サウジアラビアで経済界や治安部門の11人の王子や現職の閣僚がいっせいに逮捕され、王位継承者で32歳の若きムハンマド皇太子(
MBS=Mohammed bin Salman)が権力の掌握に動いたと報じられています。
原油価格に影響が出かねないほか、アップルやディズニーの投資家としても知られるビンタラール皇太子も逮捕されたことでビジネス界も困惑気味。逮捕された人たちはリヤドの五つ星ホテルに拘束されているそうです。そんなのにはサウジだけだよね、という報道も。
(Reuters)
New York Timesは、米人気テレビドラマに引っ掛けて"Game of Thrones
" Comes to Saudi Arabia(「ゲームオブスローンズ」がサウジアラビアにやってきた)として、サウジアラビアのムハンマド皇太子が4日、11人の王族関係者を逮捕したと発表し、もっとも著名なビジネスマンも含まれると報じています。
そのうえで、なぜ?クーデターか?あるいは失敗に終わったクーデターの報復か?何らかの見せしめか?と問いかけています。
「
MBS皇太子の権力の掌握が続いていることを示すものだ」と断言。
特に国家警備隊の担当相だったムトイブ王子と、億万長者の投資家のビンタラール王子(
Alwaleed bin Talal)の逮捕が特筆すべきだとしています。
逮捕された人たちはリヤドの高級ホテルおリッツカールトンホテルで拘束されているということです。
MBS皇太子が一気に動いたこと理由として、クーデターを察知したからではないか、父親で81
歳のサルマン王が健康を害していて退位を前にライバルを一掃したのではないか、などという見方を紹介しています。
Washington PostはWhat the royal purge means for Saudi Arabi – and its oil(
王国の粛清がサウジアラビアおよび原油に与える影響)で、MBS
皇太子がことし3月にホワイトハウスでトランプ大統領と会談したほか、先週、大統領の娘婿のクシュナー氏がリヤドを訪問したことなどを紹介。
「投資家は、サウジアラムコの上場を注視している。これまでのところ、ロンドン市場かニューヨーク市場かまだ分からない」と伝えています。
4日にはトランプ大統領が「サウジアラビアがサウジアラムコの上場をニューヨーク主権取引所でしてくれると嬉しいな。アメリカにとって重要!」とツイートしました。
しかしながら、王族の資産を隠しているサウジアラムコは、国際投資家の目に耐えられる会計処理は無理だろうということです。
原油価格への影響も注目です。7
日にはOPECの会合が予定されています。世界最大の原油輸出国のサウジアラビアは減産を主導していて、徐々に効果が出ていて、今回のいっせい逮捕を受けても原油価格は大きく動きませんでした。
6日の北海ブレントは1バレル=62ドル
55セント、ニューヨーク原油市場のWTIは
55ドル92セントで取引を終えました。
Wall Street Journalは、サウジアラビアの著名なビジネスマンら11
人が逮捕され、多くがリヤドのリッツカールトンホテルで拘束されていると伝えています。宿泊客が退去を求められ、突然五つ星の牢獄
(five-star prison)になったと皮肉を込めています。
この中にはアップルやツイッター、シティグループなどに多額の投資をしているビンタラール王子が含まれ、マネーロンダリング、買収などの疑いがもたれているそうです。
今回のいっせい逮捕について、トランプ大統領は訪問先の日本からツイート。「サルマン国王と皇太子を大いに信頼している。何をしているのかちゃんとわかっている」とのこと。
Los Angeles Timesは、億万長者の投資家のビンタラール王子に着目。パリのディズニーが窮地に陥ったとき、彼がトップを務めるKingdom Holdings
は1994年に救済にかけつけたそうです。
その後も、ビンタラール王子とディズニーのビジネス上の付き合いは続き、ことしも契約があったそうです。
ディズニーの夢の王国とサウジの王国、あるいはビンタラール王子の会社名が王国を意味することを踏まえて、タイトルは
He’s a true prince of two kingdoms(彼は2
つの王国の真のプリンスだ)です。うまい。
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