担々麺大好き(特にゴマ風味のもの)。
アジサイ大好き(桜や紅葉も)。
そして経済ニュース大好き(国際ニュースも)。
ということで「担々麺とアジサイと
ちょっと経済」です^_^

今月28日に米トランプ大統領の議会演説が行われます。例年、年初に行われる大統領演説は SOTU=State of the Union Address(一般教書演説)ですが、就任1 期目は議会演説として政策を説明することになる、という報道が相次いでいます。

(Reuters)

野党が即座に反論するものですが、民主党のケンタッキー州前知事のSteve Beshear 72 歳)が行うということで、その人選から読み取れることなども取り上げられています。

Forbesは、Not A State of The Union, But A Chance For Trump To State His Presidency’s Case (国家の現状を説明する一般教書ではなく、大統領としてやることを示すチャンス)では、スパイサー報道官によるとテーマは「ここまでの道のりと今後進む道(where we’ve come and where we’re going) 」だそうです。

不況を引き継いだクリントン大統領やオバマ大統領と異なり、トランプ大統領は困難を引き継いでいないと指摘した上で、レーガン大統領が最初の議会演説からわずか 6か月で税制の見直しに必要な法案を作ったことを念頭に、明確で達成可能な政策目標(chose an achievable policy goal) 」を求めています。

WSJにはKarl Rove (ブッシュ政権の大統領政策・戦略担当上級顧問)When the President Speaks, Who’ll Listen?(大統領の言葉に耳を傾けるのは誰か?) を寄稿。

「トランプ氏のスピーチライターは、新政権について希望と不安 (hope and dread)に揺れる議会共和党にアピールする演説内容にするべきだ」と訴えます。

希望の理由として、■最高裁判事の人選、■税制の見直し、■医療保険制度(オバマケア)の見直し、■パイプラインの敷設や規制緩和、アメリカ軍の増強を求める大統領令の発動を挙げています。

一方、不安の理由として■ツイッターで対立を深めたり、■意味ある進展を妨げる不必要な対立を煽ったりすることを挙げています。

共和党が演説で求めることとして■オバマケアの問題点を説明する一方で医療保険を向上させるための代替案を示すこと、■税制改正が雇用や賃金にどう影響するかが分かるよう原則を示すこと。

さらに、 28日の議会演説では、■現在は必ずしもトランプ支持者ではないものの、その可能性がある国民を意識して話すべきだとアドバイスしています。

Karl Roveは続けます。「支持を拡大するためにトランプ氏は28 日、懐疑的な国民に納得してもらう必要があり、そのためには経済に焦点をあて、国を分断する暗いメッセージではなく、国を一体にするようなポジティブなトーンにするべきで、それには脱線せず原稿を読み上げること(sticking to his text rather than freewheeling) 」だとしています。

締めくくりはチクリ。「めちゃくちゃな過去1か月から態勢を修正するために 28 日の演説は良い機会であり、世論を再形成するためにこの機会を使うのが賢明だ」。

(Associated Press)

The Hillによりますと、トランプ大統領の議会演説のあと、野党民主党を代表して反論するのは前ケンタッキー州知事の Steve Beshear 、スペイン語で反論するのは移民アクティビストのAstrid Silva だと伝えています。

Beshearの人選について「民主党は、トランプ反論の柱にオバマケアを挙げることを示すものだ」としています。 2015 年まで州知事だったBeshearは、オバマ大統領のオバマケアを支持し、ケンタッキーで Kynect という医療保険制度を作ったそうです。

New York Timesも「若手ではなく、トランプ大統領が大勝したハートランドの出身の72歳の老練な政治家を選んだ」と伝えています。

Beshear氏本人は「真のリーダーとは愚弄や分断をまき散らすのではなく、パートナーシップや解決策を示すモノだ」と語っています。


メリカ保守派の最大の政治集会 CPAC=Conservative Political Action Conference がワシントン郊外で開催中。去年は出席を見送ったトランプ大統領も24日に登壇する予定です。

(AP)

Reutersは、Conservatives gather to praise Trump, bury differences(保守層はトランプを称賛し、違いは見て見ぬふり)の中で、トランプ勝利に保守層はにんまりしているものの、中にはトランプ大統領の保守の度合いを懸念している者もいる、と伝えています。

移民の管理に向けて政府機能を拡大させることを提案したほか、貿易協定については TPPから離脱、NAFTAを批判している。減税すると言うが、中身が分からない」とのこと。小さな政府自由貿易を求めている従来の保守層は面食らっているようです。

NBCテレビTrump Takes Over  CPAC  — But Will He Own the Conservative Movement Too?(トランプ、CPACを乗っ取る~しかし、保守の動きはどうか?)で 同趣旨の論調です。

「トランプ大統領が在任中に保守層の運動そのものを乗っ取ることができるかが焦点だが、"トランプなんてあり得ないという人たち(Never-Trump crowd)"は懐疑的」と指摘しています。

そもそもCPAC(しーぱっく)って何?

米公共ラジオNPR のタイトルは、What Is CPAC? A Room That Didn’t Always Love Trump, But Owes Him A LotCPAC とは?トランプを決して好きでなかったが、感謝しなければならない集団)。

この中で、「 CPACは、政治的な集会であり、保守層の訓練の場であり、人材をリクルートする場であり、ワシントンのセレブのパーティであり、ことしは共和党がホワイトハウスと上下両院を勝ち取ったことで祝賀会でもある」として、全米から1万人が集結する最大の保守層の活動家の集会だと紹介しています。

最初の政治集会は 1974 に行われました。24日に演説に立つトランプ大統領について、民主党嫌いに人気だとしながらも、保守層からは保守の度合いが足りない不満とのこと。大学生の旅費を支援して呼びよせることで、保守的な思想に対する忠誠心を形成し、全米から将来のリーダーを集めることになると意義を指摘しています。

(Reuters)

ことしは、大統領側近のコンウェイ大統領顧問Kellyanne Conway)、プリーバス大統領首席補佐官 Reince Priebus)、 バノン上級顧問兼首席戦略官Steve Bannon )、それにペンス副大統領Mike Pence)が登壇。

このうちトランプ大統領の人となりを聞かれたコンウェイ大統領顧問は「典型的な政治家はカネ、権力、名声を欲しがるが、トランプ大統領はすでに持っている。大統領という公務を果たすために彼も家族も多くを犠牲にしている」と語ったそうです。

Washington Examinerによりますと、今回の政治集会でトランプ政権は、ホワイトハウス高官が互いにいがみあっているという疑いを払しょくしたく、トランプのインナーサークルが権力闘争に明け暮れているという見方を和らげ、政権が一致団結しているという姿勢を打ち出したいということです。

(Reuters)

Guardianによりますと、角を突き合わせていると言われるプリーバス大統領首席補佐官バノン 上級顧問兼首席戦略官が23日、揃って登壇。

CPAC を主催するAmerican Conservative UnionMatt Schlapp 会長が質問する形で20分あまり答えていました。


映像を見ると、2人は格好からして違います。パリッとしたスーツのプリーバスとラフなバノン。

"影の大統領"とも言われるバノン上級顧問兼首席戦略官 の方が存在感が際立ちます。トランプ氏が選挙期間中に行った公約について「メインストリームメディアは、公約を全て履行することを覚えておけ( The mainstream media better understand something. All those promises are going to be implemented)」と述べました。

互いの評価も口にしています。プリーバスはバノンについて、一貫性があってトランプに忠誠心が強い、と。

一方、バノンは自らを「カッとすることもある(I can run a little hot)」が、プリーバスのことはホワイトハウスで最もたいへんな職務のひとつを持ちながら、安定感がある( steady)と語っています。

トランプ大統領の演説は24日の10:20(日本時間翌25日の00:20) からで、その後、イギリスを EU離脱に導いた英独立党のファラージュ党首 (Nigel Farage)も登壇して、Brexit が世界に与える影響を話すということです。ファラージュ党首は、トランプ氏を強く支持し、先月の大統領就任式にも招待されていました。

トランプ大統領と家族の警護にとってもお金がかかっているそうです。

Washington Post Trump family’s elaborate lifestyle is a " logistical nightmare" – at taxpayer expense(トランプ・ファミリーのライフスタイルは"警護面では悪夢"〜負担は納税者)が詳しく伝えているほか、New York Timesはご近所は思わぬ事態にちょっと迷惑気味と紹介しています。

(The Guardian)

Washington Postは、■毎週末、"冬のホワイトハウス"と呼ばれるフロリダ州のMar-a-Lago を訪れるトランプ大統領、■外国出張が多い長男と次男、■ニューヨークに残っている夫人と10 歳の三男警護に多額の税金が使われていると指摘しています。

その結果「シークレットサービスを予算の面でもロジスティックスの面でも困らせている」といいます。

安倍首相とゴルフをした週末を含めて、トランプ大統領のこれまでのMar-a-Lagoの滞在の結果、海岸線のパトロールを含めて警護やスタッフの移動のため国家財政に 1000万ドル(約13億円)の負担を強いているそうです。

地元自治体は、警護や交通整理のための人員を出したために発生した支出の払い戻しを連邦政府に求めているということです。

一方、ニューヨークでは日々 50万ドルをトランプタワーの警護に費やし、年間にすると1 8300万ドルに達すると見られていると言うことです。さらに、トランプ・ブランドの推進のためにウルグアイを訪問した次男の警護のため、アメリカ政府はホテル確保に10 万ドルを支払ったとWashington Postは報じています。

スーパーボールが開かれた週末、トランプ大統領はMar-a-Lago で過ごしましたが、警護用のテント、簡易トイレ、簡易シャワーの購入に1 2000 ドルが支出されたということです。

地元警察によりますと、トランプ大統領は11月の勝利以降、 25 日間フロリダに滞在していて警察官の残業代として1日あたりあわせて 6 万ドルの血税が使われています。

(AP)

VoxPresident Trump’s trips to Mar-a-Lago have cost taxpayers an estimated $10 million (トランプ大統領のMar-a-Lago訪問に 1000 万ドルの税金)として、在任が8年だったオバマ大統領の旅行の支出トランプ大統領は 1 年以内に越しそうだと伝えています。

Judicial Watch という非営利の団体が調査したところ、オバマ前大統領が8年の在任期間で旅行に使った費用は約 9700 万ドルでした。

トランプ大統領は就任前、オバマ大統領が仕事をせずに旅行ばかりしていると批判したほか、CBSテレビのインタビューに対しても「私は、そんなにバケーションには行かないと思う (I don’t think we’ll be very big on vacations, no)」と述べていましたが、Vox は、ホワイトハウスのストレスの結果、バケーションが必要だと感じたかも、とチクリ

(NY Times)

New York Timesは、Mar-a-Lago Neighbors Discover Costs of Trump’s Visits (ご近所の人たち、トランプ訪問のコストを感じる)として、"冬のホワイトハウス"に大統領が3週連続で訪問したことでご近所さんが迷惑していると伝えています。

■今月の 4日連続の訪問の際に地元の空港では20 万ドルの航空燃油の減収、■流行のレストランでは 1晩に75の連絡なしドタキャン、■道路の警備のために 1日あたりあわせて6万ドルの残業代の発生、■毎日、プライベートジェット 250機の離着陸禁止などの影響が出ているそうです。

一方、フロリダ州のこの地域はもともとバケーションとリタイアしたあとの土地と見られていたものの、トランプ大統領の相次ぐ訪問で、「風格と華やかさ(panache and glamour) 」をこの地域にもたらし、ヘッジファンドマネージャーらお金持ちの関心を引いているそうです。

安倍首相とトランプ大統領の会談から10日あまり。様々な分析が出ていますね。

(Reuters)

ワシントンにある保守系のシンクタンク AEIの日本部長を務めるMichael Auslin Foreign AffairsAbe Wins Over Trump - The Future of US Japanese Alliance (安倍、トランプに勝利〜日米同盟の行方)を掲載。

この中で、日米首脳会談が成功だったとした上で「安倍の成功は、トランプとの論争を回避し、日本がアメリカにとって協力的なパートナーだというイメージを植え付けたこと」と指摘。

一方、Eurasia Group Ian BremmerTime の中でSorry, Brits: Abe and Trump Have the Real "Special Relationship"(ごめんね、イギリスのみんな:トランプとの本当の"特別な関係"を持っているのはイギリスではなく安倍)と刺激的なタイトル。

Ian Bremmerの主張はざっくりこういうことです。

トランプ大統領の日本に対する歓待ぶりは、英メイ首相を受け入れた時と異なる。"特別な関係"なのは、米英関係ではなく、日米関係だ。安倍首相が11 月にいの一番にトランプ大統領に会いに行ったのには理由がある。中国が台頭し、北朝鮮が軍事力を誇示する中で、安倍の米大統領への要求は多い

とりわけ、尖閣諸島が1960 年の日米安全保障条約の適用範囲内だと確認させることが最重要だった。

■トランプの側にも要求リストがあった。米企業が日本進出できるよう規制市場を開放させるための日米自由貿易協定を締結すること。オバマがまとめたTPP よりもよい取引ができることを示したいのだ。トランプは雇用の増大を約束しており、安倍の「日米成長雇用イニシアチブ」は歓迎された

■英メイと異なり、安倍がトランプを甘やかすことができるのは、日本の国内政治ががっちり安定しているからだ(Abe can afford to indulge Trump because, unlike Britain’s Theresa May, he is in firm political control at home)

日本にはさらにアドバンテージがある。トランプはイギリスを訪問すれば激しい反対に遭うだろうが、日本では温かい歓迎を受けるというものだ。

■日本側にリスクはある。日本の将来を決するのは軍力ではなく、経済力だ。長期に見れば安倍が仲良くするべきは中国の国家主席(=習近平)だ(it’s China’s President whom Abe should really be courting)

(Reuters)

Michael Auslinの主張はざっくりこんな感じです。

■大事なのはゴルフではない。北朝鮮のミサイル発射のあとの対応だ。客のフェイスブックで明らかになった日米の首脳会談の様子、さらに即興の記者会見では危機の経験がなく混乱中のトランプではなく、手慣れた安倍が前面に出た。

■イギリスのメイ首相は、トランプと会談した初の首脳、しかも初の同盟国の首脳だが、妻とともにフロリダのMar-a-Lagoに招待され、地位を確固たるものにしたのは安倍だった。

■日本に対してアメリカ軍の駐留経費の積み増しを求めたり、為替操作を批判したりするトランプの姿はなかった。安倍の成功は、トランプとの論争を避け、日本がアメリカにとって協力的なパートナーだというイメージを植え付けようという強い姿勢だった(Abe’s success comes from a single-minded desire to avoid controversy with Trump and to portray Japan as the United States’ willing partner)

オーストラリアのターンブル首相やドイツのメルケル首相と 違い、安倍は公の場でトランプを批判してこなかった。日本の成長雇用イニシアチブによってアメリカ人が実際に雇用を得ることはほとんどないだろうが、安倍は取引外交の相手とは取引しないといけないと理解していた(Abe understands that you have to be willing to make deals with a dealmaker)

安倍は手土産を持ってきただけでなく、最大のお土産を持って帰った。尖閣諸島が日米安保の範囲内だと再確認させたのだ。

■今後、日米の焦点は4つ。まずは北朝鮮。日本は北朝鮮が脅威だと認める必要がある。オバマは北朝鮮の攻撃に対する対抗措置をせずに甘かったが、トランプ政権が北朝鮮を罰するかどうか、日本も韓国も知りたがっている

■第二に海洋進出を進める中国への対応だ。海洋航行の自由オペレーションの増加、中国の船や航空機の尾行、オペレーションの自由を確保したい小国への支援など日米両国はけんか腰の中国にどう対応するか決めないといけない(through increased freedom of navigation operations, shadowing of Chinese ships and planes, or greater aid to smaller nations attempting to maintain their operational flexibility)。

これまで尖閣諸島に集中し、南シナ海への関与を避けてきた安倍にとってさえも課題となるかもしれない。

■第三は包括的なサイバー政策だ。日米はともに中国のサイバー攻撃の被害者であり、両国はより強固なサイバー防衛を構築しないといけない。システムや企業を守るためにどう協力するか、さらに中国にどう突っつき返すか(poke back) 検討する必要がある。

■第四は通商問題だ。依然として日米対立の火種がある。1990年代の日米貿易戦争を回避するために水面下の交渉が必要だ。日米両国は二国間の自由貿易協定を推進し、 TPPの修正にオープンであるべき。

■トランプ・安倍会談は、初の首脳会談としてご多分に漏れずうまくいった。今後10年の最重要な二国関係になり得る日米関係を、トランプ政権の混乱、さらに世界各地の危機が影を落とすようなことがあってはならない (not be allowed to overshadow what might turn out to be one of the handful of most important global relationships over the next decade)

東芝が米原子力事業で7000億円超の損失を計上する見通しを発表して 1週間。東芝って国際ニュースなんだな、と改めて感じます。様々な記事がありますが、米原発建設をめぐる「契約」について詳しく伝えているのが FT Bloombergです。

(Reuters)

FTは、Toshiba brought to its knees by two US nuclear plants (東芝、2つの米原発に屈する)として、「アメリカ南部で建設中の原発こそが 141 年の老舗企業の最大の経営危機の核心(at the heart of the greatest crisis in the 141-year history of Toshiba 」と伝えています。

これを読むと 2008年の当初の契約ではなく、2015 年に締結された固定価格契約 (fixed price contract)が問題だったことが分かります。

Bloombergは、経営再建中の東芝がアメリカで原発建設を完成できなければ電力会社のScana は新たな事業者を探すことになりかねないと伝えています。

Scana Kevin Marsh CEO 16日に投資家と電話会談。契約に基づいて東芝が工期遅延の分の追加コストを負担する見通しだと伝えた (expects Toshiba to foot the bill for any additional costs resulting from the latest project delays based on an existing agreement)

予定ではスキャナのサマー1号機の完成が8 か月遅れ2020 4月、2号機は 4か月遅れの2020 12月。遅れに伴うコスト増加分については、再交渉して締結した固定価格契約(renegotiated fixed-price contract) に基づいて東芝が支払うことになるとスキャナが説明した、とBloomberg は伝えています。

(FT)

FTはさらに詳しく伝えています。大特集なのでざっくりご紹介します。

■舞台はジョージア州のオーガスタから南に約50キロの Waynesboroという人口5942 人の小さな町。東芝の原子力子会社のウェスチングハウスが VogtleサイトAP1000型原発を 2基建設中だ。そこから約160 キロ離れたサウスカロライナ州の VC Summerサイトでも2 基が建設中。

(FT)

12月の段階で、ボーグルでは原子炉の一部にあたる、直径 40メートルで1100トンの鉄の輪が納められた。同じものが 1週間前にサマーのサイトでも納入された。

ボーグルサマーも建設はすでに3 年遅れで、予算はあわせて 100億ドルを超過している。サマーの工期がさらに遅れることが先週明らかに。ボーグルもいっそう遅れるという見通しで、こうした工期の遅延問題こそが東芝の 7000 億円あまりの損失の背景にある

2009年から 2012年までNRC= 原子力規制委員会の会長だった Gregory Jaczkoは、ボーグルとサマーの原発計画に当時反対。「どこかの段階で中止すること(pull the plug) を検討しないといけない。上限のないプロジェクトにお金を流し続けることはできない」と述べて、今からでも工事が中止される可能性があり得るという考えを示した。とは言え、大量の鉄とコンクリートがすでに使われ、それは難しいだろう。

当局や裁判所に提出された資料に スタート当初から計画は困難に直面していた。 2008年に新規原子炉の建設に向けて契約にサインしたのは、▼ボーグルについては電力会社の Southern Company 、▼サマーについては電力会社のScana

■サザンの子会社でボーグルを運営しているGeorgia Power Mike Garrett CEO 2008年の段階で「新しい原発が効率的な電源で、良識的な経営判断だ」と述べていた。しかしながら、原発プロジェクトが野心的だというのは当初から分かっていた。

というのは、 1978年以来、承認を受けた初の原発建設計画で、1996 年以来の初の稼働となる予定のためだ。

■アメリカで原発プロジェクトを管理する経験も能力も失われているにもかかわらず、関係者は誰ひとりとして新規の原発、それもAP1000 というまったく新規のデザインの原発を建設することの難しさを理解していなかったようだ。

規制当局からの強い要求のほかにも建設方法にも問題があった。AP1000は現場以外でコンポーネントを作って、プラモデルのように現場で組み立てるモジュラー・デザインを採用することで建設を簡略化するはずだった。

しかし、コンポーネントの品質問題をめぐって何度も作業が遅れた。 2010年の段階で、地元ジョージア州の規制当局から繰り返し遅延の懸念が発せられた。

■課題が山積する中、関係者は裁判所に駆け込んだ。サザンの子会社でボーグルを運営するジョージア電力は、追加のコストと遅延の責任をめぐってウェスチングハウスとShaw (その後、2013年にChicago Bridge & Iron が買収)を訴え、逆訴訟を起こされる。

その後、2015 10 月に和解に達した。ウェスチングハウスがChicago Bridge & Ironから Stone & Webster 22900 万ドルで買収することになったのだ。

同時に電力会社のサザンとスキャナは2つの原発計画について、▼完成時期を先延ばしを受け入れ、▼これまでの契約上の支払いの追加に応じた。その代わり、残りの建設工事について固定価格で行うことを求めた (in return for fixed prices for the remaining work)

東芝としては、将来の訴訟を防ぐ狙いから合意。Stone & Webster をウェスチングハウスの一部として買収することで作業の効率性を30%改善させることも目指した。

■効率化の改善は実現しなかった。Flourという別のエンジニアリング会社が建設工事を請負い、 2つの原発サイト用に新たに数百人のスタッフや作業員が採用された。

■東芝に最大の衝撃が訪れたのは、4つの原子炉の建設コストが当初予定の 61億ドルを超過し、このうち37 億ドルが労務費 18億ドルが資材費だと気づいた時だ。

2008 年に締結した契約では、コストの超過分について電力会社との間で調整する余地があったが、 2015年に締結した新規の契約ではウェスチングハウスが固定価格で工事を終わらせることから逃れられなかった

■東芝にとって不吉なのは、ボーグルとサマーの原発の両方でいっそうの工期の遅れが見られる点だ。電力会社のスキャナは14 日、「サマー原発の 1号機の稼働は2019年ではなく 2020年に遅れる」という見通しを発表。

ボーグル原発についてジョージア州の地元の規制当局は2019 年に1号機を稼働するという当初の計画は「非常に困難だ」と警告。その理由として「工期の進展の欠如」を挙げた。

仮に工期が一段と遅れると、ウェスチングハウスの契約上の損失がいっそう膨らむことになる。地元の規制当局の担当者はボーグルとサマーで相次ぐ問題の結果、全米で新たな原発は今後 20年から30年は建設されないという見方を示した。

トランプ大統領の就任から1か月。波乱の船出で政権内の混乱を沈静化させようと試みているという報道が相次いでいます。 

(Reuters)

リセットということばが目立ちますが、ヒラリー・クリントンが国務長官だった当時、ロシアとの関係をリセットしようとリセットボタンまで登場したことが伏線になっていると思われます。

(Reuters)

USA TodayのタイトルはTrump seeks to calm reports of chaos inside administration (トランプ、政権内のカオスを鎮めようと努力)。

トランプ大統領はメディアが報道する「政権の混乱ぶり」は嘘だとして、オバマ前大統領から国内外の問題を引き継いでしまった(inherited a mess) ことを強調している。記者会見で「ひどい状況だ。国内では雇用がどんどん外に流出し、企業はメキシコなど労賃の低い国にどんどん出て行っている。国外はどこを見ても不安定だ。中東にしても北朝鮮にしてもひどい状況だ」、さらに「何とかするさ。問題を引き継いでしまったのだ」と述べた。海外については確かに複雑な状況であるものの、雇用は記録的に良好な状況だ・・・などとUSA Todayは伝えています。

Business Insiderは、RESET: After one of the most tumultuous weeks in presidential history, Trump tries to return to his comfort zone リセット:大統領の歴史上まれに見る波乱のあとトランプは原点回帰)というタイトル。

「コーナーに追い込まれ、トランプ大統領は得意なところに原点回帰した。選挙戦のように観衆を前にした演説と国民に直接語りかけること」と伝えています。

具体的には3 つのイベントを列挙。■16日に突然設定した記者会見、■ 17 日にサウスカロライナ州のボーイングの施設で行われた大規模なイベント、■18日にフロリダ州の飛行場の格納庫で行った支持者を前にした演説(ホワイトハウス主催ではなく、選挙戦を行った団体が主催)。この前提として「大統領の歴史上でもっとも動揺した 1か月だった」としています。

(AP)

New York Timesは Struggling To Fill Jobs When Total Loyalty Is a Must(忠誠心第一のため空席が埋まらない)として、トランプ大統領が忠誠心を求めるあまり 、高官人事が進まない現状を辛辣に伝えています。過去にトランプに批判的なことを言った人は、それだけでNGだそうです。

Washington Postは、Trump attempts a reset with a rally, new staff and a renewed fight with the media (トランプ、選挙戦のような演説や新スタッフ、メディアとの新たな対立でリセットを目指す)と紹介しています。

16日に行われた、本来のトランプらしいトランプの記者会見 (let-Trump-be-Trump news conference)以来、トランプは政権運営を軌道に乗せようとしている。政権内が混乱しているという認識はfake news (にせのニュース)とメディアと野党民主党の責任だという。その一方で、政権は新たなスタートを切ろうとしているようだ」。

その上で「トランプは、■打たれ続けている Sean Spicer報道官の負担を軽減するために新規にコミュニケーション担当としてMike Dubke (長年、共和党のメディア・ストラテジスト)を採用し、■辞任に追い込まれた安全保障担当のフリン大統領補佐官の後任探しを本格化させ、■移民の入国をめぐる新規の大統領令を出すと約束した」ということです。

18日のインタビューでラインス・プリーバス首席補佐官は、政権運営は順調だとしてリセットという見方を否定。メディアに対する不満からトランプが直接国民に語りかける会見や演説を増やすという考えを示した。

17日に公表されたギャラップ社の世論調査では、大統領の支持率は38 、不支持率は56%。トランプはこうした自分に不利な数字は fake news だと主張。

スパイサー報道官によると、トランプ大統領は19日に辞任したフリン大統領補佐官の後任候補として■ John Bolton元国連大使、■H.R. McMaster 中将、■ウェストポイント陸軍士官学校の最高責任者の Robert Caslen将軍、■Keith Kellogg 元陸軍中将(大統領補佐官代行)の 4人と面談するという。

トランプはフロリダの演説で繰り返したのは、ネバーギブアップ

アメリカのペンス副大統領って冷静で誠実で規律正しそう。好感が持てます。その副大統領の政権内の位置づけホワイトハウスの混乱ぶりに関するニュースがたくさん出ています。

(Reuters)

発端は、安全保障担当のフリン大統領補佐官の辞任(14 )につながった電話の内容。その内容をトランプ大統領や側近は知っていたのに、副大統領に知らせず、その結果、副大統領は誤った見解をインタビューで述べたということです。

多くの報道が Pence was left in the dark(ペンスは蚊帳の外に置かれた)という表現をしています。

最後にご紹介するペンス副大統領のマッカーサー将軍の銅像訪問は、誠実な性格を感じさせます。

(Reuters)

フリン大統領補佐官駐米ロシア大使の去年の電話会談の内容をすっぱ抜いたThe Washington Post は、 Pence did not learn that Flynn misled him on Russia until last week(ペンス、ロシアをめぐってフリンにミスリードされたことを先週まで知らず)として、 2 9日にようやく、フリン補佐官Sergey Kislyak駐米ロシア 大使対ロシア制裁について話してはならないことを話したことを知ったと伝えています。

1月の段階でペンス副大統領はテレビインタビューで、フリン補佐官を擁護する姿勢を取っていて、事実を知ったのは先週Washington Postを読んだ頃ではないかと推測しています。

これに対して、トランプ大統領は「何週間も (for weeks) 」フリン補佐官がペンス大統領を欺いたことを知っていたということです。

APは「トランプ氏は大統領就任から6 日後にフリン補佐官がペンス副大統領をミスリードしたことを知ったが、ナンバーツーを蚊帳の外に置き続けて (kept his No.2 in the dark)、フリンを辞任に追い込むまで3 週間も待った」と伝えています。 

120 日の就任式に先立ってペンス副大統領は公式の場で、フリン補佐官がロシアの Sergey Kislyak大使と経済制裁について話していないと主張していたため、見かねた司法長官代理のSally Yates 126日にホワイトハウスに連絡し、ペンス大統領の言っていることと諜報活動で得ている情報と異なることを伝えたそうです。

さらに、司法省はホワイトハウスに対して、このままではフリン補佐官がロシア政府から脅迫を受けかねないと警告したとも伝えています。会話の内容をばらすぞ、と。

(Wall Street Journal)

Wall Street Journalはこれがトランプ政権のインナーサークルの問題だととらえた記事を掲載しています。

Mike Pense Finds Himself in Unusual Role in Mike Flynn’s Firing (ペンスはフリン辞任で思わぬ役割を果たす)の中で、フリン辞任に向けて意地を見せた(showed his clout)としつつ、ホワイトハウスの権力構造の中でしょせんジュニアな扱い (junior partner)だと思い知ったと指摘しています。

その根拠として、「トランプ大統領はフリンの偽り2 週間知っていながら、ナンバーツーに知らせなかった(President Donald Trump knew about Mr. Flynn’s deceptions for two weeks without informing his No.2) 」を挙げています。

「統治経験がなく、自らの信条にも反する姿勢を示すこともあるボスに忠誠心と敬意のみを示してきた副大統領にとっては驚くような展開だった」と気の毒がっています。

さらに「ペンス副大統領が蚊帳の外だったことは、トランプ政権のインナーサークルの権力構造に対して疑義を抱かせるものだ」と指摘しています。

ご親切にインナーサークルの図式も掲載。

(WSJ)

本来でしたら、プリーバス(Reince Priebus)大統領首席補佐官大統領がだれと会うか、あるいはどんな書類に目を通すかを決めるが、権力闘争の中でプリーバス自身の立ち位置が依然として明確でないそうです。

もっとも力があるのは娘婿の Jared Kushner(イバンカの旦那さん)で、外交から雇用創出についてまで大統領がもっとも信頼を置く人物。首席戦略官のSteve Bannon が大統領の構想作りをサポートしている、とも。

WSJは、副大統領は議会とのパイプ役を仰せつかっていますが、さすがに今回のフリンをめぐる一件では、冷静なペンス副大統領も怒っているというホワイトハウス高官の発言を紹介しています。

先週、ペンス副大統領がWest Point陸軍士官学校に 行く前にトランプ大統領はダグラス・マッカーサー将軍の銅像を表敬するよう勧めたいうことです。その言葉に従って副大統領は、氷点下の気温で強風が吹き荒れる中、しっかり銅像を表敬訪問!

見上げたあと、マッカーサーの靴を磨くようなしぐさをした、とのことです。

為替と製造業。日本はもちろん、中国、ドイツ、それにアメリカでも重要なテーマですね。

(FT)

FRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長14 日と15日に上下両院で議会証言

Wall Street Journal は、Yellen Says Fed Will Consider Raising Rates at Coming Meetings(イエレン議長、今後の会合で利上げを検討)の中で、来月=3 月にも政策金利を引き上げる可能性があると伝えています。次の公開市場委員会は3月14日、15 です。

これを受けてドル高が進みました。けさ起きたら1ドル=114円台。

そのドル高で困るのがアメリカの製造業で、きのうご紹介したように国家経済会議のコーン委員長(前ゴールドマン・サックス社長)がアメリカの経済拡大の妨げとして心配しているのがドル高

(WSJ)

これに対して、FTトランプ政権の過度な製造業重視は、時代遅れでむしろアメリカ経済を悪化させかねないと指摘しています。

タイトルは、Donald Trump’s love of manufacturing is misguided – All the big industrial economies have chosen to internationalize their supply chains (トランプ氏の製造業愛は誤り~大手メーカーはサプライチェインの国際化を選択済み)。

書き出しは、「トランプ大統領と経済チームは製造業を愛している(Donald Trump and his economic team love manufacturing) 」。

製造業愛経済ナショナリズムは、トランプ大統領の演説、バノン首席戦略官の発言、それに通商アドバイザーのナバロ氏のドイツ攻撃から読み取れるとしています。

輸出は善。でも輸入は悪というのがトランプ政権の姿勢」として、この20 30(past few generations) 製造業が得意なのは 3つの国で、ドイツ、日本、それに中国だと指摘。その結果、日中独の3か国が貿易黒字を抱えているのは偶然ではないとしています。

トランプ政権の製造業愛ドイツ羨望とも言えるとFTは伝えています。

「貿易では、黒字の国があれば、赤字の国もある」とした上で、「トランプ政権のもとでは貿易はゼロサムゲームで、ドイツをうらやましがり、ドイツに対するコンプレックスを背景に、サプライチェインを国内に戻し、 輸入を制限し、製造業を喚起するのは理にかなっていることになる」ということです。

一方、製造崇拝をmanufacturing fetishism、工場崇拝をfactory fetishismと呼び、これらファンタジーだと指摘。

その第一の理由として介護などサービス業の成長が経済拡大の原動力なのに製造業マッチョ(manufacturing machismo)にこだわることは、雇用を増やすことにならないとしています。

第二の理由として、通商云々に関わらず、オートメーション進展の結果、製造業の雇用はどこでも減っている、としています。ドイツしかり、日本しかり、そしてアメリカしかり

1970年代初頭のような製造業の復活を目指して、NAFTA=北米自由貿易協定の見直し国境税の導入は、アメリカ国内の自動車の価格上昇につながるといいます。

トランプ政権の保護主義的な政策は、輸入も輸出も縮小させ、保護された経済はいっそう悪くなると警鐘を鳴らしています。



ホワイトハウスで安全保障政策を担当するフリン大統領補佐官13 日に辞任しましたが、一方で、 2002年までゴールドマン・サックスの幹部だったムニューチン氏(54歳) が財務長官にようやく就任しました。

(Reuters)

宣誓式に立ち会っているのはトランプ大統領ペンス副大統領、それにフィアンセのLouise Lintonです。

トランプ政権の閣僚に指名された15
のうち、14日の時点で承認されたのは9にとどまり、歴史上もっとも手続きが遅いと各紙が伝えています。

経済閣僚の承認が進まない中で力を発揮しているのが、議会承認が必要ないNEC=国家経済会議の委員長のゲーリー・コーン(Gary Cohn)。直前までゴールドマン・サックスの社長でした。

Wall Street Journalによりますと、ムニューチン財務長官は、議会上院で野党民主党から 1 人だけ支持を取りつけて5347 で承認されました。

為替を担当する国際担当次官としては、経営破綻した証券会社ベアスターンズのチーフエコノミストだった David Malpass 国内金融の担当にはやはりゴールマン・サックスの元幹部のJim Donaan、さらに首席補佐官にトランプ氏の選挙対策本部にいた Eli Miller が就任するという見方を示しています。

Fox Newsによりますと、ムニューチン新財務長官についてトランプ大統領は「雇用を呼び寄せる磁石のような男だ」、 「彼をよく知っているが 24 時間働くだろう。一日28日にすれば彼は4時間 多く働くぞ」と称賛したそうです。

(Wall Street Journal)

一方、NEC=国家経済会議のコーン委員長が力をつけているというニュースも目立ちます。

New York Timesは、Trump’s Economic Cabinet is Mostly Bare. This Man Fills the Void( トランプの経済閣僚は空席ばかり。その真空を埋めるのはこの男)で、国家経済委員会のコーン委員長 56 歳)を特集しています。

26年も過ごしたゴールドマン・サックスの社長兼COOだった去年11月29日に トランプ氏によばれ、景気拡大を妨げる要因を聞かれた際に「強いドル。雇用創出の努力を帳消しにするので」と答えたとのこと。

さらに、政府負担を増やさないためにインフラ投資には民間企業の協力が欠かせないと主張した、とのこと。トランプ氏がそんな話を聞いたのが初めてだったため、強い印象を残したと伝えています。

経済閣僚の多くが空席の状態で、コーン委員長は雇用・ビジネス・経済成長についての頼れる人物 (go-to-figure)となったとNY Times は指摘。多い時には大統領と日に 5回も話すということです。

トランプ大統領がいつも聞くのは、「君はどうしたいのか?」。

コーン委員長の優先順位は、■法人税、所得税の同時改革、■新規雇用のためにインフラ投資、■規制緩和で、ニューヨークからワシントンに引っ越した今、ホワイトハウス近くのホテルから午前8時開始 のミーティングに間に合うようにタクシーで出勤しているとしています。

WSJも Gary Cohn Has Emerged as an Economic Policy Powerhouse in Trump Administration(コーン、トランプ政権の経済政策の中枢に台頭)の中で、商務長官や米通商代表らの経済閣僚が不在の中、コーン委員長を「最も力のある経済政策決定者(most powerful economic policy maker)と評価。

大学卒業後、窓のサッシの営業マンとなり、出張で訪れたニューヨークでタクシーに同乗したトレーダーを口説いて金融機関に就職したという経歴が紹介されています。

ゴールドマン・サックスの元同僚曰く、顧客にはチャーミングだが、無愛想のことも。 トランプ大統領には最近、「うちの天才のひとり(one of my geniuses)」と言わせしめたということです。

NEC=国家経済会議は1993年にクリントン大統領が設置し、歴代の委員長にはルービン元財務長官サマーズ財務長官ら。 

財務長官や商務長官と違い、ホワイトハウスの中にオフィスを構えて大統領に物理的に近いため、「ホワイトハウスの中、さらにワシントン全域に影響力を行使しやすい」とも解説しています。

「とりわけ影響力を行使しているのがホワイトハウスやFRB=連邦準備制度理事会、規制当局の高官の採用面接」だということです。

なお、トランプ大統領が発言に耳を傾けるコーン氏は民主党支持者ですって。

トランプ大統領の就任から3週間あまり。今週も外交行事が目白押しです。首脳会談だけでも 13 日にカナダのトルドー首相15日にイスラエルのネタニヤフ首相の予定です。

これまでに大統領に会った外国首脳は英メイ首相と安倍首相だけ。各国政府は、必死に情報収集にあたっているのでしょうね。

報道では解説が増えていますが、トランプ政権が"従来通りの外交"に向かっているという安堵感、あるいは慎重ながらも楽観ムードが広がっているという論調が目立ちます。


(AFP)

New York TimesTrump Foreign Policy Quickly Loses Its Sharp Edge トランプ外交、瞬く間に鋭さを欠く)という分析記事を展開。

中国の習近平国家主席との電話会談で「ひとつの中国」政策」を支持したことや、安倍首相との会談で尖閣諸島についてアメリカの防衛義務を定めた日米安保条約の範囲内だと明確にしたことを踏まえて、「トランプ氏が外交方針を固めるに従って、選挙戦での公約ほど、あるいは初期の電話会談ほど過激でないことが分かってきた」と指摘。

記事ではブッシュ(子)共和党政権の大統領補佐官だったマイケル・グリーン氏の解説を紹介しています。

大統領が就任前にひとつの中国」政策日米安保という中国と日本に対するアメリカ外交の2つの柱を交渉のテーブルにあげると主張していたことを指摘し、「ここ数日の間で非常に興味深いのがトランプがその両方の争点を交渉のテーブルからおろしたことだ」と述べています。

記事は「アジア太平洋地域全域から安堵の声が聞こえる(You can hear the sigh of relief across the whole Asia-Pacific region) 」というグリーンさんの声で結ばれています。

英FT日米首脳会談から読みとれるアメリカの外交姿勢の変化について特集。

タイトルは Relief after  Trump and Abe  hit  it off at  summit  -  US president  appears  to be adopting  more traditional foreign policy stance (盛り上がった日米首脳会談のあと、安堵感広がる~米大統領はより伝統的な外交姿勢を採用の様子)。

日米首脳ががっつり会った2日間について「もめごと (controversy) がなかったことが特筆に値する」と総括しています。

首脳会談についてホワイトハウスが詳細を明かしていないと指摘した上で、アジア専門家の間で慎重ながらも楽観的なムード(cautious optimism) が広がっているとしています。

やはりグリーンさんの発言を紹介。「マティス防衛長官やティラーソン国務長官に続き、大統領も常識的な発言をし始めている。アジアの現状を踏まえれば当然のことだ。これが持続できるかは様子を見る必要がある」とのこと。

一方、北朝鮮の弾道ミサイル発射について、トランプ大統領が「みんなに十分に分かって欲しいのは、アメリカが偉大なる同盟国の日本と100 %ともにあること (just want everybody to understand and fully know that the United States stands behind Japan, its great ally, 100 %) 」と述べるにとどまり、■北朝鮮を非難することや■同盟国の韓国を支持することを失念したと指摘する専門家もいると紹介しています。

それでも「トランプ氏がアジアに対してより伝統的な外交姿勢に徹している」という見方で締めくくっています。

(Associated Press)

CNNは、北朝鮮のミサイル発射の一報に触れた時のトランプ大統領の様子を詳細に伝えていて、目に浮かびます。

フロリダのMar-a-Lagoの夕食で、ブルーチーズドレッシングがたっぷりかかったサラダ(iceberg wedge salads, dripping with blue cheese dressing) がテーブルに運ばれたところで、トランプ大統領の携帯電話に着信。

その場にいた客によると、トランプ大統領と安倍首相の夕食はすぐに戦略会議に変わり、安全保障担当のフリン大統領補佐官バノン首席戦略官が大統領の周りに集まり、キャンドルと月明かりしかない中でスマホのライトを頼り共同声明を確認し、ワシントンや東京の政府高官とやりした、と伝えています。

「アドバイザーや通訳が書類や電話を持ってあわただしくテーブルにやってきたものの、夕食会そのものはつつがなく進行した。トランプと安倍が側近と打ち合わせをする間もサラダに続き、メインコースが運ばれてきた」とのこと。

ファーストレディの2 は、そのまま会話を続けたということです。その後、首脳2人はボールルームに移動して、声明を読み上げました

この時、トランプ大統領は用意された声明文を読まなかったとCNN。本来であれば、北朝鮮の挑発的な行為 (provocative acts)に対して同盟国が一致団結すると述べるはずだったそうですが、北朝鮮のミサイル発射について触れなかったとFT 同様に指摘しています。

このあと、グランドボールルームで行われていた結婚披露宴に寄って、花嫁さんとブライズメードとの会話を楽しんだことも事細かく報じています。会場をシャットダウンしたわけではないのですね。

 

TimePresident Trump Faces Foreign Policy Challenge After North Korea Tests Ballistic Missile(トランプ大統領、北朝鮮のミサイル発射で外交課題に直面)で、より伝統的な外交姿勢に転じたことを紹介しています。


「嵐のようなスタートだった外交面で、トランプ大統領は日本の安倍首相と関係を構築し、より伝統的なアプローチを見せた。長きにわたって友好な日米関係は北朝鮮のミサイル発射が伝えられたあと、再認識された」とのこと。


さらに「就任直後、トランプ外交は、メキシコやオーストラリアの首脳とのけんか腰の電話(contentious phone calls)など不安定だった。これに対して、フロリダのMar-a-Lagoへの初めての外交首脳訪問となった安倍首相との週末は、会議、夕食、ゴルフを挟んだ友好的なもので、ともにやっていけると思える首脳との間では固辞的な関係を築くために時間をさく意思があることを示した」と伝えています。





                       

19秒に及ぶ握手、顔に近いところで両手をにぎにぎ、それにハグハグ ゴルフ場ではハイタッチ。ウマが合うのでしょうね。

(Reuters)

安倍首相の「まいったな」というしかめっ面(grimace)に多くのアメリカ人が同情したと、The Telegraph Donald Trump mocked for "awkward" handshake with Japanese prime minister Shinzo Abe(トランプ大統領、安倍首相との"居心地悪そうな"握手をいじられる)は伝えています。

(Reuters)

19 秒の握手の動画はこちら。よく見たら安倍首相の方からShall we shake hands?と呼びかけていました。

ゴルフ外交グリーン会談に焦点をあてた欧米のニュースが多いですね。おおむね好意的です。

The Wall Street Journalは、 To Bond With Trump, Japan’s Abe Takes a Swing at Fairway Diplomacy(トランプとの関係構築に向けて安倍首相はゴルフ外交を展開)では、トランプ大統領が選挙期間中に日本の貿易や安全保障を巡ってバッシングをしたことを指摘した上で、ホワイトハウスとフロリダの Mar-a-Lago での首脳会談についてはこう解説しています。

「アメリカの大統領がひとりの外国首脳にここまでの時間をさいて、同じ飛行機に乗るのはまれだ(It’s rare for and American president to devote that much time to one foreign leader, and to fly with one on the same plane) 」

ほかの各国の首脳がトランプ大統領との距離感を測りかねている一方で、安倍首相は■国内で50 %以上の支持率を誇るという「珍しいまでの政治的安定」と、■同盟国の間で問題になっているアメリカの入国禁止令が「過去 2年間で55人の難民しか受け入れていないなど移民に厳しい制限を設けている日本では、争点ではない (nonissue in Japan)」という背景を冷静に分析

New York TimesA Presidential Golf Outing, With a Twist: Trump Owns the Place (大統領のゴルフ遠征にはひねり~そこはトランプの所有地)では、大統領とビジネスマンの混同に対する懸念を指摘しています。

(Twitterより)

写真にあるような光景(星条旗がたなびくアメリカの美しい光景)を示すことこそトランプ大統領が首脳を招待する目的だとしています。

さらに、今回、安倍首相を招待したMar-a-Lago の新規会員になるための会費が 2倍の20万ドル(約 2200 万円)に引き上げられたと伝えています。

トランプ政権によると、トランプ大統領は安倍夫妻へのプレゼント("gift")として招待したということで、トランプ大統領の所有地で外国政府の人が滞在したことで得られた利益は、大統領職で儲けたと受け取られることのないよう(avoid the appearance that he was cashing in on his office) 、すべて米財務省に寄付するということです。

The Economistの最新号の表紙は強烈。Courting Russia(ロシアへの求愛)。


その中の"Fairway friends – Japan’s prime minster cozies up to America’s new president ゴルフ友達~日本の首相、米新大統領にすり寄る)では、「安倍首相のベッドサイドにはトランプ大統領の著書"The Art of the Deal (日本語では「トランプ自伝~アメリカを変える男」)があると言われている」と書き出しています。

トランプ氏の勝利に世界が呆然としている最中、安倍首相はゴールドのゴルフクラブを握りしめて飛行機に飛び乗って会いに行ったと紹介。

その機動性を評価しつつ、読売新聞の世論調査を引き合いに出して「日本国民が信頼していないリーダーにすり寄ることで安倍首相は政治的なリスクをとっている」とも指摘しています。


白金亭の担々麺は、濃厚胡麻クリーミー!

信頼できる筋から情報を得て、白金台駅近くでプラチナ通り沿いのお店に行って来ました。


一見ワカメか海苔に見えるのが甘辛いひき肉です。小松菜は食べやすい大きさにカットされていました。歯ざわりも香りも良いカシュナッツ干しエビが風味づけに入っているというよりは、しっかり"具"として存在感がsり、印象深かったです。


スープは適度に胡麻胡麻していて、何と言っても濃厚山椒のパンチもしっかり受け止めました。

白金亭特製タンタン麺は、お上品な酢漬けがついて1520円。


頤和園(溜池山王)やうさぎ(神泉町)、 阿吽(湯島)、膳楽坊(神楽坂)の担々麺が好きだったらオススメです。龍天門(恵比寿)よりやや辛くて刺激があります。


同じ白金台の四川の担々麺が好きな場合、あまり好みでないかもしれません。


◆白金亭◆
港区白金台4-19-13 
白金TFビル 


写真・動画共有アプリのスナップチャットの運営会社がニューヨーク証券取引所に上場を目指すことを2日に発表。使ったことないけど、このニュースがあふれています。

(The Economist)

WSJのWhy Snapchat Is the New TV(スナップチャットが新たなテレビのわけ)によると、上場申請で運営会社のSnapは「ライバルは、Google, Apple, Facebook, Kakao, Line」と書いたということですが、「スナップチャットはメッセージアプリではあるが、テレビみたいなものだ」と結論づけています。

動画の視聴者は、Facebookの2015年時の80億人に対して、Snapは100億人だそうです。

WSJは、ソーシャルメディアが"前のめり(lean forward)"なツールに対して、Snapchatはテレビのような"後ろにリラックスした(lean back)"メディアだと表現していて何となく納得。

(WSJ)

実際、Snapchatは英公共放送BBCと組んで自然もののドキュメンタリー"Planet Earth II" の一部を若者に馴染み深い"縦の動画"として流すとVarietyが伝えています。

BBCがテレビ放送する前日の2月17日に6話がSnapchatで見られるということです(アメリカとカナダのみ)。

BBC WorldwideのCEOのTim Davieは「真のデジタルファーストを目指す」と話していて、Snapchatの主なユーザーのミレニアル世代を狙うとのこと。


The EconomistのSnap to it では、Snapの3月の上場時の企業評価額は200億ドルから250億ドルが予想されるとして「2014年の中国のAlibabaの上場以来の注目株」と伝えています。 

2011年にサービスを開始し、アメリカ人の18歳から34歳の人口のうち41%が月に1回使うというので、すごいわね。「大人も注目するべき」だとして、AR=拡張現実やウェラブル端末の使用など新しい技術の実験を理由に挙げています。

そもそもスナップチャットって何よ!?なんでオバQみたいのがシンボルなの!?

Snapchatは、写真や動画のスナップ+会話のチャット。投稿した写真や動画、チャットが1-10秒で消えてしまうのでロゴがオバケだと各メディアが伝えています。

さらに写真がかわいく加工できます。

(WSJ)

Snapchatを作ったのは、スタンフォード大学に在学していたReggie Brown, Bobby Murphy and Evan Spiegelの3人

いまトップのEvan Spiegelは、創造力やビジョンからAppleのSteve Jobsと比較されることが多く、「悪い意味でも似ている。秘密主義者で取締役ですら企業戦略を知らされない」とThe Economist。

Fortuneは、「上場すればSpiegelはFortune 500の社長よりも金持ちに!2011年7月に本人は『好きなことをやって稼げるなんてサイコー』とインタビューに答えていた」と紹介しています。羨ましいわん。

いよいよ日米首脳会談ですね。世界のリーダーで初めて、トランプ"次期大統領"と会談した安倍首相がフロリダのゴルフ場で首脳会談を行うと地元メディアも大きく伝えています。

(AFP)

CNNはTrump teeing up a softer diplomatic approach with Japan(トランプ、日本とのよりソフトな外交に向けてティーアップ=準備)の中で、「トランプ大統領は(豪州など)強固な同盟国との戦闘的な電話会談のあと、安倍首相とはフロリダの避寒地でゴルフをし、より穏やかな関係づくりを目指す」としています。

トランプ大統領は3週間しか過ごしていないホワイトハウスよりもフロリダの海岸の方がゆっくりできるとして、「おかたい(buttoned-up)安倍首相がリラックスできることを望んでいる」とのこと。

大統領は側近に対して、次のように語っているそうです。フロリダのMar-a-Lagoでの訪問やゴルフを通じて、不安に思っている外国のリーダーと親密な関係を築きたい

CNNはさらに「安倍首相がアメリカとより強い信頼関係を構築したがっている。とりわけ安倍首相が推進してきたTPPに対するトランプの激しい批判や日米安保の負担を踏まえて」と指摘。

安倍首相とオバマ前大統領の関係については「温かい仕事上の関係」だったとしながらも、2014年の寿司の名店=すきやばし次郎での食事は、長時間に及びオバマをいらっとさせた、とも。

(Reuters)

FTはもうちょっと厳しいトーンです。

Shinzo Abe drums up business pledges to woo Trump(安倍首相、トランプを振り向かせるためにビジネスの公約を搔き集める)で、トランプ大統領にツイートしてもらえるような投資額("tweetable" figures)を安倍首相が伝えられるよう、政府が躍起になっていると伝えています。

「安倍首相のお土産を持参しようという過剰なまでの努力はトランプ大統領との個人的な信頼関係を築きたいという強い意思だ」と分析。

トヨタ自動車がメキシコ工場をめぐって名指しで批判された一方で、ソフトバンクの500億ドルの投資プランが歓迎されたことを紹介した上で、首脳会談で伝えるのが既存の投資額をまとめた数字に過ぎず、トランプ大統領の気持ちを鎮めるどころか、最低ラインの公約とされかねない、という日本メーカーの心配の声を伝えています。

さらにWashington Postは、「有権者に日本を"美しい国"に戻すと約束した安倍首相アメリカを再び偉大な国にするために最大限の努力をしている」という書き出しで、ちょっと棘があります。

日米首脳会談でトランプ大統領の「誤った認識を修正させる("correct" Trump's "misunderstanding")と同時に、トランプの仲間に入れてもらおうとしているという安倍首相の交渉の難しさを指摘。

日本はいかにアメリカ投資額を増やして雇用を生み出すかを説明するとしながら、Washington Postは「実際にどれだけが新たな雇用創出かは不明確だ」と記しています。

トランプ大統領の初の"ゴルフ首脳会談"ということで、たいへんな注目ですね。


トランプ大統領の大好きなフレーズと言えば、America Firstですよね。では、二位はどこか?  New York TimesHearing "America First," European Nations Jockey to Be Second "米国第一"と聞き、欧州各国は二位を競い合う)に取りあげられている動画はおなかを抱えて笑ってしまいました。


「アメリカ第一は分かった。だったら、オランダはセカンド(2 位)でどうだ?」という動画が先月、話題になりました。

ランドのテレビ番組が皮肉たっぷりになぜ、トランプ大統領がオランダを二位に選ぶべきかを説明します。しかも、トランプ大統領のモノマネのナレーションで

オランダに負けじベルギー、ドイツ、デンマーク、リトアニア、ルクセンブルグ、ポルトガル、スイス皮肉と自虐ネタsatire and self-mockery )で動画をアップ。

元祖の動画を制作したのは深夜番組の司会をするArjen Lubachで「オランダという小さな国をトランプ大統領にもっともアピールする形で紹介することにした」そうです。 

具体的には「言語、税制、風車がオランダは世界第一で、クリスマスの時期にはBlack Peteというお祭りでみな顔を黒く塗る」などと自慢げに披露

New York Timesの取材に対して、ナレーションをしたモノマネさんのGreg Shapiro は「イントネーションをよく練習した。インタビューを繰り返し真似して、大した技術は必要なかった」と答えています。


ドイツの動画では、このアイデアでオランダに負けたことに対する憤慨を表明しながら、二位にして欲しいと訴えます。

アメリカとメキシコではなく、東西ドイツを分断した「」を紹介したり、ヒトラー の登場で「ドイツは再び偉大な国になった」と自慢したり。「ドイツは二度も世界大戦を仕掛け、二度とも勝利した。そうでないというの情報 フェイクニュースだ」とトランプ大統領の物言いを真似します。


スイスの動画も笑えます。オランダのように平らでなく、でっかい山があるのがご自慢。一方、女性の投票が1991年まで認められなかっとして「女性をひどく扱うのが得意だ」と、これまたトランプ大統領の女性蔑視発言を彷彿させる内容です。

「トランプさんは金(きん)が好きですよね?スイスも金が大好きさ。第2次世界大戦の時にユダヤ人が守ってくれと持ってきたのだ。しかし、彼らは戻ってこなかった。不思議だよな。だから、チーズフォンデュのように溶かしたのだ」と、ちょっと笑えないナレーションも。


ベルギーの動画では、ABBAが実はスイスではなくベルギーの歌手だというalternative fact (代替の真実、もう一つの真実)を紹介。トランプの側近が有名にした言葉ですね。

【代替の真実】

金融立国ルクセンブルグは「我々はたくさんのお金を持っている。大統領、知ってた?税金をいっさい払わなくてもいいんだよ。ゼロ。約束するぜ」と自虐的に。


リトアニアにいたっては「三位でいい」とまぁ謙虚!インターネットの回線スピードが有名で「世界一のインターネットだったら、どれだけ早くツイートできるか想像してみてください」とトランプ大統領に訴えます。

欧州だけではありません。

Vanity Fair Even More Countries Mock Trump with Wickedly Funny Parody Videos(トランプを標的にした意地悪でおかしなパロディ動画がさらに続々)の中で、流行はついに欧州からモロッコに伝播」と紹介しています。


「あなた(トランプ大統領)はアメリカ第一と言ったあと、欧州の国の中から二位を選ぼうとしていると聞いたけど、それは間違い。大きな間違い。まったくの負け犬どもだ。難民や移民がすごいスピードで欧州を浸食している中で欧州は間もなくモロッコの一部になるさ」とのナレーション。 

Vanity Fairは「あとはイギリスがBrexit の前に動画を投稿するかどうかが見ものだ」と結んでいます。

日本のクリエイターは参戦しないのかしら?

アメリカ第一をめぐっては、ドイツDer Spiegelの表紙もAmerica Firstと記しています。自由の女神の斬首の絵は衝撃的で、波紋を呼んでいます。これより、笑える動画の方が穏やかな気持ちになれますね。

2月5日はスーパーボウルでした。アメフトはルールもよく分かりませんが、毎年、CMを楽しみにしています。1億人が視聴し、年間で圧倒的なテレビ視聴率の高さで、30秒の放映時間を確保するために企業は平均500万ドル(約5億6000万円)支払うそうです。ひょえー、この10年で2倍に!

(Wall Street Journal)

ことしはトランプ大統領の誕生で、例年以上におもしろかった!

New York Timesによると、「コカコーラとAirbnb、それにバドワイザーは、移民や多様性について取り上げて政治的なメッセージを発している(making political statements)と受け止められた。放送局のFoxとN.F.L. は行きすぎた政治メッセージは避けようとしていて、国境沿いに壁を取り上げたCMが『挑発的すぎる』と判断した」 と総括しています。

具体的には、建設資材の会社 84 Lumberは、国境沿いの壁の前でスペイン語を話している母娘のCMの変更を迫られたそうです。


コカコーラは、2014年のCMのリバイバル版を放送。


小学校の時から国歌と並んで歌う"America the Beautiful" を英語以外にもスペイン語など多言語で歌っています。New York Timesは「CMは新しくなかったものの、移民や多様性をめぐる議論により、視聴者の受ける印象はまったく違った」と総括。

このCMが終わるのを待てず、ハッシュタグの#BoycottCokeが立ち上がりました。SB Nationは「英語以外の言語、白人以外の人種がメインでコカコーラのCMに取り上げられたのが許せなかったのだ」とコカコーラのボイコットの理由 分析しています。

ボイコットと言えば、バドワイザーも。創設者でドイツから米ルイジアナ州に移民したAdolphus Buschをフィーチャー。アメリカにやってくると"not wanted here(ここに来るな、帰れ)"と言われ、トランプ大統領の移民入国禁止令を彷彿させます。


Washington Postは「スポーツイベントをめぐる展開としては意外だが、一部の人が怒ってバドワイザーのボイコット 運動を実施」と報じました。

Airbnbも移民/難民にフォーカス。


ミリバンドCEOは「多くのアメリカ人がもともとは難民だった。この国のアイデンティティであり、成功の源だ」として移民/難民の受け入れを訴えています。

高評価で、私も気に入ったのはAudiのCM。タイトルはDaughter(娘)で、カートレースに挑む女の子の話です。娘を持つ親の間でとりわけ話題みたい。メッセージは単純で「女の子も男の子も平等」。


ただ最後に流れる以下のテロップが議論を呼んでいます。「アメリカのアウディは同一労働同一賃金を約束する」。

女性と男性が同じ仕事をしているなら賃金は同じ、という趣旨だと思いますが、Wall Street Journalは「政治的すぎる」「これまで推奨していなかったのになぜ突然に」といった批判の声を伝えています。

CMはここで一挙に見られます。

なお、試合は史上初の延長戦でNew England PatriotsがAtlanta Falconsに34-28で勝利しました。5回目の優勝ですって。

(USA Today)


トランプ大統領の前代未聞の言動にびっくりの連続。The Economist の最新号の Kal’s cartoonはブルドッグのようなトランプ氏がホワイトハウスをメチャメチャにしている様子

(The Economist)

初代ワシントン大統領の肖像画が傾き、星条旗がずたずたに破られ、BRIEFING BOOKという大統領への"ご説明"の資料は床に投げ出され、アンクルサム(=アメリカの象徴)がシャンデリアの上に避難中。

トランプ大統領が一言。SO FAR SO GOOD(今のところよし)

WSJTrump’s First Weeks Leave Washington – and the White House Staff- Panting (トランプの最初の2週間でワシントンもホワイトハウスのスタッフも息切れ) は、ホワイトハウス内の権力闘争を特集しています。

(Wall Street Journal)

11月の選挙以降、権力闘争(jockeying for position) が繰り広げられたが、トランプ大統領は先週末、および1 30日に政権幹部の役割を明確にした」とのこと。

具体的には「Reince Priebus が首席補佐官であり、彼が知らないという事態はあり得ない Steve Bannonは上級戦略官であり、外交方針にあまり立ち入ってはならない  Kellyanne Conway 対外コミュニケーションに専念する」そうです。この3人と大統領の娘婿のJared Kushnerが中枢中の中枢としていつも紹介されます。

(Reuters 左から、コンウェイ、クシュナー、バノン、プリーバス)

WSJは「就任2週間でさまざまな混乱があったが、戦略的なものなのか、権力闘争、あるいは未経験や単なる組織の混乱の問題なのか明確にはしくい (How much of the first two week' s tumult was strategic and how much was a result of infighting, inexperience or simple disorganization is hard to pinpoint)」と内部の混乱を指摘しています。

さらに、政権移行チームのメンバーとしてダボスでお会いしたAnthony Scaramucci も記事に登場。


ホワイトハウス上級顧問として、省庁間の調整をするOffice of Public Engagement and Intergovernmental Affairsの局長(オバマ政権ではValerie Jarrettが持っていたポジション)に 任命されていました。

トランプ大統領にお仕えするため、自らのヘッジファンドSkyBridge Capitalをちょうど売却すると発表した日にお会いしましたが、記事によると、プリーバス首席補佐官がトランプに影響力のあるスカラムッチの政権入りに反対しているそうです。 一触即発の事態に!

この理由としてNew York TimesはAnthony Scaramucci Won’t Get Announced White House Role, Official Says(スカラムッチ、ホワイトハウスの上級職への正式就任は白紙)の中で、 SkyBridge Capital 株式の過半数を 中国の政府系コングロマリット=海航集団(HNAグループ)傘下の企業となることを挙げています。

一方、Politicoによると、スパイサー報道官が「スカラムッチはプリーバスのよき友人で同僚でチームに加われば財産になる。内部闘争と言われるのはナンセンスだ(This so-called infighting is nonsense)と会見で述べています。

FTによると、スカラムッチ本人が3日、Twitterで「スポーツでも政治でもピーピー嘆いても仕方ない。次に向けて準備中!それまで・・・(There is no whining in sports or politics. I am regrouping and getting ready for the next play! Until then...)」とつぶやきました。ホワイトハウス上級職を断念したように見えますが、そのつぶやきが削除されています!!どういうこっちゃ!?

こうした闘争の間にも移民入国禁止イランとの外交問題のエスカレートなどが燃え上がっています。

そして、調整役不在の中、今週後半には日米首脳会談ですね。


トランプさんに関するこの人の話、腹に落ちました。老舗雑誌The Atlantic editor-at largeSteve Clemons。


外国特派員協会で行われた会見で何度も「はっきり言いすぎるかなぁ」と気にしながら、次のようなことをぶっちゃけで話しました。

トランプ大統領の"対日観"は「ズルをして豊かになった国」 という1980年代の見方のまま。

12 月の安倍首相の会談ではトランプ側に必死だと思われ、弱腰と受け止められた。

■2月8日 首脳会談への臨み方は、トランプ的なナショナリズムを露わにしてありのままの安倍首相の姿を打ち出すこと。

トヨタへのアドバイスは、"white America"の一部でないことを踏まえて本社を移したテキサスを活用してトランプとのつながりを強調すべき。

以下、印象に残った点を紹介します。


スティーブ・クレモンズ

2011年からThe Atlanticの総合監修者。 ワシントンのシンクタンク、New America Foundation、Japan Policy Research Instituteで研究。 ジェフ・ビンガマン上院議員(民主党)の経済・国際問題担当政策顧問 

トランプに4-5回会った印象は、「特に深みない(nothing particularly deep) 」
私の地元はオクラホマ州の田舎町で、親戚100人のうち 97人が トランプに投票した。MSNBCなどに出演していることからリベ ラルと見られがちが、私自身は独立派(independent) である。

3日のマティス国防長期の来日、 10日の 安倍首相と麻生副総理のワシントン訪問を前にトランプ大統領と日米関係 について考えたい。

<トランプのアメリカ>
トランプは、ワシントンをぶっ潰そうとしている2007 2008年の金融危機のころにヌクヌクした関係にあったインサイダーに強烈な圧力をかけている。

アメリカ国民、 とりわけ中西部の白人は、遠い異国での軍事行動 および身の回りの経済の低迷疲弊している。 

イラクやアフガニスタンで戦ったあと、 ヒューレットパッカードなどのメーカーに就職しながら何度も人員 削減に合う、というのが"トランプのアメリカ"を支える人々だ。「軍人として戦ったので報われる」というquid pro quo (交換) がないことが不満なのだ。

トランプは今、 同盟国に揺さぶりをかけている(a shakedown to allies) 。アメリカが相手国に何かやってあげたら、 目に見えるベネフィットが欲しいと思っている。つまり mercantilism(重商主義)を重視する姿勢だ。

The Atlanticでは、Obama Doctrineとしてオバマ大統領の外交方針 を特集した。

実は、オバマ大統領の世界観とトランプの世界観は似ている アメリカの 世界への関与を弱めたいのだ。オバマの場合は、「戦略的な抑制(strategic restraint)」に対して、トランプの場合は、「 明らかな利点がないと逃げ出す(will run away without a clear payoff)」の違いはあるが。


<TPP>
アメリカは交渉入りした理由を間違えた。「経済」ではなく「地政学」を理由にした。アジアでの空白を埋めるためだとして、企業ではなく軍関係者が議会をロビーした。新聞の広告も軍関係者が出した。その結果、TPPは「世界への関与のために経済的利益が売られた(economic interests were sold out out to global engagement)」の象徴(poster child)となってしまった

TPP離脱は、中国に対する贈り物となるだろう。今週に入って、中国と並んで日本が為替操作していると批判した。これらに見られるように、シナジーを考えることがない。だって、合理的な戦略家であれば日本を大切にするはずだ。

<対日観>
トランプ大統領の日本観は、「ズルをして豊かになった国」「ズルをして成功した国」(a nation that got rich by cheating, Japan cheated itself into success)。確かにこれは今日(こんにち)形成された認識ではなく、1990年代までに作られたもの。今の中国にも同じ思いだ。中国以上に mercantilism(重商主義)の姿勢を取るだろう。

日本は今、"忘れられた同盟国(the forgotten ally)"となっている。このままでは「トランプ王国で遊びたがっている小型犬(a lap dog willing to play in Trump Land)」と間違えられてしまう。

米首脳会談では日米FTAを提案すると言われている。本来は、もっとプラットフォームを広げないと日本にもアメリカにもうまみがないが、安倍首相へのお土産として2国間FTAを提案することも。

これから予想されるのが憲法9条の問題。「日本は弱い。自らもっと防衛しないといけない」とトランプが言いだすかもしれない。本来、憲法改正をやりたいという安倍首相にとってはありがたい事態か。問われるのは「安倍首相が欲しいもの(憲法9条の改正)をあげたので、その代わりに何をしてくれますか?」ということになる。

<安倍首相への助言>
英メイ首相はオバマ前大統領のアドバイスに従って、仲良くし、トランプに挑まなかった。一方、オーストラリアのターンブル首相は同じようにしたつもりなのに、1200人の難民受け入れに感謝の意を伝えようとしたら、逆切れされて電話を切られた

安倍首相のDNAを考えると中国への姿勢は厳しく、愛国主義者であるはずだ。2人ともnative nationalistという共通点があ

助言するとすれば、ありのままの姿を出せば仲良くなれる、ということ。安倍首相に内在するトランプ的な要素("inner Trump" of Abe)を見せよ、ということ。

トランプ王国(Trump Land)のインサイダーによると、12月のトランプタワーでの会談について、安倍首相が弱腰に映った。しかも「会談は時期尚早で避けたい」というトランプ側の意向にも関わらず、飛行機に乗ったので、必死(desperate for attention)という印象を植え付けた。

<トヨタ>
今のアメリカにはethnic nationalism(人種ナショナリズム)が広がり、"white America"=白人のアメリカへの欲求が広がっている。トヨタがアメリカ企業だと思っている若者もいるが、やはりトヨタはwhite Americaの一部ではない

トランプはズルをして成功した会社と思っており、ゆさぶりをかけている。トヨタは本社をテキサスに移すので、それをフルに活用してトランプ支持者とのつながりを強調するべき。今は、トランプ大統領のやっていることに、うまくはまらない(doesn't fit the ethnic code of what they're doing)。

<今後の注目>
人物では、上級顧問兼首席戦略官のSteve Bannon。トランプに原理原則はないが、バノンが重商主義的な考えを打ち出している

弾劾されるのではないか、という見方を耳にする。教育長官に指名したBetsy DeVosの承認をめぐり、共和党のLisa MurkowskiとSusan Collinsの2人の上院議員が反対票を投じた。トランプは、ある意味ここまで育ててくれたFox Newsも、共和党の保守本流のPaul Ryanも完膚なきまでおとしめた。あまりに怖くて誰も異を唱えられない事態で、弾劾などあり得ない。トランプが2人の議員をどう処罰するかに注目が集まっている。

The Atlanticの最新号のHow to Build an Autocracy(独裁主義者の作り方)はこちら。

トランプさんの矢継ぎ早の対応に目が回りそうです。最高裁判事の人選にしても、移民入国禁止令にしても、円に対する発言でも、その根底にあるものは何か?

そんな疑問を持ちながら、アメリカの保守主義研究の権威のGeorge Nash先生のお話を聞きました。笹川平和財団が主催の講演で、タイトルは American Conservatism and the Problem of Populism米国における保守主義とポピュリズム)です。

(Bloomberg)

「これからのアメリカ政治を決定づけるのは右か左かではなく、(教育や所得など)社会・経済の定規で上か下かだ」などがすとんと腹に落ちました。印象に残った点をざっくりご紹介します。

一言で言うと、根底にあるのは右と左(the left  and the right)のハイブリッド的なポピュリズムで、その理論的支柱はSteve Bannonが考えているということです。キーワードとして「リスペクト」も。
ジョージ・ナッシュ博士

特に20世紀のアメリカの政治史を専門とする在野の研究者、歴史家で、ハーバート・フーバー元大統領に関する研究の権威


著書は"The Conservative Intellectual Movement in America Since 1945"や "Reapraising the Right: The Past and Future of American Conservatism"  など


今回が初来日。「京都と奈良への旅も楽しみ」とも


アメリカは今、かつてない事態を迎えている。そして、アメリカの保守主義もまた重要な節目を迎えている。そもそもアメリカの保守主義とは一枚岩ではなく、さまざまな潮流の合体として進化してきた。


戦後のアメリカ政治はもともとは左よりだった。それに対抗したのが■Friedrich Hayek Milton Friedmanとった伝統的なリベラル派やリバタリアン、■ Russell Kirk のような宗教を重んじる伝統的な保守派、■冷戦時の反共産主義者、■Irving Kristolに代表されるネオコン、■宗教右派 (=social conservatives)


冷戦の終焉で共通の敵がなくなり、とりわけこの20年で起きたことは、人種や文化の異なる者どうしの交流だ。そうした中で登場したのがポピュリズムだ。


ポピュリズムとは、一般庶民がエリートに反乱を起こすこと。ポピュリストと言えば、左側が批判する相手は銀行や企業経営者。悪党 (villain)と呼んできた。ポピュリスト的な保守主義を打ち出したのはレーガン大統領。お別れ演説でwe the people と表現したのが象徴的だ。


これまでは、■左の標的がウォール街に代表される銀行など民間企業(big money, private sector elites = Wall Street) に対して、■右の標的がワシントンに代表される大きな政府という官僚組織(big government, bureaucratic elites = Washington DC)だった


一方、トランプ氏は、この右と左のいわばハイブリッド型だ。このトランプの爆発的な広がりをみな予測できなかった。これまで、右と左を包含するようなナショナリスト、ポピュリストはいなかったのだ。


これが生まれた背景は、■グローバル化、■移民の増加、■テロに対する恐怖。人々の間に「グローバルエリートには問題を解決して社会を良くしようという能力も意思もない」と思いが広がった。


これからのアメリカ政治を決定づけるのは右か左かではなく、(教育や所得など)社会・経済の定規で上か下かだ (those above and below on the socio-economic scale)。それをもっとも感じているのがワーキングクラスの白人だった。


これに拍車をかけたのが、ラジオのトークショー、ケーブルネットワーク、ツイッターなどのソーシャルメディアだ。エリートが操作できないものだ。


トランプ大統領の原理原則を支えているのはSteve Bannon であり、彼は自らの主張を経済ナショナリスト(economic nationalist)だと呼んでいる。バノンはインタビューをほとんど受けていないが、数少ないインタビューをきっちり読んで考えを理解する必要がある。


トランプ側は戦後の保守主義を根本から変え、宗教や倫理的な懸念にまったく無頓着だ。これに対するのが共和党の議会下院議長の Paul Ryan 。レーガン的な保守主義を信奉している。


今後のアメリカの保守主義はどうなるのか?レーガン的な保守主義とトランプ的なポピュリズムは、物事を進めるために(to get things done)コラボレートできるかもしれない。そのためには、この両派が互いにいがみ合わないこと (resist to feud with each other)が鍵だ。声だけでなく心が必要だ (needs minds not just voices)


今回の選挙は一般の人々が「エリートは自分たちのことを考えちゃいない」という反乱だった。とりわけクリントン候補が"half of Trump’s supporters are a basket of deplorables( トランプ支持者の半分は人種差別主義者など情けない人たち)"と発言したのが痛かった。こうした人たちはトランプからはリスペクトを感じたのだ。 


今回の選挙でよく次のように言われた。Trump critics didn’t take him seriously but took him literally whereas Trump supporters took him seriously but not literally (トランプを批判する人たちは、トランプの言動を文字通りに受け取ったが、トランプの存在を真剣には受け止めなかった。一方、トランプ支持者は、トランプのことを真剣な候補として受け止めたが、言っていることをいちいち文字どおりに実現するとは思っていなかった)。言い得て妙だ。


アメリカはかつてないほど分断している。この分断をどう埋めていくかは難しいが、経済がこれまで以上に成長し、政治に対する怒りが収まり、トランプが経済成長の担い手だったと顔を立ててもらえれば、少し埋まると思う。


仮に私がトランプをアドバイスするならば、私が研究してきたフーバー大統領のように世界を旅して知見を増やしてもらいらい。もう一つは、レーガン大統領の素晴らしい特技であるユーモアのセンスを身につけて欲しい自らをネタに笑いを取るくらいの余裕があれば、緊張も解けるものだ。トランプはこのあと、もう少し普通の大統領になるかもしれない。しかし、それは希望的な観測かもしれない。


トランプの特徴は、■国際機関を信用しておらず、なるべく二国間で問題を解決したいと考えていること、■強い国家が好きで、リーダーとは1 1の個人的な関係を望むこと、■相手をリスペクトでき、しかも相手が自分のことをリスペクトしてくれる人とはうまく協調できること。

 

✴︎モデレーターは元共同通信記者で青山学院大学教授の会田弘継さん

どこを見ても、Steve Bannon(スティーブ・バノン)のお名前。トランプ大統領の側近で上級顧問兼首席戦略官 (Chief Strategist)です。

(Reuters)

大統領の娘婿のJared Kushnerと並び、「政権の頼りになる人 go-to-person)」(Washington Post )、「トランプのインナーサークルでもっとも影響力のある人物most influential aides in the Trump inner circle)」 (FT) などと言われ、着実に権力の掌握が進んでいるようです。

 

このバノン氏、外交・安全保障の政策を決めるNSC=国家安全保障会議の最高意思決定機関=プリンシパルズ委員会principals committeeの常任メンバーに登用されたことで、さぁたいへん。トランプ大統領が28日に大統領令に署名しました。


それも■アメリカ軍制服組トップの統合参謀本部議長(Joseph Dunford)と■情報/諜報を束ねる国家情報長官(Dan Coats)を追い出す形となったので、驚きというか怒りが広がっています。与野党問わず、外交・安全保障の専門家が結束して異を唱えています。


オバマ前大統領の国家安全保障問題担当補佐官だったSuzan Rice はツイッターで、イスラム国やシリア、アフガニスタン、北朝鮮についての軍事的な助言をする組織だということを指摘した上で、バノン氏が参加することを "stone cold crazy(まったくクレイジー)" と口をあんぐりさせています。


(New York Times)


バノン氏ってどんな人?


NY TimesFT によると「海軍将校出身で、投資銀行のゴールドマン・サックス、ハリウッドでプロデューサーを経て、極右の Breitbart Newsのトップとなった。去年8 月にトランプの選挙陣営に加わり、トランプはトランプらしく振る舞えばいいという姿勢で有権者の支持が広がったことでトランプの評価をあげた」とのこと。


120 日の就任演説のスピーチライターの一人で、最近だと、「メディアは黙ってろ」という発言や中東・アフリカ 7か国からの入国停止を決定したことが話題になった人です。

 

NSCってそんなにすごいんだっけ?


各紙によると、NSCは大統領に対して軍、省庁を横断して政策について助言する機関として1947 年に設立されました。プリンシパルズ委員会は、国務省、防衛省、国土安全省の閣僚も参加し、大統領の行動を伴う安全保障の問題を話し合う場で、もっとも重要な会合だそうです。 


NY Timesの次のくだりを読んで、バノン氏がプリンシパルズ委員会に出席する重大性が理解できました。


ブッシュ(子)元大統領の首席補佐官のJosh Boltenは、ブッシュ大統領の政治アドバイザーの  Karl RoveNSCから外した。

Bolten
は『NSCは、征服組の人たちの命にかかわる問題を話し合う場で、政治的な判断によって判断が汚染されてはならない』と語った。

武力行使という命にかかわる安全保障問題が政治ショーに使われてはならないというのです。


FTは報道官の Sean Spicerが、バノン氏をNSCに入れる理由として、安全保障の知識に加えて、「官僚的な組織を変えるため(less bureaucratic) 」と説明していると紹介しています。


オバマ政権時代にNSCで問題をこねくりまわして決定が遅々として進まなったことを指していると推察。


Sean Spicerはさらに、「オバマ大統領の時、 David AxelrodNSCに出席していたじゃん」と釈明していますが、これに対しては「常任メンバーではなく、必要に応じて呼ばれただけ」と各紙が反論しています。

 

トランプがそこまでバノン氏に全幅の信頼を与えるのは、苦しい時に支えたこと以外に、「金持ちで本来仕事がなくてもいいから(NY Times)」だそうです。ガツガツしていないって感じかしら。ちょっと納得。


バノン氏から目が外せません。

 

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