アメリカでは相次ぐ銃撃事件に先だって犯人がソーシャルメディアに差別的なメッセージをアップしていることを受けて、捜査当局はSNS上の個人データを集積して分析することが求められているそうです。

一方で、フェイスブックなどは個人データの保護が強く求められています。

今の焦点は「リアルタイム」のデータだということです。「監視資本主義(surveillance capitalism)」に対する警戒感も。

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(Reuters)

WSJはFBI Surveillance Proposal Sets Up Clash With Facebook(FBIの監視プログラム、フェイスブックと正面衝突も)の中で、米FBI=連邦捜査局フェイスブックやツイッターといったSNSから大量のデータを抜き取る契約を外部の業者に発注しようとしていて、入札の期限が8月27日だと報じています。

提案書の内容は、個人データを監視目的には使わないというフェイスブックの規定に違反する恐れがあるということです。

メッセージや投稿は対象外だとしつつ、名前、ユーザーID、写真などを対象でほかのデータと組み合わせることで全体像を把握するそうです。

相次ぐ銃撃事件に先だって、実行犯の白人男性が差別的な思想をSNSにアップしていたことからFBIなどの捜査当局はこうした「国内テロ(domestic terrorism)」への対応を攻められています。

一方、フェイスブックは大量の個人データの流出に対して、アメリカ政府で消費者保護を担うFTC=連邦取引委員会から史上最大の50億ドルの制裁金を科されて個人データの徹底的な保護を求めれる一方で、FBIからはデータを提供するよう要請され、政府内の異なる組織からの相反する求めに板挟みになっているということです。

これについてCNNは、FBIが業者を選定する入札について「SNS内のやりとりについてリアルタイムで幅広いアクセスが必要だ」と説明していると報じています。

FBIがこうした要請をするのは初めてではなく、2016年にはオープン情報となっているSNSの分析を行うDataminrと契約して「ツイッターのすべての投稿をリアルタイムで検索したということです。

こうしたデータは悪用されかねないとして市民団体が直ちに反発の声をあげたとしています。

FTは、2019年のビジネス書対象の候補となる16作品を発表しました。

この中にはハーバード大学名誉教授Shoshana ZuboffのThe Age of Surveillance Capitalism(直訳は、監視資本主義の時代)が入っています。

692頁に及ぶ大書は、とりわけグーグルのデータ活用について徹底的に批判し、ほかにフェイスブックやマイクロソフトも標的にしているとしています。

大手自動車メーカーのGMが今の経営資本主義(managerial capitalism)を100年前に作ったのに対して、グーグルは今の監視資本主義(surveillancebcapitalism)を作り出したと主張。

データをランドグラブ(土地の収奪)のように押さえて、人間の行動を操作し巨万の富を得ているとしています。

FTは9月16日に6作品にまで絞り込み、12月3日にニューヨークで表彰されるということです。

こちらには著者がみずから本の解説をしているNPRのインタビュー番組です。