糖尿病の薬で、DPP-4阻害剤と呼ばれる薬は、確実な血糖値の低下と、その一方の(一時的な)低血糖などの副作用の少なさで、ここ数年糖尿病治療薬として、急激にシェアを伸ばしてきました。世界で一番売れているのは、最初に発売されたMRKのsitagliptin (Januvia)で、二番目に売れているのがAZN/BMSのsaxagliptin (Onglyza)です。後者は日本では7剤目のDPP-4阻害剤ですが、間もなく協和発酵キリンから販売されます。

Saxagliptin (Onglyza)は、2009年にFDAが糖尿病薬承認の条件に、アウトカム試験を要求するようになってから初めてFDAに承認された薬です。アウトカム試験とは、実際に心筋梗塞やそれにより死亡を減らせるかどうかを実証する試験です。Zetiaのところでも強調しましたが、薬の目指す所は、データの改善ではなく、アウトカムの改善です。

当然ながら、DPP-4阻害剤はどれもほぼ同じ作用機序なので、差別化が難しいのですが、saxagliptin (Onglyza)は、承認後のアウトカム試験がsitagliptin (Januvia)より進んでいました。先週聞いた、Onglyzaの説明会でもそのことが強調されていました。そして、SAVOR-TIMI-53というPhase 4(販売後)の治験の結果がセールス・ポイントになると期待されていました。しかし、先週、衝撃的な結果が出ました。その治験で、saxagliptin (Onglyza)は、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳梗塞の複合エンドポイントで、placeboと比較して差を出せませんでした。

9月の
 European Society of Cardiology (ESC) 2013 Congressで詳細が発表されるので、確認したいと思います。Zetiaの二の舞にならないことを期待しています。