米FRBの金融政策を決める公開市場委員会が13日(火)から始まります。日本時間の15日(木)の午前04:00に声明が発表され午前04:30
からイエレン議長の記者会見が予定されています。
(FT)
そのイエレン議長を待ち受けている状況がトランプ次期大統領の誕生で、なかなかたいへんそ、とFTは伝えています。まずは、FRBの1年ぶりの追加利上げに対するトランプ氏のツイッターが注目です。
ざっくりこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。
(FT)
多くの専門家はトランプ氏が選挙で負けると予想した。仮に勝てば市場はクラッシュするとも予想した。まったく逆のことが起きている。今や投資家はトランプ氏の経済政策のいいとこ取りをしていて、いいことしか起きないと期待している。
投資家は、通商戦争や移民の大量強制送還ではなく、大型減税に規制緩和、大規模なインフラ投資しか目に入らないのだ。
大統領選挙が行われた11月8日以降、ほぼすべての経済指標が最近の高値を更新。株価は大きく上昇し、ドル高が進んでいる。まさにトランプブームの到来だ。
しかし、"トランプ相場"を逆回転させるきっかけが近づいている。最大の脅威は
FRB=米連邦準備制度理事会だ。14日にイエレン議長はほぼ確実に政策金利を引き上げる。この10年で
2度目の利上げ
となる。
FRBはトランプ勝利の前の時点で、2019年以前に3回から4回の利上げを示唆していた。
財政支出の抑制が続くことが前提だった。トランプ勝利でその前提は吹っ飛んだ(Mr Trump’s victory has blown that up)
。
アメリカ経済への影響はリフレ的となる。トランプ氏が計画している5兆7000億ドルの減税規模や1兆ドルのインフラ投資を半分で計算したとしても、大規模な景気刺激策
となる。
アメリカの失業率は5%を下回っていることからイエレン議長としては予定よりも利上げを加速せざるを得ないだろう。
これにはプラス面がある。アメリカの金融政策は予想より早く正常化される。その結果、次の景気後退に直面すれば、対応するため(利下げなどの)武器を手にできる。
さよなら、ゼロ金利の"ニューノーマル"。おかえりなさい、中央銀行のアニマルスピリッツ対策。
しかし、見逃せないマイナス面が2つある。
1つ目は、FRBとトランプ氏の衝突だ。パーティが盛り上がったところでおいしいパンチボールを持ち去る中央銀行をどんな大統領も嫌がる(No president likes the central bankers who take away the punch bowl just as the party is hotting up)。
イエレン議長は2018年2月に任期を迎える。あと1年余りだ。イエレン議長をクビにすると宣言していたトランプ氏だが、大統領にその権限はない。とは言え、トランプ氏はイエレン議長の日々を惨めにすることはできる。
今週の利上げに対してトランプ氏がツイッターなりでどう反応するかがカギだ。選挙戦で中央銀行を批判するツイートをするのと、大統領の発信は異なる。
2つ目のマイナス面はドル相場への影響だ。財政支出と金融引き締めにより、通貨は否応なく上昇する。となれば輸入品が値下がりし、輸出品が値上がりする。対中貿易赤字が拡大することになる。トランプ氏は貿易赤字を縮小すると公約し、グローバリズムの否定と製造業のアメリカ回帰が選挙戦の柱だった。
トランプ氏はこれを撤回できるか?そんなことをしたら支持率にどう影響するか!?
貿易赤字の拡大に伴ってFRBの独立を脅かそうとし、中国をスケープゴートにし、移民の強制送還に向けた協議を再開し、メキシコに対して関税を科すという衝動に駆られるだろう。こうなれば、投資家はトランプ氏が脅威だという側面を思い出すだろう。
しかし、それはちょっと先だろう。こ1年半、トランプ氏は反エリート主義で選挙戦を展開してきた。今後、アメリカのエリートはかつてない規模の減税を受け、資産価格の上昇の恩恵を受けるだろう。
投資家の目がくらんでいるのは決して不思議ではない(Little wonder the markets are so giddy)。
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