは2016年に 610億通まで減少。

その一方で、ネット通販の配達は、同じ期間に32 億個から 52億個に急増しています。荷物を持った郵便屋さんは多くの場合、ピンポンを押すので、犬が寄ってくるというわけです。

犬によるかみつき案件の増加を受けて、郵便局は危ないワンちゃんがいる家を特定したアプリを開発したそうです。犬によるかみつきは郵便局にとって 280 万ドルの医療費の支出につながり、これまた増えています。

郵便局はお客さんにドアを開ける前に犬を別の部屋に移動させるよう依頼しています。

記事は「アマゾンのドローン配達が実現することを望む新たな理由になるのではないか~とは言え、ドローンもかじられるかも(Another reason to hope that Amazon can make drone deliveries work – though those drones could be worth a nibble, too) 」と締めくくっています。





日本時間の午前3時前、ムニューシン米財務長官らが法人税減税などの税制改正を明らかにし、税制改革が動き出しました。一方、28日(金)24:00までにいまの暫定予算 の次の予算を組めないと、翌29日から政府機能が一部シャットダウンします。

焦点は、メキシコとの国境沿いの壁の建設の費用を新予算に盛り込むかどうか。皮肉にも29日は就任100日の節目にあたり、トランプ大統領 は実績が少ないことから支持基盤の心が離れかねないとして、選挙戦の象徴でもある「壁」を再び持ち出していると伝えられています。

一方、壁は結局比喩だとしてトランプ大統領側の譲歩で予算がまとまりそうだとも。とりわけ英BBCが外国人にも分かりやすく解説しています。


New York TimesThreat of Government Shutdown Fades as Trump Retreats on Wall (トランプが壁について後退するにつれて政府機関の一部閉鎖の脅威は薄れる)として、「25日現在、議会指導部は、トランプ大統領の公約のメキシコとの国境沿いの壁の建設の予算を盛り込まない一方で、国防や国境警備といったホワイトハウスの重点項目の予算は措置する方向で交渉中」と報じています。

壁の建設については「ホワイトハウスや議会上院の事務方は、幅広い国境警備の予算を意味する、しょせん比喩のようなものだという見方で一致しているようだ (seemed to agree that the wall had been reduced to something like a metaphor for broad-based border security funding)」として、実際には予算案に盛り込まれないだろうということです。

去年12月にいまの暫定予算を成立させ、トランプ政権発足後に本格予算を議論するはずでしたが、議会のゴタゴタで新予算も遅れ、28日の期限を迎えます。

いまの焦点はことし9月末までの「今年度予算」ですが、トランプ大統領は 10 月以降の「来年度予算」に壁の建設の予算措置を目指すこともできます。

もともとメキシコが壁の建設費を出すとトランプ大統領は主張し、メキシコは「あり得ぬ」と突っぱねたのですが、スパイサー報道官は記者会見でメキシコが支払うと強調しました。

(WSJ)

Wall Street JournalWith Border Wall Funding Shelved, Lawmakers Inch Toward a Deal (国境沿いの壁の建設費が棚上げされたことで、議員は合意に近づく)と伝えています。

今週末、政府機関がシャットダウンされないための次なる焦点は「低所得者の医療費を払い戻すための補助を盛り込むかどうか」だそうです。

BBCUS government shutdown: How did we get here again? (米政府の機能停止:なぜまたこうなったんだっけ?)が分かりやすいです。

4月28日24: 00 までにアメリカの上下両院が新予案を盛り込んだ法律を可決させた上で、トランプ大統領が署名しないと、政府機関は緊急以外の機能を停止する」と伝えています。

具体的な手続きとしては「上下両院の予算委員会で法案を作成し、共和党と民主党の指導部とホワイトハウスが修正する」ということで、与党共和党は議会上院で100 議席のうち52議席しかなく、必要な 60 議席を確保できないと解説。民主党の賛成が欠かせません。

これっていつか来た道では?とうことで、■当時の野党共和党がオバマケア(医療保険制度改革)の予算措置の削除を求めた2013年に 16日間、政府機能が停止したほか、■1978 年に18日間、さらにクリントン大統領のもとで1995 年と 1996年に行われたと紹介しています。

あれ、今回は法案通過の見通しが立っていたのでは?という疑問に対しては「その通り。しかし、最近になってホワイトハウスからメキシコとの国境沿いの壁の建設費用の一部を盛り込みたいという要望があり、障害が生じた。それもここにきて、だいぶ後退したが」と解説。

一方で、トランプ大統領はこうした報道にお得意のツイッターで反論し、壁の重要性を訴えました。

もともとはもっと遅い時期に壁の建設費用を予算案に盛り込む予定でしたが、ホワイトハウスが一部だけでも今回の予算に入れたいと言い出したということです。

「大統領はかねてメキシコが建設費用を負担すると主張してきたが、メキシコ政府があり得ないと言っているため、大統領は最近になって払い戻しをさせると言い張っている」ということです。

「壁の建設こそ支持者が求めてきたこと」だとして、就任100日を前に実績が出ない中で公約の壁を建設するぞ!として支持基盤を喜ばせたいのだと示唆しています。

で、どうなるの?

■時間稼ぎのため、一定期間、つなぎ予算を編成する←あり得る。

■ホワイトハウスが負けを認め、議会が美しい形で法案を通す←考えにくい。

■民主党が負けを認め、法案の成立に協力する←あり得ない。

今週、予算を何らかの形で通して政府機能が停止に追い込まれなかったとしても、来年度=2018年度予算が始まることし101 日に向けてシャットダウンをめぐる政治闘争が再び始まるという見通しを示しています。

トランプ大統領はすでに来年度の予算編成に向けた政府案の方針を示していますが、 5月末までにこの方針を反映させた"予算教書"を議会に示します。

でも、予算編成を担うのは議会ですからね。





バマ前大統領!懐かしいですね。24日、大統領退任のあと初めてシカゴで演説しました。

各社「トランプと一度も言わなかった」などと大人の対応をしたと報じています。

一方、「オバマ氏、初めての演説で 文章をひとつひとつ完結させ、(話がすぐにそれていく)トランプ大統領を怒らせた」という風刺のコラムも。オバマさんの演説の文章は美しかったですね。

(Reuters)

USA Todayは、Obama delivers first speech post-presidency, without ever saying 'Donald Trump'(大統領退任後、オバマが初の演説〜一度も"ドナルド・トランプ"と言わずに)の中で、「ホワイトハウスを去って3か月、オバマ前大統領は24日、スポットライトの中に再び踏み出し、若者に政治に積極的にかかわるよう促す一方で、アメリカ政治の二極化を嘆いた。それもDonald Trumpと一度も言わずに」と伝えました。

まず「僕がいなかった間、何か起こったかい?」と冗談交じりに話したそうです。

オバマ氏がかつて教壇に立ったシカゴ大学で20歳前後の若者たちを前に気候変動や機会の減少などを念頭に「確かにいま多くの課題に直面している。どれも深刻で手強いものばかりだが、解決不能なわけではない。解決の妨げになっているのは、政治の問題だ」と述べました。

トランプ大統領の就任から100日を前に初の公の場での演説になったが、ブッシュ元大統領とクリントン元大統領の初の演説の時期と比べて数週間遅かったということです。

New York Timesも、Obama Steps Back Into Public Life, Trying to Avoid One Word: Trump(オバマ、公的な場に再登場〜トランプという一言を回避)というタイトル。

トランプ大統領に繰り返し批判されているオバマ前大統領は、あえてトランプ大統領について触れることを避けたとしています。

「トランプ大統領や共和党を批判することもできたが、それはせず若者たちに政治にかかわるよう促した」ということです。オバマ前大統領は、「私ができるもっとも重要なことは、次世代がリーダーになる準備を手伝うことだ」と述べました。

トランプ大統領に触れなかったのは偶然ではない(Avoiding Mr. Trump was no accident)として、オバマ氏とその側近はこの時期にトランプ大統領と対決するのは政治的に得策でないと判断したということです。

一方、メディアに関する批判や、一方的な見方にしか晒されないリスクに触れた上で失敗から学ぶ教訓や他人の話に耳を傾ける重要性を強調。

さらに、ニヤニヤしながら「それって結婚で学んだんだ。それを知っていれば悩みも嘆きもぐっと減るさ。ま、人生のちょっとしたヒントだよ」と語ったということです。

オバマ氏は退任後、長〜い休暇を取得。さらに回想録を執筆中です。今後は、5月7日ににケネディ大統領図書館とボストン博物館で演説を行うということです。

New Yorkerの風刺コラムThe Borowitz Reportは、確かにパンチが効いています。

「シカゴ大学で行った演説でオバマ前大統領は、完全な文章で話すことに終始した。トランプ大統領に対する残虐な批判だと広く受け止められた」とおもしろおかしく伝えています。

「オバマ氏は、文法が極めて正しい文章に徹した。このところアメリカ国民がホワイトハウスから聞くことのないような完璧な英語だった」ということです。

出席した学生は「オバマ氏は文章を必ず完結するように身を律した。トランプ大統領に対する最大の意地悪だった」と分析したということです。

他の学生は「あんな形でトランプ大統領に対抗するとは思いもしなかった」と語ったそうです。







トランプ大統領の就任100 の節目を控えて報道各社が支持率や、これまでの評価を掲載しています。リベラルな Washington Postで見ると、支持率は42%、不支持率は 53%

保守的なWall Street Journalで見ると支持率は 40%、不支持率は54。ほぼ同じです。

当の大統領は 100日目となる4月29日、ペンシルベニア州で選挙戦のような大規模なラリーをやるそうです。

(Reuters)

Washington PostのタイトルNearing 100 days, Trump’s approval at record lows but his base is holding (就任から間もなく100日、トランプの支持率は歴史上最低も、支持基盤は強固)。

この中で、Washington PostABC テレビが417 日から 20日まで全米の1004人を対象に行った世論調査について、「トランプ大統領は近代史でもっとも不人気の大統領として就任 100日を迎えようとしているが、就任以降、支持基盤の支持を拡大している」と総括しています。

支持率は42%、不支持率は 53%。 男女別では■男性が支持48%、不支持47 %、■女性が支持35%、不支持 59%とかなり差があります。

8年前のオバマ前大統領の支持率はこの時期69 %、不支持率は 26 %だったと指摘し、不支持率はこの時期の最低だったクリントン元大統領の39 %をも大きく上回っているということです。

一方で、去年11月にトランプ氏に投票した人たちの間では支持率は 94%!

世論調査の特徴としてはこんな感じ。

■わずかながらも半数以上がトランプ大統領を強いリーダーと見ている。

■半数が産業の空洞化阻止の努力を評価。

経済がよくなっていると回答した人(83%)が景気は悪化している( 15%)と回答した人を大きく上回っている。

特に懸念材料として■利益相反、■気性などを挙げています。

これまでの大きな失敗としては、議会下院も共和党が多数を握っているにもかかわらず医療保険制度を改正できなかったこと。これに対して明らかな成功最高裁判事に保守派のニール・ゴーサッチを据えたことだということです。

外交・安全保障に目を転じれば「軍事行動に踏み切る意思の強さをシリア攻撃やアフガニスタンでのMOAB=大規模爆風爆弾の投下で示したが、北朝鮮との対立が続き、中東政策も依然として不明確だ」としています。

この時期に再び大統領選挙を実施した場合もトランプ大統領がクリントン元国務長官に勝つという見方を示しました。

一方、Wall Street Journalは、 NBCテレビと世論調査を実施。

Disapproval of President Donald Trump Grows in Latest WSJ/NBC News Poll(最新の世論調査ではトランプ大統領の不支持率が上昇)として、「トランプ大統領の就任 100日を控えて、アメリカ国民は大統領の実行力とワシントンをぶっ飛ばすという能力に疑問を持ち始めている」と総括。

417 日から20日の間に900 人を対象に行われた世論調査では、トランプ大統領の支持率は 40%、不支持率は 54と伝えています。2 月の段階で不支率が48%だったため、54 %に再び跳ね上がったというわけです。

上記Washington Post同様、世論調査でシリア攻撃や最高裁判事の就任は評価された一方で、医療保険制度の改正に失敗し、さらに税制改正も進んでいないと指摘

特筆するべきこととして「57%というかつてない多くの国民が政府は『弱者に手を差し伸べるべきだ』と答えた。これに対して、本来企業や個人がやるべきことに『政府が手を出し過ぎている』と答えたのは 39%だった」ということです。

共和党支持者に限ると、政府の関与を求めた比率が 11ポイントも上がって28 %となったと伝え、トランプ支持層と"小さな政府"志向の伝統的な共和支持者とのねじれが起きていることを示唆。

経済運営については、ほぼ半々の評価で、44%が支持、 46%が不支持でした。

就任100日を前にトランプ大統領はホワイトハウスで AP通信のインタビューに1時間にわたって応えています。

この中で「これまでとは違う大統領なのだ(It's a different kind of presidency)」と自ら評価しています。 100日の総括について本人は、「(100日という区切りは)人為的であり、そもそもあまり意味がない」とも。

大きな成功(Tremendous success) 」と大統領が自画自賛したのは、IS撲滅の戦略だそうですが、AP 通信はすかさず「戦略は明らかになっていない」と付け加えています。

100日目にあたる4月29日ワシントンではホワイトハウス記者会の華やかなパーティが開かれますが、トランプ大統領は前例を破って欠席することをすでに表明しています。 

Washington Timesによると、トランプ大統領は 29日の19:30(現地時間)からペンシルベニア州ハリスバーグの Pennsylvania Farm Show Complex & Expo Centerで選挙戦のような大規模なラリーを開くということです。

ペンシルベニア州こそがトランプ勝利を決定的にして、1988年以来、初めて共和党が奪還した」として、大統領がペンシルベニア州に出向く意義を強調しています。

<WaPo, ABCの世論調査>

<WSJ, NBCの世論調査>

APの大統領インタビューの字おこし>



フランス大統領選挙では中道で無所属のマクロン氏と国民戦線のルペン氏来月7日に行われる決選投票へ。

先だって週末にワシントンで開かれたIMFと世界銀行の春の会合では、欧州債務危機や世界経済ではなく、欧州の政治を含めた地政学リスク一色だったという報道が相次いでいます。

一方、あまり話題になっていませんが、"ギリシャ危機再び"を伝える報道も。ギリシャ問題のおさらいが必要かも・・。 


FTIMF members drop pledge to resist protectionism IMF各国、保護主義対抗の文言を削除)の中で、「世界の財務相・中央銀行総裁は、保護主義対抗という文言を落とした。これはトランプ政権の貿易に対する姿勢が世界のディベートを左右していることを示すものだ」と伝えています。

具体的にはIMFC=国際通貨金融委員会が採択した共同声明で「国際貿易での平等な場を推進する(promote a level playing field in international trade) 」としつつ、これまでの「あらゆる形の保護主義に対抗する(resist all forms of protectionism)」とう文言は繰り返さなかったということです。

これはアメリカの反対を踏まえて、 3月にドイツのバーデンバーデンで開かれたG20 財務相・中央銀行総裁会議の共同声明をなぞったものです。

今回のIMFの会合ではトランプ大統領の気候変動に対する拒絶反応を受けて、気候変動の文言も落とす羽目になるという見方があったそうですが、最終的には「各国は気候変更が経済に与える山積する影響の解決を次世代に残すべきではない (countries should not leave the mounting economic consequences of climate change for future generations)」というラガルド専務理事の主張を盛り込みました。

全体を通じてラガルド専務理事は、いま世界が直面する喫緊のリスクはこれまでの経済や金融の問題ではなく、地政学的なものだと述べたということです。

Wall Street Journalは、まさにそれをタイトルにしています。「トランプ政権と地政学の懸念がIMF と世界銀行の会合を独占(Concerns About Trump Administration, Geopolitics Dominate IMF, World Bank Talks)で、トランプ政権が会合でセンターステージとなったと伝えています。

「各国の財務相は、フランス大統領選挙や中東の混乱、核開発を進める北朝鮮との対立と国際政治が世界経済の成長を台無しにしかねないと懸念してきたが、米中の貿易戦争に発展しかねないトランプ政権の政治が議論を独占した」といいます。

ラガルド専務理事は22 日、「金融や経済をめぐるリスクが高い状態から、地政学のリスクがより大きい状況に移った」と述べました。

外国政府が懸念するのは2点。

貿易相手国に懲罰的な制裁を加えるのか:トランプ政権が主張通り、鉄鋼製品の輸入制限をすれば貿易戦争が勃発し、 IMFは世界経済が2%減速するという。

トランプ大統領が北朝鮮に対して軍事行動を起こすかどうか:アジアでの紛争の引き金になりかねない。

ドイツのショイブレ財務相は「国益にかなう良い取引/合意を目指すのはまったく正当だ。ただし、自国にとって最良の取引/合意は、相手国をも潤すものだということを経験は教えてくれる」とチクリ。

ReutersMnuchin urges IMF to enhance FX surveillance (ムニューシン財務長官、IMFに対して外国為替の監視強化を促す)として、財務長官が 22 日、IMFの会合で「我々の見方では、過剰な貿易黒字は、過剰な貿易赤字同様に、自由で公平な通商システムの維持に資することにならない」と述べました。

トランプ大統領が中国、ドイツ、日本の対米貿易黒字が大きく、通貨安で儲かっていると批判してきたことを踏まえて、「IMFは、貿易黒字国がより公平な通商システムに向かって何をするべきか指摘するべきである」と述べたということです。

さらに、ムニューシン財務長官は、各国が競争を有利にするために通貨を切り下げたり、金融政策を活用したりするべきでないとも指摘しました。

(WSJ)

New York TimesIMF Torn Over Whether to Bail Out Greece Once Again IMF、再度ギリシャを救済するか意見割れる)とまったく違う視点で報じています。

IMF内もトランプ政権内もギリシャに対しては支援をし過ぎで、ギリシャ国債を80 %保有する欧州各国にこそ責任があるという見方が広がっていて、破綻間近のギリシャを再び救済することに懐疑的だと伝えています。

IMF1944 年の創設以来、最大規模の資金をギリシャに支援し批判されたものの、世界経済のリスクになると判断すれば、対象国を支援する義務があるため、ギリシャ問題はIMFにとって存在意義を問う問題 (existential question for the IMF)になっていると報じています。

「ギリシャ問題が議論を独占したこれまでの春の会合と異なり、今回は新興国の景気回復、世界経済の見通しの改善、トランプ政権の通商政策をめぐる不透明感が議論の中心だった」と指摘。

一方、続けて「参加者によると、非公式の会議ではギリシャ問題をどう進めるかに多くの時間をさいた」とも伝え、今後の展開しだいでは、ギリシャ問題が再び暴発し、選挙が相次ぐ欧州各国を揺るがしかねないと示唆しています。




一難去ってまた一難。東芝の半導体事業の売却をめぐって、4 9日に共同運営している提携先の米精密機器メーカーのウエスタンデジタル(WD)のスティーブ・ミリガン (Steve Milligan)CEOが東芝に書簡を売り、東芝の対応を批判したことが一斉に報じられました。今度は最高財務責任者が来日して、関係者と協議していることを明かしています。原発もたいへんだけど、半導体もたいへんです。

(Reuters)

BloombergWestern Digital, Japan Investors in Toshiba Unit Sale Talks (東芝の半導体事業の売却交渉で米ウエスタンデジタル、日本の投資家参加)の中で「ウエスタンデジタルは東芝のフラッシュメモリー事業を勝ち取ろうと、日本の官民ファンドの産業革新機構と協議していると語った」と伝えています。

カリフォルニア州のサンホゼを拠点とするWDの最高財務責任者=マーク・ロング( Mark Long)氏は都内でインタビューに応じました。

WDが去年、サンディスクを158 億ドルで買収した結果、東芝のフラッシュメモリー事業のパートナーとなりましたが、台湾のホンハイ精密工業韓国の SKハイニクスアメリカのブロードコムなどが買収に名乗りをあげていることを踏まえて、「われわれの考えは異なる。優先すべきは何よりもジョイントベンチャーが競争力を維持すること (We think very differently, our priorities, first and foremost are focused on the joint venture remaining competitive)」と述べて、東芝はまずWD と交渉するべきだと主張したということです。

また、ロング氏は「ほかの各社が手続きを進める中、われわれの方がビジネスの価値についてより明確な姿を、またその価値に何が影響するかの考え方も持っている(While others are working through a process, we have a clearer picture of what that business should be valued at and how to think about other things that affect value) 」と述べました。

その上で「ほかの企業と比べてわが社の方が解決に向けての参加方法が多彩だ。ひとつの数字(金額)を出すほど単純ではない(We have lots of different ways to participate in the solution than other players. It’s more complicated than a single number) 」と発言しました。

ロング氏は、産業革新機構と政策投資銀行と「よい対話(great dialog)」をもったと明らかにし、「彼ら(産業革新機構と政策投資銀行)は、長期の解決方法について考える議論の一部で当然ある。彼らの懸念や目標がおそらく、われわれともっとも近い (They are definitely part of the deliberative process that’s thinking about the long-term solution, their concerns and their goals are probably the easiest for us to relate to) 」と述べました。

(Reuters)

ReutersWestern Digital would consider Japan partners for Toshiba unit bid (ウエスタンデジタル、東芝の事業取得に向けて日本の投資家と組むことも検討)の中で、WDの財務責任者のロング氏のインタビューを紹介しています。

産業革新機構や政策投資銀行と陣営を組む可能性について「あり得る (It could be) と発言。

記事では、日本政府がバックについたプレイヤーと組めれば日本政府のお墨付きをもらうことになり大きなアドバンテージになると指摘する一方で、米半導体メーカーのブロードコムも産業革新機構と政策投資銀行との共同入札を目指して協議していることを伝えています。

WDは四日市で東芝とフラッシュメモリー事業を共同運営していて、東芝と公正競争の観点から話し合った結果、両者ともそれがWDの入札の障害にならないことで合意したとロング氏は語っています。

NANDフラッシュメモリーの分野では、世界市場のうちサムスンが35 %、東芝が19%、ウェスタンデジタルは16 %を占有していて(IHS調べ)、 WD のようにフラッシュメモリー事業のライバルが東芝の事業を取得するには各国の競争法の審査クリアが必要なため、東証で株式上場を維持するために債務超過を解消しなくてはならない来年3 月までに手続きが終わらないと指摘されているということです。

これに対してロング氏は「われわれの柔軟性と参加のあり方が様々あることから、東芝に必要な資金を速やかに用意し、競争法上必要な審査をするための十分な時間を確保する形で競争上のリスクをクリアできると弁護士は自信を持っている(Because of our flexibility and the different ways we can participate, our lawyers are very confident that we can address any trust risks in a way that would help get cash to Toshiba very quickly and then allow enough time for any antitrust review as necessary) 」と反論しました。

New York Timesは入札参加者に日本企業がこれまでに1 社もないことを「1世代前には世界の半導体市場を席巻した国にとって驚くべき転換だ」と表現。

また、原子力事業の損失の穴埋めのために稼ぎ頭の半導体事業(NAND) を売却することを「来月の家賃を支払うために重要資産を売却するようなものだ(selling the crown jewel to pay next month’s rent) 」という専門家の見方を紹介しています。



この時期はワシントンで一連の国際金融会議が開かれるころ。ことしは4月20日からG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれたあと21日から23日まで  IMF =国際通貨基金と世界銀行の春の会合が開かれます。 例年は世界経済をめぐる議論に関心が集まりますが、ことしは何と言っても通商!

口火を切ったのはIMFのラガルド専務理事。米トランプ政権の名指しこそ避けましたが、 sword of protectionism(保護主義の刀)という強い言葉を使って、保護主義が世界経済を押し下げかねないと主張しました。

ロス商務長官がFT のインタビューを使ってすぐに反論。これに対して、そのFTのコラムニストのマーチン・ウルフ氏がさらに反論

実際に会合に出席するムニューシン財務長官も FT のインタビューに応じていしますが、当面、何かと通商が話題になりそうです。

(AFP)

New York Timesによりますと、IMF 18日、春の会合に先立って世界経済見通しを発表し、大統領選挙後のアメリカ経済の持ち直しや主要な新興国の成長率見通しの改善、さらに世界貿易の活発化を理由に見通しを引き上げました

先進国で見ると、 2016年の3.1 の伸びに対して、 2017年は3.5 に引き上げました。

記者会見したIMFのMaurice Obstfeldチーフエコノミストは「世界経済に対する顕著な脅威のひとつは、貿易戦争に発展するような保護主義 (One salient threat is trade protectionism, leading to trade warfare) 」と述べました。

先だって12日、ラガルド専務理事は、「リスクはグローバルな貿易に対する保護主義の刀である」と発言。トランプ大統領の名前、あるいはアメリカ第一主義を指摘こそしなかったものの、標的は明らかだったことを記事は示唆しています。

(Reuters)

FTIMF warnings of US protectionism "rubbish," says Ross IMFによる米保護主義の警告は「ばかげている」とロス商務長官)は、IMF と世銀の春の会合を前にアメリカのロス商務長官がインタビューに応じ、トランプ政権を保護主義的だと指摘する声は的外れだと言ったと伝えています。

具体的には「主要国の中でアメリカはもっとも保護主義的でない。ヨーロッパよりも保護主義的でない。日本よりも保護主義的でない。中国よりもはるかに保護主義的でない」と述べました。

続けて「この 3 つの地域に対してアメリカは貿易赤字を抱えている。彼らは自由貿易を主張するが、実際には保護貿易を実践している。われわれがささいなことでも自己防衛しようものなら彼らは保護主義だと呼ぶ。それは、ばかげている(it’s rubbish 」と発言しました。

そのロス商務長官、今週、日本を訪れて世耕経済産業大臣と会談したあと「どういった形になるかを具体的に言うには、まだちょっと早いが、日本との通商関係を強化する意欲はある。それも協定の形を望む(It’s a little bit early to say just what forms things will take, but we are certainly eager to increase our trade relationships with Japan, and to do so in the form of an agreement) と述べたとReutersは伝えています。

ロス商務長官に正面から反論したのは、FTのコラムニストのマーチン・ウルフ氏 

Dealing with America’s trade follies(通商を理解しないアメリカの人たちとの付き合い方)の中で、「アメリカの政策当局者がわけの分からないことを言い出したら、貿易相手国はどう対応したらよいのか?ヨーロッパ、日本、さらに韓国はいまこの疑問に直面している」と伝えています。

ロス商務長官について「経済を分かっていなくても億万長者になれる」とけちょんけちょん。

貿易赤字の過多は、その国が開かれているかどうかの証ではない」と指摘した上で、「各国はどうアメリカの要求に臨めばよいのか?」と自問します。

「各国は、マクロ経済には不均衡があることを受け入れるべきだ。世界経済に打撃を与えないような形で通商を増やすための譲歩をするべきだ。多国間の自由貿易の重要性を訴えるべきだ。強い者も弱い者も守る通商の原則を守るためにありとあらゆる手を打つべきだ。そして何よりも忍耐強く待つべきだ。いつまでも理解のない人々がアメリカを統治するわけではない」と結んでいます。気長に待て、ということのようです。

(AFP)

FTは今週、ムニューシン財務長官のインタビューもしています。先月、ドイツのバーデンバーデンで開かれた G20財務相・中央銀行総裁会議が国際舞台へのデビューとなり、「あらゆる形の保護主義に対抗する」というこれまでの文言を共同声明から削除させたとしてニュースになりました。

今回のインタビューでは、トランプ政権が為替や通商をめぐる戦争に突入しようとしているという不安の払拭に努めたと FT は総括

トランプ大統領は、繰り返し中国が為替操作国だと批判しましたが、ムニューシン財務長官は「為替操作だと主張するには、アメリカに何らか不利益がないといけない。アメリカに利益になるような形で為替を操作するならそれは為替操作国でない」と述べたほか、トランプ大統領がドル高をけん制する発言をしたのは、ドル安方向に誘導するためでは「決してない」と発言

一方でムニューシン財務長官 IMFが為替の振れに対してもっと対応するよう要求することも忘れませんでした。

【G20声明の衝撃】




イギリスのメイ首相が6月8日に総選挙を実施すると突然発表しました。

■自身の政党に対する支持率が高く、いまなら選挙に勝てる、■野党が弱く、いまの不人気の党首を一騎打ちで打ちのめしたい、■景気は今はさほど悪くないが、今後、鈍化が予想される、■財務相らごく少数の側近にのみ事前に伝えた。 

あ、これ、イギリスのことです 、念のため。

こうした理由から賭けに出たという報道がイギリスから相次いでいます。さらに、 6月に勝利すれば2022年まで選挙はなく、 BREXIT 交渉に専念できます。

(AFP)

FTTheresa May calls snap election in bid to strengthen hand in Brexit talks (メイ首相、BREXIT交渉を有利に進めるため総選挙に踏み切る)で、「メイ首相は 18 日、EUからの円滑な離脱に向けて国民の総意を得るため、劇的な形で 6月8日に総選挙に踏み切ることを呼びかけた」といいます。

投資家はメイ首相の勝利を予想し、イギリスとEUの通商交渉の締結を期待。その結果、通貨ポンドはドルに対して 2.7%値上がりしました。

演説でメイ首相は「ここ最近、そして渋々ながら選挙が望ましいと判断した」と述べていますが、選挙を予定の2020年まで待てば BREXIT交渉が混乱すると仲間には漏らしていたそうです。

交渉は2019 年には終わる予定ですが、  6月8日に勝利すれば2022年まで選挙はありません。選挙を経ないままキャメロン前首相からバトンを渡されたという批判をかわしたいと狙いもあると伝えています。

「メイ首相は 17日夕方にエリザベス女王に総選挙の実施を伝え、18 日に EUのタスク大統領にも伝えた」とこと。

同じFT Polls pointed to opportunity that was too good for May to miss(世論調査はメイ首相にあまりに好意的だった)の細かい描写がおもしろいです。

メイ首相はイースター休暇にあたる先週末、夫のフィリップとSnowdonia の山脈をウォーキングしながら最終決断をした。表の舞台でも仲間内でも早期の選挙を否定していたが、6月8日に選挙に踏み切ることに」とういうことです。

ロンドンに戻ってきて、ハモンド財務相らごくわずかな閣僚にのみ伝えました。

いったいなぜ決断したのか?

関係者におりますと、選挙に勝てるという複数の要因が重なったそうです。2015年の保守党勝利を導き、次の選挙も見ることになる選挙ストラテジストは、南西部などで議席を減らす可能性もあるが、北東部などで議席を増やし全体で見れば勝てると踏んでいます。

最新の世論調査では与党保守党の支持率が 44%、野党労働党が23。労働党の不人気のコービン党首は、 5月4日 の地方選挙で敗北したあと辞任する可能性があり、フレッシュな党首のもとの労働党と戦うより、6月8日コービン首相と一騎打ちをすることを選択したとのこと。

さらにキャメロン前首相の公約ではなく、自らの公約を打ち出して、選挙に打って出るよう進言した仲間もいたそうです。

「6月8日に勝利すれば 20226月まで選挙の必要がない。首相は以前、決断しないことを指して Theresa Maybeと揶揄されたが、撤回が必要そうだ」と名前のMay に引っかけて伝えています。

The Economistも名前のMay にちなんで、May be this time: Britain’s snap election(今回はもしかして、イギリスの解散総選挙)の中で、 6 月に選挙に踏み切るリスクを挙げています。

BREXIT交渉が進む中で選挙に時間が取られる。

■独立の国民投票を目指すスコットランドに影響しかねない。

■イギリス国内の世論は BREXITをめぐり今なお割れており、投票行動にどう影響するか測れない。

一方で、2020年まで選挙を実施しないと言っていたメイ首相がその発言を撤回して Uターンしたことは「選挙に賭ける価値があると判断したのだろう(she has decided that the gamble is worth it) 」と結んでいます。

Wall Street JournalUK’s Theresa May Calls Early Election, Seeking Brexit Leverage (英メイ首相、BREXIT交渉でのレバレッジを求めて早期選挙を決断)では「メイ首相は EU からの離脱交渉で有利な姿勢を得るために突然、早期の選挙を呼びかけた」と伝えています。

やはり、政党支持率が与党保守党が44%、野党労働党が 23%という最新の世論調査を紹介し、通貨ポンドがドルに対して一時 6 か月ぶりの水準まで値上がりしたとしています。

(WSJ)

BREXIT交渉の相手となるブラッセルのEU 本部の反応については、前向きだとした上で、「BREXIT交渉がよい結末となるという可能性がぐっと上がった」という EU の政府高官の声を紹介しています。

一方、イギリス経済についてはIMF=国際通貨基金が 18日、ことしの経済成長率が2 %に上昇すると、見通しを上方修正したものの、 BREXITの判断が成長を鈍化させることを指摘したことも伝えています。


米ホワイトハウスの権力闘争はコメディにまで登場!"アメリカ第1 主義"のバノ首席戦略官と、穏健派のクシュナー大統領上級顧問(トランプ大統領の娘婿)の戦いについて、人気のSNL=Saturday Night Liveのコメディは、クシュナーに軍配をあげました(これを各社ニュースにしています)。

実際には未決着ですが、クシュナー氏ら穏健派が有利となっている結果、トランプ大統領の政策が明らかに変わったという報道が相次いでいます。

(The Economist)

New York TimesFor Trump, a Steep Learning Curve Leads to Policy Reversals (トランプ、思い切った学習効果で政策転換へ)は、■アメリカの企業経営者と2月に話した結果、「中国を為替操作国に認定する」という方針を転換、■ロシアとうまくやるのは難しいと気づき、シリアに介入しないと言いながら攻撃を実施、■中国の習近平国家主席と会談した結果、北朝鮮情勢の複雑さに一定の理解、■アメリカの輸出入銀行の重要性を説得されて反対の意思を撤回、■ NATOについて勉強したところ、「時代遅れ」という発言を撤回

一方、トランプ大統領が学習した結果、裏切られたと感じる人もいる(One person’s education, may be another’s betrayal )として、バノン首席戦略官がウォール街出身のホワイトハウス高官に追いやられていることを指摘。

さらにUSA Todayも、 Trump’s flipping on issues faster than we can't keep up(トランプ、政策転換が早すぎてついていけない)の中で、わずか1 週間で、ロシア、中国、 NATO、輸出入銀行、アメリカの国家債務、そてに"アメリカ第1 主義"をすべて見直したと報じています。

大統領就任した直後に中国を為替操作国に認定すると繰り返し主張してきたトランプ大統領ですが、 Wall Street Journalのインタビューに対して、「中国は為替操作国ではない」と述べたほか、繰り返し時代遅れと表現してきた NATO についても「時代遅れなんてことはない」と述べました。

また、ほかの国には介入しないという"アメリカ第 1主義"も13 日にシリアを攻撃したことで突然転換したと指摘しています。

FTは、The astonishing reinvention of Donald trump (トランプ大統領の驚くべき再創造)で「トランプ大統領は中国との通商戦争に踏み切ると言いながら、急速に保護主義的な主張を弱めている。同様に外国での戦争を回避したいと言っていたにもかかわらず、突然シリアにミサイルを撃ち込んだほか、NATO を時代遅れと批判しながら今や同盟の意義を主張している」と驚きを隠しません。

ギャロップ社の世論調査によると、大統領支持率は 36と歴史的に低く、これを引き上げるために"アメリカ第1 主義"の言い出しっぺのバノン首席戦略官をクビにする可能性を指摘しています。

これまでバノン氏を支持してきたのは、 Jeff Sessions司法長官やバノン氏が選挙直前まで取り仕切っていたBreitbart News の資金提供者の Robert Mercer、娘のRebekah Mercer だとした上で、「 Breitbartがトランプ大統領の娘婿のジャレッド・クシュナー批判を繰り返せば、大統領は支持基盤の多くを失う可能性がある。トランプ大統領が自らの支持基盤を敵に回すとは考えにくい」と伝えています。

Washington PostWithin Trump’s inner circle, a moderate voice captures the president’s ear (トランプ、インナーの中で穏健派の声に耳を傾ける)は、ホワイトハウスで権力闘争とイデオロギーをめぐる戦いが繰り広げられる中、ゴールマン・サックスのCOOだったゲーリー・コーン NEC(国家経済会議)委員長が急速に存在感を増していると伝えています。

中国、輸出入銀行、FRB のイエレン議長に対する態度の軟化ゲーリー・コーン委員長、大統領の娘婿で大統領上級顧問のジャレッド・クシュナー、やはりゴールドマン・サックス出身のダイナ・パウエルの働きかけの結果だということです。

とりわけコーン委員長の存在の高まりに伴って、保守的なメディアでのリベラル過ぎるというバッシングが目立ちますが、当人は「私は民主党支持者でも共和党支持者でもない。単に、目的を達成したいだけだ」と述べているそうです。

コーン委員長は多くの専門家を側近としてそろえています。インフラに詳しい DJ Gribbin、議会スタッフ出身で投資会社を経てホワイトハウス入りした税制の専門家のShahira Knight 、ホワイトハウスで国際通商交渉を担当する Kenneth Juster、さらに農業に詳しいRay Starling の名前を挙げています。

より大局的に分析しているのがThe Economist  Trump vs Trumpism (トランプ対トランプ的なこと) です。バノン首席戦略官とクシュナー大統領上級顧問が「メディアへのリークやブリーフを通じて、刀を振り回し、槍で突いている」と指摘。

この戦いを「右と左の衝突、あるいは権力をめぐる陰謀と見るのは、話を矮小化させる。バノン対クシュナーの対立はもっと大きなことが問題だ。ずばり、トランプ大統領が何を成し遂げるかという目的そのものだ」と言います。

去年11月の選挙の勝利について、クシュナー氏がトランプ大統領の個人の力だと信じているのに対してバノン氏はトランプ的なことを求める運動 (Trumpism=ポピュリスト的な動き)の結果  だと思っているとういことです。

トランプ大統領がこれまでの公約を破棄することで支持率が上がることになれば、バノン氏のナショナリスト的な思惑は裏切られることになります。

一方、クシュナー氏の主張はもっとシンプルで「アメリカ国民は生活がよくなればトランプ大統領を評価する」というものです。

「これは大統領のレガシーをめぐる戦いだ。生き残れる人は限られる(The prize being fought over is the president’s legacy. That is a contest not everyone can survive)」 と締めくくっています。

✳︎Saturday Night Liveの動画の一部。







中国とアメリカ・北朝鮮・ロシアとの関係など、中国をめぐる政治・外交が気になりますが、経済も気になります。きょう午前11:00(日本時間)に、中国の1 月から3月までのGDPが発表されます。

年間を通じて6.5%程度が目標ですが( 2016年は6.7%)、多くの専門家はことし最初の 3か月についても同じくらいを予想しています。

(Reuters)

先だって中国と言えば、為替!

14日に米財務省が発表した為替報告書について、Reuters Trump administration says no US trading partners manipulate currency(米通商相手国で為替操作国はなし、とトランプ政権報告書)の中で「中国は最近外国為替市場に介入したが、それは輸出を有利にすることを目指して人民元相場を安くするためではなく、反対に相場を高くするためだ」と報道。

それってみんながこれまで言ってきたことじゃん」と突っ込みを入れています。

「今回の報告書はトランプ政権が為替を政治ではなくデータにも基づく姿勢をとっている (The report shows the Trump administration is taking an approach on foreign exchange based on data rather than politics)」というネーサン・シーツ前財務次官の声を紹介。

中国の当局者はデータ重視の姿勢が続くことを願っているでしょう。

(Reuters)

きょうのGDPについてFTは、「中国当局者は中国経済の減速をまだ心配していない。投資主導の経済を変えるために、よりバランスのとれた成長を意味する"ニューノーマル"が必要だと主張している」と伝えています。

その上で、きょうの GDP発表の見どころを4つ挙げています。

上向きのリスク5年に 1度の最高指導部が入れ替わる秋の共産党大会を控えて、当局が経済安定と雇用創出に力を入れたことから、多くの専門家は1 月から 3月のGDP 6.5%以上の伸びとなったと予想する。

しかし、いま無理していることで習近平国家主席の次の任期の間に金融・経済の危機の可能性を上げている。

国営企業と民間企業のみぞ:中国の当局者は内々、国の債務問題は基本的には国営企業の問題だと認めている。

去年、国営企業による投資は前年に比べて 20増えたが、民間企業の投資はほとんど伸びなかった。中国の民間企業がアニマルスピリッツを取り戻したか、あるいは依然として先行きに不安かどうかがGDPで分かる。

インフレ:卸売り価格は2 月、9年ぶりの高水準となる 7.8%まで上昇し、国営の重工業は卸売り価格の上昇で潤っている

3 月には低下し、消費者物価は1%以下のため、専門家は中国人民銀行が利上げに踏み切るほどの事態ではないと予想する。

一方で、中国人民銀行は▼資本の海外逃避の阻止、▼通貨人民元の対ドル下落の回避を求められているが、米利上げによって難しさが増している。利上げは人民元相場を押し上げることになるが、 6.5%というGDPの政府目標の達成が難しくなる

バブル懸念GDP の中の住宅投資を見ることで、住宅価格の上昇を抑制する措置に効果があったかどうかが分かるだろう。

去年、共産党は「家は住むためのものであって取引材料ではない」と宣言したが、多くの都市が住宅の過剰在庫を抱えている。余剰資金があふれていることから投資マニアを撲滅することが難しくなっている

Bloomberg1 月から3月のGDP 6.7%の伸びと予想した上で、「注目5 点」を挙げています。

設備投資:民間企業が投資を抑える中で、去年のリバウンドのほとんどは国営企業の投資によるものだ。ことしの1 月と2月には、民間企業の投資が加速。統計では景気のリバイバルが一時的 か持続可能かどうかの兆候をつかめる。

バブル:住宅価格があまりに上昇し過ぎて10をこえる都市が住宅取得に制限を設け、バブルをあらかじめ抑え、金融危機を回避しようとしている。統計では住宅投資が注目される。

仮に当局の制限で投資全体が落ち込むようなことがあれば、成長を喚起するためにインフラ投資事業が必要になることも。

名目成長率:卸売価格が急騰した結果、物価の上昇を加味しない名目の成長率は2015年以降、加速し、 2016年には年間で8%近くに達した。企業にとっては売り上げの増加、政府にとっては税収の増加を意味する。

個人消費の脈1 月と2月の小売りの減速が一時的なものか、それとも何か恐れることかの兆しとなる。 3月の小売りは9.7%の増加が予想されている。

雇用情勢:所得増の鈍化が個人消費の重石となっている。統計では1月から 3月の可処分所得のほか、雇用を支える2 7000万人あまりの出稼ぎ労働者の所得が分かる。会見の発言も注目されている。

The Economistは「4月から6月のGDPは対前年同期比で実質では6.8%で、3年連続で横ばいだが、名目で見ると2013年以降初めて10%を超えたと見られる」と伝えています。

投資家や企業にとっては名目の伸びの方が影響が大きいとした上で、活発な住宅の購入が投資を促し、雇用情勢のひっ迫で賃金が上昇していると分析しています。

一方で、物価上昇が一段落していることから「名目では見ると4月から6月のGDPがピーク(high-water mark)になるかもしれない」ということです。



陳啓明氏の担々麺の軌跡を追って横浜ベイシェラトンホテルの彩龍にやってきました。


友人がアップした彩龍の担々麺の写真を見て、恵比寿のウェスティンホテルの龍天門の担々麺にそっくりだと思ったのがきっかけです。

検索していたら、1996年から恵比寿の龍天門の料理長だった陳啓明氏が2012年に退職し、2014年に彩龍の総料理長に就任し、 2015年10月に龍天門に 総料理長として復帰したということが分かりました。

陳啓明氏は、2010年から2012年までミシュラン1つ星を獲得した「中国料理界の重鎮」だということです。

こちらが横浜の彩龍の担々麺。彩龍おすすめの一品の担々麺は1980円。


運ばれてき瞬間にいい香り!高く盛り付けられた白髭ネギにかけられた青山椒の香りが食欲をそそります。

頂湯(ティントン)スープをベースに胡麻と胡桃でまろやかさ、辛さと香りを引き出す辣油の濃厚スープ。コクと旨味が口いっぱいに広がります。

麺は全粒麺の細麺。具は、豚ひき肉、ニラ、干しエビ、しいたけなど。

メニューには「胡麻と胡桃の深いコクに辣油、山椒の辛味のアクセントを加えた大人気の担々麺」と紹介されていました。


こちらが恵比寿の龍天門の担々麺。見た目がそっくり。以前は、「裏メニュー」だったそうです。


去年のランキングナンバーワン!
http://blog.livedoor.jp/kaoriiida/archives/67984724.html

恵比寿の担々麺の第一印象は「白い」でしたが、横浜はそこまで白くありませんでした。恵比寿で感じた"感動"には達しなかったけど、おいしかった^_^


せっかく横浜まできたので、ガーデンベアにご挨拶。


◆中国料理 彩龍◆
横浜市西区北幸1-3-23
横浜ベイシェラトンホテル3階


来週、アメリカのペンス副大統領が来日します。アメリカ側が通商に力点を置きたがっているという報道が出ています。

きのうお話を聞いたイアン・ブレマー氏は、「安倍首相はよい首相だが、去年、選挙に勝ったトランプ氏にすぐに会いに行ったのは誤りだと思う。それまでトランプと関係がなかったのでパニックを起こし、安易で慌ただしい行動を取ったとアメリカでは見られた。会いに行ったのは、戦略的でなく反動的だった。本来、取引を想定して対応しないといけない」と言っていました。

念頭にあったのは米中関係で「中国が北朝鮮をおさめるのと引き替えに、アメリカが中国に対する貿易批判を撤回するというのは新しい」と表現していました。

日本は、何を引き換えに何の取引が俎上にのぼるのかしら!?

(Reuters)

ホワイトハウスのHPによりますと、ペンス副大統領は、15日に出発して、16日に韓国・ソウルにまず入ります。イースターにあたることから駐留米軍を表敬し、その後政府関係者と会談。

18日に東京を訪れ、安倍首相と会談するほか、麻生副総理と第一回目の日米経済対話に出席。日米経済界にと交流するほか、USSロナルド・レーガンに立ち寄り日米同盟について発言します。

20日にはインドネシアのジャカルタに入り、大統領と会談。22日にはおーすてで首相と会談。さらに24日にはハワイで太平洋軍を訪れます。

注釈として、ペンス副大統領の妻と2人の娘も同行すると記しています。

来日についてReutersはUS wants trade to dominate economic talks with Japan(アメリカ、日米対話で通商を前面に出すことを望む)の中で、「関係者によると、アメリカは日米経済対話の主要なテーマとして貿易にするようプッシュしている。これは貿易赤字削減の圧力を撥ね返そうとしている日本には歓迎できない事態だ」と伝えています。

日本側は、18日の日米経済対話のテーマを▪️経済政策、▪️エネルギー、▪️インフラ投資、▪️通商ルールに留めたい一方で、アメリカ政府は農産品を含む2国間問題を話したがっている」ということです。

ロス商務長官も来日しますが、ワシントンの日本大使館によると、経済対話には参加せず世耕経済産業大臣と個別に会談するということで、東芝の子会社のウェスチングハウスの経営破綻についても話し合う可能性があるとしています。

トランプ大統領は多国間の通商交渉よりも2国間交渉を望んでいて、巨額の対米貿易黒字を抱える中国、ドイツ、日本に行動を起こすと明確にしているが、日本は農業など保護されてきた産業の市場開放を求められのを懸念して、日米FTA=自由貿易協定の交渉開始を回避したい」と指摘しています。

(Associated Press)

BloombergはInside Japan's Plan to Sidestep Trump on Trade(日本がトランプ政権と通商協議を避けたいわけ)の中で、「日米首脳会談にあたって成し遂げたい主要目的はひとつだった。経済的な争点はペンス副大統領と協議すること」と伝えています。

というのは、トランプ大統領が円安でアメリカの貿易赤字が膨らみ、アメリカ産自動車が日本市場に参入できないなどと主張していたことから、北朝鮮や中国の脅威にさらされている日本にとって日米同盟が不可欠なためだと解説しています。

ンス副大統領のスポークスマンのMarc Lotter は声明を出し「副大統領は日本に戻って、日本との間で同盟関係と友情を深めることを楽しみにしている。訪日は両国の経済と地域の安全保障という両国の共通目標について話し合うものだ」としています。

ペンス副大統領はインディアナ州知事として、 2 度日本を訪問しているそうです。


また、農業関連のHoosier Ag Todayは、 Pence, Ross, to Talk Trade with Japan(ペンス副大統領、ロス商務長官、日本で通商を話し合う)の中で、「2 人は18日に日本を訪れ、財務省、外務省、経済産業省の閣僚と会談する」としています。


日本はアメリカの豚肉産業にとって最大の輸出先のため、全米豚肉生産協会 (National Pork Producers Council)はトランプ政権に対して日本とのFTA に向けて交渉を始めるよう促した」と伝えています。


さらに、共和党のスミス下院議員(ネブラスカ州)とヨーホー下院議員(フロリダ州)がトランプ政権に対して日米FTA 交渉に向けた手続きに入るよう求める議会決議を出しているということです。


スミス下院議員曰く「アメリカの農家にとって日本市場に入るチャンスを逃すわけにはいかない」とのこと。


日米経済対話に対する日本とアメリカの温度差が大きいようです。




ロシアでプーチン大統領とアメリカのティラーソン国務長官が会談しました。戦後、ロシアの大統領はすべての新任の国務長官の表敬を受けてきたものの、今回はアメリカがアサド政権率いるシリアに対して軍事攻撃を行ったことを踏まえて「会わない」とロシア政府広報官は言っていました。

雨のモスクワでずっと待たされたあと会談にこぎつけたと一斉に報道されています。じらし作戦ですね。

そんなこんなで、ティラーソン長官は記者会見の冒頭で「米ロ関係は最悪の事態で、信頼が失われている」と述べました。

(Axios)

New York TimesDavid Sanger はティラーソン国務長官の訪ロに先立って、プーチン大統領との会談が実現するかどうかに注目していて最終的は会うだろうと米公共ラジオ NPRで言っていましたが、モスクワからPutin Meets With Tillerson in Russia After Keeping Him Waiting プーチン、ティラーソンを待たせたあとロシアで会談)を書いています。

「ティラーソン国務長官は 12日のほとんどをプーチン大統領と会う機会があるのかどうか思い悩みながら待っていたが、夕方、クレムリンでロシア首脳とトランプ政権の閣僚として初めて会談した」と伝えています。

アメリカ軍がロシアと友好関係にあるシリアを攻撃したことを踏まえて、「ティラーソン長官は、大手エネルギー企業エクソンモービルの CEO だった2013年、プーチン大統領から友好を示す勲章(Russian Medal of Friendship)を受け取るほど親しかったにもかかわらず、米ロ関係があまりに悪化した結果、会談が実現するか微妙となった」ということです。

(Associated Press)

Washington PostTillerson meets with Putin amid deepening tensions over US missile strikes in Syria (ティラーソン、米シリア攻撃で対ロ関係が緊張する中、プーチンと会談)の中で、先立って行われたラブロフ外相との緊迫した会談を伝えています。

3時間に及んだ会談の冒頭、ラブロフ外相は「アメリカのシリアへの攻撃は違法であり、懸念を持っている。こうした攻撃は繰り返されてはならず、トランプ政権の真意を知りたい」と発言。

これに対してティラーソン国務長官はラブロフ外相をじっと見つめながら「双方にとって利益を共有する分野と鋭く対立する分野を明らかにする重要な会談だ。これからの米ロ関係を定義づける議論を期待する」と述べたそうです。 


CNBCTillerson says US-Russia relations are at a "low point," calls for improvement (ティラーソン、米ロ関係が「最悪の事態」で改善の必要性を説く)として、ティラーソン国務長官がラブロフ外相との共同会見の中で「米ロ関係の現状は最悪の水準であり、両国の間の信頼は失われている。核の二大保有国がこうした関係であってはならない(the current US-Russia relations is at a low point and there is a low level of trust between our countries.  The world’s two foremost nuclear powers cannot have this kind of relationship) 」と述べました。

またプーチン大統領との会談が2時間に及び「生産的(productive) 」と評価しました。

これに対してラブロフ外相は、FTによりますと、「長い 1日だった」が、両国の交渉は「オープン」で「実質的」でかつ「フランク」でないといけないとして、2 国間で対話を強化するためのワーキングループを立ち上げることを明らかにしました。

シリア情勢をめぐっては2人の会話は会見でもまったくかみ合いませんでした。 

BBCによると、ティラーソン国務長官は、アサド政権が化学兵器を使用したのは明らかだとして、「現状はアサド大統領がみずから招いたものだ」と批判しました。

一方、ラブロフ外相はシリア政権が化学兵器を使った証拠はなく、国のトップが突然不在になると国が混乱すると主張し、溝は埋まりませんでした。




ユナイテッド航空の便がオーバーブックとされ、すでに機内にいた4人の乗客が降りるよう命じられましたが、このうち男性 1人が拒否したため、引きずり下ろされ、その映像がソーシャルメディアを通じて世界に配信されました。

この時の航空会社の危機管理が不十分で顧客軽視の姿勢だったため、後日CEO が謝罪に追い込まれたという報道が相次いでいます。


アメリカではあまりにオーバーブックが日常的で、"あすは我が身"と思った人が多かったのではないかと思いますが、実は乗客のオーバーブックではなく、航空会社のクルー 4人を乗せたかったことが後から分かり怒りに拍車がかかったと推察。

トランプ大統領も動画を見たとホワイトハウスのスパイサー報道官が会見で述べています。さらに、引きずり下ろされた男性がアジア系アメリカ人の医師だったことから、中国で大きな話題になり、今後中国市場でビジネス拡大を狙うユナイテッド航空にとって痛手だという見方も出ています。

(WSJ)

Wall Street JournalUnited CEO Apologizes to Passenger Pulled From Plane (ユナイテッド航空のCEO、機内から引きずり下ろされた乗客に謝罪)の中で、「ユナイテッド航空 シカゴ発ルイビル(ケンタッキー州)の3411便で言い争いの末に、 乗客のデービッド・ダオ (David Dao) 医師を引きずり下ろした結果、オスカー・ムニョス(Oscar Munoz)CEOが11 日に謝罪に追い込まれた」と報じています。

この謝罪が注目されたのは、問題が起きた直後、ムノズ CEO が乗客を別の便に振り替える(re-accommodate)ことに対して遺憾だとした上で、乗務員を擁護したからだと指摘。

さらに、 CEO20161 月に心臓移植を受け、1年前に職務に復帰して間もなく、顧客サービス向上に力を入れて、チームワークが実を結び始めた時期だったと紹介しています。

ダオ医師は治療を受けているそうです。ベトナムで 1974年に医師となったあと、1983 年にケンタッキーで医師免許を取得。 2002年にダオ医師が怒りを抑えるためのプログラムを受けるよう勧められたことも伝えています。

広報対応の失態で顧客が離れることを懸念した投資家が株をを売り、ユナイテッド航空の株価は 10 日、一時4%下落し、ムニョスCEO が謝罪した後、買い戻され1.1%の下落で取引を終えたということですが、来月行われる株主総会での追求が予想されるということです。

(Bloomberg)

Washington PostもムノズCEO 10日にmea culpa mode (誤りを認めるモード)に追い込まれ、「ぞっとする出来事(horrific event)」に謝罪したことを伝えています。

ユナイテッド航空は、乗客よりも乗務員に座席を優先させる社内規定や、オーバーブックの社内規定を見直し、 4月30日までに報告書を公表することになりました。

ムニョスCEOが謝罪したのは、男性が機内から引きずり下ろされる動画が 9 日にツイッターにアップされて以降、世界的にユナイテッド航空をボイコットする動きに発展した結果だと指摘。

「機内での言い争いの動画自体はこれまでにもいくつもアップされてきたが、今回の動画は、飛行機の利用が楽しみではなく苦行になっている多くの人の共感を呼んだ」ということです。

座席がどんどん小さくなり、航空会社の合併により、選択肢がないこと(大手4社で市場の80%) フラストレーションの背景にあり、ユナイテッド航空の最初の対応が顧客を軽視したととられ、人々の怒りに拍車をかけたと会社の危機管理の問題を指摘しています。

動画をアップしたTyler Bridgesは妻と日本からシカゴ経由でケンタッキーに戻るために搭乗していたということです。「 4人が降りないと出発しない」というアナウンスがあり、誰も名乗り出なかったことからユナイテッド側が対象者を選び、3 人は渋々降りたものの、 4人目が「私は医師で、あすの朝、患者をみないといけない」と述べて拒否したそうです。その結果、警備員が呼ばれ、引きずり下ろされたということです。

この事件、医師が中国系だから標的にされたとして中国でたいへんな話題になったということも伝えています。

11日の時点で、 Sina Weibo1 6000万人がアクセスし、ユナイテッド航空のボイコットを求める声が中国で高まったということです。

もともとはオーバーブックだと説明していたユナイテッド航空は11 日になって、乗客のオーバーブックではなく、乗務員4人を乗せるための措置だったと説明したとも報じています。

FTによると、ユナイテッド航空は顧客の怒りを鎮めるために対応を二転三転させ、36 時間のうちに声明文を3度も出す羽目になったと報じています。

最初の声明文では、ムニョスCEO は「(4人の)顧客の便を振り返ることになったこと(having to re-accommodate these customers) 」に対してお詫びしました。

その後、対応に不備があったとして「こうした問題が2度と起きないよう約束する」と声明を出し直しました。

ホワイトハウスのスパイサー報道官は記者会見で、この事態を「残念(unfortunate)」と表現し、トランプ大統領も男性が引きずり下ろされる動画を見たと明らかにしました。

ユナイテッド航空は先月も、ティーンエージャーの女性2人がレギンスをはいていることを理由に搭乗を拒否し、これまたソーシャルメディアで話題になったばかり。

New York Timesは、今回の問題がユナイテッド航空のみならずアメリカの航空業界全体にダメージになりかねないと指摘しています。

荷物を預けるために手数料を取られるなどサービスにお金を取られる中で、ちゃんとお金を払って座席を予約し航空券を持っているにもかかわらず搭乗できず引きずり下ろされるかもしれないという侮辱があり得るとしています。

オーバーブックの統計も紹介しています。去年、6 6000万人の乗客のうち、旅行券などのインセンティブをもらって自らの意思で辞退したのが43 4000人。自らの意思でなく搭乗を拒否されたのが4 600人だそうです。

「航空会社は、搭乗口に現れない人がいることを想定して、過去何十年もオーバーブックしてきた。航空会社の利益を最大限にするための戦略だ。一般的に400 ドル(約44000 円)から600ドルの旅行券をインセンティブにする場合が多く、アメリカでは 1350 ドルが最大だが、そこまで行くことは希だ」伝えています。

議会上院や運輸省もこの事態に関心を寄せているということで、先月、広報関連の賞をもらったばかりだというムニョスCEO は、その広報対応をめぐり、当面ソーシャルメディアでの批判が続きそうです。

✴︎動画はこちら。

地政学リスクの高まりを受けて原油価格上昇のニュースが相次いでいます。日本時間のけさのニューヨーク原油市場の先物価格は1バレル 52ドル台まで上昇。シリア、リビアのリスクに加えて、カナダの火事も影響しています。 

(Reuters)


Market Watchは「リビア最大の油田の閉鎖米軍のシリア攻撃を受けた中東の地政学リスクの高まりを受けて世界の原油在庫に影響するのではないかとして10 日の原油先物価格が上昇した」と伝えています。


リビアのシャララ油田(Sharara oil field) 9 日、現地の武装勢力によってパイプラインをブロックされたことで、閉鎖されたいうことです。


「シリアは産油国としては大きくないが、アメリカがシリアを攻撃したことで、シリアの友好国であり主要産油国でもあるイランやロシアなどの報復をあおった恐れがある」としています。


地政学リスクとして、アメリカ軍の原子力空母カール・ビンソン(Carl Vinsonが当初、予定していたオーストラリアへの寄港をとりやめ、朝鮮半島に近い西太平洋に派遣されたことも含まれるとしています。


(Reuters)


FTは、10日のニューヨーク原油市場の先物価格が 1バレル・52ドル 86 セント、率にして1.2%上昇した背景として、「シリアは新たなリスクプレミアムとなるだろう」という専門家の声を伝えています。


Bloombergは「リビアの最大の油田の閉鎖で生産ができなくなった一方で、ロシアはOPEC など主要国の減産合意を延長することを検討している」と伝えています。


具体的には、リビアのシャララ油田は、生産再開からわずか1週間で生産を停止し、 National Oil Corp 社が輸出できないことを宣言。


ロシアをめぐっては、ノバク・エネルギー相が国内の石油会社との間でOPECとの減産合意を 6 か月延長する必要性について協議しているとしています。もともとの減産合意が切れる6月以降の対応について OPEC は5月25日の総会で決めることにしています。


Wall Street Journalは、3 14カナダのアルバータ州で起きた火事により、日量 45 万バレルの生産が失われていると報じています。こうした地政学リスクという供給サイドの問題に加えて、アメリカでガソリン需要が高まっているという需要サイドの強さも伝えています。


一方、Reutersは、「アメリカのシェール革命は世界のエネルギーを大きく変えた結果、予測を難しくした。シェール革命の前は、伝統的な原油のみが取引され、それのみを見ていればよかった」としています。


つまり、原油の供給を予測するにあたっては、油田の計画や産油国の地政学リスクを分析すればよかったですが、シェール革命後の今は、簡単に ON, OFF ができるシェールオイルの生産を加味する必要があり、供給や価格の予測を難しくしているとしています。




トランプ政権内部の人事抗争が続いていますアメリカ第1主義のバノンvsより穏健派のクシュナーコーンら)。

トランプ大統領がホワイトハウスを掌握しきれていないとしてプリーバス首席補佐官の交代を視野に入れるなど、抜本的に人事を刷新しようとしていると一斉に伝えられています。

特に話題になっているのがこの写真。ホワイトハウスの権力構造を一枚で表現しているというわけです。

(Whitehouse)

BBCDecoding the Trump "war room" photograph (トランプの作戦指令室の写真から権力構造を読み解く)で、ホワイトハウスのスパイサー報道官がツイッターで紹介した写真を分析。

特徴は5つだとしています。

■大統領はじめみんなが見ているのはテレコンファレンスの画面で、ペンス副大統領、マチス国防長官、ダンフォード統合参謀本部議長のシリア攻撃に関する説明を聞いている。

2011年のオサマビンラディン殺害の時の作戦指令室を彷彿させるが、オバマ前大統領がいるのがホワイトハウスのシチュエーションルームに対して、トランプ大統領がいるのはフロリダの別荘 Mar-a-Lagoの一室


■娘婿のジャレッド・クシュナーはテーブルに用意された一席にすわっている一方で、スティーブ・バノン首席戦略官は奥の二列目に着席していて、クシュナーの政権内の位置づけが上がっているようだ。クシュナーがバノンに冷たい視線を送っているようにも。


■大統領の左にすわっているのはティーラーソン国務長官、右はロス商務長官とムニューシン財務長官、(NEC=国家経済会議のゲーリー・コーン委員長はティラーソンの隣)ら経済閣僚で、普通なら国家安全保障のブリーフィングのメンバーではないが、米中首脳会談に出席するためにフロリダに来ていたのでついてきたのだろう。

■写真に写っている15人のうち女性は、安全保障アドバイザーのディナ・パウエルただひとりで、コーン委員長同様にゴールドマン・サックスの元幹部だ。

BBCは「写真は 1000の言葉に匹敵する」と総括しています。

Wall Street Journal Donald Trump Considers Major Shake-up of Senior White House Team(トランプ大統領、ホワイトハウス陣営を抜本的に入れ替えへ)と報じています。

「トランプ大統領はラインス・プリーバス首席補佐官とスティーブ・バノン首席戦略官を今のポジションで維持するかどうかを検討している。プリーバスのことは気に入っていると明確にしているが、本来ホワイトハウスのグリップをきかせる役割なのに果たしていない」と言います。

バノン氏は、"経済ナショナリスト"、"アメリカ第1主義"の急先鋒で、トランプ大統領の支持基盤の評価が高いものの、娘婿でシニアアドバイザーのジャレッド・クシュナー氏と大統領に経済政策をアドバイスする国家経済会議のゲリー・コーン委委員長の 2人と「スパーリングしている」と伝えています。

またシリア攻撃は、政権内のアメリカ軍の立場を引き上げたそうです。医療保険制度改革に失敗した一方で、最高裁判事にニール・ゴルサッチの議会承認という得点というなか、権力闘争が注目されています。

Washington Postは、Kushner, Bannon sit down to work out differences on Trump’s orders クシュナーとバノン、トランプの命令で会談)の中で、「新聞の見出しが政権内闘争ばかりになっていることにいらついたトランプ大統領は、クシュナーとバノンに話し合って、違いを解消するよう命じた」としています。

さらに「7日の米中首脳会談のあとラインス・プリーバス首席補佐官の立ち会いのもと、フロリダで約1時間会談した」ということです。

この数週間衝突してきた2人ですが、「政府高官によると、会談は友好的に終わり、トランプ大統領の政策実現のため協力することで合意した」ということです。

人事刷新を最初に伝えたのはAxiosだと各紙 報じています。タイトルはExclusive: Trump eyes new chief of staff (スクープ:トランプ、首席補佐官交代を視野に)。

このAxiosは、ことしローンチされたばかりの新興メディアですが、「米中首脳会談、 46日、 7 日にフロリダの別荘で開催へ」もすっぱ抜きました。

Axiosは、ムニューシン財務長官を招いたイベントを開催し、存在感が高まっています。

Politicoの共同創設者だった Jim VandeHeiやホワイトハウス記者らが設立し、メディアの現状(記事は長すぎ、読者のことを考えておらず、ヘッドラインが大袈裟で中身が伴わないなどと批判)に一石を投じようという狙いだということです。

個人的に、この Axios注目しています。

✴︎冒頭の写真は左から時計回りに。
Deputy Chief of Staff Joe Hagin, son-in-law Jared Kushner, Treasury Secretary Steven Mnuchin, Commerce Secretary Wilbur Ross, Secretary of State Rex Tillerson, National Security Adviser H.R. McMaster and Chief of Staff Reince Priebus. 

旅行の予定もないのに担々麺情報を得て、箱崎のT-Catまでわざわざ来ました。


龍鳳の店内は伝統的な中華料理店の風情。かなりの人気店です。


一口目はちょっと辛いと感じましたが、濃厚で胡麻クリーミーなスープが素晴らしい。山椒の清涼感がよく効いています。トッピングは甘辛い豚のひき肉とほうれん草と極めてシンプル。

麺はスープがよく絡む細麺です。スープはいただいているうちに甘辛のひき肉で辛さが中和されていきました。底に沈んでていた干しエビも旨みも味に変化をもたらしてくれておいしかったです。


少子担々麺(挽肉入り担々麺)以外にも蝦仁担々麺(海老入り担々麺)、又境担々麺(チャーシュー入り担々麺)もあり、どれも930円。

白金亭と新橋の美華園をご紹介くださった方のオススメで、いずれも胡麻クリーミーで似ています。

白金亭

美華園


「箱崎」「T-Cat」の響きは「遠い」と感じますが、水天宮駅直結で、大手町駅から二駅。実は、さほど「遠出」でもなかったです。


◆中国料理 龍鳳◆
中央区日本橋箱崎町42-1
東京シティエアターミナル2階

政府が国家安全保障を理由に企業買収を阻止できるアメリカのCFIUS=Committee on Foreign Investment in the United States(対米外国投資委員会)のニュースが目立ちます。

焦点になっているのは、東芝の米原子力子会社だったWestinghouseを中国企業の手に渡らせたくないこと。

(AP)

FTはTrump administration seeks non-Chinese owner for Westinghouse (トランプ政権、WHの買い手に中国企業は回避したい)は、「トランプ政権は、経営破綻した米原子力事業会社のWHが中国のコントロール下に陥らない方策を模索中」と伝えています。一方でパッシブな投資は必ずしも否定しないそうです。

WH売却には国家安全保障の懸念が生じることから、早い段階でアメリカ政府が中国に強い姿勢で臨むことを明確にする」とのこと。

WHのアドバイザーがニューヨーク破産裁判所に提出した資料によりますと、■アメリカで原発4基を手がけ巨額の損失の原因となった契約に縛られる部門と、■原発の運営、核燃料や部品の製造を行う黒字の部門を切り分けを目指しているということです。

黒字部門ですら米GEくらいしか原発運営能力しかないですが、WHとは原子炉の「型」が異なることから難しくなって韓国電力公社=KEPCOがWHの一部の買収に向けて入札するのが現実的だと見られていると伝えています。

外国企業による買収は、アメリカのCFIUS=Committee on Foreign Investment in the United States(対米外国投資委員会)が審査します。CFIUSは、財務長官が議長で、国務長官、商務長官、国防長官がメンバーで、「重要なインフラ、軍事転用できる技術」に焦点をあてて審査。どちらもWHに該当します。

BloombergはTrump Team Takes Steps to Keep Chinese From Westinghouse(トランプのお仲間、中国勢のWH買収を阻止へ)の中で、「トランプ政権は中国の投資家がWH買収に乗り出すことを危惧して、アメリカ、あるいは同盟国の買い手を探している」と報じています。

整理すると、政権は■中国企業の買収を拒否、■アメリカ、あるいは同盟国や友好国の投資家に入札を促す、■オバマ前政権が米自動車メーカーを救済したように公的資金を投入して政府が株式を取得する3つの選択肢をこれまでに検討したということです。

主な懸念は、秘匿されてきた原子力技術が軍あるいは産業に流れることで、米中首脳会談の中でWHの経営破綻が議題となることに備えているという米政府高官の声を紹介しています。中国では21基の原発が建設中で、さらに179基が計画/提案されていて需要があるということです。

WHに原発2基の建設を発注したアメリカのサザン電力のファニングCEOは、WHの今後を話し合うため、ペリー・エネルギー長官とティラーソン国務長官と会談したほか、ムニューシン財務長官、ロス商務長官がWHの売却の協議にかかわっていると伝えています。

中国企業がWH買収に名乗りを上げた場合、CFIUSでの審査が不可欠で75日のレビューを経て、一部修正を求めたり、買収拒否を大統領に提言できるとしています。実際、オバマ前大統領は2つの中国がらみの買収を阻止しました。

調査会社のRhodium Groupによると2012年から2014年の間にCFIUSの審査のうち5分の1近くが中国関連の投資だったそうです。

Reutersは、2013年に食品メーカーのSmithfield Foodsが中国企業に買収されたことを踏まえて、CFIUSの審査対象に「食の安全」を入れるよう求める法案を共和党の上院議員が提案したことを報じています。

CFIUS改革に踏み込んでいるのが米シンクタンクCSISのGlobal Economics Monthlyで、Matthew GoodmanとDavid ParkerはThe China Challenge and CFIUS Reform(中国からの挑戦とCFIUS改革)を掲載。

まずは、今の中国からの大量の投資が1980年代の日本からの投資との類似している点を紹介する一方で、違う点も指摘しています。

■中国共産党の一党独裁体制、■科学技術の一大世界勢力を目指す国家目標、■政府の資金を使って市場経済に介入、■軍と国家安全保障の点でアメリカライバルである。

審査対象は、あくまでも国家安全保障にかかわる分野に絞るべきだとした上で、■雇用や経済成長、税収への総合的なメリットを測る、■相手国経済の市場開放度合いなどを加味するアイデアを出しています。

また、アメリカ一国では中国からの挑戦を受け止めきれないとして、ドイツや日本など産業や技術の基盤が強化な同盟国と連携するべきだと主張。

CFIUSが設立されたのは、1975年産油国からの投資が急増したカーター政権時で、2007年には中国や中東からの投資拡大を受けて「重要なインフラ(critical infrastructure)」が審査対象に追加されたということで、アメリカの企業買収と国家安全保障の枠組みが時代にあわせて進化を続けていることがよく分かります。


砂と言えばその辺にただであるものだと思っていたら、世界的に砂不足が生じていて、砂価格が急騰(ここ半年で約2倍)しているという報道が相次いでいます。

その背景にはアメリカのシェール革命!

地下深くからシェールオイルを掘削するには大量の砂が必要で、原油価格が1 バレル・50ドル前後まで上昇していることで、シェールオイルに再び参入する企業が続出したことから、砂の需要が拡大しているということです。

(Bloomberg)

The EconomistAn improbable global shortage: sand 思わぬ世界的な不足:砂)は、「世界の近代経済史は砂に依存してきた」と指摘した上で、「多くがコンクリートやアスファルトといった土木に使われ、高級な砂はガラスや電気機器の製造、さらにアメリカでは地下深くから原油を掘削するために使われている」といいます。

国連の機関 UNEPによると世界中で採掘される資源のうち、重量で見ると毎年85 %が砂!

住宅需要は、欧米では2007年から 2008 年の金融危機(日本で言うところのリーマンショック)のあともとに戻っていないため、アジアが押し上げ要因に。砂はその住宅を建設する土地をも作り出します。

「シンガポールでは1965年の独立よりも 20%国土が拡大した。中国や日本も国土が拡大した一方で、モルジブやキリバスでは海面の上昇で砂が浸食されている」ということです。砂は実は徐々に希少になっているそうです。

▪️砂漠の砂は商用には細かすぎる、▪️長距離の運搬にはコストがかかることから採掘する場所も重要。このため利用できる砂は限られます。

とは言え、国によっては背に腹は代えられず、ドバイの有名な高層ビル=ブルジュ・ハリファオーストラリアの砂を輸入して建設されたということです。

砂価格の上昇に伴って代替として注目されているのが■、それに■リサイクルです。

インドでは違法な砂の採掘がひっきりなしに行われていて"砂マフィア"が大儲けしているということですが、需要が減退しない限り違法採掘は続くだろうと締めくくっています。

(The Economist)

Wall Street JournalLatest Threat to US Oil Drillers: The Rocketing Price of Sand (米原油掘削業者の新たな脅威:砂の急騰)は「原油価格が再び上昇し原油の掘削がリバウンドしていることで、シェールオールの掘削に欠かせない高級な砂の価格が再び急騰している」と伝えています。

「需給がひっ迫し、2016年の第 2四半期では1トン 15 20ドルだったと見られる砂価格は40 ドルに近付きつつある。来年には需要が供給を上回り、2018年まで影響すると指摘する専門家もいる」そうです。

シェールオイルの油井のコストのうち、去年秋の時点で5 7%が砂だったということですが、油井が大きくなる傾向にあります。年々 30%ずつ大きくなっているということです。シェールオイル事業者によっては自ら砂山を購入し、リスクを遮断する動きも。

Bloombergは、Shale Sand Miners Have Solid Foundations も砂は砂遊びのみならず、シェールオイルの掘削に使われていることを紹介。

「原油事業者のみならずUS Silica Holdings Fairmount Santrol Holdings などの砂の採掘者もまたOPECの減産合意に注目している」としています。


米中首脳会談の立役者はトランプ大統領の娘婿のJared Kushner 36歳)という報道が相次いでいます。

総合すると、■去年12月に遡って老練な外交官のキッシンジャー元国務長官が米中を仲介、■ 中国の崔天凱・駐米大使とクシュナー氏が首脳会談のアジェンダを決定した、■外交官や経済界のトップらによる"クシュナー詣で"をとりわけ国務省がおもしろくないと思っている、ということです。

米中首脳会談の直前となるきょう(午前7時過ぎ)、「北朝鮮が飛翔体を発射した」と韓国の通信社が伝えていますが、北朝鮮もテーマになる米中首脳会談の映像でクシュナー氏を探してみようと思います。

(Reuters)

Washington PostInside the Kushner channel to China (クシュナーの中国チャンネルの内実)は、「6日の首脳会談に向けてアメリカの各省庁はどんなメッセージや政策をどんな優先順位で発するか検討しているが、こうした通常ルートとは別に高級レベルのチャネルがある。それを率いるのはホワイトハウスのジャレッド・クシュナー氏で、大統領選挙直後にキッシンジャー元国務長官の支援もあって、今回の首脳会談のトーンを作ってきた」としています。

去年 11月中旬、キッシンジャー元長官とクシュナー氏らはトランプタワーで次期大統領と会談して、次期大統領の命を受けてキッシンジャー元長官は12月2日に北京で習近平国家主席と会談

米側としては2 国間協力についてすべて交渉の俎上にあると伝えた上で、習国家主席から早期の首脳会談の希望を受けたということです。この同じ日にトランプ次期大統領が台湾の総統からの祝意の電話を受け取り、外交問題に発展

その後、 12月6日キッシンジャー元高官はクシュナー氏に中国の楊潔篪・国務委員と 崔天凱・駐米大使との会談の設定を促しました。12月9日と10日にこの会談が実現。

中国側が求めたのは、■トランプ政権が「新たな大国関係モデル」のコンセプトを受け入れること、■中国の「一帯一路」構想を支持すること、さらに■台湾、チベット、内政への不干渉だったということです。

その代わり、具体例を挙げずにアメリカの雇用創出に向けて中国が投資する計画を挙げました。 

ホワイトハウス高官によると「クシュナー氏の目的は、様々な根強い問題がありつつも米中関係の幅を広げ、改善することだ」ということで、クシュナー氏と崔天凱大使が繰り返しやりとりして、このチャネルが米中首脳会談につながったと Washington Post は伝えています。

トランプ大統領が中国との対決姿勢を前面に押し出して選挙に勝ったことから、政権内にはクシュナー氏が対中関係を前進させようと熱心すぎるという批判も出ているそうです。

今回の米中首脳会談の注目点として、■北朝鮮や南シナ海の問題をめぐりアメリカがどこまで強い調子で出るか、■貿易でアメリカ第一主義のナショナリズムにどこまで固執するか。

「仮にトランプ大統領が中国が求める米中関係、地域での勢力拡大、国内問題の不干渉を支持すれば、新たな時代を示唆するのみならず、米中関係でクシュナー氏がもっとも重要な人物だということを示す」と結んでいます。

(Washington Post)

New York TimesChina Learns How to Get Trump’s Ear: Through Jared Kushner (中国はトランプの耳を得る:ジャレッド・クシュナーを通じて)の中で、6日と7 日にフロリダ州の別荘Mar-a-Lagoの会談中国の崔天凱・駐米大使とジャレッド・クシュナー氏が立役者だと報じています。

大使はクシュナー氏に米中首脳の共同声明案まで送りつけているそうです。「中国の当局者はトランプ大統領が周囲を困らせ、すぐに沸騰する性格のため、ワシントンにおいて頼るべき人物は娘婿だという結論にいたった」としています。

トランプ大統領が「ひとつの中国」政策を認めたのはクシュナー氏のおかげだとした上で、アメリカが代わりに欲しいのは習国家主席が北朝鮮に圧力をかけ、貿易赤字(対米)を削減することだということです。

中国のクシュナー氏寵愛は、国務省のトランプ政権内の地位低下と重なる」と解説。崔天凱・駐米大使がイバンカ夫人と長女のアラベラちゃんを 2月の春節の際に大使館に招待するなど、中国側はホワイトハウス以上に米中首脳会談を周到に準備してきたとしています。

安倍首相もフロリダの別荘Mar-a-Lagoに招待されましたが、中国が日本のような同盟国でないにもかかわらず同じ待遇を受けるのはとりわけ価値があるということです。

国家主席が反腐敗の一環でゴルフをしないことから「滞在中の 25時間を埋める方法を考えないといけない」と心配しています。

CNNTrump’s Secretary of Everything: Jared Kushner (トランプのあらゆることの秘書官はジャレッド・クシュナー)と伝えています。

クシュナー氏が3日にダンフォード統合参謀本部議長とイラクを訪問したことを指摘した上で「複数の政権幹部によると、クシュナー氏は影響力の観点からホワイトハウスの執務部隊、さらに閣僚アドバイザーのほぼ全員を上回っており、外交官、経済界のトップ、米議員のの主要な使者となっている」としています。

その結果、外交を取り仕切ってきた国務省の中にフラストレーションがたまっているそうです。

これに対して、ホワイトハウスのスパイサー報道官は 3日、クシュナー氏が国務省と共に外交問題を仕切っていると答えました。

米中首脳会談については「クシュナー氏が中国政府とホワイトハウスのパイプ役を果たし、中国側がフロリダの別荘を会場とするよう求めた」と伝えています。

(ZUMA PRESS、崔天凱大使)

Wall Street Journalは、Trump and China: Ahead of Summit, Both Sides Try to Reset Volatile Relationship(トランプと中国:首脳会談を前に関係のリセット目指す)の中で、「外交の経験がない36歳の元不動産家のクシュナー氏64歳のキャリア外交官の崔天凱大使外交手腕に敵わないといいう心配の声はある」と指摘。

その上で米中首脳会談でクシュナー氏の影響力を推し量る意味で中国側が注目しているのは、「トランプ大統領が米中関係を『激突したり対抗したりせず、相互に尊敬しウィンウィンも関係(non-conflict, non-confrontation, mutual respect and win-win cooperation)』と表現するかどうか」と紹介しています。

2013年に習近平国家主席が初めて用いましたが、オバマ前政権の支持は取り付けられませんでした。ティラーソン国務長官が先月の中国訪問で使ったため、中国側がえらく喜んでいるそうです。

Los Angeles Timesは、「36 歳の娘婿は内政のアドバイスから外交政策の立案までかかわっている。さらにトランプ大統領は、政府改革や中東和平問題までクシュナー氏に権限を委譲している」というので、1日24 時間では足りなさそうです。






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