本日、大腸内視鏡検査を受けてきました。

便潜血反応は、死亡率を下げるエビデンスもあり、公衆衛生学的には文句ないのですが、大腸内視鏡検査についてはどうでしょうか?お金の問題で、大腸内視鏡検査を住民あるいは社員を対象にして行うのはほとんど不可能ですが、個人のレベルでは死亡率を下げるエビデンスがあるなら、受けたいという方も多いかと思います。

なお、個別のがん検診は、その検診が対象にしている癌死を低下させるというエビデンスはあっても、全死を減少させるエビデンスはないのが、ほぼ全てです。「全死が減らないなら意味ないじゃん?」というのは、真っ当な意見ですが、私は(おそらく多くの方も)後悔して死にたくはありません。早期発見が困難な膵臓がんで死ぬのは諦めがつくとしても、早期発見が可能な胃がんや大腸がんでは死にたくないのです。

大腸内視鏡検査に話が戻りますが、これは医師のレベルの格差が、一般の方が考えているよりはるかに大きいです。「大腸内視鏡検査は痛い」というイメージが強いためか、「大腸内視鏡検査の時間は短ければ短いほど、その先生の腕はいい」という誤信があるようです。

しかし、観察時間と病変(腺腫)発見率は正の相関関係があるというエビデンスがあります。そして、腺腫の発見率と検査後の大腸がん死には負の相関関係があるというエビデンスがあります。ある私立大学教授は「検査時間は5分」と公言していて、日本中アルバイトに行っていますが、私はその先生の検査は受けたくありません。

それと、おそらく厚生労働省の医療費抑制政策と密接にリンクしていると思いますが、ポリープ切除術は医療費が高いためか、日本では「5mm以下のポリープは切除せず経過観察でいい」というのが基本的な見解です(大腸ポリープ診療ガイドライン2014 日本消化器病学会)。しかし、米国では「全てのポリープは切除する」という考え方が主流です。