中国はアメリカ企業の半導体に依存し、アメリカ国防総省は中国本土で生産される台湾(チャイワン)企業の半導体に依存する。こうしたサプライチェインの相互依存の中で、中国強硬派で知られるペンス大統領も中国の切り離し=decoupleを求めているわけではないと力説したということです。
一方、アメリカの通信当局=FCCの委員長はファーウェイを米国内市場から締め出す決意を寄稿しました。
米FCCのAjit Pai委員長は28日のWSJにFCC Answers The Threat From Huawei (米通信当局、ファーウェイの脅威への対応に乗り出す)を寄稿しました。
Los Angeles TimesはFive months after Huawei export ban, US companies are confused(ファーウェイとの取引禁止から5か月で、米企業は困惑)の中で、トランプ政権がアメリカ企業に対してことし10月、中国のファーウェイに部品などの輸出を禁止したが、アメリカ企業は今なお取引をしてもよいのかがわからず困惑していると伝えています。
米FCCのAjit Pai委員長は28日のWSJにFCC Answers The Threat From Huawei (米通信当局、ファーウェイの脅威への対応に乗り出す)を寄稿しました。
この中でパイ委員長は「中国の通信機器が将来アメリカの5Gネットワークで使われたらどうなるか想像してみてください。検閲、監視、スパイなどの危害の道を開く」と指摘。
世界の通信機器市場の30%余りを中国のファーウェイが握り民間企業だと言い張っているが、実際には中国の法律に基づき政府からアメリカ国民や企業にスパイするよう求められる可能性があるとしてFCCは11月29日に2つの需要な投票をするとしています。
▼アメリカの通信機器の安全を脅かすとして、85億ドルを有する政府のUniversal Service Fundから補助金を受けている国内の通信会社がファーウェイやZTEの機器やサービスを買うことを禁止。
▼すでに4GなどでファーウェイやZTEの通信機器を導入しているアメリカの地方の通信会社に対してそれを撤去するよう求め、それに先立って調査する。現状は受け入れることのできないリスクだ(unacceptable risk)。
Los Angeles TimesはFive months after Huawei export ban, US companies are confused(ファーウェイとの取引禁止から5か月で、米企業は困惑)の中で、トランプ政権がアメリカ企業に対してことし10月、中国のファーウェイに部品などの輸出を禁止したが、アメリカ企業は今なお取引をしてもよいのかがわからず困惑していると伝えています。
国家安全保障を盾にトランプ政権が事実上の禁輸リスト=entity listに載せて取引を禁止したにもかかわらず、ファーウェイは今月の決算発表でことし9月までの9か月間で、スマホ販売の26%増に支えられて売り上げが24%増えたと発表しました。5Gについても世界で60の通信会社と契約を終えたと自信満々。
Entity listに加えられたことで、米企業はファーウェイに部品などを販売する際に政府から許可が必要となり、トランプ大統領が6月に大阪で習近平国家主席と会談した際にファーウェイへの輸出許可を「簡単に」付与すると言いましたが、これまでひとつも付与されていないそうです。
米商務省は、ファーウェイとの取引を求めて200の申請があったと明らかにしています。申請する企業側は、国家安全保障と関係ない部品はアメリカが提供しなければ韓国、日本、台湾が供給するだけだ、と強調しているということです。
また、輸出管理法に基づき、完成品の25%以下がアメリカ製であれば対象でないとして、大手半導体メーカーのマイクロンやインテルがファーウェイに半導体の出荷を一部再開したということです。
ファーウェイはアメリカから提供されるGmailやグーグルマップの更新ができないことから100億ドルの売り上げ減につながると説明していると言います。
一方、トランプ大統領は、貿易協議で中国からよりよい条件を引き出せるなら取引禁止を撤回する考えを示し、中国のみならずアメリカ議会から批判されていますが、米中が「第1段階」の合意に達したことでファーウェイをentity listから除外するかどうかが最大の焦点となっているとしています。
実はアメリカ政府も困っているというのは、New York TimesのPentagon, With an Eye on China, Pushes for Help From American Tech(米国防総省、中国に頼れず米テック企業に助けを求める)の中で、アメリカのペンタゴン=国防総省が米中貿易摩擦が激化していることから台湾の半導体メーカーへの依存を引き下げようとしていると報じています。
とりわけ台湾のTMSCについては、香港の大規模デモなどを踏まえて、ペンタゴンは供給が途切れた場合の頭の体操をしているそうです。
半導体を設計するファーウェイも半導体はTMSCに依存しています。TMSCへの依存度を引き下げるためにトランプ政権は米テック企業にアメリカ国内で開発と生産するよう求めているとしています。
では、アメリカが中国を切り離すdecouplingを進めているのかと言えば、ペンス大統領はNOと言っているとCNBCは伝えています。
ペンス副大統領は先週、ワシントンのWoodrow Wilson International Centerで「今後の米中関係」をテーマに演説。中国に対する厳しい認識を示しつつ「アメリカは中国との衝突を望まない」と述べました。
またペンス副大統領は「トランプ政権が中国を切り離す=decoupleしようとしているのかとよく聞かれるが、答えは明確なNOだ」として、中国が公正で国際法に基づくビジネスを行うのであれば、関係を維持したいという考えを示しました。
*米FCC委員長の寄稿文
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