ことし1月、イランに対する経済制裁が解除されました。米ボーイングがイランに 100機の航空機を販売すると報じられてい ます。


 (WSJ)


ドルを使ったイランとの取引が今なお禁じられているため、イランとの核合意に従って最終的には米財務省の許可が必要となります(あるいはドル以外の通貨で取引するか)。


ワシントン駐在中に身にしみたのは、安全保障の名のもと、合意・契約は覆されることがあること。また、オバマ政権が進めたイランとの核合意をおもしろくないと思っている共和党議員が反対することも容易に想像できます。


イランの航空機250機のうち、 150機が今も現役ですが、1979 年のイラン革命の前に購入したものもあるようです!!


 (The Economist)


アメリカ国務省がイランとのビジネスに積極的な一方で、民間企業はアメリカ政府(財務省)をどこまで信じて良いのか分からずびくびくしていることは、先日お伝えしました。イランに名刺をおいてくることも怖いそうです!


http://blog.livedoor.jp/kaoriiida/archives/60706077.html

 

WSJBoeing Signs Deal to Sell Jets to Iran’s State Airline(ボーイングはイランの国営航空会社のジェット販売で合意)はざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。


大統領選挙の年でもあり、ハードルは高そうですが、実現すればほかのビジネスも拡大するのでしょうね。

 

 

今月21日、米航空機メーカーのボーイングはイランに航空機を販売することで暫定合意したと公表した。これは、イランに対する経済制裁解除のあと、最大のビジネス合意となるだろう。


今回の合意は、ボーイングとイラン航空との間の何か月にもわたる交渉の結果である。金額など詳細は明らかになっていないが、イランの交通相は 21日、イラン国営放送に対して、250億ドル(約26000億円)にのぼる可能性があると語ったとAP通信が伝えている。


一方ボーイングは、「イラン航空との間で民間航空機の販売に必要なMOU=覚え書きを締結したことを事実として認める」と明らかにした。

 

イランの航空会社は、これまでボーイング737のような中型機、あるいは長距離用の777787 Dreamlinerの両方が必要不可欠だと示唆してきた。


国営のイラン航空は、イラン政府およびアメリカ政府の承認が得られれば737型機と777型機をリースする計画を伝えた。イラン航空との契約の締結には、▼金融機関がイランに融資をするかどうか、さらに▼アメリカ政府の正式な承認が得られるかどうかがカギで、何か月もかかる可能性がある。

 

すでにテキサス州とイリノイ州の共和党の下院議員が先週、ボーイングに対して、今回の商談がイラン軍を利する可能性があるとして懸念を表明する書簡を送っている。「イランの民間航空企業は敵対的な行動を支持している」として、イランに航空機を売却することが安全保障上、何を意味するのかを分析するための情報提供を求めた。

 

これに対してボーイングは「イランの航空会社との協力についてアメリカ政府の指導に従うとともに、イランの航空会社との契約はアメリカ政府の承認しだいである」と話している。

 

米財務省の外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control)の John Smith局長は先週、ワシントンで行われた講演の中で「承認を得た契約であれば、ファイナンスを受け得る」と発言している。

 

ことし1月、欧州のエアバスは、イランとの間で118機のジェットを融通すること合意し、イランと欧州との関係回復とともに新規の民間航空機の需要の強さを示した。エアバスの商談は 270億ドル(約28000億円)にのぼると見られるが、イランとビジネス関係を持つことに対する国際金融社会の懸念を背景に、未だ最終合意に達していない

 

フランスとイタリアのターボジェットメーカーATRは、イランに対して40機を販売するにあたって銀行や賃貸人のグループを組成して通貨ユーロによる商談をまとめようとしている。これは、 ATRCEOPatrick de Castelbajacが今月明らかにしたものだ。ATRは、年内には最初のリージョナル・ジェットをイランに届けることを目指している

 

カナダのボンバルディアもまた、イラン市場を狙っていると言う。ボンバルディアの民間航空機部門のトップのFred Cromerの今月の発言によると、まずはイランにリージョナル・ジェットを届けることを目指すと言う。

 

何十年にもわたる経済制裁によって旧式の航空機しか持たないイランは、有望な市場と見られている。


EU=欧州連合は先週、イラン航空に対する規制を緩和した。一方、アメリカはイランの航空会社がテロを支援しているという懸念からイランに対する航空機の一部の販売を禁じたままである。イランはこうした疑いを否定している。