エネルギーについてのセッションの概要です。まるく座ったパネリストを100人で囲む形式。写真左が日立製作所の中西会長。隣がIEA=国際エネルギー機関のバロル事務局長、スクリーンに映し出されているのがモデレーターのダニエル・ヤーギン氏です。
Faith Barol (IEA 事務局長)
■いま、市場は原油であふれかえっている(awash with oil)。需要の低迷と供給の過剰で、原油価格に対する下押し圧力が強く、原油安は 2016年いっぱい続くと見ている。この3年で大量の原油が積み上がっており、価格を反転させて押し上げる要因が見つからない。
■原油の開発投資の減少が心配だ。2015年、原油の開発投資は対前年比で20%減った。2016年は1バレル30ドル想定で、さらに13%減ると予想している。2年連続での投資の減少は初めてのことだ。
■いま直面しているのはfear of timeである。こういう時に見誤ってはらない( don’t be misled)。原油安は、投資の減少につながり、再生可能エネルギーと省エネ(energy efficiency)に影響する。再生可能エネルギーは伸びるだろうが、そう簡単ではない。一方、原油安により省エネ努力を怠る国も出てくるだろう。
■再生可能エネルギーが50%、その他のエネルギーが50%という時代が来ている。つまり、再生可能エネルギーは今や夢物語ではない (renewable is not a fantasy anymore)。再生可能エネルギーをグリッドにいかに組み込むか(integrate)するかが問われている。再生可能エネルギーはロマンチックだった時代は終わり、現実の時代に入ったのだ。
■いま世界72か所で原子力発電所の建設が進んでいる。このうち、40か所が中国である。中国はいま原子力の技術を磨いており、近い将来、日本やフランスの強力なライバルになるだろう。
■原油安は産油国には大きな痛手だ。2016年、1バレル20ドル台が続くとして、中東の産油国の GDPの20%が吹っ飛び、ロシアのGDPの10%が吹っ飛ぶ。一方、ヨーロッパ、中国、インドでは景気刺激策となる。
■原油の開発投資がかつてないほど低い水準にある。これは、将来、価格が上がり出したら一気に上がる土壌となる。パリのCOP21がまとまったが、原油安が続くと省エネを怠け出すので、気をつけなければならない。
■再生可能エネルギーが不透明なのではなく、再生可能エネルギーに対する政府の政策が不透明なのが問題だ。
Ignacio Sanchez Galan (Iberdrola 会長)
■再生可能エネルギーに対する投資は減っていない。Price on carbon(carbon taxではない)が必要だ。
日立製作所 中西会長
■スマートグリッドは10年の歴史があり、改善を重ねている。One total grid operationが必要だ。
■日本では原子力発電所についての議論が続いている。原子力は、もっとも効率的で安定したエネルギー源である。福島の原発事故で学んだことを教訓に、世界にこの技術を広げていく必要がある。
■焦点は蓄電/バッテリーである。バッテリーのコストは今なお高い。電気自動車がいま、需要をけん引しているが、コストの面で言うとstep by stepである。
Eric Xin Luo(Shunfenge Internatioal CEO)
■世界の太陽光パネルの65%がいま、Made in Chinaである。
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