◆พิจิกา(ピチカー)/Pijika【พ.ศ.2554】
元DooBaDooのヴォーカリスト、ピチカー渾身のアルバム「Pijika」の紹介の続きです。
思えば自身の名前をタイトルに持ってくるというのは、彼女のこのアルバムに対してのかなりの意気込みの表れではないかな、と思うのですが。
それはさておき、前回はTr.6「ニット・ヌン」まで触れましたので、今回はTr.7「ユー・ユー・コ・マー・プラコット・トゥア・ナイ・フアチャイ」からです。
元DooBaDooのヴォーカリスト、ピチカー渾身のアルバム「Pijika」の紹介の続きです。
思えば自身の名前をタイトルに持ってくるというのは、彼女のこのアルバムに対してのかなりの意気込みの表れではないかな、と思うのですが。
それはさておき、前回はTr.6「ニット・ヌン」まで触れましたので、今回はTr.7「ユー・ユー・コ・マー・プラコット・トゥア・ナイ・フアチャイ」からです。
この曲はTVドラマ「ローイ・マーン(รอยมาร)」でも使用された曲で、晴れた日のぽかぽか陽気を思わせる、ほのぼのした曲調が印象的ですね。って、MVがそんな感じなんですが・・・。
◆อยู่ๆก็มาปรากฏตัวในหัวใจ(ユー・ユー・コ・マー・プラーコット・トゥア・ナイ・フアチャイ)
この曲を聴いていると個人的にブアチョンプー・フォードの「Sunshine Day」を思い出してしまいます。何か似てませんかね。
Tr.9の「モーン・チャン・コン・ニー」は男女デュオBlissonicの曲のカヴァー(⇒こちら)。というより、リメイクと言った方が良いのでしょうか。
というのも、この曲は元々、今回のアルバムのプロデューサーでもあるトーン・ソーファー氏がBlissonicに提供した曲のようですが、ピチカーに改めて歌ってもらいたくて選曲されたのかもしれません。それともピチカーが気に入っていたから、かな・・・。
オリジナルではシンセの音が使われていたりしますが、ピチカーのヴァージョンは生ピアノをバックに歌う美しいバラードになっています。後半出てくる男性ヴォーカルはクレジットが見つけられなかったので、誰かは分かりませんが、プロデューサーのトーン氏かもしれません。
Tr.10「ンガオ・ユー・ディー」は限定シングル「ニット・ヌン」にカップリングされていた曲。
「Brit pop soul」というスタイルを取り入れたアレンジらしいですが、その辺、あまり詳しく分かりません。要はブレイク・ビーツ風のリズムを取り入れているという事だと思うのですが。
◆เหงาอยู่ดี(ンガオ・ユー・ディー)
ただ、ヒップ・ホップがベースになっているとは言え、ラップを入れる必要はあったのかな?ちょっと、余計なような気がしないでもないですが・・・。
続くTr.11「クワーム・ラック・ディー・ディー」までの後半5曲は、各曲それぞれ良い曲ですしアレンジのヴァリエーションもつけているですが、カラーが似ているため、やや中だるみの感があるのは否めません。
しかし、その空気を一気に変えてくれるのが、Tr.12「セーン・スット・ターイ」です。改めて言うまでも無いかもしれませんが、Bodyslamのカヴァーです(⇒こちら)。
オリジナルと比べると、テンポを速め、ヴィンテージ・ドラムマシーン+Rhodes系エレピのシンプルなバックを基本にハウシーなTR909系キックが絡むという、かなり違う雰囲気の曲に仕上がっています。
さらに、そこでピチカーがクールに歌うことで、この曲の新たな魅力を引き出すことに成功したのではないでしょうか。映画「Top Secret」にも使われた曲です。
◆แสงสุดท้าย(セーン・スット・ターイ)
この曲はアルバム全体から見ればかなり異質なのですが(このアルバムの為に録音された物ではないからだと思います)、曲の配置が上手く、雰囲気を変える役割を果たしていますね。
「セーン・スット・ターイ」があったことで、続くTr.13「クルア・ンガオ・チャイ・ピット」も新鮮に聴こえるのだと思います。ちなみに「クルア・・・」はTVドラマ「3ヌム・ヌア・トーン(3หนุ่มเนื้อทอง)」に使われた曲です。
Tr.14、15はラウンジ・スペシャルと題されたパートで2曲ともカヴァー。オリジナルに関しては自分なんかよりも皆さんの方がよくご存知だと思います。
ピチカーのヴァージョンは英語詞そのままで歌っているのですが、自分としてはここはタイ語の詞をつけてほしかったです。これはこれで良いのですが・・・。
と、Tr.15までが限定盤と通常盤、同じ内容になっています。Tr.16~19までは限定盤のみの収録です。その限定盤収録の4曲について簡単に触れておきたいと思います。
Tr.16はTr.10をアコースティック・ギターのみのバックで歌ったアコースティック・ヴァージョン。本編のヴァージョンとはかなり雰囲気が変わっていて、同じ曲でも別の魅力を醸し出しています。
Tr.17はTr.2のでも・ヴァージョンです。1stデモというだけあって、かなり荒削りで間違えた部分もそのまま残してあります。
Tr.18はTr.6のモバイル・デモという事ですが、配信用に作られたヴァージョンのデモという事でしょうか。この曲のみ限定シングルに収録されたものとダブっています。
Tr.19はTr.6のカラオケですね。
と、だいぶ余計な事を書きすぎて長くなってしまいましたが、一言で言えば「捨て曲無しの大傑作!」という事です(笑)。
このアルバムを聴くと、DooBaDoo時代のピチカーは、あくまでも彼女の引き出しの中の一つを出しただけ、という事が分かります。彼女はそれだけボキャブラリーの豊富な人なんですよね。
それに、全体的にクオリティーの高いタイの音楽シーンにあっても、これだけの作品はそうそう出てこないのではないか、という表現はちょっと大袈裟かな。きっと賛同してくれる人が一人くらいは居てくれると思うのですが・・・。
ともかく、買って損は無いアルバムです。というより、あるうちに買っておくべき!
◆おまけ。2011年12月25日、セントラル・ラップラオ店のB2Sで行われたインストア・イベントの様子
******************************************
1.Music is My True Love
2.ความรักฉันหายไป(クワーム・ラック・チャン・ハーイ・パイ)
3.แอบเจ็บ(エープ・チェップ)
4.แฟร์ แฟร์(Fair Fair)
5.จิตใต้สำนึก(チット・タイ・サム・ヌック)
6.นิดนึง(ニット・ヌン)
7.อยู่ๆก็มาปรากฏตัวในหัวใจ(ユー・ユー・コ・マー・プラーコット・トゥア・ナイ・フアチャイ)
8.ช่วงเวลาที่ยากลำบาก(チュアン・ウェーラー・ティー・ヤーク・ラム・バーク)
9.มองฉันคนนี้(モーン・チャン・コン・ニー)
10.เหงาอยู่ดี(ンガオ・ユー・ディー)
11.ความรักคีๆ(クワーム・ラック・ディー・ディー)
12.แสงสุดท้าย(セーン・スット・ターイ)
13.กลัวเง้าใจผิด(クルア・ンガオ・チャイ・ピット)
14.Kiss Me
15.Built To Last
16.เหงาอยู่ดี(ンガオ・ユー・ディー)-Acoustic Version※
17.ความรักฉันหายไป(クワーム・ラック・チャン・ハーイ・パイ)-1st Demo※
18.นิดนึง(ニット・ヌン)-Mobile Demo※
19.นิดนึง(ニット・ヌン)-Backing Track※
※Tr.16~19は限定版のみの収録
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◆อยู่ๆก็มาปรากฏตัวในหัวใจ(ユー・ユー・コ・マー・プラーコット・トゥア・ナイ・フアチャイ)
この曲を聴いていると個人的にブアチョンプー・フォードの「Sunshine Day」を思い出してしまいます。何か似てませんかね。
Tr.9の「モーン・チャン・コン・ニー」は男女デュオBlissonicの曲のカヴァー(⇒こちら)。というより、リメイクと言った方が良いのでしょうか。
というのも、この曲は元々、今回のアルバムのプロデューサーでもあるトーン・ソーファー氏がBlissonicに提供した曲のようですが、ピチカーに改めて歌ってもらいたくて選曲されたのかもしれません。それともピチカーが気に入っていたから、かな・・・。
オリジナルではシンセの音が使われていたりしますが、ピチカーのヴァージョンは生ピアノをバックに歌う美しいバラードになっています。後半出てくる男性ヴォーカルはクレジットが見つけられなかったので、誰かは分かりませんが、プロデューサーのトーン氏かもしれません。
Tr.10「ンガオ・ユー・ディー」は限定シングル「ニット・ヌン」にカップリングされていた曲。
「Brit pop soul」というスタイルを取り入れたアレンジらしいですが、その辺、あまり詳しく分かりません。要はブレイク・ビーツ風のリズムを取り入れているという事だと思うのですが。
◆เหงาอยู่ดี(ンガオ・ユー・ディー)
ただ、ヒップ・ホップがベースになっているとは言え、ラップを入れる必要はあったのかな?ちょっと、余計なような気がしないでもないですが・・・。
続くTr.11「クワーム・ラック・ディー・ディー」までの後半5曲は、各曲それぞれ良い曲ですしアレンジのヴァリエーションもつけているですが、カラーが似ているため、やや中だるみの感があるのは否めません。
しかし、その空気を一気に変えてくれるのが、Tr.12「セーン・スット・ターイ」です。改めて言うまでも無いかもしれませんが、Bodyslamのカヴァーです(⇒こちら)。
オリジナルと比べると、テンポを速め、ヴィンテージ・ドラムマシーン+Rhodes系エレピのシンプルなバックを基本にハウシーなTR909系キックが絡むという、かなり違う雰囲気の曲に仕上がっています。
さらに、そこでピチカーがクールに歌うことで、この曲の新たな魅力を引き出すことに成功したのではないでしょうか。映画「Top Secret」にも使われた曲です。
◆แสงสุดท้าย(セーン・スット・ターイ)
この曲はアルバム全体から見ればかなり異質なのですが(このアルバムの為に録音された物ではないからだと思います)、曲の配置が上手く、雰囲気を変える役割を果たしていますね。
「セーン・スット・ターイ」があったことで、続くTr.13「クルア・ンガオ・チャイ・ピット」も新鮮に聴こえるのだと思います。ちなみに「クルア・・・」はTVドラマ「3ヌム・ヌア・トーン(3หนุ่มเนื้อทอง)」に使われた曲です。
Tr.14、15はラウンジ・スペシャルと題されたパートで2曲ともカヴァー。オリジナルに関しては自分なんかよりも皆さんの方がよくご存知だと思います。
ピチカーのヴァージョンは英語詞そのままで歌っているのですが、自分としてはここはタイ語の詞をつけてほしかったです。これはこれで良いのですが・・・。
と、Tr.15までが限定盤と通常盤、同じ内容になっています。Tr.16~19までは限定盤のみの収録です。その限定盤収録の4曲について簡単に触れておきたいと思います。
Tr.16はTr.10をアコースティック・ギターのみのバックで歌ったアコースティック・ヴァージョン。本編のヴァージョンとはかなり雰囲気が変わっていて、同じ曲でも別の魅力を醸し出しています。
Tr.17はTr.2のでも・ヴァージョンです。1stデモというだけあって、かなり荒削りで間違えた部分もそのまま残してあります。
Tr.18はTr.6のモバイル・デモという事ですが、配信用に作られたヴァージョンのデモという事でしょうか。この曲のみ限定シングルに収録されたものとダブっています。
Tr.19はTr.6のカラオケですね。
と、だいぶ余計な事を書きすぎて長くなってしまいましたが、一言で言えば「捨て曲無しの大傑作!」という事です(笑)。
このアルバムを聴くと、DooBaDoo時代のピチカーは、あくまでも彼女の引き出しの中の一つを出しただけ、という事が分かります。彼女はそれだけボキャブラリーの豊富な人なんですよね。
それに、全体的にクオリティーの高いタイの音楽シーンにあっても、これだけの作品はそうそう出てこないのではないか、という表現はちょっと大袈裟かな。きっと賛同してくれる人が一人くらいは居てくれると思うのですが・・・。
ともかく、買って損は無いアルバムです。というより、あるうちに買っておくべき!
◆おまけ。2011年12月25日、セントラル・ラップラオ店のB2Sで行われたインストア・イベントの様子
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1.Music is My True Love
2.ความรักฉันหายไป(クワーム・ラック・チャン・ハーイ・パイ)
3.แอบเจ็บ(エープ・チェップ)
4.แฟร์ แฟร์(Fair Fair)
5.จิตใต้สำนึก(チット・タイ・サム・ヌック)
6.นิดนึง(ニット・ヌン)
7.อยู่ๆก็มาปรากฏตัวในหัวใจ(ユー・ユー・コ・マー・プラーコット・トゥア・ナイ・フアチャイ)
8.ช่วงเวลาที่ยากลำบาก(チュアン・ウェーラー・ティー・ヤーク・ラム・バーク)
9.มองฉันคนนี้(モーン・チャン・コン・ニー)
10.เหงาอยู่ดี(ンガオ・ユー・ディー)
11.ความรักคีๆ(クワーム・ラック・ディー・ディー)
12.แสงสุดท้าย(セーン・スット・ターイ)
13.กลัวเง้าใจผิด(クルア・ンガオ・チャイ・ピット)
14.Kiss Me
15.Built To Last
16.เหงาอยู่ดี(ンガオ・ユー・ディー)-Acoustic Version※
17.ความรักฉันหายไป(クワーム・ラック・チャン・ハーイ・パイ)-1st Demo※
18.นิดนึง(ニット・ヌン)-Mobile Demo※
19.นิดนึง(ニット・ヌン)-Backing Track※
※Tr.16~19は限定版のみの収録
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コメント
コメント一覧 (4)
実はfukuさんのブログにトラックバックを入れようと思ったのですが、失敗しまして…。
本当は僕の記事はかなり適当なので、読んでもらうのは恥ずかしいのですが。間違いがあったらご遠慮なくご指摘ください。
でも、このアルバム、お世辞抜きで本当に良いアルバムですね。それにしても、ピチカート・ファイブの音に似ていますか?自分にはどうも結びつき難いのですが。自分は少なくともピチカーの方が深いと思っています。
> 僕はまだ通常盤しか買ってなかったのですが、限定盤も買うことにしますw
僕は限定盤しか持っていないので、通常盤も買おうかと思っています。通常盤のジャケットも素敵なので。
詳細なレビュー、うんうん頷きながら読ませて頂きました。
で、「ピチカート・ファイヴ」って書こうとしたら、すでに先客が……(恥)
僕はまだ通常盤しか買ってなかったのですが、限定盤も買うことにしますw
>カバーが何曲か入ってますが、bodyslamいいですね。
ピチカーの「セーン・スット・ターイ」は凄く良いですね。本家のもっちゃりした感じより、はるかにメロディーの良さが活きてくるアレンジだと思います。
>ピチカという名前、ピチカートファイブから撮ったんじゃないかと思えるほど、サウンドとか雰囲気が似ていません?
結論から言っちゃうとピチカーは本名なのでピチカート・ファイブとは関係ないと思いますが(あだ名はルークワー)、「ピチカー」で検索するとピチカート・ファイブがやたらとヒットしてしまうのは確かです(笑)。
サウンドは確かに近いと思いますが、いわゆる「渋谷系」と呼ばれた頃のピチカートって好きじゃないので(デビュー当時は大好きだった)、自分としてはあまり一緒に考えたくない、というのが本音です。