担々麺大好き(特にゴマ風味のもの)。
アジサイ大好き(桜や紅葉も)。
そして経済ニュース大好き(国際ニュースも)。
ということで「担々麺とアジサイと
ちょっと経済」です^_^

きょうは、7 29日です。EBA(欧州銀行監督機構)がユーロ圏の銀行 51行のストレステスト結果を公表します。本拠地のあるロンドンで21:00 日本時間で 30 日(土)05:00の予定です。

(Reuters)

焦点は、何度もお伝えしているように世界最古(1472年創業)でイタリア第 3の銀行モンテ・デイ・パスキ・デ・シエナMonte dei Paschi di Siena) の経営問題。 

470億ユーロ(約54000 億円)の不良債権を抱え(不良債権比率は約40%!)、資本不足が指摘される中、資本増強が必要になると見られています。

そのキーパーソンのパドアン財務相を特集した記事を FTで見つけました。まじめな学者さんから閣僚に昇格したそうです。

(Reuters)

パドアン財務相を筆頭にイタリア政府が求めているのはBAIL OUT(公的資金の注入)。一方、 EUは、ことし1月に導入したBRRD=銀行再生・破綻処理指令に基づき BAIL IN(預金者や投資家負担)を主張。

そもそも国民の血税を使って銀行救済をすることや、「銀行危機」と「財政危機」の負の連鎖を断ち切るために、BRRD が導入されたことを考えれば当然です。

このBRRDの例外規定(324 項)を使って公的資金を注入することが落とし所のようですが、そんなことをしたら、今後の財政運営で EUの干渉が強くなるのでしょうね。

かと言って、BAIL IN 救済に乗り出せば、イタリアの銀行債を保有しているのはイタリアの一般の人なので、政治的に厳しい!

(Reuters)

10月30日(あるいは翌週)に上院の権限縮小(定数を315 100 )の是非を問う国民投票が実施されます。パドアン財務相のボス様のレンツィ首相に対する事実上の信任投票。否決されれば首相は辞任を示唆しており、政局が一気に不安定化。

というわけで、この66歳のオッチャンは本当にたいへん。この男に任せて大丈夫か?と不安になりますが、 safe pair of hands(適切な判断ができる人) と評しています。 

FT"Safe hands" tested as Padoan gets to grips with Italian banks(イタリア銀行問題の解決を任されたパドアン財務相の能力が試されている)はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。


去年11月、ローマの高級ホテルで記者と会食していた時、イタリアのピエール・カルロ・パドアン (Pier Carlo Padoan)財務相は、「魔法の杖があったらイタリア経済をどう立て直すか?」と聞かれた。その答えが窮状を物語っている(the answer was telling)

「金融危機のあとに積み上がった銀行の不良債権を一掃する」と言ったのだ。

あれから 9か月。労働市場を研究するエコノミスト出身の控え目な66 歳の男は、いま、人生最大の試練を迎えている。彼がピンポイントで指摘した問題により、イタリアの金融システムが混乱しているのだ。

イタリアの銀行は3600億ユーロ(約 41 兆円)の不良債権を抱えている。景気が回復局面にあった時も処理が遅かった。投資家はいま、ヨーロッパの金融システムで最も弱いイタリアを標的にしている。イタリアの銀行の株価は急落し、世界の政策当局者を不安にさせているのだ。

パドアン財務相は、イタリアが世界経済の先行き不安の震源地としてスポットライトを浴びていることを決して楽しんでいるわけではない。先週、中国・四川省の成都で開かれたG20 会議では、市場を安定化させようと躍起だった。
(FT)

今週は、非常に重要となる。パドアン財務相の指揮のもと、イタリア政府は、資本不足に陥っている3の銀行=モンテ・デイ・パスキ・デ・シエナについて、民間セクターを活用して資金を注入する方策を模索している。

しかし、こうした"市場の解決方法 (market solution)"が実らなければ、イタリア政府は、公的資金を使ってモンテ・パスキを救済するという、政治的に難しい道に踏み出さざるを得ない。 

EUが公的資金の注入を規制していることから、違反せずにどう救済策をつくるのか、イタリア政府とEU本部 はこれまでに何度も交渉をしている。

パドアン財務相は、IMF=国際通貨基金や OECD=経済協力開発機構の職員を経て、2014 年にレンツィ首相から財務相に指名された。目立ちたがり屋ではなく、国際機関に詳しいことで知られている。イタリアの難しい状況を EU本部と交渉するには、うってつけだという向きがある。

一方で、パドアン財務相に十分な力量はないという指摘もある。そもそも2014 年の前回のストレステストのあと、イタリアの不良債権処理を強力に進めるべきであったのである。

仮にイタリアが金融危機に陥ることになればパドアン財務相の評価は地に落ちる。

しかし、成功すれば、国内基盤がさらに強固となる。パドアン財務相は世論調査では常にもっとも人気の高い閣僚である。レンツィ首相が辞任するようなことがあれば、暫定政権の首相としての声もあがる(a possible leader of caretaker 
government should Mr. Renzi resign )。

パドアン財務相を知る人は「彼のスーツはしわくちゃで、怒りっぽいところもある。それでも、イタリアを思い、適切な判断ができる男( safe pair of handsだ」と言う。

赤坂にあるトゥーランドット臥龍居へ。友人が勧めてくれて以来、ずっと気になっていました(^_^)


担々麺は、辣香、白胡麻、豆乳、冷やしの4択でしたが、直感で白胡麻を選択。

一口めの印象は、優しくも濃厚な白胡麻が口いっぱいに広がります。続いてじわっと辣油が効いてきます。そして清涼感たっぷりの山椒も。

麺は細麺ストレート。
トッピングは、豚のひき肉とネギなどのオーソドックスな内容でした。


担々麺の器が白かったら、写真がさらにきれいに撮れたと思います(≧∇≦)


デザート(杏仁豆腐)とお茶がついて1300円。


トゥーランドットは1700年代の「千一日物語」「カラフ王子と中国の王女の物語」に登場するお姫さまの名前(^_^)

「臥龍」は龍が伏せた状態という意味らしいので、「臥龍居」は「伏せた龍が住むところ」っちゅうこと?お店で確認しておけば良かったわ。 

玄関のひまわりが鮮やかでした(^_^)


◆トゥーランドット 臥龍居◆
港区赤坂6−16−10 
Y's CROSS ROAD
03-3568-7190

けさ、アメリカのFRBが公開市場委員会で、追加の利上げの見送りを決めました。予想通りですね。これで5回連続の利上げの見送りとなりましたが、注目の声明では「短期的なリスクは後退した (Near-term risks to the economic outlook have diminished)」として、年内に利上げをするための 布石を打ちつつ、明確にはしないというバランスを上手にとりました。

次回は9月20-21日。WSJは、Fed Leaves Door Open to Move as Soon as September(FRB、9月にも利上げの可能性)と報じています。

(FT)

先立ってFTが社説で、Brexitの影響が後退したことを念頭に、The Fed and BoJ return to familiar questions(FRBも日銀も馴染みの課題に直面)を掲載。サブタイトルは、The Japanese economy needs both monetary and fiscal stimulus(日本経済に必要なのは、金融と財政と両方の刺激)です。

あす(29日)、日銀の金融政策決定会合で追加緩和を決め、同時に新しい経済対策の詳細を発表することで効果を出せ、という主張です。

▼安倍首相が27日に28兆円規模の経済対策に言及する前、さらに▼「日本政府が50年もの国債の発行という、永久債(perpetual bond)に近く、事実上のヘリコプターマネーを検討している」とWSJが報じる前に書かれた社説です。

タイトルが②なのは、4月に「ヘリコプターマネー」のタイトルをすでに使っていたため(^_^;
【ヘリコプターマネー】

ざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。

(Reuters)

Brexitの影響が世界の市場から徐々に薄れる中、欧州以外の中央銀行は世界経済の先行きという懸念から離れ、自国経済に再び集中できる。アメリカと日本の中央銀行はともに今週、金融政策を決める会合を開く。

FRB の判断の方が簡単だ。政策金利を動かす差し迫った理由はなく、今後発表される経済データを待つだけの余裕がある。

(Bloomberg)

一方、日銀は景気を引き続き刺激しつつ、歪みを避けるという難しいチャレンジに直面している。これは間もなく行われる財政出動という形で助けられるだろう

安倍政権はここ2年あまり、過度に緊縮型の財政政策をとってきた (overly tight fiscal policy) が、消費税率の引き上げを先送りすることを決めた上に、近く新たな経済対策を発表すると示唆している。

多くの投資家は、日銀が今週の金融政策決定会合でマイナス金利の幅を拡大させるなどの追加緩和に踏み切ると見ている(Many investors expect the BoJ to add to its quantitative easing program this week and possibly deliver another cut in rates to further below zero )。

期待が金融市場に織り込まれていることを踏まえると、日銀が何らか動かなければ、望まない円高をもたらすことだろう。

次の一手としては、ヘリコプターマネーがあり得る。これは、経済にお金を直接流し込むことであり、各国の中央銀行から見てもこれは大胆な政策だ。

(FT)

しかしながら、日本の長期金利の低さを踏まえると、さらに日銀がすでに景気を刺激するためにさまざまな政策をとったことを踏まえると、現時点での金融緩和は、財政を拡大させる政策とセットで行うことでこそより効果がある( given how low Japanese interest rates are and how far the BoJ has already gone to provide stimulus, any monetary easing program at the moment is far more likely to be effective if it essentially accommodates a fiscal expansion )。

安倍首相は近くそうした政策を発表することを示唆している。規模、中身、タイミングはすべて重要だ。実体経済を後押しするほどの大きな規模が必要であることは言うまでもないが、さらなる公共事業ではなく家計に集中的に資金を配分させることが効果的である。

日銀の金融政策と同時に発表することも効果をあげるだろう

そうすることで、景気刺激のためには財政政策と金融政策の両方が必要だという点を強調することになる( It would also be useful to  as the BoJ decision, underlining that fiscal and monetary policy need to work together to boost the economy )。

世界の政策当局者の間では、イギリスの国民投票以前の状況に戻りつつあるという歓迎ムードが広がっている。米FRB と日銀に求められていることは、簡単ではない。特に日銀にとって。しかし、直面している課題やリスクは、 (Brexitのような新しい問題ではなく) お馴染みのものに戻りつつある


民主党の全国党大会がフィラデルフィアで開かれています。


(DNC公式HP)


日本時間のけさ、ヒラリー・クリントン氏が主要政党として、史上初の女性大統領候補に正式に指名されました。DNC(民主党全国大会)の中継映像を見ながら独立宣言が行われ、自由の鐘があるフィラデルフィア 輝かしい瞬間だなぁと思いました、まずは。


(DNC公式HP)


しかし、話題の多くは民主党の恥ずかしいメールのやりとりが流出した件(その結果、党大会の直前に民主党全国委員長が辞任する事態に)。


それをロシアの陰謀だと主張しているのがヒラリー・クリトン陣営。それもトランプ氏を勝たせるための陰謀ですって。なんだかスパイ映画みたい!

 

New York Timesまでもが報道したことで、「それってみんな知っていることよ」的な感じで、どんどん独り歩きしているようです。


その記事とは、 As Democrats Gather, a Russian Subplot Raises Intrigue(民主党の党大会を前にロシアの陰謀説浮上)はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。


 (NY Times)


ロシアのプーチン大統領がトランプ氏を勝たせるためにアメリカ政治にちょっかいを出しているのではないか?囁き程度だったロシア陰謀説が、もしや本当か、に変わったのは22日。 


DNC=民主党全国委員会がクリントン候補に肩入れをし、サンダース候補の躍進を阻もうとしていたことを示すメールおよそ2万通がDNCのサーバーから盗まれたことで、ロシアの諜報機関が2016年のアメリカ大統領選挙を混乱させているという議論がいっそう活発になった。


民主党の全国大会の前日にDebbie Wasserman Schultz委員長が辞任する事態に発展した。


 (Reuters)


サーバー攻撃の発信源を特定するのは極めて難しいが、サイバーセキュリティ企業=CrowdStrikeなど複数の専門家がロシアの 2つの諜報機関がDNCのサーバーをハッキングしたと結論づけた。去年、サイバー攻撃を受けたホワイトハウス、国務省、それに統合参謀本部と同じロシアの機関だという。


それに、暴露されたメールのメタデータ(データの属性情報)は、ロシアのコンピューターを経由したことを示唆している。プーチン大統領の命令によるものか、共産党政治局員が大統領を慮ってやったものかは、想像の域を出ない(Whether the thefts were ordered by Mr. Putin, or just carried out by apparatchiks who thought they might please him , is anyone’s guess)

 

(NY Times)


日曜日の政治トーク番組でクリントン候補の選挙参謀のRobby Mook は、「トランプを勝たせるためにロシアがメールを暴露した」と述べたが、情報源を「専門家」とするにとどめ、詳細を明らかにしなかった。


信じられないようなことが起きた瞬間だった。冷戦のピーク時にだって、相手陣営がアメリカの敵国と裏取引をしているなんて主張する大統領候補陣営はなかった


しかし、この批判はクリントン陣営の重要なテーマとなっていて、トランプ氏が孤立主義者であるだけでなくロシアに対して甘い対応を取る姿を描写している。


トランプ氏自身も大統領になれば「ロシアとは仲良くやる」と言っている。またプーチン大統領がオバマ大統領よりも良いリーダーだと称賛し、逆にプーチン大統領もトランプ氏を褒め称えている。


とは言え、トランプ候補の選挙参謀の Paul Manafort が「ロシアとのつながりなんてない。ばかげた主張だ」と政治トーク番組で反論した。


 (Reuters)


サイバー攻撃が何の目的で行われ、本当にロシア当局あるいはプーチン大統領の指示で行われたのかを特定するには何か月、あるいは何年もかかるかもしれない。


ただ、仮に国家ぐるみのサーバー攻撃だったとすれば、▼中国政府をバックにしたハッカーによる連邦人事局、▼オバマ大統領が北朝鮮を名指ししたソニーピクチャーズに対するハッキングに並ぶ規模である。


それらは、恥ずかしいメールの数々が暴露されたものの、政治的な意味合いはなかった。今回の WikiLeaksによる暴露は、ロシア型の情報戦争を思わせる。ハッカー集団は2つで、Cozy Bear = APT29とFancy Bear = APT28と呼ばれていて、GRU = ロシア連邦軍参謀本部情報総局が運営しているようだ。

 

諜報のための侵入は決して珍しいことはなく、アメリカだって諜報機関や政党からメールやほかの極秘情報をよく盗み出している。しかし、WikiLeaksの今回の暴露が特徴的なのは、大統領選挙を左右しかねないという観点から、諜報活動で得た情報が"武器として使われている( weaponized"ことだ。


もう1つは、トランプ陣営の選挙参謀のPaul Manafortがロシア政府が後ろ盾だったウクライナのViktor F. Yanukovych元首相のアドバイザーだったことだ。 


Yanukocychはプーチンの友人で今はロシアで亡命生活を送っているが、ウクライナを追放された 2年前までManafortがアドバイスをしていた

今週末はイタリアの銀行問題が焦点です。渦中のイタリアの財務相Pier Carlo Padoanはおとといまで中国で開かれた G20財務相・中央銀行総裁会議に出席。

パドアン財務相は、銀行救済にあたって株主や債権者に損失負担を求めるbail-in を拒否しました。 29日に発表される銀行のストレステストの結果が出る前に今、イタリア国内でさまざまな準備をしつつ、EU と交渉している様子が伝わります。 

Italian finance minister rejects need for banks bail-in(イタリア財務相、bail-in型の銀行救済を否定)はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。

個人投資家に負担を求めるEU のルールやイタリア政府の対応については、以下の 2つもご参照ください。

【八方ふさがりのイタリア】

http://blog.livedoor.jp/kaoriiida/archives/63087203.html

【どうなるイタリア銀行支援】

http://blog.livedoor.jp/kaoriiida/archives/63851600.html

イタリアの財務相=Pier Carlo Padoanイタリアの金融システムに問題があるという見方を否定し、個人投資家にも負担を求めるbail-inを拒否し、イタリアの金融機関の経営は健全だとして世界市場に安心するよう強調した。  

中国・四川省の成都で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議の最終日にパドアン財務相は「適切な方向に向かっている。システミックリスクではない」と述べた。その上で、重要な問題があるとしてもそれは「対処済み(contained)」だと付け加えた。

G20は共同声明で、経済成長を下支えするために「あらゆる政策手段を使う」と合意し、Brexit をきっかけにした保護主義的な動きやイギリスとEUの将来の関係などマイナスな影響があればすぐに対応する準備はできるとした。 2 日間の G20は、Brexit 一色となったのだ。

パドアン財務相の発言は、今月29日にイタリアを含めたヨーロッパの銀行のストレステストの結果が発表されるのに先だって行われた。その結果、少なくても 1つのイタリアの銀行は資本増強に走ることになると見られている。

(Reuters)

アメリカのJack Lew財務長官は、2国間の会談の中でパドアン財務相に対して、ヨーロッパの銀行はここ最近の構造改革を経て経営体力が増したものの、さらに改革が必要で、イタリアの銀行は不良債権処理を進めるべきだという考えを示した。

イタリアの銀行は、Brexitをめぐる国民投票のあと、ほかの国比べても大きな影響を受けた。というのは、リーマンショック以来の不良債権を抱えたままだからだ。

ストレステストの結果を受けて、イタリア政府による公的資金の注入の可能性が増すことになり、同時にEUの厳格なルールに従って個人投資家に負担を求めることになる。

しかしながら、イタリア政府は個人投資家の負担を回避するための方策を練っており、パドアン財務相は bail-in(株主や債権者に損失負担を求めることで銀行を救済)について「現段階ではない」と述べた。

ポケモンGO が大ブーム。とりあえず、若者たちとの会話についていくためにも初日にダウンロードしてみました。


確かにモンスターを捕まえると楽しいですが、ポケモン世代でもないので、長続きしない気がします。お金を払ってまでやろうとも思いません。


(FT)


ケモンGOのゲームアプリを開発したのは、 株式会社ポケモン(任天堂、クリーチャー、ゲームフリークの3社が共同出資したポケモンのプロデュースをする会社)と米ゲーム開発会社 Nianticです。


任天堂はしょせん、株式会社ポケモンに出資しているに過ぎず、得られる利益はマイノリティだ、▼クローズドな世界で自ら開発できた家庭用ゲーム機とは違い、 スマホ向けのゲームアプリはオープンな世界という任天堂には不慣れな領域のため、任天堂の株主は現実を見よ、と注意喚起しているのがFT Nintendo has ventured into a scary world(任天堂はこわい世界に足を踏み入れた)という記事です。


サブタイトルは、Investors are going crazy about Pokemon Go but they should calm down and examine the reality (投資家はポケモン GOに熱狂しているが、冷静になって現実を見るべきだ)。ざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。


(公式HPより)

熱狂とは本当にすごい。AR=拡張現実の技術を使って任天堂のポケットモンスターを現実の世界とスマホ画面に重ねて表示するゲームアプリのポケモンGOは世界を制覇 した。 76日にアメリカなどで配信が始まって以降、ユーザーは公園に集まったり、レストランに走り込んだりして、ピカチューなどのモンスターを探し求めている。

投資家も熱狂気味だ。任天堂の株価は、ポケモンGOWii Uなど精彩を欠いた家庭用ゲーム機(ビデオゲーム機)への依存から、成長著しいスマホ上のゲームに一気に移行させて会社の救世主になるのではないかという期待から、急上昇した (on hopes Pokemon Go can rescue the company from dependence on lackluster consoles such as the Wii U, and propel it into a world of growth in casual games on smart devices)

みんな、落ち着けよ(Calm down, everyone)

新しい姿に生まれ変われる企業と言えば、任天堂だろう。ゲームセンターにあるゲームのメーカーだった任天堂は、1980年代に家庭用ゲーム機のメーカーに脱皮 した。その10年後、危機に陥ったとき、Wiiを開発 し、SonyPlayStation 3 MicrosoftXbox 360 を打ち負かした。

これを支えたクリエイティブな天才は、宮本茂だ。Donkey Kong Super Marioの生みの親であり、「世界中の人たちに笑顔を」とういう任天堂のミッションを全うしてきた。任天堂というのは、世界中の人たちに笑顔をもたらすだけでなく、もたらし続けられる不思議な力を持っている。 ポケモンシリーズはことし、20周年を迎える

浮き沈みの激しいIT業界で生き延びるコツは、ゲームと機械の好循環 であった。人気のビデオゲームの命は短いかもしれないが、消費者がゲーム機を買うことで、ほかのビデオゲームを買いたくなる。クリエーティビティーこそ任天堂の原動力だったのだ。

であれば、世界中のスマホを持った若い人たちがポケモンを捕まえようと走り回るゲームアプリは任天堂にとって素晴らしいことに違いない。おそらく、京都の本社では役員たちはウハウハしていることだろう。

まぁ、ある程度はそうかもしれない。

第一に指摘しなければならないのは、任天堂はポケモンGOを開発したわけでも保有しているわけでもないことだ。 株式会社ポケモンの株式を33持っていて、株式会社ポケモンが Niantic というGoogle出身のJohn Hankeが設立したAR=拡張現実のゲーム開発会社 に、権利を去年ライセンス供与したのだ。しかし、任天堂がポケモンGOから得られる収入はマイノリティに過ぎない。


  
(公式HPより)

もちろん爆発的人気の社会現象を生み出した会社にマイノリティであっても、出資している方が出資していないよりも良いに決まっているが、もっと大きな問題が浮き彫りになっている。任天堂は、ゲーム機を自らデザインし、人気ゲームを自ら出しているものの、スマホの世界に入るにあたって、パートナーに頼ってきたNianticとは別に、日本のゲーム開発会社 DeNAとも5つのスマホゲームを開発中である。

任天堂はこれまで、自らのゲーム機のためのゲームを作るという"walled garden(壁に囲まれた庭)=クローズドなプラットフォームにこだわってきた。しかし、スマホの世界に踏み込んだことでプラットフォームを自らコントロールができなくなりiPhoneAndroidのスマホ向けのゲームを提供しなくてはならなくなったことで、かつての"壁に囲まれた庭"が弱まる。競争も激しい。これは、独占的に持っていた1つの技術=ゲームセンターのゲームから別の技術=家庭用ゲーム機へのかつての脱とは異なる。

今の新しい技術は、オープンでありスマホ向けである。位置情報、地図情報、バーチャル、AR=拡張現実はいずれもそうだ。これは Nianticのようなシリコンバレーのソフトウェア会社に有利となる。任天堂はパートナーシップから学ぶことができるだろうが、不慣れな領域である。

第二に指摘したいのは、スマホゲームのビジネスモデルが不思議だという点だ。ポケモンGOを例に見てみよう。ユーザーは無料でダウンロードして、モンスターをおびき寄せるための"お香"や捕まえるためのポケボールなどのアイテムを追加で購入する。しかし、多くのユーザーは課金されまで遊ばないことが分かっている。爆発的な人気となった Candy Crushを開発したKing Digitalは、Activision Blizzardに買収される前の2013年に月間ユーザーのうち96%が一銭も課金に応じなかったと公表した。

それでもスマホのアプリは、利益をあげることができる。Activision Blizzard59億ドル(約6000億円)を払ってまで King Digitalを買収したのは、安定した売り上げと高い利益率があったからだが、それも危うい。ポケモンGOは、ビデオゲームのように60ドル(約6300円)で販売されるわけではないし、直接、ゲーム機の売り上げに貢献するわけでもない。ヒットは出し続けないといけないし、チャリンチャリンとお金が入ってこないといけない。 


  
(公式HPより)

任天堂はパラダイムシフトの中で理想的な位置にあると言えるかもしれない。爆発的に人気となるキャラクターを作り出すからだ。NianticJohn Hankeはポケモンを「世界の男性にも女性にも、そしてあらゆる世代にも受け入れてもらえる貴重な知的財産」だと言う。


モフモフしたモンスター探し(cuddy monster hunt) が嫌いだという人なんていないだろう。しかし、任天堂の株主は熱を上げるる前に現実を見るべきだろう


John Hankeについては、こちらもどうぞ。

【ポケモンGOの生みの親】

http://blog.livedoor.jp/kaoriiida/archives/63508443.html

あすからまた月曜日ですね(≧∇≦)Wall Street Journalによると、今週の注目は以下の通りです。

(WSJ) 

■7月26 日(火)と27 日(水)に米FRBの公開市場委員会が開かれます。政策金利を据え置くと見られている。 27日に発表される声明の中で9月、さらにそれ以降の公開市場委員会での考え方を何らか示唆するだろう。

雇用や賃金をめぐる統計の改善や Brexit 後の市場の安定を受けて、FRB高官は経済の先行きに対して自信を強めている。

 ■29 日(金)に商務省がことしの第2・四半期のGDPを発表する。このところ個人消費は伸びていることからGDPの改善が期待されている。

民間エコノミストは、年率にして2%から3%の伸びを予想している。第1・四半期の 1.1%からの改善となる。

■27 日(水)に商務省が6月の耐久消費財の受注動向を発表する。自動車やブルドーザーといったモノが工場からどれだけ売れたかを示す統計で、個人や企業からの需要が拡大しているかどうかが分かる。

耐久財の売り上げはとのところ、あがったり下がったりと不安定(choppy)で、5月には対前月比でも、対前年同月比でもマイナスとなった。

 ■28 日(木)に商務省が6月の貿易統計の速報を出す。世界経済の不安がどれだけアメリカの輸出業者に打撃を与えているどうかが分かる。

 ■28 日(木)に商務省が6月の住宅売り上げを発表する。住宅市場はことしに入って、もっとも明るい材料で、データしだいではその勢いが維持されているかどうかが分かる。

イタリア最古の銀行=モンテ・デイ・パスキ・デ・シエナ(Monte dei Paschi di Siena)の不良債権処理の遅れ"イタリア発の金融危機"につながるのではないかと不安視されています。


(すべてFT)


ECB=欧州中央銀行がイタリアの銀行の資産を査定して健全性を確認するストレステストの結果を発表するのは7月29日。ぎゃ、来週だ!

 

FTItaly eyes private deal to bail out bank(イタリア、銀行救済のために民間資金を活用した解決策に着目)では、いわば"最後の買い手"のアトランテという銀行救済基金に追加的に資金を投入して、 EUのルール(公的資金を注入して銀行を救済する際にはまずは債権者が損失負担を)の回避を目指すと書いています。


公的資金注入による銀行救済= bail out を主張するイタリア政府VS 投資家にも負担を求めて銀行救済=bail inを主張するEUのバトルです。

 

記事は、ざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。


 

イタリア政府は、国内第3の銀行=Monte dei Paschi di Sienaを救済するため、民間セクターを使った解決策に着目して検討している(Italy is eyeing a "private sector" solution)。政府高官や銀行幹部によると、そうした手法で EUの公的資金救済に対する厳しい規制を回避しようとしていると言う。


イタリア政府の計画は、公的銀行のCassa Depositi e Prestitiを関与させるもので、最終的にはEUの公的資金に対する規制に反するリスクがある。


イタリアは、7月29日に出る銀行のストレステストの結果に備えていて、今回の計画は借り手を保護するために公的資金を使うことを巡って EU本部との対決を避けるものだ。

 

もとは、Monte Paschi銀行に直接公的資金を注入する予定だったが、それが認められないことからイタリア政府は今、民間や公的機関の資金を使って、不良債権を好条件で買い取る案を模索している。


民間銀行などが出資して最近作ったAtlanteという銀行救済基金を用いることになり、 EU本部の事前許可は必要ない。


しかしながら、あらゆる政府の介入は公的資金が隠されていないかどうか、EU本部が注視している。不良債権を処理するための方策はEUの法律のもとでも認められているが、すべての取引は時価で行われることが求められ、民間投資家も公的機関と同じリスクを負うべきとされる。


月末のストレステストに先だって、425000万ユーロ(約5000億円)規模のAtlante基金に対して、預託貸付公庫=CDPや公的年金基金が20億ユーロ(約2300億円)の追加資金を投入することになる。

 

関係者によると、この計画の目的は、Monte Pasciが持つ不良債権のうち少なくても100億ユーロ(約11800億円)を証券化するための射撃能力 (firepower)Atlanteに持たせることだ。銀行は、新たに35億ユーロ(約4100億円)の資金を市場から調達するとも言う。市場からの調達については、ユーロ圏の複数の高官は無理だと見ている。

 

創業544年で世界最古の銀行のMonte Paschi は、すでに2度にわたって公的資金による救済を受けており、株価は帳簿価格のわずか8%で取引されている。あわせて 500億ユーロ(約 59000億円)にのぼる不良債権に対する懸念から、株価はことしに入って75%も下落。1600億ユーロ(約18兆円)の総資産の3分の1にあたる規模だ。 


20日に EUの最高裁判所=EU司法裁判所が、打ちひしがれた借り手を保護するために税金を使うべきではないというEUの指針を支持したため、イタリア政府による公的資金を使った単純な資本増強という希望は消え失せた(Italy’s hopes of a simple recapitalization were dashed)

 

EU司法裁判所の判断の結果、公的資金をめぐってイタリア政府と交渉を続けているEU本部の力が強化された。


EUのルールでは銀行債保有者の一部に対して負担を求めている。イタリア政府は、 EUのルールを厳格に採用すれば個人投資家に打撃となり、政治的な影響は大きいとしている。



とりわけ、この秋、職を賭して憲法改正の国民投票を行う改革派のレンツィ首相にとって痛手だ。 IMFによると、イタリアの投資家はイタリアの銀行の債務を2310億ユーロ(約27兆円)保有している。


EU高官によると、銀行債のリスクの高さを十分に説明されずに銀行債を購入した個人投資家に対して、イタリア政府が損失を補てんすることは止められないと言う。


現にスペイン政府は、 2012年に 100万の銀行債保有者が打撃を受けた際にこの手法を講じた。

 

イタリアの銀行の株価は、20日再び下落した。3600億ユーロ(約40兆円)の不良債権を抱え、4兆ユーロ(約 47000億円)のイタリアの銀行セクターの安定性に対する不安、さらに公的資金の注入を規制したルールの回避策を策定するのが難しいという観測が広がったからだ。

 

銀行幹部の1人は「何年にもわたるMonte Paschiの問題を民間セクターで解決する最後の試みだ。うまくいくかもしれない」と述べた。「でなければ、個人投資家に損失を負担してもらわないといけない。レンツィ首相はそれはしたくないんだよ」とも。

 

Atlanteが民間企業として構成されていれば、イタリア政府はEU本部から事前許可を取る必要はない。しかしながら、預託貸付公庫=CDPが不相応なリスクを負うような形で投資条件が変更されれば、公的資金にあたるして調査が行われ、この構想自体がなくなることになる。


交渉にあたっている政府高官の 1人は、Atlanteが不良債権を34セント程度に設定することもあり得ると言う。これは市場価格の20セントよりも帳簿価格の40%に近い。これにより、イタリアの経済規模の20%にあたる 3600億ユーロ(約 40兆円)の不良債権について、新たな市場が誕生することが期待されている。


仮にイタリア政府が何らかの公的資金を使うことを認めれば、EU本部が資産の移転について価格の審査を行うだろう。 Monte Paschiの不良債権の売却に向けて民間投資家を探す取り組みはすでに始まっていると言う。


IMF=国際通貨基金のイタリアに関する報告書はこちら。

http://www.imf.org/external/pubs/ft/scr/2016/cr16223.pdf?hootPostID=54f8b2d32df88a96490110fa1d07b370

キティちゃんって世界のどこでも人気!
今や日本のカワイイ文化、いや日本そのものを代表するスターです(^_^)

(Reuters)

先月、北京のマクドナルドでもキティちゃんを見つけました。


一瞬、ニセモノだと思ったのですが、どうも本物みたい(^_^;)


The Economistの今週号に台湾でいかにキティちゃんが自らのアイデンティティに直結しているかという記事を発見。

Taiwanese identity, Hello Kitty, goodbye pandaTaiwan’s obsession with Japanese kawaii culture(台湾のアイデンティティ、ハローキティ、バイバイパンダ~日本のかわいい文化に対する台湾の憧れ)は、キティちゃん=日本パンダ=中国として、両国との距離感について。

ざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありまえん)。

キティちゃん好きとしては、見逃せませんでした。

(The Economist)

この春、世界で初のハローキティをモチーフにした列車が台湾で運行を開始。あまりの人気で、キティちゃんが描かれた頭のカバーのほぼすべてが初日になくなってしまった。

(Reuters)

先週、台湾第 2の航空会社EVAがハローキティのパリ便を増便すると発表した。

(Reuters)

ほかにもあわせて10のフライトで枕やスリッパをキティちゃんにしている。

(Reuters)

台北の空港にはハローキティのチェックインカウンターのほか、土産店、さらに授乳施設まである。台北にあるキティちゃんのしゃぶしゃぶ屋では、豆腐が猫の形でリボンの形のイカ団子が出される。キティちゃんのシュワシュワのドリンクつきだ。夜の屋台に行けば、キティちゃんのグッズであふれている。トランクスまでもが!

この熱狂振りは幼児向けの商業主義としては片付けられない。ハローキティは意外にも台湾のアイデンティティとなっているのだ。日本のカワイイ文化の受け入れである。そして、台湾が中国と異なることを示す証でもある。それはハローキティ列車を見れば明白だ。 

8つの車両はそれぞれ、世界の異なる地域をイメージしている。台湾が1つで、残りの7つがその他。台湾車両では、台北を代表する高層ビルのふもとでキティちゃんがお茶を飲んでいる。着物姿のキティちゃんを挟んで、パンダや万里の長城を訪ねるキティちゃんがいる。

(Reuters)

台湾のハローキティの世界では、台湾は1つの車両を占める一方で、中国はその他アジアの扱いである。

この熱狂振りのきっかけは、 19998月にマクドナルドがキティちゃんをおまけとして配ったことだ。50万個のおまけがわずか4時間で消えた。その年の後半、現地の通信会社がキティちゃんのテレホンカードを売り出したところ、5分で5万枚が売り切れた

(Reuters)

カワイイ文化は、政治にも。ことしの台湾総統選挙で、中国との統一を目指す国民党に対して、独立を目指す民進党は、 蔡英文候補のキャンペーンビデオを日本のアニメ風にして出した。ビデオの中で蔡英文氏はネコ女として空を飛び、台湾に灯りをともした。

ビデオは、台湾の公式言語のマンダリンではなく、かつて国民党にさげすまされた台湾語だった。台湾には日本の統治を懐かしむ人もいる。

ハローキティは、日本以上に日本っぽくなることで、台湾らしさを示しているようだ。 (Now Hello Kitty allows the Taiwanese to be Taiwanese by outdoing the Japanese at being Japanese)

おとといの晩、ソフトバンクがイギリスの半導体開発会社=ARMホールディングスを3兆円以上かけて買収すると発表しました。ロンドンで行われた会見をネット中継で見ていましたら、孫正義社長は「パラダイムシフト」を強調していました。

(FT)

ソフトバンクからすれば、パラダイムシフトを象徴する買収であり、エキサイティングですが、イギリスから見るとまったく違う景色が見えます。

FTのUK government welcomes Arm takeover but tech leaders mourn loss( 英国政府はARB買収を歓迎も、ITリーダーは嘆く)によると、イギリスを代表する企業の買収ーそれも「肉食外資」による買収ー は、相当にショックだったみたい(≧∇≦)

ざっくりこんな内容です(全文の翻訳ではありません)。

本文に登場するARMの創業者がBBCのインタビュー(動画)でも同様に嘆いています。


イギリス政府はソフトバンクが243億ポンドで半導体開発会社のARMホールディングスを買収し、新たな雇用を創出するという約束を歓迎した。

しかし、野党やIT業界のリーダーからはARMが外資に買収されることでイギリスのIT業界にとっては大きな打撃だ(a big blow)という警告も聞かれた。

(FT)

フィリップ・ハモンド(Philip Hanmond)財務相は、ソフトバンクによる買収について、イギリス経済に対する「信頼の証(big vote of confidence)」として、イギリス国内の雇用を倍増することを手放しで支持した。

18日の記者会見で、ソフトバンクは、イギリスでのARMの雇用を新たに1500人分を創出し、海外でも雇用を増やすことを約束。日本のソフトバンクはさらに、ARMの本社を引き続きケンブリッジに置くとも言った。

しかし、元ビジネス担当相のVince Cableは、閣僚に対してデューデリジェンスをもっと徹底するよう求めた。彼は、2014年に米製薬会社Pfizerによる英AstraZenenca買収騒動の際、イギリスの雇用と開発拠点を守ることを法的に縛らない限り、阻止すると声高に叫んだ人物である。

ケーブル氏は「本件がよいことか悪いことか、すぐに結論は出せない。ARMはイギリスで唯一残された大手のIT企業(the last big British tech company which is standing)である。潜在的な影響を無視できない。Pfizerの経験で学んだはずだ」と述べた。

さらに「イギリスで大手のIT企業を成長させられないこと自体が心配だ。アメリカのFacebookやGoogleのような会社はイギリスでは生まれない。一定の大きさまで成長すると乗っ取られてしまうからだ」とも。

(FT)

メイ首相は、イギリス企業を肉食系の外資(predatory foreign 
investors)から守ることを約束
して先週、就任したが、政府による介入の力は限られる

労働党のIain Wright議員は、今回の買収提案について自らが議長を務めるビジネス委員会で検討する案件だという考えを示した。

その上で「まずはビジネス担当相のGreg Clarkからイギリス政府のアプローチを確認したい」と述べた。Wright議員は「片方ではイギリスがビジネスにオープンであることはよいことだ。一方で、外資がイギリス企業をイギリスから移転するリスクもある」と言う。

ARMは、1990年にAcorn Computersからスピンオフしたが、当時ARMの創業にかかわったHermann Hauserは、ソフトバンクによる買収について、Brexitによる
「悲しく、思わぬ影響だ」と説明
した。

(BBC)

現在はAmadeus CapitalのパートナーとなったHauser氏は、ソフトバンクによる買収はイギリスのIT業界にとってはバッドニュースだと指摘する一方で、それを阻止する権限は政府にはあまりないことも認めた。

「ARMは私の人生でもっとも誇るべき精華であり、イギリスのIT業界で最大のプレイヤーである。ARMの将来はイギリスの経営陣によって決めることができたが、今後は日本で決まることになる」とFTへのインタビューで答えた。

「ソフトバンクは買収相手としては妥当だと思うが、これは残念ながらBrexitの思わぬ影響である。通貨ポンドの下落によって企業価値が下がった。もちろん以前から検討されていたと思うが、今動いたのはチャンスだったからだ」と分析した。

さらに、「独立を失うのは悲しいことだ。イギリスはITの世界でどんどん小さなプレイヤーになっている。ただ、介入の根拠はあるか?国際的に考え ればない」とも述べた。

調査会社TechMarketViewのRichard Holway会長は、ARMが「肉食系の外資」に乗っ取られたことを受けて、ポンドがドルや円に対して急落していることを踏まえて、ほかのIT企業も「非常に脆弱になる」と指摘する。「イギリスではハードウェアのメーカー、ソフトウェアのメーカー、
IT 企業を育ててきたが、最終的にはフランス、アメリカ、あるいは日本の投資家に買収されている」と続ける。

ARMは、ソフトウェアメーカーSageと並んで、ロンドン証券取引所に上場し、イギリスの株価指数FTSE100を構成するIT企業わずか2社のうちの1社である。

ソフトバンクが買収することでイギリスの株式市場からなくなることは、ただでさえIT 企業を専門とするアナリストの輪をさらに小さくすることになるという懸念が広がっている。

クリーブランドで共和党大会が始まりましたね。トランプ氏が最終日の21日に大統領候補としての指名を受諾する演説を行います。今週のThe Economist  の表紙は、へたりと座り込んで頭を抱える自由の女神 


DonaldTrump and a divided America (ドナルド・トランプと分裂したアメリカ)とあります。ポピュリズムと移民排斥を主張し、ここまでアメリカを分断させた大統領候補はいません。

巻頭の  Election 2016, The dividing of America ( 2016  年大統領選挙、アメリカの分裂)はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。

(Reuters)

レーガン大統領の "Morning in America (アメリカに朝がきた)  " から、オバマ大統領の  "Yes, we can" まで、大統領選挙とはいかに明るい未来を示すことができるかという戦いだった。大方、もっとも楽観的なメッセージを示した候補が大統領となった。  

2016 年の大統領選挙では、それが覆された (turned on its head)  。アメリカは今、もっともアメリカ的でない悲観論に覆われている。人種問題しかり、経済問題しかり。左よりの政治家も右よりの政治家もエリート層だけが得をし、一般の国民は享受できない資本主義は失敗したという。

もちろんアメリカには多くの問題はある。とは言え、この図はこっけいである  (this picture is a caricature) 。アメリカはかつてないほど、繁栄と平和を享受し、人種問題も改善しているのだ。

本当の脅威は、全米的な怒りをあおってきたドナルド・トランプ氏だ。クリーブランドの共和党大会で、共和党の指名を受け入れるだろう。

11 月の大統領選挙で勝とうと負けようと、トランプ氏が主張するような機能不全で衰退するアメリカに転換するだけのパワーを持ち合わせている  (Win or lose in November, Donald Trump has the power to reshape America so that it becomes more like the dysfunctional and declining place he claims it to be)   。

現実と彼の発言の落差が大きいのが経済だ。アメリカ経済は 4 ・四半期連続で成長している。ダウ平均株価は最高値を記録したばかり。失業率は  5 %を下回っている。賃金もようやく上昇し始めている。

格差の拡大とグローバル化によって置き去りにされた低技能の労働者の窮状は深刻な問題だが、何年にもわたって悪化してきた。これ自体でアメリカ政治に対する突然の怒りを説明でいない。

人種問題については、実は、大きく前進してきた。  1995 年の段階ですら、世論調査でわずか 50  %が人種間結婚を容認できると回答した。それが今では  90 %近い。 10  組に 1 組の結婚が今、人種の異なる男女で行われている。

にもかかわらず、アメリカ人は人種問題に対していっそう悲観的である。オバマ大統領が就任した  2008 年以降、黒人と白人の関係が良好だと答えた国民は  68 %から 47  %に低下した。

初の黒人大統領の誕生は、人種問題の改善という究極の証のように見えたが、その後、関係が悪化していると考える人が広がっている。白人以外の人口が増えているという人口動態の変化によって、政党の亀裂が激しくなっている。

民主・共和両党は、自らを支持する層があまりに異なり、重なる部分が少ないとして、票を獲得するカギは自分の陣営の支持者の怒りを増幅させ、投票所に足を運んでもらうことだと結論づけた。

アメリカは多くのプラスを持っているにもかかわらず、ナルシストないじめっ子体質で、怒りを増長させるトランプ氏の登場によって、アメリカは自虐行為を犯している。

(Reuters)

トランプ氏が大統領選挙で勝とうものならダメージは図り知れない。通商協定を破棄して、アメリカに雇用を戻せという主張は空っぽに終わるかもしれない。

さらに、メキシコとの国境沿いに巨大な壁を作ったり、1100 万人の不法移民を強制退去させたりすることもできないかもしれない。

しかし、こうした公約を守れなかったとしても、公約をしたこと自体で世界におけるアメリカの評価を大きく下げた。公約を破棄した場合、今度は支持者がいっそう怒るだろう。

トランプ大統領でもっとも心配なのは、自己を抑制できず気性の荒い男が国家安全保障にかかわる問題で素早い判断を求められることだ。アメリカは世界最強の陸軍・海軍・空軍を持ち合わせていて、トランプ大統領の一言で核のボタンを押すことができるのだ。

市場は、トランプの勝利の確率を 30 %程度と見ている。イギリスの EU  離脱を前にしたのと同じくらいの可能性だと見ているわけだ。

トランプ氏が負けた場合でも、これまでのダメージは大きい。すでにメキシコ人、イスラム教徒、女性、独裁者、政治ライバルに対する発言で、政治的な常識を破ってきた。

トランプ氏の成功から得られる教訓は、小さな政府と社会的に保守な考えという共和党の従来の主張よりも、トランプ主義  (Trumpism) というポピュリズムと移民排斥主義の組み合わせ  (blend of populismand nativism)  の方が人気だということだ。

トランプ氏の指名獲得は、共和党の行き詰まりを意味するかもしれない。あるいは、党の将来を示すことになるかもしれない。


今のシステムにノーを突き詰めるためにトランプ氏に投票する際に、有権者は「何か失うものはあるだろうか?」と自問するかもしれない。現にイギリスの  EU 離脱を決めた有権者はそう考えた。

2016 年のアメリカは平和で、繁栄していて、最近のニュースにもかかわらず歴史上かつてないほど人種間が協調して生きている。つまり自問に対する答えは、「失うものはたくさんある」ということだ。

The Economist Intelligence UnitThe Economist のリスク分析の機関)がアメリカ大統領選挙の見通しElection 2016, The unpopularity contest2016 年の選挙、不人気コンテスト)という報告書として発表しました。


(The Economist Intelligence Unit)


結論から言うと、来年1月にヒラリー・クリントン大統領が誕生します。しかし、その後景気が落ち込むことから1期で終わるとしています。なかなかおもしろいので、エッセンスをご紹介ます。


 (The Economist)


<概要>

■われわれは、2016年の大統領選挙の勝者がヒラリー・クリントンだと予想する。同じ日に投票が行われる議会の選挙については民主党が上院を奪還すると予想するが、下院については共和党が維持するだろう。


■クリントン氏は対立候補のドナルド・トランプ氏の人気のなさから得るものが大きい。気性の荒さ、いじめっ子体質、必ずしも成功ばかりでないビジネス経験に対して思い切って攻撃することが功を奏す。


アフリカ系、ヒスパニック系、それにアジア系のアメリカ人からの強い支持を得る。オバマ政権のもとでの景気の安定もクリントン氏の支持を後押しする。


■政策面では、トランプ氏が提唱するメキシコとの国境沿いに壁をつくるとか、不法移民を強制送還するといった計画は非現実的である。


クリントン氏のクリーンエネルギーの推進や、ヘルスケア改革といった政策は支持を得るが、銃規制の強化については難渋する。空席となっている最高裁判所の判事を任命することが新大統領のもっとも重要な判断となる。


クリントン大統領の任期は1だと予想する。2019年に企業の業績が悪化し、景気後退に陥る。有権者は、経済成長を維持できなかったとして民主党を批判する。


■移民政策や移民排斥の言論でやや穏やかな道をとることで、2020年の大統領選挙で勝利するのは共和党である。


トランプ氏に代わるより人気のあるセールスマンを打ち出す。とは言え、白人という支持層が縮小するという長期のトレンドの中でいくつかの政策を修正できるかが問われている。


■民主党と共和党の再編成が起こるだろう。民主党については労働組合の影響が弱まり、自由貿易に舵を取りやすくなる。共和党は、有権者の声を受けて、保護主義的な発言を強め、グローバル化にいっそう懐疑的になる。


その結果、民主党が自由民権運動を取りこんだ20世紀半ば以来となる有権者の党への忠誠に大きな変化が生じる可能性がある。


 (The Economist)


<クリントン勝利の理由>

トランプ候補が有権者の多くにあまりに嫌われていること(Mr. Trump is disliked by much of the electorate)。とりわけアフリカ系、ヒスパニック系の有権者に支持されていない。


人口動態の変化(demographics)。シンクタンクのPewによると2016年の段階で、有権者の 3人に1人がマイノリティだという。トランプ氏がメキシコ人をレープ野郎と呼び、イスラム教徒の入国を禁止すると宣言する中、この過半数はクリントン氏に投票する。


クリントン氏の手ごわい選挙陣営はトランプ氏の弱さを容赦なく暴露(Ms Clinton’s formidable campaign machine to exploit Mr. Trump’s weakness ruthlessly)。気性の荒さ、いじめっ子体質、必ずしも成功ばかりでないビジネス経験を攻撃する。


オバマ政権の景気の安定を享受(benefit from the smooth handling of the economy during the eight years of the Obama administration)。失業率は 5%を下回り、住宅価格は値上がりし、賃金上昇も加速している。

 

(The Economist)


<リスクはテロと景気>

トランプ氏が勝つ可能性は25%程度と見る。トランプ氏に有利に働くのは選挙直前のアメリカ国内テロ選挙直前の景気の悪化


大規模なテロが起きれば、よりタカ派的な姿勢を示してきたトランプ氏に有利となる。また、アメリカが景気後退に陥ったら、オバマ大統領の経済運営の責任とされ、同じ民主党のクリトン氏に不利となる。


われわれは、選挙の前にアメリカの景気が低迷するとは予想していないが、中国経済の減速や欧州経済の政治不安など外的なショックのあおりを受ける可能性はある。


 (The Economist)


<投票行動>

11月8日の大統領選挙で勝利するには、538 の票のうち270を獲得する必要がある。これまでの世論調査を分析すると、トランプ氏が勝利するのは 21州の170 票。一方、クリントン氏が獲得するのは20州の 253 票。


その結果、選挙を決するのは9つの州の 115票ということになる。


(The Economist Intelligence Unit)

Florida29票)、Ohio18票)、North Carolina15票)、Virginia13票)、Arizona11票)、Missouri10票)、Colorado9票)、Iowa6票)、New Hampshire4票)の9つの州のうち、クリントン氏はFloridaOhio、さらにもう1つくらいで押さえることができれば、勝てる


とは言え、今回不確定なのは、トランプ氏が共和党の支持を思ったほど得られない。その代わり、伝統的に民主党支持だった中西部の産業地帯の票を獲得する可能性があり、今回の選挙はかつてないものなのだ (this being an election like no other)

 

拡張現実(AR)のゲーム=ポケモン GOの配信が先週アメリカで始まって以来、たいへんな話題ですね。


(Reuters)


開発したのはNiantic (ナイアンティック)で、そのトップは John Hankeという49 歳の方。欧米の報道ではNianticが中心で、どんな会社か気になっていました。


社名の由来(黄金を運ぶ船の名前で数奇な運命)からハンケ氏の人となりについてFT が特集。 


The man who put Pokemon GO on the map(ポケモンGO  を地図に載せた男)というタイトルがしゃれています。


ハンケ氏はもともと Google Mapで位置情報を担当していたので、そのmap put on map(有名にする)をかけています。ざっくりこんな内容です(全文の翻訳ではありません)。


 

位置情報を示す新しいアプリが登場。爆発的な人気で、サーバーがパンク寸前。まるでポケモンGOのようだが、2005年に発表された Google Earthのことだ。


多くの人たちが生まれて初めて宇宙から自宅の様子を見て、Googleのサーバーがパンクしそうになった。


Google EarthとポケモンGO2つのアプリの開発責任者がJohn Hankeだ。ポケモン GOを手掛けたのはサンフランシスコにあるベンチャー企業のNianticである。これはAR=拡張現実の会社で、ハンケ氏が最高経営責任者を務める。


Nianticの社名の由来は1800年代のゴールドラッシュ時の船の名前で、この船は今ではサンフランシスコの下に沈んでいる。この会社は Googleの社内ベンチャーとして生まれ、去年10月に独立した。

 

ハンケ氏は49歳。デジタル地図作成(digital cartography)や衛星写真を得意とする Keyholeを立ち上げたあとGoogleに買収され、Google10年以上を過ごした。Keyholeの技術がGoogle EarthGoogle Mapの基盤となったのである。


ハンケ氏はカリフォルニア大学で勉強するためにサンフランシスコのベイエリアに引っ越す前は、ミャンマーで米国務省の仕事をしていた。ビデオゲームの会社などあわせて 3つのベンチャー企業を立ち上げ売却した。

 

Google Mapを軌道に乗せ、最初のiPhoneに搭載させることに成功した 2010年には、ハンケ氏は新たなチャレンジを探していて、Niantic Labs(ナイアンティック研究所)を立ち上げた。


当時のことについて、ハンケ氏は去年FTとのインタビューの中で「モバイルのアプリと地理位置情報、それにエンターテインメントが重なる分野を探すために立ち上げた(specifically to explore that intersection between mobile apps and geolocation and entertainment)」と振り返った。


さらに「イメージとしては AR=拡張現実だけど、特別なメガネが必要ない(The notion was that it was augmented reality but it doesn’t require special glasses)」とも。

 

最初の成功事例はこれまでに1500万人を引きつけたIngressという、実際の場所を移動しながら陣取り合戦を繰り広げる SFゲームだった。

 

GPS機能をベースとし、利用者が発する位置情報を活用した Ingressは、ポケモンGoにつながった。ハンケ氏は「このゲームは、緊張をほぐし、人を結び付けるものである。みんながもっとも楽しいのは家から外に出るところにある(The game is icebreaker and glue. The real fun that people get out of it is going out of the house)」と言う。


 (FT)


Ingressのファンの一人が石原恒和氏だった。任天堂とゲームフリーク、それにクリーチャーズが株主の株式会社ポケモンの社長だ。 Googleと株式会社ポケモンは201441日のエイプリル・フールに、Google Mapの中にポケモンを隠すといういたずらを共同企画した。


ハンケ氏は、Googleの持ち株会社の AlphabetからNianticを独立させる前に、ポケモン GOの開発に取り組むという契約にこぎつけた。このためにはGoogle と忍耐強く交渉することが必要だったが、ハンケ氏によると Nianticが伸びるには不可欠な条件だった。「技術的なノウハウGoogle のリソースに本当に助けられた」と言う。


一方で独立したことで、任天堂や Appleといった企業との交渉が「少しやりやすくなった(a little bit easier) 」とも。


 (FT)


ハンケ氏を突き動かすのは、ポケモンをバーチャルな地図の中で追いかけることでコンピューター画面の前から離れ、もっと運動して欲しいという思いだ。


(Oculusと私)


FacebookOculus Riftのようなゴーグルを念頭に「人間は、暗い部屋で頭のまわりに電気機器をまきつけるようにはできていないと思う。外に出て人間どうしのつながりを作ることに私自身は夢中になれる」と語った。


ポケモンGOの安全性に不安を持っている人や、ポケモンハンターが自宅周辺にやってきたという人は、このゲームがそもそも社会に良いものかどうかを議論するかもしれないし、このアプリがこの後も今ほどの人気を維持できるかは分からない。


ポケモン GOは、ヨーロッパやアジアでの配信を始めることで、初期の問題(teething problems)を克服しつつある。ハンケ氏の友人は、シリコンバレーの技術者は「世界を良くしたいと考えていている。ジョン・ハンケは2度も達成した」と言う。

欧州の動きに目を奪われている間に、アメリカの大統領選挙のプロセスが進んでいました(^_^;)


間もなく共和党と民主党の党大会が開かれます。


(以下すべてWSJ)


今月18日から21日までが共和党で、Cleveland, Ohio にて。


今月25日から28日までが民主党で、Philadelphia, Pennsylvania にて。


共和党大会を前に、 トランプ候補が近く副大統領(通称 Veep, VP=Vice President)を正式に決めますね。

 

アメリカの世論調査では、トランプ氏もクリントン氏も共通していかに嫌われているかを示しています。なんてこっちゃ!


Veepは、何か力を持つわけではありませんが(大統領が執務不能になれば代わりますが)、誰を選ぶかはやはりメッセージ性が強いので、今後の世論調査にも影響すると思います。


 

WSJDonald Trump, Hillary Clinton Locked in Tight Race in Ohio and Iowa, Polls Find(トランプとクリントン、オハイオとアイオワで接戦と世論調査)はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。


 

大統領候補のヒラリー・クリントンとドナルド・トランプはオハイオ州とアイオワ州で接戦を繰り広げている。一方、ペンシルベニア州ではクリントン候補が遥かに支持を得ている。どちらも最新のWall Street Journal/ NBC News/ Maristの世論調査の結果だ。


オハイオ州クリーブランドで共和党大会が開かれる直前となった調査では、トランプ氏が産業地帯の中西部 (industrial Midwest)の支持を得てホワイトハウスの主となれるかという見通しに対してあいまいな結果となった(mixed signs)


この地域はトランプを応援するワーキング・クラスの白人が多く住むが、最近の大統領選挙では民主党が勝ってきた。

 

ペンシルベニア州では、クリトン氏が9ポイントのリードを保ち、45%対 36%となっている。毎回接戦となり、有権者も多いオハイオ州では、トランプ氏とクリトン氏は登録有権者のうち、それぞれ39%の支持を得ている。 イオワ州ではクリントン氏が3 ポイント勝って42%対 39%だ。


世論調査は、トランプ氏がアフリカ系アメリカ人やその他の非白人の間で大きく負けている (faces significant deficits)ことを示している。


例えばペンシルベニア州では、クリントン氏はアフリカ系アメリカ人の91%の支持を得ている。これに対してトランプ氏はオハイオ州でもペンシルベニア州でも支持は事実上ゼロである。


しかし、トランプ支持層は、白人有権者の支持をより多く獲得することでその差を埋められると主張する(he can make up the difference with a strong performance among white voters)

 

とかく全米調査が注目されるが、大統領を決するのは各州での有権者の判断である。オハイオ州とアイオワ州は、フロリダ州やネバダ州と同様にこの数十年、結果を左右する州(swing state) のため、注視されている。


全体を通して、幅広く嫌われている候補者 2人の間の競争で、まだ結果が安定していないことを世論調査は示している。両州で有権者の約20%が「まだ決めていない」あるいは「トランプ氏もクリントン氏も決して支持しない」と答えている。



調査をした3つの州ではいずれも、トランプ氏に対してもクリントン氏に対しても好意的な見方をしてないという有権者が多かった。アイオワ州とオハイオ州では、クリントン氏はトランプ氏と同じくらい嫌われていた。 


Marist College Institute for Public OpinionLee Miringoffは「両陣営とも選挙戦でやるべきことは多くある。とりわけ党大会の重要性が増す。自らをプレゼンテーションして、第一印象を再度構築することのチャンスとなるためだ」と言う。



今回の世論調査が行われたのは75日から 10日の間で、クリントン氏が国務長官在任中に私用のメールアドレスを公務に使っていた問題FBIの報告書が出た直後に行われた。Miringoff氏によると、この結果は世論調査でクリントン氏の支持率を押し下げただろうと言う。

 

3の候補しだいでは選挙戦に影響を与えそうだ。リバタリアンの候補と Green Partyの候補を調査の質問項目に加えると、クリントン氏はオハイオ州で38%から35%に下落したことが分かった。ペンシルベニア州では影響はなかった。



2012年の大統領選挙でオバマ氏は、オハイオ・アイオワ・ペンシルベニアの3州とも勝利した。 1988年以来、ペンシルベニア州で勝利した共和党候補はいない


3つの州とも、4年制大学を卒業した白人の有権者の間ではクリントン氏の方が支持率が高かった。一方で大卒でない白人の有権者の間ではトランプ氏が勝っている。


オハイオ州では 19ポイント、ペンシルベニア州では10ポイントリードしている。アイオワ州ではトランプ氏が大卒でない白人有権者の間で6ポイントのリードとなっている。2012年、オバマ大統領はこの層では2ポイントリードしていた。


トランプ氏が非白人のマイノリティの間でどこまで支持を広げることができるかが焦点となっている (whether Mr. Trump can overcome his deficit among minority voters)

どうも最近、トルドー首相 (44歳)率いるカナダが熱いようです。


霞が関で「財政出動する余裕があるのはカナダだけ」と聞くし、"サマーダボス"でもカナダで起きているベーシックインカム(収入に関係なくすべての国民に一定額を支給)の議論について耳にしました。


(The Economist)


そして、The EconomistWhy Canada’s economic policy is winning fans(カナダの経済政策に対するファンが増えているわけ)が出ています。


低金利を活用した財政出動を評価しつつ、これまで財政規律を守ってきたからこそ信頼があることも念押ししています。


 

19711225日生まれのジャスティン・トルドー首相 (Justin Trudeau)は一度だけ近くで見ました。ことし1月の"ダボス会議"では、AIIB=アジアインフラ投資銀行の金立群総裁とともに"ことしの注目"でした。



「なぜ閣僚の半分を女性にしたのか?」という質問に対して、去年"Because it's 2015(だって2015年だもん)"と回答したことが有名です。それが何か?、って感じのこの映像が楽しい(^_^)


https://m.youtube.com/watch?v=LLk2aSBrR6U&autoplay=1


ダボスでも「女性の活躍には男の子に対する教育が不可欠」などと語っていました。


靴下がシマシマでかわいかったのが印象的(^_^)


 

Why Canada’s economic policy is winning fansは、ざっくりこんな感じ(全文の翻訳ではありません)。


 (The Economist)


親しみのあるジャスティン・トルドー氏がカナダの民主党(Liberal Party)から首相になって7か月あまり。政治的なハネムーンが続いている世論調査によると、総選挙の時点で 35%だった支持率は今や50 %あまり


トルドー首相にぞっこんなのはカナダの有権者だけではない。カナダ政府はIMF=国際通貨基金やG20からも称賛を得ている。


何よりもカナダの民主党は、先進国の伝統的な考え方に反して、財政支出を増やしてなお評価を高めているのだ。いったい何をやったのか(How has Mr Trudeau done it)?


去年の今ごろ、トルドー氏は首相官邸(24 Sussex Drive)の主からほど遠かった。10月の総選挙の前、民主党は与党保守党とセンターレフトの新民主党(New Democratic Party)との三つ巴の戦いに従事していた。


10年近くに及ぶ保守党政権にウンザリという空気が広がっていたが、民主党は左派系の票を分けることになりかねないNDPと政策を差異化しきれていなかった。


トルドー氏は、財政の均衡について、かつての公約を破棄。代わりに1250億カナダドル(約10兆円)の財政出動を約束した。これで有権者の心をつかみ取った。民主党が選挙戦を有利に進め、NDPは総崩れとなった。総選挙で民主党は議会で多数派を勝ち取ったのだ。


その後、トルドー氏は閣僚に多くの女性を登用するなどダイバーシティを重視し、世界では珍しいくらいにシリア難民を優しく受け入れオバマ大統領の隣でかっこよく立てることなどが賞賛されてきた。


しかしながらIMFや世界銀行はトルドー氏とその政権が単に高級取りのPR会社以上のものがなければ評価しない


ビル・モルノー(Bill Morneau)財務相がことし4月に連邦予算を編成した際に、2016-2017年の財政赤字が300億カナダドル(約2兆4000億円)にのぼると明らかにした。これはトルドー首相が4年で積み上がる赤字額だと主張していた金額である。


(CP)

にもかかわらず、国際機関の支持を得た。IMFは最新の報告書の中で、追加支出を「歓迎する」と述べた。眠たい機関から随分と高い評価だ(high praise from such a prosaic organization)。


著名なエコノミストも参戦している。ポール・クルーグマンは、カナダのプランを「真に責任ある財政政策だ(truly responsible fiscal policy)」と解説。


直近のG20会議では景気を刺激するために柔軟な財政政策を活用することを共同声明で公約し、G20各国がカナダに追随するべきだという示唆となった(the G20’s most recent communique pledged to use flexible fiscal policy to stimulate growth, a nod to the fact that many of the club's other members should follow Canada's lead)。


カナダ政府が行っているのは常識的なことばかりではない。原油の輸出国のカナダは、原油安により設備投資が落ち込んでいる。カナダは、いま景気刺激策が必要で、金利が歴史的に低いいま、政府が景気を下支えするために借金をしている。


金融危機(リーマンショック)のあと、先進国は一貫して、債務を削減するため財政を引き締めつつ、需要を喚起するために低金利に依存してきた。


これまでのところ、この戦略は部分的な成功しか収めていない(So far, that strategy has been no more than a qualified success)。


経済成長は緩慢で、金利をゼロから持ち上げるだけの需要の拡大は見られない


カナダこそ先進国の中で低金利をうまく活用できる国だ。金融危機(リーマンショック)のあと大きな低迷に苦しむことなく、財政規律の歴史がある。


とは言え、それでも大胆な実験である(it is still a bold experiment)。ほかの国がカナダの勇敢さから得るものがあるだろう(Others could benefit from Canada’s bravery)。


シェラトン都ホテルの「四川」の担々麺は辛いながらも、コクのあるおいしさでした(^_^)


ひき肉は豚ではなく牛!珍しいですね。クリーミーとはちょっと違うのですが、スープはこってりして重たい感じ。

名物は成都担々麺という汁なし担々麺。これはめっちゃ辛い(≧∇≦)

松の実や山椒が効果的でおいしいですが、辛いのでご注意を!


メニューには「料理長が何度か四川を訪れて、より本場に近づけた汁なし担々麺」との紹介がありました。

四川にはまだ行ったことありませんが、"本場っぽい"と思いました。



2つを半分ずついただきました。2つまるまる食べたわけではありません。念のため(^_^;)


◆中国料理 四川◆
港区白金台1-1-50
シェラトン都ホテル1階
0120-95-6662

イギリスで史上2人目の女性首相がきょう(7月13日)誕生します。テリーザ・メイ氏は、堅実で"仕事ができる女"のようです。


(画像はすべてFT)


FTの一面にはLast woman standingの3語Last man standingではなく woman! 女性2人が首相を争っていたからですね。


日立製作所の川村隆元社長/会長の言葉「ザ・ラストマン」を思い出しました。どん底に陥った日立のラストマンの覚悟は、「最終責任は自分が取る。最終決断は自分がやる。自分の後ろにはもう誰もいない」だったそうです。


http://blog.livedoor.jp/kaoriiida/archives/27045658.html

 

きっとラストウーマンも思いは同じ。

 

FTの社説はA new prime minster- now comes the hard part新首相の誕生~前途多難が待っている)というタイトル。


サブタイトルはTheresa May will need all her toughness and guile to negotiate Brexit(テリーザ・メイが Brexit交渉に必要なのはありったけの強靭税と硬骨さ)。


ざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。



選挙戦は戴冠式に変わった(The campaign has turned into a coronation)牧師の娘で物事に厳しい姿勢で臨む内相のテリーザ・メイ(59歳)は、ライバル候補をはねのけ、13日にDowning Street(首相公邸)に入る。


イギリス国民が僅差で EU離脱を選択してわずか3週間弱。混乱の空白期間を経て、ようやくイギリス政治にかすかな秩序が見えてきた。


メイ氏はイギリスで2人目の女性首相となる。マーガレット・サッチャー同様に国家危機に直面する中での保守党からの首相就任となる。


イギリスは今なお国民投票の結果を受けて分裂したままで、国家の品位が問われている。不況も現実味を帯びていて、イギリスとEUの関係も非常に不透明である。

 

イギリスにいま必要なのは、安定であり、その間にメイ氏がEUからの離脱の計画と、EUさらに世界各国との新たな通商関係を構築するための計画を練らなければならない。


この点において、保守党の党首選挙で最後まで残っていたBrexiter(離脱主張派)のアンドレア・レッドソム氏が今週、戦線から離脱することを決めたことは評価に値する。



彼女は、首相になるには経験も議会内の支持も不十分であった。

 

メイ氏が今後の離脱をめぐるEUとの交渉にどういう姿勢で臨むのかまだ打ち出していない(Mrs. May has yet to spell out her approach to the forthcoming European negotiations)


「離脱は離脱を意味する (Brexit means Brexit)」と宣言し、2回目の国民投票を否定している。一方で、人の移動の制限とEUの単一市場へのアクセスのトレードオフについてどういう立場なのかを説明していない。この両立しない問題は、絶対に避けて通れない。

 

メイ氏が優先的に取り組む課題として2点挙げている。


離脱に向けたボタンとなるEU基本条約(リスボン条約)50は早くても来年初頭までは発動しないと言っている。これは妥当なことだ(Sensibly, she has insisted that Article 50, the red button for exit, will not be pressed until early next year at least)


この結果、 EU本部(Brussels)との正式な離婚交渉に入るまでにイギリスの交渉ポジションを固めることができる。


2点目は、国民投票の過程で露呈された国民の不満に対応しなければならないと認めていること。


財政面では、2020年までに財政赤字をなくすというオズボーン財務相の公約を破棄した。正しい判断だ。イギリスが Brexit後のショックに直面する中、財政の引き締めは逆効果である (With Britain facing a post-Brexit shock, fiscal tightening would be counterproductive)


メイ氏は企業との間で新たな取り組みを呼びかけている。役員の高額報酬に対してより透明性を求めている。労働者の代表が取締役会に参画する欧州の主要企業の方式まで提案している。


 

これらは、野党労働党が左派のジェミー ・コービン党首のもとで混乱している間に、不満を持つ保守党支持層を取り込み、政治のセンターを取る戦略かもしれない。


仮に、メイ氏がこうした新たなアイディアを持論の移民反対と組み合わせるようであると心配である。EU域内からであろうと、EU域外からであろうと、イギリスは熱意とスキルを持つ人たちを惹きつけるマグネットであり続けなければならない。

 

メイ氏は、これまで政治的に非常に難しいとされた内務相を6年間務めた(Mrs. May served for six years at the Home Office, traditionally a graveyard of political reputations)


彼女は生き残ったのみならず、キャメロン首相に NOと言えるだけの力を持つ数少ない閣僚だったと言われている。



とは言え、首相職はまったく規模の異なる難しさだ。



メイ氏は、政策チームと交渉団をつくらないといけない。まずは、Brusselsとの間で行われるBrexit交渉を誰が団長として率いるのかを決める必要がある。団長は、EU離脱側 (the Leave campaign)を象徴したようなスタンドプレーを避けなければならない。 


Brexitを担当する閣僚は現実主義と外交的な硬骨さを合わせ持つことで、不可逆となる50条発動の前にできることはやらないといけない。その時点で、メイ氏は、離脱の条件を公約として総選挙を実施することもできるだろう。


いずれにしても、交渉にあたっては議会での幅広い支持が欠かせない。

イラク戦争の打撃の大きさを今も感じさせるのが今週のThe EconomistKal’s cartoon


(The Economist)


先週、イラク戦争への参戦にいたる経緯や根拠を検証してきたイギリスの独立調査委員会が戦争の大義だったはずの大量破壊兵器の存在を証明できないまま参戦に踏み切ったとして、当時のブレア首相を痛烈に批判する報告書をまとめました(通称 Chilcot Report)。それが題材です。

 

(PBS)

舞台は、倒壊した有名なフセイン大統領の銅像



その上でブッシュ前大統領が犬の散歩のように綱を持っていますが、つながれているのがブレア元首相。


ブッシュの言うことを素直に聞くという意味で「ブッシュのプードル」と言われていたのを揶揄しています。


銅像の足元にはIRAQ WAR 2003とあり、右側にはTERRORISMと書かれた怪物。フセイン政権を倒しパンドラの箱を開けたところ、暴れるテロの怪物を止められなくなったということのようです。


 

ブッシュがブレアに向かって言います。


When we toppled Saddam, it never occurred to me that I’d need a leash for him too…


フセインを倒した時に、まさかアイツ(テロリズム)も鎖でつないでおく必要があるなんて思いもしなかった・・・

 

と、中東地域のその後をマネージできなかったことについて無責任なことを言っています。


 (FT)


イギリスのChilcot Reportは、政府高官や軍の幹部への聞き取りなどを7年にわたって調査した結果をまとめ報告書です。


(FT)

 

「当時のイラクは経済制裁が続いていて、核兵器の開発は不可能だった」と指摘。生物化学兵器についても「疑惑の域を出ない」としています。

 

さらにブレア元首相がイラク戦争が始まる数か月も前の2002628日にブッシュ前大統領に共同歩調をとると確約した文書を送っていたとして、米英の間で事前合意があったという見解を示しました。


ブッシュ前大統領にあてた文書には「どんなことがあっても一緒に行動する (I will be with you, whatever)」さらに「(フセインを退場させることは)正しいことである(is the right thing to do)」と書いてあったそうです。


 (FT)


イギリス政府は武装解除などの平和的な手段を尽くす前にイラク戦争に踏み切った当時、軍事行動は最後の手段ではなかったthe U.K. chose to join the invasion of Iraq before the peaceful options for disarmament had been exhausted. Military action at that time was not a last resort)」と結論づけました。


 (FT)


報告書はこちらです。

http://www.iraqinquiry.org.uk/

 

風刺画の通り、アメリカのイラク侵攻のあと、中東のダイナミックスが変わってしまい、テロが一気に広がりました。


イギリスの罪も重いですが、アメリカの罪はもっと重いです。


 (PBS)


201212月にパウエル元国務長官(Colin Powell)にインタビューしたことがあります。


20032月の国連安全保障理事会でイラクが大量破壊兵器を保有しているのは明白だと発言されました。これについてどう振り返りますか?」という質問に対して・・・


「当時は情報が誤っていると思っていなかった」と前置きした上で、次のように述べました。

 

「死ぬまで抱えないといけない。しかし、次に同じような状況に陥った時、言われていることをもっと真剣に深く追求しないといけないと学んだ。当時はわずか3日で結論を導き出さないといけなかった。消すことはできないが、それで悶々と毎日過ごすことはしない。それでも、抱えて生きていかないといけないI have to live with that. But I’ve learned that if you ever get in a situation like this again, you’ve gotta dig deeper with respect to what you’re being told. I only had three days at that time to try to figure out what was going on. But I live with it, but I don’t let it hold me back. I don’t think about it every day.(中略)  But it’s you know, something I have to live with)」


私の想像を超えた重い決断と責任です。

イギリスの次はイタリア。イタリアが次の危機の台風の目というのを1枚の絵で示したのが The Economistの最新号の表紙です。

イタリアの国旗の3色のバスの側面には BANCA(銀行)の5文字。ユニオンジャックのイギリスバスを追いかけるように、今にも崖から落ちそう(≧∇≦)

タイトルは The Italian job(イタリアの任務/責任)。

続いてEurope’s next crisis (欧州の次の危機)というドキッとする言葉が並びます。

日本の銀行の不良債権処理を取材してきた者からすると、公的資本を注入すればいいじゃん、と思いますが、ことし 1月に導入されたEUの新しい規定により簡単にはできません。

血税による銀行救済に対する批判「銀行危機」と「財政危機」の負の連鎖を断ち切ることが目的の新たな規定ですが、銀行の株主や債券の保有者が損失負担(ベイルイン)を求められることから、 EUとイタリア政府とのせめぎ合いが続いています。

7月29日にはEU がイタリアの銀行に対するすストレステストを発表する予定で、イタリアから目が離せません。

Bail in bail out という言葉が登場します。Bail outは公的資金による救済 bail inは債権者などによる負担。Bail outは、「バケツを使って船にたまった水をかき出す」が語源。Bail は「保釈金」の意味も。第三者に払ってもらうか (out)か、自分で払うか(in) という説明あります。

記事はざっくりこんな感じです(全文の翻訳です)。

★The Italian Jobは、1969年の英映画のタイトルだと、寄せていただいたコメントで知りました(邦題は「ミニミニ大作戦」)。ありがとうございます(^_^)

映画の中では、刑務所から出た主人公がイタリアで"big job"(デカイこと)を目指すそうです。

(The Economist)

世界中の投資家が極めて神経質になっている。アメリカの 10年もの国債の利回りが先週、過去最低まで低下した。スイスの50 年債の利回りにいたってはマイナスである。このところの市場の動揺は、イギリスの EU離脱の選択による先行き不透明感が背景だ。イギリスの通貨ポンドがドルに対して31 年ぶりの安値をつけたのは、 76 日だが、今なお底が見えない。イギリスの複数の不動産投資会社が取引を一時的に停止した。

とは言え、イギリスのBrexit選択だけでは最近の市場の動揺を説明しきれない。大西洋の向こう岸をどんよりと覆っているのは、潜在的に打撃が大きい問題だ。

イタリアの銀行が"危機という崖"から落ちる瀬戸際にある。イタリアは欧州の第 4の経済大国である。そして、もっとも脆弱な国のひとつでもある。▼公的債務は対GDP 比で135%。▼失業率は EU の中でギリシャの次に高い。▼経済は、過剰な規制と生産性の低さゆえに、もう何年も死んだも同然だ。

イタリアの銀行は、景気低迷とデフレに直面し、3600 億ユーロ(約 40兆円)の不良債権を抱えている。これはイタリアのGDP 20%に相当する規模だ。その金額に対して銀行が引当金を積んでいるのはあわせてもわずか 45に過ぎない。

最良のシナリオは、脆弱な銀行がイタリア経済の重石になること。最悪のシナリオは、銀行のいくつかは破綻すること (At best, Italy’s weak banks will throttle the country’s growth; at worst, some will go bust) 。当然のことながら、投資家はイタリアから逃避している。

イタリアの主要行の株価は4月以降、半分にまで急落。とりわけ 6月のBrexit 投票以降、イタリア銀行株の売りが加速している。

(WSJ)

足下でもっとも心配なのがイタリア第 3の銀行で、1472 年に創設された世界最古のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(Monte dei Paschi di Siena) の支払い能力(solvency)である。これまで経営再建が何度も試みられたが、失敗。時価は簿価の 10%に過ぎず、7月29日に公表される欧州中央銀行によるストレステストを合格できない可能性がある。

イタリアの銀行の規模を考えただけでも、危険である。ただし、より深刻なのはユーロ圏の病巣だ。つまり、 EU本部の作るルールとそれぞれの国内政治の要求の対立のことだ(the tension between rules made in Brussels and the exigencies of national politics)

さらに、債権者と債務者の対立である。どちらも中途半端な金融改革の結果である(both are consequences of half-baked financial reforms)

対応を誤れば、イタリアがユーロ崩壊の引き金を引くことになる。イタリアがいま緊急にやらなければならないのは、銀行の経営立て直しに向けた大胆な施策である。資本がイタリアから逃避し、既存の救済基金が底をつく中、政府による公的資本の注入が必要となるだろう。

しかし問題は、これが政治的に事実上不可能という点だ。 1月に導入されたユーロ圏の新たな規制によると、銀行の債券保有者がまず損失を負担しない限り、政府による資本注入はできないのだ (banks cannot be bailed out by the state unless their bondholders take losses first)

債権者に損失を負わせるという原則は、納税者にツケをまわすよりは望ましいものである (The principle of "bailing in" creditors rather than sticking the bill to taxpayers is a good one)

多くの国では銀行債を保有しているのは、リスクを理解し損失を負担するだけの体力のある機関投資家だ。しかし、ことイタリアでは、税法上のねじれがもとで2000 億ユーロ(約22兆円)あまりが個人投資家によって保有されている。

去年 11月、正式導入に先駆けて新たなベイルイン・ルールを適用してイタリアの地銀の破綻処理をしたところ、巨額の損失を負った年金生活者が自殺した。これが政治的に火を噴いた (It caused a political storm)

(The Economist)

仮にイタリアの一般国民に再び損失を強いるようなことがあれば、マテオ・レンツィ首相への打撃は大きく、 11月に予定されている憲法改正の国民投票で必要な支持が得られないのは必至だろう。レンツィ首相は、 EUに対して資本不足の銀行に対するルールは柔軟に適用するよう主張している。

しかし、ユーロ圏の債権国でも政治的な困難がつきまとう。ドイツがイタリアの問題はおおかた自業自得だと主張するのはもっともである (Germany rightly says that Italy’s troubles are largely of its own making)

イタリアは、問題銀行になかなか対応しなかった。地方の銀行が地方の政治家と一体となっているからかもしれない。ルールに従うか従わないかを好きに決められるシステムは、ドイツの有権者が許さない。






(WSJ)

ベイルイン・ルールを弱めたり延期したりすれば、イタリアのレンツィ首相にメリットがある一方で、来年総選挙を控えたドイツでは政治的に大きな代償を払うことになるだろう。

レンツィ首相の要求に対してメルケル首相は「金融システムを守るためにルールを決めた。 2年ごとにルールを変更するわけにはいかない」と語った。

(The Economist)

さはさりながら、イタリアのレンツィ首相の方に分がある。イタリアの銀行に対する金融市場の圧力は、信頼が戻らない限り続くだろう。公的資金の注入が欠かせない

仮にベイルイン・ルールがイタリアで厳格に適用されれば、預金者からの悲鳴は、信頼を失墜させるだけでなく、イタリアの景気低迷を EUのせいだと主張する五つ星運動(最近のローマ市長誕生など)を後押しすることになる。

イタリアの中で、ユーロ圏全体のリスクを背負わされている一方で、本来であればできるはずのことができないという思いが広がるだろう。

▼自らの通貨を切り下げることによる競争力の回復ができず、▼財政同盟によって財政出動の手足を縛られ、そして今回▼ほかの国が公的資金注入で危機を乗り切った後に適用された新たなベイルイン・ルールの適用。通貨ユーロがイタリア国民の信頼を失うものなら、単一通貨は存在し得ない

もしユーロの崩壊につながるのであれば、ルールを厳格に守る意味はない (There is no point in following rules to the letter, if doing so leads to the demise of the single currency)

このため、いま必要なのは、金融のシステミック危機に対する不安を沈静化するため、自己資本が不足している銀行に対してイタリア政府が公的資金の注入を認めることである (the correct response is to allow the Italian government to plump up the capital cushions of its vulnerable banks with enough public money to quell fears of a systemic risk)

こうした救済策には条件が必要だ。イタリアの銀行システムの徹底的なリストラである。強制的に合併させ、国内の支店を閉鎖するなどのコスト削減を進めさせることだ。

また、ベイルイン・ルールが将来はきっちり適用されるよう、すでに銀行債を保有する人が保護されるようルールを変更するべきだ。

(WSJ)


しかし、実際にはルールのちょろまかしが現実的だろう。ベイルイン・ルールの条項を使ってモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナに対する暫定的な資本注入の話もすでに出ている。その程度では、 UniCreditなどほかのイタリアの銀行が増資に踏み切るだけの株価の環境を整えるには不十分だ。

それでも、ヨーロッパはこうした結末をルールに基づく連帯だとして歓迎するだろう。しかし歴史から学ぶとすれば、それではイタリアの銀行が健全性を取り戻せるはずはなく、ユーロ圏の根本的な問題の解決にもならない。

Brexitの教訓は、有権者の懸念をうまく取り繕うような行動は、決して持続可能な戦略ではないことだ (One lesson of Brexit is that glossing over the concerns of voters is not a sustainable strategy)

ユーロ圏のずさんな金融システムについて言えば、債権国と債務国の有権者の不安を回避しようとしている意味で、持続可能ではない。これはいつまでも続けられない。このため、投資家が不安を募らせるのはもっともである。

友人が勧めてくれた馥香(フーシャン) 浅草橋本店に行ってまいりました。


馥香特製担々麺は1510円。
麺は3種類あります。山西省流手延べ麺、刀削麺、中華麺の中から私は中華麺を選択。

一口いただいた感想は、胡麻と山椒のパンチが一気に口の中に広がること。見た目が胡麻クリーミーだったのですが、思っていたよりもやや辛かったです。干しエビも感じることができ、おいしかったです。


トッピングは、水菜、白ネギ、モヤシでさっぱり爽やか系です。

店内は、椅子といい壁掛けといい、おしゃれなチャイナな雰囲気でした。14:00ラストオーダー、14:30閉店です。


食べ過ぎたので、浅草橋界隈をお散歩。雷門までは徒歩で20分程度ですが、途中、バンダイ前にいたウルトラマンにご挨拶。一度お仕事でお邪魔したことがあります(^_^)


これでフーシャンと読みます。


馥香 浅草橋本店◆
台東区柳橋2-14-2
アリス・マナーガーデン浅草橋1階
03-5833-6555

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