今は1ドル=114円前後。この水準って円高?円安?一時より円高だけど、まぁ円安か。一時より円安だけど、 125円に達するのか思っていた方にとっては円高。



という具合に、見方はいろいろですが、「円」は国際会議や大統領選挙で話題に



WSJGlobal Pressure Gives Japan Few Options to Weaken Yen (国際的なプレッシャーで円安に誘導する日本の方策は限られる)という記事を発見。


ざくっとこんな内容です(全文の翻訳ではありません)。


 

ドナルド・トランプ、ヒラリー・クリントン、それにオランダ財務相の共通点は?


答えは日本の通貨「円」をめぐる日本政府の対応に最近、懸念を示していること。金融緩和で経済を再生させようとしている日本にとって驚きの事実だ。


アメリカ大統領選挙で民主・共和のフロントランナーの2人にとって、1月に日銀が踏み切ったマイナス金利政策を含めて、日本の対応は為替操作にあたる。クリントン氏にいたっては先週、日本のことを長きにわたる犯罪者(culprit)だと示唆した。

 

一方、関係者によると、先週末、上海で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議で、欧州の政府高官は、日本の政府・日銀が外国為替市場で介入に踏み切った場合、世界的な通貨安競争を引き起こしかねないと語った。この発言は、ユーロ圏、アメリカ、中国、それに日本の G4(Group of four)の財務相と中央銀行総裁の会談で行われたという。オランダのJeroen Dijsselbloem財務相の日本発の通貨安競争の発言は、非公式な場で行われたそうだ。

 

日本に対するプレッシャーが強まるのは、先進各国が経済を活性化させるために通貨安に導けば世界市場を混乱させるからだ。中国もまた、経済が低迷する中、通貨・人民元を割安に導いていると批判されてきた。


オランダ財務相の発言に対する公式な反応を見ると、日本の混乱ぶりが明らかだ。麻生財務大臣は、4日、国会で、EUから Dijsselbloem財務相の上海での発言が誤って報道されていると連絡があったと伝えた。日本政府は、円がG20で議論されたことを否定している。


一方、欧州側の広報官はWSJに対して、今週初め、Dijsselbloem財務相の発言は正確に伝わっていると語った。日本の財務省は、 G4会議の場での発言について、4日遅く、コメントすることを辞退してきた。

 

円の水準は、日本に複雑な問題(knotty problem)となっているのは間違いない。円安は、日本の経済政策「アベノミクス」のカギとなってきたのは誰もが知るところで、輸出額の増加を通じて近年、企業収益を記録的な水準まで引き上げた。

 

しかし、年明けのマーケットの混乱のあと、円は対ドルで1年ぶりの高値を付けた。世界経済が不安定になる時、投資家は、安全資産と見られる円を買うものだ。日銀の金融緩和の効果が薄れているという認識が広がっていることも、円が買われる要因となっている。

 

アベノミクスは本来、構造改革と財政支出を含むが、主なツールは金融政策となってきた。国際的な反発の結果、日銀は間接的であったとしても通貨安につながるような政策を追求することは難しくなっている。それは、マイナス金利政策のマイナス幅の拡大についても、だ。

 

通貨のアナリストによると、日本は、アメリカと欧州が反対している以上、直接的な為替介入を避ける以外の選択肢はなく、マイナス金利の幅を広げることも難しいと言う。「アメリカの大統領にクリントン、トランプが就任した場合、日本の政府・日銀が介入を通じて通貨安に導こうとすれば(日本に対する批判は)エスカレートしかねない」とも。

 

日本は国際的な批判をプレイダウンしようとしている。日銀の黒田総裁は、先週、クリントン、トランプ両氏の発言は、日銀の政策を制限することはないと語った。

 

一般論として、アメリカも欧州も、金融緩和を通じた結果通貨安には反対しない。現に自らも緩和してきたわけだし。しかし、外国為替市場で直接的に介入することには反対している。

 

アメリカ政府にいたっては、通貨(円)を売るように仕向ける口先介入(oral intervention)にさえも不快感を示す。日本の財務省が最後に円高阻止の市場介入を行ったのは 2011年冬である。それまでは何度も介入に踏み切ってアメリカ政府から激しい批判を浴びてきた。

 

一方で、安倍首相は先月国会で円の「激しい動き」は望ましくないと指摘し、麻生財務大臣に「必要な措置をとるように」と述べた。アメリカ政府高官は、安倍首相が約束した構造改革と財政支出を実行しない限り、結局、景気刺激のために日銀の政策を通じて通貨安に依存するようになることを懸念している。


アメリカ財務省は、先月公表した為替操作報告書の中で、「金融政策に過度な負担をかけ、輸出主導の経済成長を目指して円安に依存することを回避するべきだ」と記した。一方、日本は、アベノミクス 3年目で景気が低迷する中でいっそうの金融緩和を準備しているようだ。安倍首相の側近はここ数週間、政府は新たな景気刺激策を用意し、来年 4月の消費増税を見送るべきだと主張してきた。


それは円安誘導政策が必要ないということではない。第一生命経済研修所の熊野英生 氏は「円高がもう一段進めば、日銀が追加緩和に踏み切る可能性はある」と語っている。