担々麺大好き(特にゴマ風味のもの)。
アジサイ大好き(桜や紅葉も)。
そして経済ニュース大好き(国際ニュースも)。
ということで「担々麺とアジサイと
ちょっと経済」です^_^

日本記者クラブでティム・ヒッチンズ(Tim Hitchens)駐日英国大使のお話を聞きました。タイトルは、BREXITとEUの未来。


4月4日にも日本記者クラブで会見をされました。


この時は、EUからの離脱がいかに経済に打撃かということを切々と訴えていましたが、きょうは離脱してもイギリス経済の基盤が依然として強固であると指摘。大使というにはつくづくたいへんですね(≧∇≦)

用意された原稿では以下のことを述べました。

□イギリスはEUを離脱するが、欧州に背を向けるわけではない。今後み外向きであり続ける。

□キャメロン首相は「外国からに対英投資が重要で今後も促進と保護に全力を尽くす」と言っている。イギリスは2020年に法人税率を今の20%かえあ17%に引き下げるなど、最も仕事がしやすい所であり続ける

□次期首相候補は5人で、7/12までに2人に絞り込まれ、9/9に結論が出る。


主な質疑応答は、ざっくり以下の通りです。

■リスボン条約第50条を発動せず、最終的にEU離脱しない可能性はまだあるのか?

□正直に言えばその確率は極めて低い。保守党も労働党も「国民に意識を尊重する(respect the will of the people)」と言っているので。家族が亡くなると、ショック→怒り→否認→受け入れという感情の段階を踏むが、国民投票の結果も同じだ。

■大使の考えるベストの結果とは?

□ダメージを管理するだけでなくイギリスにとって新たな機会となること。単一市場へのアクセスを維持しつつ、EUがより通商に開かれた市場となること。イギリスがEUと対立関係に陥ることなくEUのベストフレンドとなること

■今後も果たしてビジネスフレンドリーであり続けられるのか?

□いまの不確実性は大きく2つ。誰が首相になるのか?それと、イギリスと単一市場に関係はどうなるのか?前者は夏のプロセスで判明するし、後者も決められたプロセスで進められる。

■EU離脱後のイギリス経済の先行きは?

□足元は混乱しているが、中期で考えたい。2015年に対英投資を決めた日本企業に理由を聞いたところ、「EUの加盟国だから」は第10位で、1-9位はEUとは関係ない理由だった

懸念は、単一市場との関係だが、正しい判断のためには拙速に交渉を進めるべきでない。



■移民問題が離脱の背景か?

□理由の第一は「EUの官僚的な対応と規制」だった。移民は重要な問題ではあるが、決定的だったわけでない。

■日本とイギリスの通商協定をどう考えるか?

□きのうの日英首脳の電話会談でも大きな焦点だった。一連の騒動が落ち着くまで待てば共に不利益となる(if we wait for the dust to settle, we will all be disadvantaged)。

日本企業も日本政府も自らの影響力を過小評価するべきでない(do not underestimate your influence)。日本は、イギリスに投資する2番目の国として、何を望んでいるのか。何を望んでいないのか。はっきりと言うべきである

■格差拡大が離脱の投票結果の背景か?

□確かに年齢、都市部か地方か、大企業か中小企業かで、投票行動が分かれた。ピケティを読んでいれば、この結果に驚かない。格差は修正が必要な問題で、今後5年の大きな政治アジェンダであることを示した

■イギリスの国内政治が分裂しているように見えるが、どうなるか?

□残留を主張していたTheresa Mayは離脱派にリーチアウトしているし、離脱を主張していたMichael Goveも残留派に歩み寄っている。最終的にはセンターに寄ってくると思う。

きょう配信されたThe Economistの表紙はAnarchy in the UK(英国の無政府状態)です。



ユニオンジャックのパンツが安全ピンでかろうじて1枚の状態に保たれ、錆びついたポールに旗のように掲げられ、恥ずかしいものを世間にさらしているようです。旗がてっぺんまで達していないのもだらしない感じ。

 

一方、KAL’s cartoonの舞台は、囚われの身の王子さまやお姫さまが登場しそうなお城の地下牢(dungeon)


 

離脱を推進したボリス・ジョンソン前ロンドン市長LEAVE(離脱)と書かれた風船を右手に、お祝いのケーキを左手に階段を下りてきます。



パーティの帽子をかぶって、祝福しようぜ!という感じ。足取りも軽い様子。

 

地下牢に鎖で縛りつけられているドラゴンには首輪がつけられています。そこにはMAYHEMの6文字殺傷とか、破壊とか、暴力とか騒乱とかの意味です。要は、今のイギリスのこと!


 

地下牢の番人がTime for walkies(さぁ、お散歩の時間ですよぉ)と呼びかけています。

 

一方、扉の右上にはDangerDo Not Feed(危険、エサをやるな)の看板。たいまつの光でくっきり浮かび上がっています。


 

国民世論(ドラゴン)にケーキという甘いエサを与えると、解き放たれ危険な状態になって暴れるというわけです。


 

風刺画でケーキを運んでいるボリス・ジョンソン氏は、次期首相の最有力候補と言われていました。なのに、日本時間のきのう、出馬しない意向を示しました。


ええええ、離脱に向けた計画を示すことなく、荒らすだけ荒らして無責任では!?保守党の内紛は、政治的な不安定さとリーダーシップの欠如を印象付けました。


EUからの離脱の賛否を問うイギリスの国民投票から1週間。結局、離脱を選択したあとの大混乱という現実を離脱派は受け止められなかった ということで、さらに混乱が続きそうです(≧∇≦)

 

サマーダボスは、Brexit 一色の感でしたが、ほかのセッションもご紹介させてください。中国の一帯一路 (One Belt One Road)のセッションには、AIIB=アジアインフラ投資銀行 の金立群 (Jin Liqun)総裁も登場。

1月のダボスでは自ら、エイ・アイ・アイ・ビーと言っていましたが、今回は、エイ・ダブルアイ・ビーと表現していました。

セッションの発言の概要は以下の通りです。 

 ■金立群(AIIB 総裁)

AIIBも一帯一路の構想も経済・社会・環境のconnectivityを向上させることが目的である。一帯一路はシルクロードからきた名前。ただ、昔のシルクロードがオンショア(陸)の一方で、今の一帯一路はオンショアとオフショア(陸と海)の両方をカバーする。

AIIBの創立メンバーは57か国に対して、一帯一路は65か国を網羅する。AIIBの加盟待ちの国が30か国あり、年内は90か国に達するだろう。AIIBは一帯一路プロジェクト+アルファなのだ。

アジア内であろうと、アジア外であろうと、アジアにとって良いことなら投資の対象である。我々が対象とするプロジェクトには3つの条件がある。

資金的に持続可能である(financially sustainable)

環境に配慮している(environmentally friendly)

社会的に受け入れ可能である(socially acceptable)

アジアのみならず、ユーラシア、アフリカ、ラテンアメリカのconnectivityを向上させたい。AIIBは地域に、世界に貢献していく。上げ潮は船を一斉に持ち上げる(a rising tide will lift all boats)

各国のニーズに応えていく必要がある。中国が新たな提案をすると、必ず反対する国がある。どうも、臭いと思っているようだ(normally smell a rat )。このため、アジェンダについてもマンデートについても透明性を確保し、それに賛同するなら加盟して、賛同しないなら加盟しなければ良い。

Brexitは一時の感情で判断し、そのため、国民投票のやり直しの議論まで起きている。暗闇に飛び込んではならない(one should not leap into darkness)。AIIBも一帯一路も中郷政府によってよく考え抜かれた構想である。議論をやめて、すぐに着手しないと行けない (stop talking and just do it right away)

Ian Bremmer(ユーラシアグループCEO

AIIBは習近平国家主席の強いサポートがあるが、経済的な観点からは非常に懐疑的である(strong backing of President Xi but I am skeptical on the economics)。▼実質的に新しいプロジェクトはいくつあるのか?、▼地域の大物が (provincial actors)がおれのものだと言い出すのではないか?、▼投資対象が不透明ではないか?

とは言え、地政学的に意味がある。中国がサプライチェインを全土に持つことで、自らの利益を守ろうとするだろう。その結果、統合と安定につながる。

習近平氏は、サウジアラビアにもイランにも訪問し、対立する両国と関係を持つことでバランスを取ろうとする感覚がある。ことし1月のChina’s Arab Policy Paper は、一帯一路構想があってこそ実現したものだ。

最終的には、カネがものを言う (money talks)を熟知しているのは中国だ。AIIB・一帯一路は、経済的には失望する内容だろうが、地政学における中国の存在の大きさ(bigger footprint geopolitically) を示すことになるだろう。

いま中国は供給過剰となっており、解消することで中国経済をリバランスしようとしている。一帯一路は、決してマーシャルプランではないが、もっとも近いものである。

AIIBに反対する人たちも、失敗してほしくないと思っている。そこまで世界は一体化している。2008年のリーマンショックで中国も痛い目にあい、アメリカがこけたら困ると思い知った。それゆえに中国は Brexitにも反対していた。

■李稲葵(David Li)清華大学教授

中国経済は世界経済の牽引役を務めてきた。貯蓄率は、リーマンショック前は対GDP比で2.5%だったのに対して、リーマンショック後は8.8%まで上昇。昔はアメリカ国債を購入していたが、アメリカがもう不要だというので、今はインフラ投資に使える。 

20~30年で成功すれば、一帯一路の地域は新たな経済・社会の統合地域が完成する関税や金融政策を統合し、 EUと類似の形態だ。

Benedikt SobotkaEurasian Resources Group CEO

ルクセンブルクに本社がある我が社はいま、カザフスタンに8万人を雇用して鉄道を建設している。このため、一帯一路は構想ではななく現実なのだ(not a concept but a reality

研究開発センターを欧州から中国に移した。コモでティの世界では中国がすべてだ (in the commodity industry, everything is about China)

北京で担々麺をいただきました。


洋の東西を問わず、若い女性がたくさんいるお店がおいしいことを私は知っています(^_^)

 
2年前に長富宮ホテル近くで見つけた、路地裏の麺のお店には、きょうも若い女性がいっぱい!

野菜やお豆腐などの具を洗面器のような容器で好きなだけ取ります。


ちょっと遠慮がちに・・


待っている間に料金表をパシャ。

洋の東西を問わず、お店の一番オススメは左上です。担々麺!

10元(約160円)。


容器はビニール袋に覆われて運ばれてきました。前回も思いましたが、かなり合理的。環境に優しく(水洗いしない)、衛生的(使い終わったらポイ)。

胡麻クリーミーでないし、山椒も効いていないですが、ちょっと辛めで素朴な味です。麺は、太め。うどん感覚です。


帰り際も若い女性の列!

北京のスモッグの下でみな待っていました。


洗車は不可欠!


天津でも担々麺のお店を視察しました。


こちらは、スープに浸っておらず、甘めの胡麻ソースに和える感じ。


北京の路地裏に比べて3倍近いお値段です。



サマーダボスでは、その後もBrexit関連のセッションが多数ありました。

イギリス国民は、政府にお灸をすえるつもりだけだったので離脱の選択を後悔しているという意味で、Bregret(Britain+regret)がちょっとした流行語になっていました。

主な発言をご紹介します。


■Nouriel Roubini(ニューヨーク大学教授)
イギリスの政治の失敗である。ボリス・ジョンソン前ロンドン市長は、キャメロンを否定することでしか首相になれないと判断した。今ごろ離婚を後悔しているだろう(divorce remorse)。離婚同様に離脱には莫大なコストがかかる。


最大の問題は不確実性。中国経済の鈍化、米利上げのタイミングというリスクに加えて、新たなリスク登場。ただこの不確実性は長期化する。イギリスとEUの分離のほか、EU自体がどうなるか、さらにイギリスが崩壊するかといった点も不確実だ。

国民投票の結果は、グローバル化、貿易、移民、そしてテクノロジーに対する反発である。長期で見れば良いことであっても、所得・年齢・スキルしだいで、勝者と敗者ができる仕組みだ(system that creates winners and losers)。アメリカのトランプ現象も根底は同じである。政治の右・左の従来の分け方ができない。


■IMF 朱民副総裁
このままでは、3年後に世界経済を最大で5.6% 落ち込ませることになる。EUの他の国々や、スコットランドで、同様の国民投票が起きかねない。大きな不確実性の結果、金融市場は大混乱した。離脱する場合、最速でも2年後だというにもかかわらずだ。

経済成長を後押しするには各国の構造改革が必要だが、できなければ世界経済の下押し圧力となる。

イギリスとEUの関税などをめぐる交渉は、数千の項目に及び気の遠くなるような作業だ。グローバル化は、今後も必要であり、グローバル化からの逆行はまずい判断だ(reverse course is a bad decision)。


■Samuel Smiles(UBS)
先週の金曜日の金融市場にはこっぴどくやられた(it was brutal)。投票結果が出た時間、唯一の大きな市場は東京だったため、特にひどかった。

とは言え、26日のスペインの総選挙は安心材料。現政権への反発ではなく、揺り戻しが起きた。イギリスの地獄(mayhem in the UK)を見て、国民がよりセンターに寄る選択をした。

イギリスで18歳から24歳の若者のうち投票したのが18%だったのに対して、65歳以上では83%が投票した。

金融市場のカオスは、EUの今後にとっては良いかもしれない。カオスを回避したいと各国の国民が思うはずなので。

EUは離脱に向けた交渉を煩雑にして、離脱ドミノを避けるだろう。過去を振り返ると危機は、欧州の統合をより強固にした。今回もそう期待したい。 


■Taaver Hinvijus(英フィンテックTransferWiseのCEO)
イギリスがEUを離脱すると▼相手にする規制当局が増える、▼人材の確保が難しくなると危惧している。

FinTech Hubとしては、イギリスが最重要だがなシンガポールのほかオーストラリアが追い上げている。

■Mark Benioff(米セールスフォースCEO)
イギリスの政治家も経済界もBrexitの可能性に気づくのがあまりに遅かった。政治でも経済でも、NGOでもリーダーたるもの将来をどう見ているのか明確にする必要がある。説明が足りないのだ。

その結果、信頼に対する危機に直面している(facing a crisis of trust)。


天津で開かれている世界経済フォーラムの夏の会合=通称サマーダボスに参加しています。


The New Normal of Emerging Marketsのモデレーターを務めさせていただきました。このセッションに限らず、Brexit一色です。当然ですね(≧∇≦)

2008年のリーマンショックを予言したことで有名なNouriel Roubiniもパネリストで、当然Brexitも話題に!

私の隣がルービニ教授です。


ルービニ教授の発言で特に印象的だったのが3点。

▼Brexitはショックではあるが、2008年の再来とはならない。
▼経済・金融・政治・地政学の不透明感が増し、投資センチメントには影響は避けられない。
▼Brexitは貿易・グローバル化・移民、そしてテクノロジーに対する反発(backlash)である 


Brexitには関する緊急セッションも設定されました。タイトルはAfter the Brexit(イギリスのEU離脱後)でEurasia GroupのIan Bremmer, 英BTのLarry Stone, JP MorganのMichael Folconがパネリストでした。

以下、概要です。 


■Ian Bremmer
Brexitは、イギリスと大陸欧州の同盟が終わり、統合の巻き戻し(disintegration)であるが、独メルケル首相の言うように冷徹に現実を分析しないといけない

Brexitは、エリートが提唱してきたグローバル化に対する反発である。ミドルクラスが生活が苦しくなっているにもかかわらず、政治家などのエリートが何もしなかったことへの怒りである。決して、知識がないわけではなく、理性的な行動として離脱を選択したのである(not absence of fact but a rational behavior)。

アイデンティティも問われた。白人は離脱、アジア系などが残留を主に支持した。反移民であるが、雇用が奪われているということだけが背景ではない統合を進める能力も意思もない(ability, willingness to integration)ことを示したのだ。

これからの焦点は、この後どうなるか、である。EUはそもそも機能不全である(EU is a mess)。これまで問題を先送りしている(kick the can down the road)と批判されてきたが、ついに1か国が行動を取ったのである。

EUは、離脱に向けた手続きを面倒にするだろう(make it hard for the UK)。容易にしようものなら、スペインもフランスもイタリアも離脱を主張しかねない。一方、EUに新規に加盟した東欧諸国にはレバレッジがあり、イギリスのEU離脱を支持/不支持して欲しいなら何かおいしいもの(goodies)をくれ、と主張するだろう。

Brexitに対する中国政府の対応が大人で、数少ない明るい材料である(if I can take a positive, it's the way China has been dealing this)。中国は、今や現状を望むプレイヤー(status quo player)であり、安定を望んでいる。正反対なのが、ロシアのプーチンであり、不安定さを望んでいる。 


■Larry Stone(英BT)
BTはEU28か国すべてで通信事業を展開している。これまで、単一市場に依存してきた。Brexit後の不安定さ、不透明感に当惑している。

影響は、①通貨ポンドや株式など市場の混乱、②イギリス議会の3分の2が残留を望む一方で、国民が離脱を選択した結果、イギリスで何が起こるのか(what will happen in the UK)、③イギリスとEU、それにイギリスとスコットランドの関係という面でイギリスにとって何を意味するのか?

イギリスでエリートに対する信頼の崩壊を目の当たりにした。移民は▼EU内の移民、▼EU域外からの経済移民、▼難民がいる。英財務省やIMF=国際通貨基金などの専門家が何を言っても、相手にされず、ある意味、de-expert the expertsが必要である

離脱反対の署名は、さっき見たら280万人だった。とは言え、総選挙で残留を支持する政権が誕生しない限り、国民投票の結果を尊重せざるを得ない。 


■Michael Folcon( JP Morgan)
あす月曜日以降のマーケットは、次に何が起きるのか(what happens next)しだいである。欧州政治は混乱するだろうが、全体像を捉えないといけない。

これはショックではあるが、危機ではない(this is a shock but not a crisis)。金曜日の市場は、英株式と通貨ポンドが暴落したし、これは予測できたこと。今後もマーケットは脆弱だろう。 マーケットは不透明感を嫌うものである。

イギリス経済は力強く、イギリスが不況に陥るわけではなく、世界経済が脱線するわけではない(not going to see a UK recession and this will not derail global economy)。 イギリスとの貿易に最も依存しているのは、シンガポールであるが、全体の10%に満たない。

イギリスで国民投票が行われていますね。離脱(Britain+exit=Brexit)か、残留 (Britain+remain=Bremain)か。拮抗していて、結果が分からない‼️


 (すべてWSJ)


結果が出るのを目前に控えて、WSJGreg IpBrexit’s Real Impact Would Be Gradual and GlobalEU離脱の真の影響は徐々に、そして世界的に広がる)と書いています。


Greg Ipは、私がワシントンに駐在していた頃、金融政策を担当するWSJの 看板記者でしたが、その後The Economistに移り、去年 WSJに戻ったことが話題でした。

 

ざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。



心配性の預言者(anxious prognosticators)は、 23日にイギリスで行われる国民投票で EU離脱が決まればイギリスの金融市場を沈没させ、不況を引き起こすと懸念している。


こうした予測は基本的には想像であり、おそらく大げさだろう。離脱が決まれば、その影響はより微妙だが、徐々に、そして世界的に広がるだろう。

 

イギリスのEU離脱は、戦後進めてきたグローバル化に対してもっとも激しい否定(starkest repudiation)となる。そもそも、グローバル化の推進はいま世界的に、貿易の保護主義、移民反対の空気に直面している。グローバル化のいっそうの後退は、高齢化と生産性の低下によって暗雲が立ち込めている世界の経済成長をさらに押し下げることになる。

 

経済統合に向けたコンセンサスは、これまで一貫していた。1957年に EU28か国で創設されて以降、離脱した国はない(オランダ領のグリーンランドとフランスから独立したアルジェリアを除く)。


また、WTO=世界貿易機関の前身のGATT1948年に創立されて以降、162か国が加盟した一方で、脱退した国はない


 

政府のエリートは、経済統合の土台を受け入れてきたからだ。経済統合は、市場規模を拡大し、地元企業の競争力を向上し、外国からの投資と移民の受け入れを通じて新しいアイディアの拡散を加速させるのだ。2004年の研究によると、仮に 1930年代の通商ルールに逆戻りすれば世界は7%貧しくなると言う。

 

イギリス経済は、1973年にEUに加盟するまでは独仏に比べて低迷していたが、 1979年に就任したサッチャー首相が規制緩和を進めたこともあり、それ以降、独仏と同じくらいあるいはさらに成長している。

 

こうした経済的な成功の裏には、政治的な正当性の弱さ(fragile political legitimacy)がある。離脱提唱者は、 EUがイギリスの国内政治に介入していると苛立ってきた。しかし、EUWTOのような国際機関は加盟国に対して共通の利益のために手を縛ることを強制するという点でそもそも民主的でない。イギリス企業は、イギリス経済に介入しているとEUに文句を言うが、欧州大陸側で EUが介入した結果、障壁が取り除かれることによって利益も得ている。


 

一方、世界的な経済統合は、一般の労働者の損失によってエリートの富を増やしていると言う批判もある。これは筋違いである。スキルを持った労働者の方が利益を得ているが、労働者は消費者でもあるので、国際競争によってよりよい製品がより安く変えるというメリットもある。移民だって全体で見ればプラスだろう。


イギリスの研究機関によると、EUからの移民はイギリス生まれの国民よりも教育水準が高く、よく働き、享受される社会福祉よりも多く納税している。仮にイギリスが EU離脱を決めても、昔のように過剰に保護され、過剰に規制されたサッチャー前の状態に戻るわけではない。


 

ただし、コストはある。離脱すれば、イギリス政府は次の15年で GDP0.2から0.6ポイント下がると予測しているが、まぁ一般のイギリス国民にとっては小さすぎるだろう。とは言え、こうしたコストは本物だ。さらに、開放的社会から閉鎖的な社会に向かうことで、イギリスの長期的な成長の道筋に影響が出る。

 

こうした影響は、イギリスにとどまらない(nor will the consequences stop at Britain’s shores)。仮に EU離脱によって短期的な悪影響がない場合、フランスやオランダの反EUの政治家の動きを活性化させかねないのだ。 イギリスの離脱提唱者同様に、経済的な影響よりも移民の増加に対する不安を背景に支持を伸ばしている。

 

ジュネーブの団体によると、2008年以降、外国企業に対して市場アクセスの見返りに、自国での生産や自国の製品を使うよう求める政府勧告は、世界で 714にのぼると言う。



GE のイメルト社長 は先月「以前はエンジンを生産する工場は1か所だったが、市場アクセスを得られるよう今や複数の場所で生産している」と述べて、保護主義的な政府の動きに企業が対応せざるを得ないという認識を示した。

 

生産拠点の拡大は、保護主義的な動きから企業を守ることになるかもしれない。しかし、その結果、生産性が落ち、消費者にとっては製品価格が押し上げられる。企業や国の数だけ負担が増えれば、ちりも積もれば山となる。


米ワシントンのシンクタンクの試算によると、2010年以降の世界的な貿易の鈍化の結果、 GDP2.7%押し下げられ、これは保護主義の影響もあると言う。


 

仮にイギリスがEU を離脱すれば、経済の低迷は今後何年にも及ぶことになるだろう。

今週のThe Economist KAL’s Cartoonもスパイスが効いています。米フロリダ州で「イスラム国のため」として49 人が亡くなった銃撃事件を受けて、焦点となっているイスラム過激派や銃規制について。


トランプ氏がこの事件のあと、イスラム教徒に対する入国規制の強化を訴えているのが背景です。


 (すべてThe Economist)


銃を左手に持った白人男性の後ろには、過激派と書かれた的があり、右手にはSILVER BULLETと書かれた空っぽの段ボール箱。 SIVER BULLETは直訳すると銀の銃弾ですが、魔法の杖とか、万能薬とか特効薬の意味があります。イスラム過激派の動きを押さえ込むには特効薬はないとトランプ氏に説明しているようです。

 

巻頭の一枚はこちら。



数え切れないほどの銃をご自慢気に見せる男性を乗せたピックアップトラック(アメリカの一般の人々を象徴していて、ナンバープレートにはUSA、側面には星条旗)が警察官に停められています。 荷台には AMMO(ammunition=銃弾) と書かれた箱も。


 

警察官がThis is against the law!(おい、これは法律違反だぞ) と運転手に詰め寄ります。当然、多く の銃を保有している実態を指しているのかと思いきや、警察官の次の台詞にずっこけます。


 

He should be wearing a seat belt(後部の男がシートベルトをしていないぞ)と注意します。

 

運転手の野球帽をよく見るとNRA=National Rifle Association(全米ライフル協会)の3文字。政治的に圧倒的な影響力を持つ最強のロビー団体です。

 

■1999420日のコロンバイン高校事件 13人死亡)、

20074 16日のバージニア工科大学事件 32人死亡)、

201212 14日にコネティカット州のサンディフック小学校事件 27人死亡)など多くの一般人が犠牲になる乱射事件が起きるたびに、アメリカでも 銃規制の動きが出ます。


ただし、最終的にはNRAの支持なしにでは再選できない政治家がひよってしまい、何も進まない歴史がありました。

 

アメリカ史上最悪のオーランドのナイトクラブ乱射事件(49人死亡)をきっかけに何か変わるのでしょうか?


民主党のクリントン候補が銃規制強化の旗を揚げる一方で、共和党のトランプ候補は容疑者がアフガニスタン系のアメリカ人(両親がアフガニスタン出身ですが、本人はニューヨーク生まれ)だったことからイスラム過激派の問題だとしています。 


11月8日(火)は大統領選挙と同時に上下両院の議員の選挙も行われます。NRAの影響力が勝り、そして何も変わらないと予想するのは私だけではないと思います。

ことし1月、イランに対する経済制裁が解除されました。米ボーイングがイランに 100機の航空機を販売すると報じられてい ます。


 (WSJ)


ドルを使ったイランとの取引が今なお禁じられているため、イランとの核合意に従って最終的には米財務省の許可が必要となります(あるいはドル以外の通貨で取引するか)。


ワシントン駐在中に身にしみたのは、安全保障の名のもと、合意・契約は覆されることがあること。また、オバマ政権が進めたイランとの核合意をおもしろくないと思っている共和党議員が反対することも容易に想像できます。


イランの航空機250機のうち、 150機が今も現役ですが、1979 年のイラン革命の前に購入したものもあるようです!!


 (The Economist)


アメリカ国務省がイランとのビジネスに積極的な一方で、民間企業はアメリカ政府(財務省)をどこまで信じて良いのか分からずびくびくしていることは、先日お伝えしました。イランに名刺をおいてくることも怖いそうです!


http://blog.livedoor.jp/kaoriiida/archives/60706077.html

 

WSJBoeing Signs Deal to Sell Jets to Iran’s State Airline(ボーイングはイランの国営航空会社のジェット販売で合意)はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。


大統領選挙の年でもあり、ハードルは高そうですが、実現すればほかのビジネスも拡大するのでしょうね。

 

 

今月21日、米航空機メーカーのボーイングはイランに航空機を販売することで暫定合意したと公表した。これは、イランに対する経済制裁解除のあと、最大のビジネス合意となるだろう。


今回の合意は、ボーイングとイラン航空との間の何か月にもわたる交渉の結果である。金額など詳細は明らかになっていないが、イランの交通相は 21日、イラン国営放送に対して、250億ドル(約26000億円)にのぼる可能性があると語ったとAP通信が伝えている。


一方ボーイングは、「イラン航空との間で民間航空機の販売に必要なMOU=覚え書きを締結したことを事実として認める」と明らかにした。

 

イランの航空会社は、これまでボーイング737のような中型機、あるいは長距離用の777787 Dreamlinerの両方が必要不可欠だと示唆してきた。


国営のイラン航空は、イラン政府およびアメリカ政府の承認が得られれば737型機と777型機をリースする計画を伝えた。イラン航空との契約の締結には、▼金融機関がイランに融資をするかどうか、さらに▼アメリカ政府の正式な承認が得られるかどうかがカギで、何か月もかかる可能性がある。

 

すでにテキサス州とイリノイ州の共和党の下院議員が先週、ボーイングに対して、今回の商談がイラン軍を利する可能性があるとして懸念を表明する書簡を送っている。「イランの民間航空企業は敵対的な行動を支持している」として、イランに航空機を売却することが安全保障上、何を意味するのかを分析するための情報提供を求めた。

 

これに対してボーイングは「イランの航空会社との協力についてアメリカ政府の指導に従うとともに、イランの航空会社との契約はアメリカ政府の承認しだいである」と話している。

 

米財務省の外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control)の John Smith局長は先週、ワシントンで行われた講演の中で「承認を得た契約であれば、ファイナンスを受け得る」と発言している。

 

ことし1月、欧州のエアバスは、イランとの間で118機のジェットを融通すること合意し、イランと欧州との関係回復とともに新規の民間航空機の需要の強さを示した。エアバスの商談は 270億ドル(約28000億円)にのぼると見られるが、イランとビジネス関係を持つことに対する国際金融社会の懸念を背景に、未だ最終合意に達していない

 

フランスとイタリアのターボジェットメーカーATRは、イランに対して40機を販売するにあたって銀行や賃貸人のグループを組成して通貨ユーロによる商談をまとめようとしている。これは、 ATRCEOPatrick de Castelbajacが今月明らかにしたものだ。ATRは、年内には最初のリージョナル・ジェットをイランに届けることを目指している

 

カナダのボンバルディアもまた、イラン市場を狙っていると言う。ボンバルディアの民間航空機部門のトップのFred Cromerの今月の発言によると、まずはイランにリージョナル・ジェットを届けることを目指すと言う。

 

何十年にもわたる経済制裁によって旧式の航空機しか持たないイランは、有望な市場と見られている。


EU=欧州連合は先週、イラン航空に対する規制を緩和した。一方、アメリカはイランの航空会社がテロを支援しているという懸念からイランに対する航空機の一部の販売を禁じたままである。イランはこうした疑いを否定している。

インドの中央銀行総裁の突然の辞任が驚きを持って受け止められています。Raghuram Rajan(通称 Ragu)はIMFのチーフエコノミストの頃にお会いしましたが、すげー頭が良い!という印象。 各国の中央銀行関係者が敬意を表するのは納得です。


一方、利下げをせず、インフレ脱却を宣言せず、改革に向けて小うるさく、モディ首相から見たらかわいくなかったのでしょうね。 


 

すでに日本語でも辞任はいろいろと報じられていますが、FT007にひっかけておもしろかったのでざっくりとご紹介します。


タイトルは、 Rajan exit from RBI unnerves India investors(ラジャンのインド準備銀行総裁の退任はインドの投資家をびびらせる)。


サブタイトルはLoss of bank chief raises questions over New Delhi’s commitment to reforms(中銀総裁の喪失でインド政府の改革の意思が問われている)。


ちなみにきょうは、国際ヨガの日です。ヨガ発祥の地のインドでモディ首相も参加する大規模なイベントが今年もあるそうです。インド経済の先行きを考えたら、心配のあまり精神統一できなかったりして(≧∇≦)


(Reuters, 去年の6月21日)


以下ざっくりと(全文の翻訳ではありません)。


 (FT)


中央銀行のトップがイギリスの架空のスパイ=James Bond に例えられることは滅多にないが、インド準備銀行のラグラム・ラジャン総裁は決して典型的な新興国のセントラル・バンカーではないのだ。 


2013年に就任した時、インドは手のつけられないインフレと通貨安に直面していただけに、経済界では歓喜に沸いた。


インドの最大手の日刊紙はラジャン総裁が007風に通貨ルピーでできたピストルを片手にした画像を加工し、見出しに"Name’s Rajan, Game’s Bond(名はラジャン、取引対象はボンド=国債)"とつけたほどだ。


 (Economic Times)


ラジャンは元IMFチーフエコノミストで、2008年から 2009年の世界的な金融危機を予測したことで有名だが、インド準備銀行の総裁としてもインドのインフレと不良債権問題を解決するヒーローとして扱われてきた。


ラジャンは、実際よりも偉大なイメージや歯に衣着せぬ物言い、難しい問題に真正面から取り組む姿勢ゆえに職を追われたかもしれない (Mr. Rajan’s larger-than-life image, his plain speaking and his willingness to tackle tough issues head on may well have cost him his job)


週末には、9月4日に3年間の任期が切れるのに伴って退任し、米シカゴ大学の教壇に戻ることをせいめいであきらかにした。通常は26年となる任期の延長をモディ首相が認めないことがはっきりしたのだろう。


政治評論家の中には世界的に有名なラジャンを、モディ首相は資産として活用するよりライバルとして嫉妬したのではないかと見る。


(WSJ、モディ首相と)


利下げを求めた経済界の一部には、ラジャンのインフレに対するタカ派的な姿勢を批判する向きもある。最終的には政策金利を 1.5%引き下げることになったが。


何よりも、インドのインチキ資本主義や問題を先送りする銀行の融資姿勢に厳しい態度で臨んだことで財界のドンたちを敵にまわしたことが決定的だったかもしれない。

 

問題は次の総裁に誰が任命されるかだ。Arun Jaitley 財務相は18日、政府が近く後任を発表するといツイートした。


これまでの金融政策が継続されるのか、ラジャン総裁と同様の熱意で銀行の不良債権処理が進められるのかといったところが注目されている。



同時に、モディ首相がこれほどまでに尊敬を集めた人物を切ったことで、政権が主張するインド経済の転換に向けた本気度を投資家がより注視することになるという指摘もある。

銀の黒田総裁が慶應義塾大学で 「デフレからの脱却に向けて:理論と実践」と題した講演を行いました。縁あって主催の経済学部から招待されたので、最前列で聞くことができました。


総裁は5人の学生から質問を受けました。みんなよく勉強していて、緊張することなくはきはきと質問して、自分が若かったころはできなかったろうなぁ、と思いました。


ただ、普通の記者会見や経済界との懇談と同じ内容で、「黒田さんはどんな学生だったのですか?」とか「今から振り返って、やっておくべきことは何でしたか?」といった、学生でないと聞けないようなことも一つくらい聞いて欲しかった!思わぬいい答えがあったように思います(^_^)


質疑応答部分だけざっくりまとめました(ざっくりです)。最後の2つは質問も回答も英語でした。


■2年という物価目標の期間の明示したのはなぜか?原油安など日銀がコントロールできない原因で達成できない場合、信頼を著しく損なうリスクもあるのでは?(経済学部の男性)

□2013年4月に量的質的緩和策を導入した際に、だけでるだけ早期に2%を達成したいと言ったのは、長いデフレから脱却するには強いコミットメントが必要だと考えたから。

英語ではas soon as possibleではなくat the earliest possible timeとして、早くやるんだ!ということを示した。

そしてデフレでないという状況まできたが、2%という目標には道半ば。それでも、プラスの効果は十分にあったのではないか思う。

当時は、より強いコミットメント、5年先なのか10年先なのか、ある程度、頭にないとできない。消費税引き上げ後の駆け込みの反動が長引いた、石油価格が75%下落し、ヘッドラインは0%近辺、生鮮食品とエネルギーを除いても1%ぐらい。

2年程度で実現できなかったが、こうした強いコミットメントはやはり必要だったのではないかと今でも思っている。できるだけ早期に実現しようというコミットメントは変えるつもりもないし、必要もないと考えている。

■日米の中央銀行の市場との対話の違いについて。FRBはコミュニケーションで市場に織り込ませる一方で、日銀はサプライズを利用するが、なぜ市場に織り込ませないのか?(経済学部男性)

□テーラールールに表れているように、中央銀行としての政策反応関数を明示することによって政策効果はむしろ深まる。日銀でもできるだけ早期に2%の目標を実現するために、必要があれば追加的な措置をとることを申し上げてきた。2014年10月に量的質的金融緩和を拡大し、2016年1月にマイナス金利付き質的量的金融緩和を導入した。

現在のFRBの、政策反応関数ははっきり示していて、data-dependantだと言っているデータの出方しだい、それにデータのの評価で変わってくるということで、何年の何月に何をすると言うことを言うことは誰もしていない。アメリカの場合は織り込ませて、日銀の場合はサプライズを狙ってやっているということではない

 ■量的質的緩和政策によって富裕層の資産は高まっているかもしれないが、一般労働者の賃金は増えておらず、格差は拡大していると指摘されている。量的質的金融緩和と格差拡大についてどう考えるか?(商学部女性)
 
□ご存じのようにFRBのイエレン議長も拡大拡大について懸念を感じているという。量的質的金融緩和で何を狙っているかと言えば、あくまで企業収益、雇用賃金の増加をともないながら物価上昇を作り出すことだ。失業率が3%と完全雇用状態に近づいている。雇用者所得は順調に伸びている。

一般的に非伝統的金融緩和で資産価格が上昇して、分配が不平等になるのではないかという議論はよく聞かれるが、好循環となっている。

今の段階で日本で格差が拡大しているわけではないが、我々としてもどのように所得分配が上がっていくのかよく見ていく必要がある。

■なぜマイナス金利政策を導入したのか?それまでの金融緩和は不十分だったのか?(留学生、男性)

□マイナス金利政策は非伝統的で新しい政策である。日本の金融市場や銀行は当初、この新しい政策フレームワークにどう対応するべきか幾分戸惑っていた(somewhat uncertain as to how to deal with this new policy framework)。今や理解されている。

■ハイパーインフレーションのリスクをどう考えるか?(留学生、男性)

□非伝統的な金融政策は、まぁ非伝統的なんですよ!当初、経済や物価に対する影響について当惑している向きもあった(Some were uneasy on the impact of unconventional monetary policies on the economy and inflation rate)。

世界を見渡しても、非伝統的な金融政策を導入して数年たつにもかかわらず、物価高(high inflation)は見られない。懸念は重要ではない、あるいは決定的ではないのだ(the concerns are not relevent or crucial)。

中央銀行としてはもちろん物価高(excess, higher, hyper inflation)は回避しなければならない。そして、物価高を回避するためのツールは十分にある(we have enough policy tools to avoid excess, hyper inflation)。

要約すると、中央銀行としては常に物価高に慎重であり、警戒しなくてはならないが、現段階ではその兆候は見られない(currently, we have not seen any tendency)。どんな場合も、必要に応じてインフレを抑え込む政策ツールは十分に持ち合わせている(In any case, we have enough tools, measures to contain inflation if necessary)。

このところの原油価格は1バレル= 48から49ドル( WTIもブレントも)推移していますが、今後の価格を決めるのはアメリカのシェールガスがどの程度、市場に原油を供給するかどうかです。


(すべてThe Economistより)


それをうまく表現しているのがThe Economist の最新号のOil Supply, Rigonomics(石油の供給、リグ経済学)。リグは石油の掘削装置ですが、その数が減っているか増えているかで生産量が減っているか増えているかが推定できるので、リグの数に注目が集まっています。


サブタイトルは Is $50 a barrel enough to revive global oil production  1バレル=50ドルは世界の原油生産を回復させるのに十分か)。 最後のthe battle of the sheikhs and the shalemen is not over yet というのは、 2014年12月のこの表紙を意識していると思います。


 

内容はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。


 

米テキサス州の西部の奥地でフラッキング=シェールオイルの採掘が復活した。過去4週間で、アメリカでも屈指のシェールオイル採掘地のパーミアン盆地では 9つのリグ(採掘装置)が復活した。一時は1バレル30ドルを割り込んだ結果、過去 1年半の間に休業した429のリグに比べればほんのわずかだ。

 

この数週間で、原油価格は1バレル=50ドルあたりまで上昇した。 Pioneer Natural Resourcesの社長は、パーミアン盆地で12まで落ちたリグを近く17に、あるいは22まで増やすという。「パーミアン盆地では底を打った」と述べた。


 

新たな採掘とは別にシェール会社では、掘削は終わったものの原油を採掘するに至っていない油井について、採掘を始める動きもある。今あるリグをめいっぱい使っている企業もあり、コストはかかるが1バレル= 50ドルであれば採算があうというわけだ。

 

シェールオイルは、採掘に何年もかかる伝統的な原油に比べると、数週間で採掘をやめたり再開したりするのが容易であり、需要の変化に応じて生産量を修正する工場のようでもある。

 

原油価格の下落局面では、確かにシェールの方が柔軟に対応したが、それでも遅れが目立った。2014年に下落が始まった際に、シェールオイル業者が価格下落が一時的でないと気づくまでに数か月かかった。上昇局面でもシェールオイル業者が価格を抑えているようだ。


米原油供給会社のBaker Hughes2週間連続で採掘にわずかながらも上昇が見られたと発表した610日、 WTI 1バレル=50 ドルを割り込んだ


仮に、シェールオイル業者が、市場の過熱や冷却しだいで供給を調整し、圧力鍋のバルブ(弁)のような役割を果たせば、原油価格の上げ下げの幅はもっと落ち着くはずだ。

 

しかし、バルブはそう簡単に機能しない。最近の原油価格の上昇が維持可能かどうかがまずは懸念だ。シェールオイル業者は、2015年に価格が少し上がり、その結果、本来よりも長く供給を維持した苦い思い出がある。曰く、世界の消費量に比べて今なお、 1日あたり100万バレル近く過剰に生産している。



IEA=国際エネルギー機関は614日、需要が供給に追いつくのは来年になってからだという見通しを示した。

 

もう一つの懸念は、実際問題として供給がどのくらい速やかに実現できるのかという点だ。リグはあまりに長く放置されたため、機能するには何か月もかかる可能性がある。その間に労働者は別の仕事を見つけ、シェール産業に戻ってくるよう説得するのが難しいかもしれない。財政事情もある。去年の初め以降、70の米シェール関連企業が経営破綻に追い込まれた。

 

エネルギーコンサルタント会社によると、WTI1バレル= 39ドルであっても健全な10%のリターンが得られるくらいにアメリカのシェール業者は効率的だと言う。2013年の82ドルに比べて大きな改善だ。別のエネルギーコンサルタント会社によると、1バレル=60ドル以上で初めて投資が戻るという。

 

仮にアメリカの石油業界が復活したとしても、去年6月のピーク時に比べて日量 100万バレルほど少ない。

 

原油安によって消費が伸びたアメリカや中国などの最近の需要増にもっと注目するべきだという専門家もいる。1バレル= 80ドルまで一気に原油価格が急騰する引き金になり得ると言う。



とは言え、原油価格が再び下がるという見方もある。サウジアラビアのMuhammad bin Salman副皇太子が示唆したように供給量を引き上げるかどうかに大きくかかっている。


サウジアラムコの株式上場に先立って企業価値を引き上げるためにサウジがさらに原油を採掘するという指摘もある。


さらに、テクノロジーや地球温暖化によって世界の原油需要が減退する前に生産量を増やすことが論理的だと考えるかもしれない。



1バレル=50ドルは持続可能かもしれないが、SheikhsとShalemenの戦いは終わっていない

日米の金融政策を決める会合のあと、急速に円高が進んでいますね!一気に1ドル= 103円台WSJは円高株安は日銀のinaction (行動しなかたこと)を理由として挙げています。


 

ただし、その根底にあるBrexit=イギリスのEU離脱を問う国民投票まで 1週間です(6月23日)


未だに分からないのが、なぜ国民投票の実施日が木曜日なの?日曜日にした方が投票率が高そうなのに。まぁ、アメリカの大統領選挙は、馬車で遠くの教会から戻るのに時間がかかるとして、火曜日なので、イギリスも何か伝統的な理由があるのでしょうね。


The Sun の社説は We urge our readers to beLEAVE in Britain and vote to quite the EU on June 23 (読者の皆さんにはイギリスを信じて、 6 23 EU離脱を投票するよう促す)。信じるのbelieveと離脱の leave引っかけています。


根拠はこのままでは、イギリスの将来はいっそう暗いから。「残留すれば難民が増え、雇用が失われ、賃金が下がり、生活が悪化する」としてリスクの拡大に危機感を示します。

 

対極にあるFTの社説はGreat Britain should vote to stay in the EU(イギリスは EU残留を選ぶべきである)。サブタイトルはHistoric plebiscite with far-reaching consequences for the continent歴史的な国民投票は大陸欧州にとっても大きな影響を与える)。

 

ざっくりこんな内容です(全文の翻訳ではありません)。


 

イギリスは来週、判断をくだす。EUを離脱するかどうかを問う国民投票は歴史的な瞬間( historic moment)である。問われているのは、イギリスと、とかく関係がギクシャクする欧州との関係であるが、同時に西側の一貫性も問われている


選挙戦は国論を二分した。事実より感情が勝っている(Emotions have trumped facts)。生まれ変わったようなポピュリストが主流派に対して抗議している。

 

FTは、1973年の段階からイギリスの EU加盟を支持してきた。単一通貨ユーロの導入は支持していない。経済的なメリットはないためだ。しかし、ユーロを導入しないことと、イギリス経済に大きな打撃となるEU離脱はまったく意味が異なる。


欧州がイスラム過激派や難民、ロシアの権力拡大、気候変動などの脅威に立ち向かうには建設的な行動が不可欠である(Constructive engagement is vital when Europe confronts threats from Islamist extremism, migration, Russian aggrandizement and climate change)

 

国民投票は二つの価値のどちらを選ぶかという戦いである。自由な国際主義か困窮したナショナリズムか。自由貿易か疎外か(between liberal internationalism and pinched nationalism, between an open-trading system and marginalization)


だからこそ、オーストラリアから日本までイギリスの同盟国がいっせいに残留 (Remain)を支持し、フランスのマリー・ルペンやアメリカのトランプが離脱(Brexit)を望んでいる



経済界のリーダーは、遅きに失する前に離脱のコストを国民に説明するべきである。1975年に当時の政権が欧州経済共同体の離脱を問う国民投票を実施した際に、 FTは「イギリス「小さな島国として保護された経済に安住し、国際政治から脱退すること」を拒否した。当時の感情は今も呼び覚まされる


Little Englandに戻す時間的な余裕はない。我々はGreat Britainである。


我々は、世界をより豊かでより安全な世界にするために貢献できる。投票の結果は「残留」でなければならならいThe vote must be "Remain")。

日本時間の午前3:30から米FRBのイエレン議長の会見がワシントンで行われました。政策変更はなし。「不確実性(uncertainty)」を連発する一方で、半ば意地になって、7月だって利上げするかもよ!とも。

今回利上げを見送った理由をBrexitに対する警戒感のせいにしていました(≧∇≦)

にしても!東京でネットでライブで見られるなんて便利な世の中ですね!

以下、ざっくり概要です。


JST03:30開始

声明の説明。

03:43
■(FT)Brexitはどこまで影響したか?

Brexit=イギリスのEU離脱を問う国民投票は今回の委員会で話し合った。今回、判断した要因はBrexitだったと言ってもフェアだ。投票の結果はアメリカにもイギリスにも影響する。世界の経済、金融に影響する。アメリカの金融政策にも影響する。きょう、リスクとして我々の判断に影響した。

■(CNBC)GDPと金利の影響をどう考えるか?

□各委員は、先行きに対して強い不確実性を持っている(great deal of uncertainty)。ニュートラルな金利を考えるとき、金融危機のあと続いている向かい風(headwind)を考慮しないといけない。ニュートラルな金利はどこなのか?下向きに圧力がかかっている。下向き圧力はすぐには消えない。これはニューノーマルの一環(part of the new normal)だと考えるべきだろう。

■(ロイター)FOMCの中で投票権のある委員とない委員との間で考えに違いがあるのでは?

□毎年投票権のある委員はローテートしている。委員会としては、ことし、あるいは来年、何度の利上げをするか、という形の議論をしない。委員会ごとに議論する。国際的にいま不確実性が覆っている(uncertainty is looming)。Brexitは先行きに対する判断に反映されている(factor in)。経済成長と労働市場の進展を見ていく。個人消費はピックアップしたが、労働市場は鈍化したようだ。経済のモーメンタムが消えたのかどうかを確認したい。労働市場の動き、消費のデータを見て、われわれの予想に合致するか見ている。物価も見ていく。毎回の委員会はliveでactiveであり、どの委員会でも(利上げを)判断し得る。


03:53
■(NYタイムズ)12月の利上げこそが経済・雇用の鈍化につながったのでは?

□鈍化の理由は分からない。一つの雇用統計に判断を過度に依存してはならない。内容をoverblowしてはならない。採用などほかの指標はまだ青信号を見せている。委員会も私も労働市場の改善が終わった(come to an end)したとは思っていない。ドットプロットを見ても分かるが、利上げのタイミングが何か決まっているわけではない。去年12月のわずか0.25%の利上げが経済の先行きに影響したとは考えていない

■(WSJ)10年もの国債は1.6%まで低下。日本とドイツの長期国債にいたってはマイナス。どう考えるか?

□10年もの国債の短期の道筋(path)に対する市場の予想はどうか。依然として低い。これが長期の国債の金利を抑えている。いっそう重要なのが証券のプレミアム。ECBも日銀も長期の資産を買うことで量的緩和を続けて、プレミアムが発生している。

(更問いに対して)長期に金利がどこに向かっているのか大きな不確実性がある。ニュートラルな金利は低くなっており、それがニューノーマルである

04:01
■(ワシントンポスト)労働市場はどこまで改善すれば利上げするのか?

□具体的な数字は言えない。もちろん次の雇用統計を注視している。健全な数字かどうか見たい。雇用の最大化に近づけば、雇用の増加はいくぶん鈍化するだろうし、実際にしている。先の統計は、雇用情勢を維持するためにも低かった。

(更問い:先週の講演で、その前に述べた「次の数か月で利上げ」となぜ言わなかったのか?)タイムテーブルはない。どの委員会もliveであり、利上げに向けてoff the tableという委員会はない。7月までのデータがperfectly fine courseだと確認できることだってあるしれない

■(Foxビジネス)大統領選挙の年には政策変更しないのがこれまでの通例だが、どう考えるか?

□経済の先行きとそれに伴った政策について真剣に評価している。仮に先行きに照らして正当化(justify)できると考えれば、市場はわれわれの判断に驚いてはならない。委員会は、適切だと考えれば、この先数か月の間に自由に動くだろう(markets should not be suruprsied if we make it. The comitte will feel free to move in the coming months if we see appropriate)。

■(ブルームバーグ)インフレとインフレ期待のどちらを見ているのか?

□コアインフレはドルの水準に影響を受けているが、予想通りに動いている。コアインフレも2%以下だが、この先数年の間で目標の2%に達すると思う。

■(AP)4月のFOMCの議事要旨(ミニッツ)が公表され「6月にも利上げ」とあって市場は驚いた。声明に書かなかったのは良識的でなかったのではないか?

□要旨は、委員会の議論そのものを反映しないといけない。4月の委員会で、6月にも利上げできるという議論はあった。確かに、4月のFOMC声明の中でそれを示唆しなかった。とは言え、成長が鈍化する理由がないことや家計が力強いこと、雇用市場が底堅いことを盛り込んだ。

■(AFP)最低賃金と物価についてどう考えるか?

□賃金の上昇はピックアップしており、全般としては健全な労働市場である。

04:14
■(マイクロウォッチ)マイナス金利政策やヘリコプターについてどう考えるか?

□平時(normal times)には、金融と財政政策は分けるべきである。中央銀行の独立が必要な理由でもある。財政当局者の需要を満たすために、紙幣を印刷することで金融政策を行い、ハイパーインフレを起こしてきた歴史がある。弱い成長とデフレ懸念の場合、財政は重要なツールである。金融政策のみならず財政政策も役割を果たすべきだ。極端な状況では、財政と金融の緊密な連携(close coodernation)について学会が議論している。これはあくまでもアブノーマルな事態の場合である。

■(ヤフーファイナンス)FRBの収入がマイナスになることはあるか?

□考えられる。成長も物価も上向きに行くこともある。われわれの目標は物価の安定と雇用の最大化。このところ、確かにわれわれのincomeは増えてきた。その際には、財務省に税収が増える。

04:19
■(マーケットニュース)マイナス金利政策についてどう考えるか?外国の金融政策はFRBの金融政策を抑えているか(constrain)?ドルへの影響は?

□海外経済の動向や金融政策はアメリカの金融政策に影響する。外国の金利はもちろん見ている。国による政策の違いは外国為替市場にスピルオーバー通常のことであり、より強いドル(stronger dollar)は、アメリカの経済成長を押し下げる要因になる。2014年の半ば以降のドル高は物価を押し下げてきた。資源価格もしかり。アメリカの金融政策に影響するがconstraintとまでは言えない。仮に経済成長も物価も思いのほか上振れすることだってある。金利を引き上げる場合、ドルを通じてメカニズムが働く。

■(マーケットプレイス)原油安をどの程度考慮したのか?

□原油安はさまざまな影響。下落は物価を押し下げてきた。原油価格は、リグの採掘や雇用の喪失にもつながった。アメリカにとってはプラスだった。2014年以降、1つの家庭あたり1400ドルが浮いた計算で、その分が消費にまわったと試算している。しかし、原油の輸出国には痛手だった。

04:24終了。

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担々麺の名店が多い地域と言えば赤坂ですが、神楽坂もかなりの激選区!


神楽坂の龍公亭の担々麺は、胡麻が効いていて、ちょい辛。ほんのり甘い肉味噌に彩りを添える青梗菜は一口サイズ。丁寧なお仕事が伝わります。トッピングにはカシュナッツ!刻みネギもよく合います。

麺はやや太めでした。


ちょっとパンチ不足のため、キョロキョロしたのですが、卓上に用意されていたのは胡椒で、山椒や花椒でなかったのは残念(≧∇≦)

お値段は1000円でした。


創業明治22年の龍公亭は、毘沙門天の少し手前(坂のふもと方向)。カフェ風でオープンキッチン風で、入りやすい雰囲気です。

ラストオーダーが14:45と遅めなのもうれしいです。


私と同じように胡麻クリーミーな担々麺が好きだという同僚を発見し、貴重な情報を得ました。


一言で言うと、満足でした(*^^*)

神楽坂は他にも担々麺の名店があります。

■中国菜 膳楽坊



■ENGINE




◆龍公亭◆
新宿区神楽坂3-5
03-3260-4848

The Economistが届くと、まず探すのはKAL の風刺画。絵がかわいいのですが、かなりウィットが効いています。


こちらはドナルド・トランプを乗せたシーソー。


 (The Economist)


左側には、体育座りのトランプと怒りに顔をゆがめ、GO TRUMP(進め、トランプ)の看板を持った陣営。


 

対峙するのはNO TRUMP(トランプを阻止しろ いう陣営で、メキシコの国旗🇲🇽を持った一団が援護のために大挙して押し寄せています。



トランプ支持陣営はみな白人です。


一方で、反対陣営は様々な肌の色の人がいて、シーソーに乗ろうとして、反対陣営が有利な様子です(期待感を込めているのかも)。


一枚の絵でいろんなことを分からせてくれています。

 

今週号の巻頭のKAL’s cartoon4コマ漫画。


 (The Economist)


ドラゴン=中国 Uncle Sam=アメリカが小さな石のようなものを巡って口論を展開中です。



Uncle SamThis is the South China Sea(ここは南シナ海だ)と説明すると、ドラゴンが石を指して Mine(俺さまのものだ)と言います。


 

Uncle SamThese are international waters(これは公海だぞ)、 These islands are in dispute(これらの島は各国が領有を主張している)と諭しますが、ドラゴンはMine! Mine!と、俺さまのものだと言っているだろ!と譲りません


 

Enough of your reckless claims!! All this is not yours!!(いい加減な主張ばかりしやがって!!どれもオマエのものではないぞ!!)と Uncle Samが怒ります。


すると、ドラゴンは、そこまで言うなら仕方ないな、とばかりに玉網を出します。


 

引っ張り上げるとMade in Chinaと刻印された地雷が姿を現し、ドラゴンが再度Mineだと言います。 Mineが「私のもの」と同時に「地雷/機雷」も意味することにひっかけています。


地雷の突起物を石/島に見立てていて、うまい!座布団3枚!!


 (AP)


先週(6 7日と8日)、北京で開かれた米中戦略経済対話で、 中国が南シナ海で海洋進出の動きを強めている問題で主張の隔たりが埋まらなかった様子を表現したものです( 2006年、私が当時のポールソン財務長官の同行で取材していた頃は、より経済色が強かったです)

 

Uncle Samは、国際法の順守を求めたケリー国務長官ドラゴンは国際的な仲裁裁判を受け入れないと主張した 国務委員というわけです。


アメリカにとって、南シナ海問題は地雷になるぞ、と中国が脅しているように見えます。

 

(Reuters)

アメリカ第一を唱えるトランプ氏が大統領になれば、事態はさらにエスカレートするのかしら。あるいは、国境を接するメキシコと違い遠い東アジアには無関心なので、意外と放置するのかしら。中国にとっては、ヒラリーの方が手ごわそうです。

フロリダの乱射事件は、一報の20人死亡でも十分に驚きましたが、オーランド市長のI am sad to say there are not 20 but 50 casualties(悲しいことに死者は20人ではなく50人だ)という発言には耳を疑いました(容疑者を含めて50人)。


学生が32人を射殺したバージニア工科大学の乱射事件が起きた2007年、ワシントンにおりましたので、それを上回って過去最悪だとすぐに分かりました。


ISが関係しているかもしれないと聞くと考えてしまいます。トランプ大統領が誕生したら、世界はどうなるのか?


(すべてReuters)


政治リスクを分析するIan Bremmer氏がPoliticoに書いています。タイトルはTrump and World: What Could Actually Go Wrong(トランプと世界:実際に何かおかしくなるのか )です。


サブタイトルはThe definitive guide to the global risks of a Donald Trump Presidency(トランプ大統領による世界的なリスクに関する完全ガイド)。かなり悲観的で、そんな世界はこわいよ!


Ian Bremmerのフェースブックには、星条旗に抱きつくトランプの写真とともに、Nobody loves America more than Donald Trump(トランプほど愛国的な人はいない)のコメント。ちょーイヤミ(≧∇≦)



記事はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。


 

ヒラリー・クリントンの言葉を借りると、ドナルド・トランプをホワイトハウスの大統領執務室(Oval Office)の近くに寄せることは、核の大災害を招くのに等しい (tantamount to inviting a nuclear apocalypse)


彼女は、トランプが自由世界のリーダーとして信頼に足るのか疑問を投げかけ、トランプの政策を「危険なほど一貫性がない(dangerously incoherent)」と呼ぶ一方で、自らを腕のいい冷静(sure-handed, sober-minded)候補だと強調した。


では、トランプ大統領による世界的なリスクはとは何なのか?私が経営する Eurasia Groupは世界規模の危機を分析し、毎年、地政策リスクを発表している。


ことしはトランプ大統領をめぐる不確実性があまりに多いので、地政学リスクを分析する手法でトランプの外交政策のリスクを分析することにした。問題はトランプが言い分をころころ変えること。マジックのようにさっと発言を変え、それも説明を伴わないことが多いのだ。


トランプは本当にすべてのイスラム教徒の米国入国を禁止するのか?いったんは公約として示した上であとから「提案 (a suggestion)」だとした。いったいどうやって合法的に入国を禁止するのか?どうやって実行するのか?彼は明確にしておらず、彼の支持者も特に気にしていない様子だ。



その上でトランプの政策を決定づけるのは「アメリカ第一 (America First)」政策であろう。決してイデオロギーに左右されるわけではないだろう。彼は直感で動くやつで、百かゼロかで決める戦略家で、現実的なビジネスマンである(He’s a gut-feel guy, a zero-sum strategist, and a bottom-line businessman)


アメリカ第一とは、世界のために何かをやることを意味しない勝つことを意味する。端的に言うと、トランプは恐らくアメリカ外交を自らと同じようなイメージに作りかえるだろう。

 

ただ一つ警告しておきたいのは、私はトランプが大統領になるとは思っていない。とは言え、トランプ外交のリスクを見過ごすこともできない。彼のメッセージは多くのアメリカ人の共感を呼び、彼の主張をまったく無視できる候補者は民主・共和両党にいない。

 

Trump Top Risksは以下の通り。


 

青天の霹靂リスク(The Bolt from the blue)


どんな大統領も予期せぬ事態に直面する。クリントン大統領にとってはユーゴスラビアの戦闘、ブッシュ大統領にとっては911の同時テロ、オバマ大統領にとってはアラブの春、シリアの内線、ウクライナをめぐる対立。


予期せぬ事態にはどう対応するべきか?オバマ大統領は "Don’t do stupid stuff(バカなことはしない)"だと表現した。危機管理は、有害なことをしない、ということだ。ヒラリーはそれは外交原則ではないと一蹴したが、悪い事態をさらに悪化することは回避できるだろう。

 

トランプにとっての最大のリスクは、中国、プーチン、北朝鮮、サイバー攻撃、テロなど誰も予期していない危機にどう対応するのか。候補としてのトランプは、サプライズを重視している。抑制や戦略的な忍耐に関心はなく、トランプ氏は、青天の霹靂リスク(bolt-from-the-blue crisis)には、虚勢を張ったり緊張を激化させると脅したりして、敵の不意をつくかもしれない。しかし、それは同盟国の不意もつくかもしれない。

 

危機下のリスクに加えて、トランプの手法は新たなリスクを生む。それはそもそも危機の引き金がない場合も存在するリスクである。サプライズをもとにした外交政策に対して、敵は、アメリカがどこまで防衛するのかをその真意を試す(test US intentions to find out what Washington will and will not defend)


明確な政策は、不良プレイヤーをしつけるのにふさわしい。一貫性のないメッセージや大きなサプライズは、敵のみならず同盟国にも誤った対応をさせるリスクがあり、結果的にアメリカが挑発される機会が増える。


 

ドル(The Dollar)


アメリカはドルが基軸通貨であることで大きな利益を得ている。ドルが安全通貨であるのは、投資家や各国の政府がドルの価値を信用しているからである。予測不可能な外交政策や短気な最高司令官はその信頼を即座に損ないかねない。


現段階ではドルに代わる通貨がないが、代替となる通貨の模索は続き、トランプ大統領が誕生すれば、それは加速されるだろう。


 

アメリカ主導の同盟や国際機関(US-led alliances and institutions)


オバマ大統領は、アメリカがどんなリーダーなのか多くの同盟国を混乱させた。欧州の同盟国は、アメリカの中東やロシアでの役割に疑問を抱いている。イスラエルもサウジアラビアもアメリカの中東政策・イラン政策が分からない。


オバマの「アジア重視(pivot to Asia)」政策やTPPについて、中国の多くの隣国が励まされたが、トランプ大統領のもとではどうなるのか疑問である。


一方、外交政策が不明瞭なトランプ大統領の誕生を喜ぶのは間違いなく中国である。アジアでのアメリカの存在低下に対してアジアの同盟国は中国との関係強化によってバランスしようとするだろう。


トランプのコミットメントに対する疑義はIMFや世界銀行といったアメリカ政府が相応の影響力を持っている国際機関の機能低下にもつながるだろう。

 


通商(Trade)


長期の平和と繁栄のためにはアメリカのビジネスのパートナーシップは軍事同盟と同じくらい重要である。トランプの通商交渉に対する不快な姿勢は、アメリカの同盟国を含む潜在的なパートナーを中国に近づけるだろう。仮にトランプ大統領が選出されれば、議会下院のポール・ライン議長はTPPを議会で批准させるだけの票は獲得できないだろう


トランプも民主党のサンダーズも通商がアメリカの雇用を抹殺すると主張してきた。オバマ大統領のもとでも中国の鉄鋼製品に対して報復的な輸入関税を500%課したが、トランプのもとでは、よりいっそう増えるだろう。それもビジネスではく政治的な理由で。


 

テロTerrorism


アメリカのこれまでの政権もテロ問題に直面してきた。しかし、トランプの激しい反イスラムの言葉(Trump’s intensely anti-Muslin rhetoric)は、トランプのアメリカ (Trump’s America)を直接攻撃することに挑むだろう。


アメリカの軍人、ビジネスマン、観光客は外国でこれまで以上にターゲットとなるだろう。テロ組織はトランプの発言により、テロリストを勧誘したり、資金を集めたりすることが容易になるだろう。


どこでいつテロが起きるかはもちろん分からない。しかし、トランプの反イスラムの辛辣なことばは、アメリカを安全ではなくより危険にさらす。


 

リスクもどき:心配不要なこと(Red Herrings: What Not to Worry)


①US-China relations(米中関係)

米中関係が悪化した場合もそれは中国のせいではなく、トランプのアメリカのせいで悪化したとして、大人の対応を撮るだろう。


②Asia’s geopolitics(アジアの地政学)

国内経済改革を推し進めているのは中国だけでない。日本の安倍首相とインドのモディ首相も同様であり、中国との対立によって成長が阻害されるのは避けたい。


③イラン(Iran)

イランとの核合意に対するトランプの批判は、要はオバマ大統領、それにヒラリー・クリントン国務長官に対する批判であり、イスラエル・ロビーの前ではそれを強調する。しかし、実際には、イランはトランプの攻撃対象国に入っていない。

6月もすでに3 週目ですね。通勤途上のアジサイは見ごろです。


 

今週は、イベントフル!盛りだくさんな1週間です。


WSJ5 Things to Watch on the US Economic Calendarのナンバーワンとなっているのは、もちろん、FRBの公開市場委員会です(14日と15日)。追加利上げはしないとみられています。


(以下すべてWSJ)


日銀、さらに来週(23日)EU離脱の国民投票を控えているイギリスの中央銀行BOEも金融政策を決める会合を開きます(ともに16日)。

 

外交日程も盛りだくさんです。【その他】は、各種報道やホワイトハウスのHPからです。

 

【米経済】

①Fed Focus(米金融政策)

14日(火)と15日(水)に米FRBが 公開市場委員会を開く。政策金利を上げるのか据え置くのかという判断のほか、経済見通しの発表、イエレン議長の会見も予定されている。



年初にはこの時期に追加利上げが行われるという観測もあったが、5月の雇用統計で雇用情勢の急激な悪化が確認されたことで、追加利上げはないと見られる。

 

②Consumer Momentum(個人消費の勢い)

14日(火)に商務省が5月の小売統計を発表する。4月の小売売上高は 1.3%上昇し、1年ぶりの高い伸びとなった。



個人消費はアメリカのGDP3分の2にあたり、消費の勢いが続いているようだと、ことし第 2四半期は経済成長が加速していることが確認できよう。

 

③Inflation Indicator(インフレ指標)

14日(火)に労働省が5月の消費者物価指数を発表する。4月は 0.4%の伸びと、3年ぶりの高さとなっただけに、物価がさらに上がっているかを確認する場となる。

 

④Industrial Strength(工業の力強さ)

15日(水)にFRB5月の鉱工業生産を発表する。 4月には急騰したが、天候要因が起き買った。製造業の生産は1年前と比べると鈍化しており、シェールオイル開発を含めた鉱業の生産も急速に減っている。


 

⑤Pace of Permits(住宅着工の先行指標)

17日(金)に商務省が5月の住宅着工件数を発表する。4月には大きく伸びたが、注目するべきは将来の着工につながる許可件数。



許可件数は 4月には3.6%増えたが、鈍化しており、勢いが減速していることを示唆することになるかもしれない。

 

【その他】

13日(月)

■NATOのストルテンベルグ事務総長がNATO防衛相会合に先立って会見



■AppleWorldwide Developers Conferenceが米サンフランシスコで開幕

 

14日(火)

■アメリカのケリー国務長官とイランのザリフ外相、EUで外交政策を担当するモジェリニ氏がイランの核合意などについて話し合うため、オスロ・フォーラムに先立ってオスロで会談



■米ロサンゼルスでE3 Expo gamers conventionが開幕


■米ワシントンDCで、全米最後となる民主党の予備選挙を開催


■米オバマ大統領、初のUnited State of Women Summitで講演し、国内外の女性の活躍について発言

 

15日(水)

■ドイツのショイブレ財相がポーランドで会見し、EU統合や移民問題について話す見通し


■米オバマ大統領、Green Bay, WisconsinHillary for Americanのキャンペーンに参加し、ヒラリーの応援演説


 

16日(木)

■イギリスの中央銀行BOEが金融政策を決める会合を開き、23日の EU離脱を問う国民投票を前に政策金利を過去最低の0.5%に据え置く見通し



■日銀の金融政策決定会合の2日目で、黒田総裁の会見も予定されているが、政策変更はないと見られている。



■ロシアでSt. Petersburg International Economic Forumが始まり、イタリアのレンツィ首相らが出席


■ルクセンブルグでユーロ圏財相会合が開かれ、ギリシャの債務問題などについて協議

 

17日(金)

■ウィーンでIMFのラガルド専務理事がパネルディスカッションに参加


欧州中銀のドラギ総裁がミュンヘンで講演


ロシアのプーチン大統領St. Petersburg International Economic Forum で演説




東京財団で「オバマ・ドクトリンに見る米国の中東戦略」のフォーラムに出席しました(6 9日)。オバマ・ドクトリンは3月24日【オバマの外交方針】としてご紹介しましたね。



Jeffery Goldbergがオバマ大統領に何度もインタビューし、外交方針について 72ページにまとめたThe Atlantic の記事です。


http://blog.livedoor.jp/kaoriiida/archives/57022750.html

 

フォーラムでは田中浩一郎さん(中東の専門家)、畔蒜泰助さん(ロシアの専門家)、渡部恒雄さん(アメリカの専門家)の3人がアメリカの中東政策について対談。


勉強になったので、内容をざっくりご紹介します。


 

<田中浩一郎さん>


オバマ大統領は、200964日のカイロ演説ではブッシュ政権のころの「介入主義」をやめるとして理想を掲げた。


(WSJ)


https://www.whitehouse.gov/the-press-office/remarks-president-cairo-university-6-04-09


2009121日のAf-Pak(アフガニスタン、パキスタン)演説ではより現実主義的な内容とした。


(White House)


https://www.whitehouse.gov/the-press-office/remarks-president-address-nation-way-forward-afghanistan-and-pakistan


それが2011622日のアフガニスタン撤退演説、 20111021日のイラク撤退演説につながった。軍を使って▼民主主義の伝播、▼国家の再建といった過剰な目的を達成しようとしたブッシュ政権の政策に対するトラウマが背景にある。

 

オバマ・ドクトリンという表現は初めてではない。20154月に NY TimesThomas Friedmanがオバマ大統領とのインタビューの記事の中で、使用している(Iran and the Obama Doctrine)。当時と、今回のAtlantaのオバマ・ドクトリンと流れは大きく違わない。


http://www.nytimes.com/2015/04/06/opinion/thomas-friedman-the-obama-doctrine-and-iran-interview.html?_r=0

 

中東について。アラブの春は、不介入の姿勢が強いオバマ大統領だったからこそ、発生し、開花し、容認された。前政権であれば、アメリカと関係の深いエジプトのムバラク大統領を倒すということは容認されなかったはず。


20157月のイランとの包括的合意でイランとの接近によりサウジアラビア、イスラエルとの関係が悪化した。

 

<畔蒜泰助さん>


ロシアから見た中東は3つの側面がある。


①商業的利益(武器や資源など)

②地域の安定(イスラムのテロ警戒)

③対米戦略としての位置づけ


 

プーチン大統領の究極の目的は「大国ロシアの復活」であり、アメリカと対等に渡り合える地域が中東である。

 

オバマ大統領は就任当初は、米ロ関係をresetすると言っていた。 "Nuclear zero"を理想とするオバマがイランの核問題を解決するにはロシアの協力が欠かせないと思っていた。対ロ姿勢に変化が見えたのは、 20113 月のNATOによるリビア空爆。


これがきっかけで、ロシアがソ連時代から緊密な関係にあったカダフィ政権が崩壊した。その後、シリア内戦をめぐってさらに米ロが対立。


アサド政権の化学兵器使用疑惑をめぐり、オバマ大統領が2013年に「シリアでの化学兵器の使用はred line だ(越えてはならない一線)」と言っていたにも関わらず、行動に踏み切らかなった。


ロシアとの間で合意し空爆せずに済んだことがイランの核合意につながった。仮にアメリカがシリアを攻撃していたら、アサドに近いイランの革命防衛隊が怒って、イランの核合意に至らなかったはずだ。

 

<渡部恒雄さん>


アメリカは20139月、シリアに対して red lineを引きながら空爆しなかった。これについて当時のヘーゲル国防長官は20151218日のインタビューの中で「シリアを を空爆する準備をしていたにもかかわらずホワイトハウスからストップがかかり、がくっときた」という趣旨の暴露をしている。

 

オバマ・ドクトリンを読むと、オバマ大統領が揺れ動いた結果、中東政策を転換したのではなく、確信犯として政策転換したことが分かる。


オバマがとってきたlead from behind(後ろから主導)という姿勢は、とりわけシリアについて、共和党も民主党も同じラインにある。


「イスラエル」や「ネオコン」とは違う流れであり、オバマもトランプもこの流れ。シリアに対して最も厳しい姿勢をとっているのがヒラリーで、伝統的なアプローチだ。


つまり、中東政策についてはトランプもサンダースもオバマに近く、ブッシュにもっとも近いのがヒラリーという構図だ。


 

■アメリカの中東政策に関するいわばリバランスをどう考えるか?


□(田中)これまでアメリカの報道を見ると、▼安全保障の観点からイスラエルが重要、▼エネルギー安全保障の観点からサウジアラビアが重要・・・というトーンが多かった。


れが最近、よりフェアというかバランスのとれた報道に変わったと感じている。アメリカのメディアの歴史においても違う局面となった。


以前のようにメディアが味方になってくれないことから、イスラエルやサウジアラビアからはオバマに対するフラストレーションが強まっている。

 

■オバマ・ドクトリンは、外交エスタブリッシュメントのプレイブックなのか?


□(渡部)プレイブックとは、囲碁で言う定石である。これ、基本だよね、ということ。それにオバマが疑問を突き付けた。例えばイスラエル・ロビーはプレイブックい徹してきた。AIPECという団体が共和党とも民主党とも付き合い、どっちが政権についてもイスラエル寄りの政策をとるよう促してきた。


かつてサウジアラビアは中東で影響力を持ち、原油もあった。ところがアメリカのシェール革命によりサウジの原油に依存する必要がなくなり、サウジの言うことを聞かなくなった。


オバマ・ドクトリンの記事の中で、オーストラリアのターンブル首相が 201511月にオバマにAren’t the Saudis your friend(サウジってアメリカの友達でしょ)?と尋ねたところ、It’s complicated(そう簡単でもないんだよ)と答えたというエピソードが紹介されている。911の主犯がサウジ出身など関係が複雑だというわけだ。


これまでの政権はEverything is on the table(すべての選択肢が俎上にある)と言って、軍事攻撃にも含みを残してきたが、オバマ政権で、この発言をした人を知らない。

 

■オバマが去った後の、米イラン関係、米サウジ関係はどうなるか?


□(田中)オバマ政権がイランと核合意した。米イランのチャネルは生きるのか?仮にヒラリーが大統領になれば、イスラエルやサウジを大事にする伝統的なアプローチに戻るだろう。仮にトランプが大統領になればどうなるか分からないが、フリーハンドで臨める"中立性"がある。


イランはオバマが去るのは痛手だろうが、中東全般で見ると共和党信奉があり、トランプの方が安堵できる。

 

■オバマ大統領はリアリストなのか? 


□(渡部)リアリストの定義は、力の行使である。現実主義という意味でオバマはrealistではなく、 pragmatistである。


オバマ大統領は、「もっとも敬愛する哲学者のひとり」としてアメリカの神学者Reinhold Niebuhr(ラインホルド・ニーバー)を挙げた。「ニーバーの祈り」では、変えることができることと変えられないことを識別する知識について書いているが、オバマは力を温存してその資源をアジアに集中したいと考えたのだ。

 

シリアやリビアに対してアメリカの軍事力を使うべきだとSamantha PowerSusan Riceが言ったが、それでも軍事力は使わなかった。つまり、オバマの方が強かったのである。

 

東アジア政策についてヒラリーはオバマ路線を踏襲するだろう。中国にはより厳しく対応し、中東ではより伝統的なアプローチをとると思う。



オバマ・ドクトリンに登場する写真は、安倍首相やアジアのビジネスマンとのものばかりで、アジア重視の姿勢だ。オバマは同盟国軽視と言われがちだが、アジアの伝統的な同盟を重視してきたことが分かる。

 

ゼロ金利政策はZIRP(Zero Interest Rate Politcyでしたが、マイナス金利政策はNIRP(Negative Interest Rate Policy)なーんて呼ばれています。

響きからしてあまり前向きな印象が持てませんね(≧∇≦)

(WSJ)

FTの一面はNegative rates stir mutiny with bank threat to put cash in vaults(マイナス金利政策で銀行が反旗を翻し手元に現金の警告)とあります。

ちょうど同じ時期に、ドイツと日本の銀行大手が中央銀行に反旗を翻したというわけです。

9日にはドイツ、イギリス、スイス、オーストラリアで10年もの国債の利回りが過去最低を更新!世界的に国債の需要が高まっていますね。

記事はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。

(FT)


欧州と日本の銀行が中央銀行のマイナス金利政策に反旗を翻している。ドイツのコメルツ銀行にいたっては、欧州中央銀行のマイナス金利によるコスト負担を回避するため、余剰資金を欧州中央銀行に預けるのではなく、手元に置いてお行くことを検討している(so far as to weigh storing excess deposits in vaults)


これは、日本の最大手の三菱東京UFJ銀行が国債入札の特別資格という22行のクラブを脱退すると警告した時期と重なる。


 

欧州中銀と日銀は何か月にもわたって、銀行が積極的な貸し出しを通じて実体経済に資金がまわるよう、余剰資金にはマイナス金利を導入してきた。この政策は、余剰資金に対して事実上の課税となる。

 

中央銀行の政策は、欧州でも日本でも銀行の利益を押し下げ、ドイツの銀行は、預金者を罰してビジネスモデルを軽視しているとして、欧州中銀のドラギ総裁を非難してきた。


(Bloomberg)


ドイツ中央銀行(Bundesbank)によると、マイナス金利政策の結果、去年、ドイツの銀行は22800万ユーロ(約280億円)の損失につながった。

 

日本の銀行はおとなしくしていたが、三菱東京UFJ銀行は結束を乱す最初の主要行となり、日銀への国債の売却をやめると示唆している。マイナス金利は銀行の株価を押し下げている。TOPIXの銀行部門はことしに入って28%下がり、Euro-Stoxx Banks Index21%下落している。

 

コメルツ銀行は今の段階で余剰資金を手元に置いているわけではなく、「決定したわけではない」と話しているが、関係者によると銀行はそうした施策を検討してきたという。


コメルツ銀行以外にもBavariaの銀行が現金を手元に置いておくことを検討しているほか、Munich ReCEOがことし、現実的かどうかを検証するためまずは1000万ユーロ(約12億円)を手元に置いておくと言う。

 

この方法の実行可能性は議論の余地がある。手元の金庫に置いておくと、保管と保険の手数料が発生する。500ユーロ(約61000円)紙幣を廃止するという欧州中銀の決定は、大量の現金の保管をいっそう難しくする。


しかし、専門家は、欧州中銀が長期にわたってマイナス金利政策を続ければ、あるいは政策を拡大すれば、より多くの銀行が現金を手元に置いておくことを決めるだろうと指摘する。

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