米アマゾンのジェフ・ベゾスCEO(54歳)は世界一の資産家でワシントン・ポストのオーナーでもありますが、これまで目立たないようロープロファイルに徹してきました。それが一転、トランプ大統領と親しいことで知られるタブロイド紙に対して牙を向けました。
ざっくりいうと1月9日に25年間連れ添ったマッキンジー夫人(48歳)と離婚を発表しましたが、これはタブロイド紙National Enquirerに人気テレビ司会者の女性との不倫がすっぱ抜かれる直前に公表したと言われています。
そのNational Enquirerがなぜベゾス氏と不倫疑惑の相手とのテキストなどを入手できたのか不審に思ったベゾス氏は、トランプ大統領やサウジアラビアに対して批判を強めているワシントン・ポストのオーナーだから狙われたのではないかと思って、調査開始。
これに対してタブロイド紙側が脅しのメールをよこしたことから、ベゾス氏は「メールの全文公表」という思わぬ行動に出た、という流れです。このスキャンダルを主要紙がいっせいに報じています。National Enquirerがいつまで持ちこたえられるか興味津々です。
FTはTabloid attack sees Jeff Bezos take on Trump(タブロイド紙に攻撃されたベゾス氏、トランプ批判に出る)の中で、「世界一の資産家がアメリカ大統領と対峙」と報じています。
ベゾス氏はアメリカでもっとも有名なタブロイド紙のNational Enquirerから脅迫されたことを明らかにし、トランプ大統領とサウジアラビアに関連づけて政治的な意図は明らかだと批判したということです。
「ベゾス氏が別の女性といっしょになるために夫人と別れたという好色なゴシップはワシントン政治、カネ、卑劣な手段という話に急展開した」と解説。
ベゾス氏は、2013年に取得したワシントン・ポストについて、complexifierという見慣れない言葉を用いて複雑な状況をもたらしたと指摘しています。
New York Timesは、ベゾス氏がNo thank you, Mr. Pecker(ペッカーさん、いいえけっこうです)という投稿の中でNational Enquirerの出版元のAmerican Mediaのペッカー会長から、不倫疑惑報道の裏に政治的な意図がないことを明らかにするよう求められ、拒めば卑猥な写真を公開すると脅迫され、屈することなくメールの全文の公開に踏み切った経緯を報じています。
トランプ大統領と親しいことで知られるペッカー氏が率いるタブロイド紙はテック企業についてまったく興味を持たなかったものの、テック企業のトップをめぐる突然の不倫疑惑報道は、ペッカー氏とトランプ大統領の近さに由来するとワシントンやニューヨークのメディアでは見られていたということです。
ベゾス氏に調査を依頼された専門家が2月5日に「政治的な意図によるリーク」が不倫報道の発端だったとワシントン・ポストに語ったということです。
WSJは、ベゾス氏がMy ownership of the Washington Post is a complexifier for me(ワシントン・ポスト取得は私に複雑な状況をもたらした)という文章で使ったcomplexifierという言葉に着目。
英語の辞書には載っていないが、決してベゾス氏が作った言葉ではなく、複雑な状況がさらに複雑になった状況を指すと解説しています。経済界やテックの世界では、細かい複雑なところに入りすぎて全体像を把握できない人などを指して、使われてきたそうです。
「ベゾス氏にとってcomplexifierは、人ではなく不明確にする状況だろう」と指摘した上で「こういう時には複雑な状況を解きほぐすdecomplexification(造語)が必要だと願っているだろう」と締めくくっています。

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