以前に紹介したJupiterという治験は、LDL-C(悪玉コレステロール)が正常で、hsCRP(炎症のマーカー)が高い人を対象に、コレステロールを下げる薬の一つであるrosuvastatin(クレストール) を投与すると「 心血管リスク」が低下するという内容だった。

これと同時に米国心臓病学会(ACC)で発表された内容は、一見すると似ているが、Jupiterとは異なる内容だった。本ブログで指摘したところだが、学会発表と論文では、primary endpointが都合よく変えられていて、結論が違うことには注意されたし。

今回、ACCでの発表とほぼ同時に、New England Journal of Medicine(最も権威のある医学誌の一つ)に"Cholesterol Lowering in Intermediate-RiskPersons without Cardiovascular Disease"という論文が掲載された。

今回の治験は、血圧やLDL-C値に関係なく、心血管疾患リスクが中程度の患者12,705人を組入れて、5.6年(メジアン)間治療したところ、rosuvastatinは心筋梗塞などのリスクを有意に低下したという内容だ。

対象者は、男は55歳以上でリスク因子一つ以上、女は65歳で二つ以上。リスク因子とは高ウエスト・ヒップ・レシオ、低HDL-C値、喫煙経験、耐糖能異常、冠疾患早発の家族歴、(軽度)腎疾患だ。First co-primary outcomeは、心血管疾患死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中。

Rosuvastatin投与により、投与前のLDL-C値が高い人も低い人も、またhsCRPが高い人も低い人も、心血管疾患死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中が低下することが示された(群間で有意差なし)。