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「飲酒運転」のブログに思う

デンマークでは「血中のアルコール濃度が0.02以上検出されると、車が自動的に没収され売り飛ばされる」という記事がブログにあり、一部で話題になっています。「日本でもこれぐらいの厳罰を」という声が上がっていますが、これには注意が必要です。以前にも、他の場所でコメントしたことですが、行方不明なので、自分のブログに残しておきます。

この投稿には、アルコール濃度の単位が書かれていないのですが、0.02%と推定されます。リンクされている元の記事はこれです。EUの最新の情報では、デンマークでの飲酒運転は、0.05%以上とあります。つまり、ブログでは、わずかな飲酒でも車が没収されるように書かれていますが、これは正しくはなく、泥酔状態の場合のみのようです。

また、飲酒運転の定義ですが、日本では呼気中アルコール濃度が0.15%で、血中濃度0.03%に相当します。日本では350mlの缶ビールを1缶飲んでもダメです。一方、欧米では、これより緩い基準で、デンマークを含めた欧州では0.05%、米国やイギリス(スコットランドを除く)では0.08%です(いずれも血中濃度)(Wikipediaに詳しい)。0.08%なら、欧米では、体格のいい男性の場合、350mlの缶ビールを2缶飲んでも、飲酒運転にはなりません

しかも、欧米などでは、プロのドライバーか一般のドライバーか、年齢、運転免許取得後の年数などで、飲酒運転の基準が違います。これは、欧米では、一般のベテランのドライバーは、少しの飲酒は許されていることの証左です。つまり、欧米では、缶ビール1本や2本なら、飲酒運転にはなりません。

(私は、一口でもお酒を飲んだら、決して運転はしません。飲酒運転を擁護する意図はありません。各国の制度を客観的に述べただけです)

大部分のドライバーは「平均」より運転が上手い

行動ファイナンスの啓蒙書を読んでいると、自信過剰バイアスの例として、ほぼ必ず、自動車の運転の話が出てきます。
 

山崎元氏も、「第141回 ほどよいオーバーコンフィデンスは可能か?」で、「ある調査によると、自動車を運転する人のざっと8割は、自分が『全ドライバーの平均以上に運転が上手い』と思っているという。客観的には、平均よりも上手い人は、せいぜい全体の半分程度だろうから、ドライバーの多くが、自分の運転に関してオーバーコンフィデンスにとらわれている」と書いています。

ところで、ドライバーの運転の技量はどうやって定量化したらいいのでしょうか?少なくても、事故を起こす人は「運転が下手」とは言えそうです。これだと「運転が慎重な人=運転がうまい」ということにもなるので、抵抗を感じる人がいるかもしれませんが、私はそうは思いません。慎重な運転は、運転の技量の大事な一つの要素だと思います。

 

このように考えると、過去の一定期間か、一定の運転距離において、事故を起こした回数を「運転のうまさ」にするのが、一番いいように思えます。実際の統計として、ドライバーの運転距離を調べるのは難しそうなので、一定期間での事故の回数を調べるのが現実的でしょう。これだとペーパー・ドライバーも「運転がうまい」に入ってしまいますが、そこは目を瞑ります。
 

さて、交通事故総合分析センターの統計によると、3年間の間にドライバーは平均0.00031回事故を起こしています。内訳をみると、2回以上の事故を起こしたドライバーの割合は0.127%、1回事故を起こしたドライバーの割合は2.719%、1回も事故を起こさなかったドライバーの割合は97.154%です。個々の事象が独立であることが前提であるポアソン分布では、平均が0.00031回の場合、2回以上の事故を起こす割合は0.000%、1回の事故の場合は0.309%、1回も事故を起こさない割合は99.691%ですから、事故は偶然ではなく、ドライバーの技量によるところが大きいことが示唆されます。つまり、事故は運転のうまさを測る、非常にいいバロメーターです。

 

ドライバーの事故の平均値は0.00031回ですから、事故が0回の97.154%のドライバーは「平均」より運転がうまいと言えます。従って、自分の運転が「平均」よりうまいと答えるドライバーの割合が7割ないし8割しかいないということは、ドライバーの多くはむしろ控えめで、自信過剰バイアスの例えとしては、適切ではないように思われます。なぜ、これがいつまでも行動ファイナンスの啓蒙書に出ているのでしょうか?
 

そこで、原著を調べました。最初は、Nååtånenらの1975年の論文”Road-user behavior and traffic accidents”のようです。しかし、この論文では、「運転のうまさ」ではなく、「安全運転」を聞いているようです(原文を読むことは、今は不可能なようです)。
 

そこで、Svensonが1980年に同様の実験をしました。彼は、「運転のうまさ」と「安全運転」の二つを分けて、対象者である大学生に聞いています。
 

結果は、どちらもほぼ同様ですが、NååtånenもSvensonも、質問では「平均」ではなく、「中位」と聞いています。これなら、納得です。大部分のドライバーが「中位」より運転がうまいと考えているなら、その原因として自信過剰バイアスが考えられるでしょうが、「平均」よりうまいと考えているのは、上述のように正しいことであり、論文のネタにもなりません。
 

おそらく、誰かがNååtånenやSvensonの論文を日本に紹介するときに、「中位」を間違って「平均」と書いたのでしょう。すべての日本の識者やブロガーは、その間違いをそのまま引き継いでいるようです。


 

東日本大震災

2011年3月11日
会社は東京の港区にあるが、15階にある診療所では、その時間は立っていられないほどに揺れた。診療所の天井のパネルが落下した。幸い、人的被害はなかった。 私の部屋から外を見ると、お台場のあたりで黒煙が上がっていた。

当日は、電車がすべて止まっていたので、ひたすら歩いた。3時間ぐらいまでは快調だったが、その後は足が痛くなり、悲惨だった。子供がいなければ、会社か 会社の近くの高級ホテルで一泊するところだが、子供と連絡が取れないので、ひたすら歩いた。6時間かけて、やっと家に着いた。子供は友達の家に泊めても らっていることを知り、安堵した。
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