地球温暖化対策に熱心な米カリフォルニア州・ブラウン知事が今週、中国を訪れて習近平国家主席と会談しました。

中国の国家主席が一州知事と会談することも異例だし、中国メディアの破格の扱いは異例だということです。

パリ協定から脱退したアメリカ政府に代わって中国が環境で表舞台に躍り出た象徴的な出来事だという報道が相次いでいます。

(New York Times)

CNNXi’s meeting with California governor: A message to Trump on climate? (習近平のカリフォルニア州知事との会談は、トランプに対する環境のメッセージか?)の中で、「中国の政府高官の会談は緻密に練られる。6日、習近平国家主席とカリフォルニア州のブラウン (Jerry Brown)知事の会談は、国営メディアで広く報道され、タイミングが重視された」と伝えています。

つまり、州知事の6日間の中国訪問は、トランプ大統領が地球温暖化対策の国際的な枠組み=パリ協定の脱退を決めた直後のタイミングだったことを強調しています。

北京で開かれた国際会議でブラウン州知事は、トランプ大統領のパリ協定脱退を「クレイジー」と呼びました。

カリフォルニア州をひとつの国とみなせば、経済規模は世界で第6だし、習近平国家主席の父親も現在 79歳のブラウン知事を知っていることを考えると会談自体は不思議でないとしつつ、ここまでオープンにしたことは「地球温暖化対策に取り組む中国の本気度を示すものだ(signal how serious China is about fighting climate change) と分析しています。

New York Timesは、As Trump Steps Back, Jerry Brown Talks Climate Change in China (トランプが後退する一方で、ブラウン知事が中国で気候変動について発言)で「政治の舞台から消えてもおかしくない79歳のブラウン知事は中国を訪れて、トランプ大統領に代わって気候変動に関するアメリカの事実上の大使のようだ (de facto envoy)」と報じています。

習近平国家主席との45分の会談のあと、ブラウン知事は「カリフォルニアは(地球温暖化対策で)リードしている。中国もリードしている」と述べたということです。

ブラウン知事は、残りの任期の18か月の間にロサンゼルスとサンフランシスコの間を結ぶ高速鉄道の導入に力を注ぐつもりでしたが、「トランプ大統領がつくった穴を埋めるために力を尽くすことになった(stepped into a void left by Mr. Trump) 」としています。

一方の習近平国家主席にとって今回の会談は「地球温暖化対策で中国こそがグローバルなリーダーになるという宣言にほかならなかった」と指摘。

同じ国際会議に出席するため、ペリー・エネルギー長官も東京を経由して北京入りしていましたが、国家主席とは会談しなかったそうです。

Los Angeles Times の見出しは、China is now looking to California – not Trump – to help lead the fight against climate change (中国はトランプではなく、カリフォルニア州と共闘して気候変動に取り組む)。

この中で、「カリフォルニア州のブラウン知事と中国の習近平国家主席との会談はカリフォルニア州を国家に準じる立場に押し上げる、稀有な外交クーデターだ」と解説しています。

トランプ政権の環境対策に対するもっとも口うるさい批評家でもあるブラウン知事の国家主席との会談は、アメリカ第一を標榜するトランプ大統領が世界の舞台で隅に追いやられていることを際立たせるものだと伝えています。

とは言え「会談は中身よりも象徴的な意味合いが強かったようだ (The leader’s discussion appeared as much about symbolism as substance) 」と冷静な見方も。