円高が進んでいますね。先週金曜日に1ドル=108円40銭前後だったのが、今週は一時、105円台まで値上がり。きょうは、107円台で取り引きされています。
日米の金融政策の違いが背景ですが、私のお気に入りの報告書も影響しています。
(米財務省、FTより)
米財務省は先週、半期に一度の為替操作報告書を議会に提出しました。これ、毎回、楽しみにしています。
先月18日に、口先介入について書きました。
http://blog.livedoor.jp/kaoriiida/archives/58496141.html
口先介入を、米財務省が許せないというのは、私自身、強く感じています。すでに報道されているように、今回初めてMonitoring List(監視リスト)を作成し、中国・日本・韓国・台湾・ドイツを指定しました。
発表の直後に訪れた中国でもこの指定が話題でした。ことし日本はG7の議長国。中国はG20の議長国。日本は国益を理由に市場介入するかも、と上海で私が申し上げたら、中国側の何人かから「中国は、 G20議長国として介入しない。G20議長国はちゃんとしないといけない、という妙な規律がある」と言われ、発見がありました。
報告書の全文はこちら。
報告書の日本部分は、ざっくりこんな感じです。
日本の経常収支は、 2015年上半期で、724億ドル(対 GDP比で3.5%)に達し、 365億ドル(対GDP比で 1.7 %)だった前の四半期に比べて増えた。2015年の通期で見ると、経常収支はGDP の 3.3%となり、 2014年の0.8%に比べて大きく伸びた。これは原油安と(円安による)外国からの所得のかさ上げによるものだ。
ことし1月に日銀はマイナス金利政策を導入を決め、市場を驚かせた。黒田総裁は日銀は2%の物価上昇率の目標を達成するために引き続き何でもやると言っていた。日銀の決定のあと、当初は円相場は下がったが、 3月末には去年11月中旬の円安水準に比べて8.9%上昇した。
日本の当局は、円相場について「かなり荒い」と表現し、「緊張感を持って外国為替市場を注視し・・・必要に応じて適切に行動する」と述べた。日本は、4年以上にわたって外国為替市場に介入していない。米財務省は、いまのドル円相場は、秩序だっていると判断し、 G20やG7のコミットメントの重要性を再度強調したい。
G7、G20の文脈の中で、日本は金融政策、財政政策、構造改革といったあらゆる政策ツールを活用することを約束した。これは、信頼を醸成し、成長を強化するためであり、均等ある成長のためには金融政策のみで達成できないことに同意したものだ。
日本の脆弱な成長見通しと世界の需要の弱さを考えると、当局があらゆる政策を活用することが重要である。
これには (1)短期的には、財政刺激を与えるために柔軟な財政政策、(2)短期の成長を促すために(法人税改革、二重労働市場の見直し、地方経済の再生といった)野心的な構造改革などを含む。
同時に、(TPPや、より強力な研究開発の構造といった)長期的な改革を進めるべきである。
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