トランプ候補と日本についての記事を見つけました。NY TimesのJonathan Sobleらが書いたDonald Trump Laces Into Japan With a Trade Tirade From the ‘80s(トランプ氏、1980年代の日米貿易摩擦をもとに日本攻撃)。トランプ氏の日本観が古いという趣旨です。

写真が、何だか懐かしいものばかり。

(1987年4月13日号)

ざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。


ドナルド・トランプ氏はこれまでも選挙戦で、批判
の矛先を外国に向けてきた。中国は通商でアメリカを「だましている(ripping off)」ほか、雇用を奪っている。メキシコは移民や麻薬を国境の北に送っている、など。しかし、 日本に対する先入観は、変わっていると言うより時代錯誤だ(his preoccupation with Japan is perhaps more unusual, if not anachronistic)。

先週の討論会の中で、中国とメキシコと並び、日本を名指しし、「アメリカは踏みつぶされている」と語った。かつては、日本が輸出を有利にするため円安に為替を操作しているとか、リスクと費用負担を最小限に抑えるために日米同盟を搾取しているなどと日本を批判してきた。

こうした不平は、日本経済が勢いに乗り、ロックフェラーセンターなどのアメリカの有名資産を買いあさっていた1980年代のことを語っているかのようだ


しかし、今の日本は、経済成長がほぼゼロで、対日貿易赤字は依然として大きいにしても、日米貿易摩擦はすっかり影を潜めている。

以前だったら、アメリカによるジャパン・バッシングを恐れた日本の政府高官もいまや、中国への注目を背景に「ジャパン・パッシング(素通り)」と自虐的に表現するありさまだ。

元USTR高官のグレン・フクシマ氏は「トランプの日本評は、日本が経済的にアメリカを追い越すかもしれないようなライバルと言われた1970年代後半から1990年代半ばを思い出させる(Trump’s comments on Japan remind me of the period from the late 1970s to the mid 1990s, when Japan was considered a serious rival to American economic pre-eminence)」と述べた。

この20年の経済的な低迷にもかかわらず、トランプが日本のことをアメリカの雇用を奪う経済ライバルと再び見ているのは興味深い(It’s interesting that despite the two-decade stagnation of the Japanese economy, Trump is now reviving the idea of Japan as an economic rival robbing American jobs)」とも。

東アジアが専門Robert E. Kellyは共和党の討論の最中にツイッターでこんなつぶやきをした。"Japan, Japan, Japan again. Trump is living the Michael Crichton ‘80s (また日本、日本、日本だ。トランプはマイケル・クライトンの著書「ライジング・サン」の時代=1980年代を生きているようだ)"。

トランプの氏の優位は、日本でも不安をもたらし始めている。例え大統領に行き着かなかったとしても、大統領選挙がこうした議論ばかりだと、アメリカが貿易に閉鎖的で同盟を軽視するのではないかという不安にかられている。

懸念されているのは、トランプ氏のライバルがより孤立主義的な姿勢を取ることだ。民主党のヒラリー・クリントン候補は先月、地方紙に中国と日本を批判する文章を寄稿した。「中国、日本、それにほかのアジアの国々は、通貨を人為的に割安に抑えることで、アメリカへの輸出品を安くしてきた」とした上で「アメリ
カは関税など新たな処方箋を検討するべきだ」と記した。クリントン氏はまた、日本が参加しているTPPに対する支持の姿勢から身を引いた。

トランプ氏は、日本も中国と同様にアメリカの雇用を奪っていると主張している。スーパーチューズデーで勝利を納めたあと、日本の建設機械メーカーのコマツを名指しして、円安のためにアメリカのキャタピラー社が競争上、不利な状況に陥っていると語った。メキシコとの国境沿いに壁を作る際には、キャタピラーとジョン・ディアというアメリカのメーカーの機材を使うと公約した。

トランプ氏は、グローバル化のせいで雇用が奪われているという国民の不安の受け皿になっている。ただ、グローバル化は外国資本と国内資本の線引きをあいまいにした。コマツは日本に工場を持っているが、アメリカでも3つ持っている。キャタピラーだって同じような状況であり、製造はアメリカと外国で行う一方で、開発はアメリカに残している。

とは言え、トランプ氏の批判は、ミシガンやオハイオといった製造業の強い州では心に響くだろう。こうした州では、日本の円安が批判の対象だ。伝統的に民主党を支持している自動車メーカーの労働組合UAWは、「トランプ氏の擁護はしたくないが、円については言いたいことがある」と述べた。


トランプ氏の場合、何十年も持論を変えていない。1988年のインタビューの中で「日本はクルマやVCRをがんがん売りに来て、アメリカ企業を倒している」、「まずは俺たちにモノを売りつけてカネを奪い、そのカネでマンハッタンの不動産を買いあさっている」と語っていたのだ。