IB証券やFirstrade Securitiesなど米国証券会社で行うオプション取引は総合課税(雑所得収入)になります。高額所得者やオプション取引で儲けた人は、地方税と合わせて税率55%です。株式との損益通算も損失の翌年以降への繰り越しもできません。このような不利な面はありますが、流動性や呼び値の細かさの点では、圧倒的に米国市場が有利です。


米国証券会社でオプション取引した時は、確定申告が必要です。まず(1)CSP(現金確保プット売り)でプットが権利行使されて株式を所有し、(2)続いてカバード・コールを組み、コールが権利行使されて株式を売却した場合、損益をどのように計算するかを示します。


次に、(3)でオプションがexpireするか、反対売買でポジションを解消した場合の税務処理を示します。


(1)CSP(現金確保プット売り)で権利行使された場合


IB証券でCSPをする場合を見ましょう。312日と13日に、満期日が420日、権利行使価格が93ドルのプット・オプション(IWM 20APR13 93.0 P)を100枚ずつ売り、合計200枚のプット・オプションが満期日前日の419日に権利行使されたとします。その結果、20,000株の株式(IWM)を1株当たり93ドルで取得します。


この場合、IWMの取得費はいくらになるでしょうか?まず、312日プット・オプションを1.600ドル/枚で100枚売って、15,922.87ドルを得ています(手数料控除後)。313日プット・オプションを1.660ドル/枚で100枚売って、16,522.86ドルを得ています(手数料控除後)。


IWMの取得費を計算するには、1,860,000 (=93×20,000)ドルを計上し、次にプット・オプションを売った時に得た約定料金32,445.73(=15,922.8716,522.86)ドルを引きます。株式取得の手数料はありません。計算すると、取得費は 1,827,554.27(=93×20,00032,445.73)ドルになります(一株あたりの取得単価は、91.37715ドル)。419日のTTS1ドル=99.29ドルなので、181,457,863円です。


(2)CCW(カバード・コール)で権利行使された場合


株式を20,000株取得したので、422日に満期日が518日、権利行使価格が93ドルのコール・オプション(IWM 18MAY13 93.0 C) 0.51ドル/枚で200枚売ったとします。10,200(=0.51×20,000)ドルを得ます。手数料を控除すると、10,055.23ドルです。


このコール・オプションが満期日前日に権利行使され、株式は93ドルで売却されたとします。売却額は 1,860,000(=93×20,000)ドルです。517日のTTB1ドル=101.29円なので、188,399,400円になります。 


なお、この株式の売却には手数料が掛かっているので計上します。この場合、41.66ドルなので、517日のTTS 1ドル=103.29円で円換算すると、4,303円です。


以上より、IWM 20,000株の売却益は 6,937,234(=188,399,400181,457,8634,303)円になります。CSPのプットとCCWのコールは、いずれも権利行使されたので、実現損益は0です。


(3)権利行使されなかったオプション取引の税金


オプションがexpireした場合、あるいは反対売買で清算した場合、オプションは実現損益になります。本来は、その日々の為替で円換算すべきですが、この部分のオプション取引については、年間報告書(アクティビティ・ステートメント)に記載されている「オプション取引の実現損益」を年最終取引日のTTBで円換算することを認めてくれるようです。


以上は、私を管轄する税務署の見解です。すべての税務署でこの方法が受理されるかは不明です。また、今後もこの方法が通用されるかも不明です。