フランスのマクロン大統領にとって初めての国政選挙となった議会下院の決戦投票が行われました。マクロン新党が勝利。
EU離脱に向けて準備を進めるイギリスに対して、
EUを守るのはドイツのメルケル首相とマクロン大統領だという報道が相次いでいて、2
人の名前をくっつけた
Merkron(メルクロン)という造語も登場しています。
(The Economist、欧州の救世主?)
New York Timesは、Macron’s Party and Allies Win Majority in French Parliamentary Elections(
マクロン新党、選挙協力の政党とあわせて議会下院の過半数を獲得)の中で、フランスの議会下院選挙で、
577
議席のうち、マクロン率いる新党のLRM=共和国前進と選挙協力の政党の議席をあわせて、
350
議席を獲得したと報じています。
「今回の選挙結果は、二大政党の中道右派の共和党と中道左派の社会党にとっては、厳しい拒絶反応(bleak repudiation)
を意味し、社会党の
Manuel Valls前首相にいたっては、わずか139
票差の勝利で再選を果たした」としています。社会党の閣僚経験者
4人は議席を失ったそうです。
43%という過去最低の投票率は、マクロン大統領の勝利に影を落とし、「フランスを変える」との公約を掲げるマクロン首相に対する国民の厳しい見方を反映していると総括しています。
The Economistの表紙(画像を参照)は水面をすいすい進むマクロン首相の横でヒョウ柄の靴が水に引き込まれていきます。この靴はイギリスのメイ首相!水没中です。
Electoral victory will make France’s president a potent force(議会選挙を経てフランス大統領は勢いを得るだろう)の記事で、「マクロン首相は、西側諸国で荒れ狂った国民の怒りに対する新たなこたえだ。彼は右と左という断絶を封じる新たな政治を約束する。さらにフランスのダイナミズムを取り戻し、ドイツの協力を得て
EUを復活を目指す」と伝えています。
マクロン氏は、よき時にあらわれたよき男(Mr. Macron is the right man at the right time)
だして、国民の間でエスタブリッシュメントへの拒否感が広がる中、マクロン首相率いる
LRM=共和国連合の候補の多くが政治の経験がなく、半分が女性。さらに、現職に議員全体の平均年齢が60
歳から
70歳に対してLRM
候補の平均が
43歳だということです。
マクロンの政治革命は右よりでも左よりでもなく、センターを目指すものが特徴だしています。
The Economistの別の記事のThe age of Merkron – Restarting the Franco-German engine
(メルクロン時代の幕開け~独仏関係の再起動)で、「ドイツを批判する政治家が相次ぐ中、擁護してきたマクロンは、ドイツにとって夢のような大統領候補だった」としています。
マクロン大統領は5月15日のメルケル首相との首脳会談に続き、7月13日
に会談し、教育やエネルギー分野で合意する見通しですが、ことし
9
月に行われるドイツの議会選挙でメルケル首相が地盤を固めれば、ユーロ圏の本格的な構造改革に向けて政治的な資本(political capital)
が蓄積されるとしています。
「マクロン大統領がドイツ国民の心をとらえることができなければほかにできる大統領がいるとは考えにくい。それこそがマクロンの強みだ。ドイツはルペン党首が完全に倒れていないことを知っている」と結んでいます。
The New Yorkerもメルケルとマクロンの造語=Merkron
を用いています。Can "Merkron" Draw a New Road Map for Europe(独仏の"メルクロン"は欧州の新たなロードマップを描けるか)?として、
28か国で構成するEU
の再活性化に貢献すると伝えています。
メルクロンのもう片方のメルケル首相は、「
EUの中期目標に向けてロードマップが必要だという認識でマクロン大統領と一致している。一夜ではできないが、新たな力を注入できる。この重要なときに正しい決断をする重要性をよく理解している」と述べたと伝えています。
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