北風
2013年01月22日
汁粉
冬の参道には、温かい甘酒や
お汁粉の旗が閃いている。
其らしい味がする店もあれば、
不味い店もある。
正月等はお汁粉一杯の味が、
その年の運試しみたいなものだ。
昔、我が家でお汁粉を作るのは
鏡開きの時と、後は私のお袋の
気紛れで年に二回か、三回だった。
豆の香りと、トロリと円みを帯びた
甘さが印象的だ。
何かにつけて母を思い出すと、
お袋の汁粉の味を未だに思い出す。
年に一度ぐらい家内が作ってくれる。
しかし、今一つ何かが足りない味だ。
鍋や熱源も、遠い昔とは異なるから
味の違いは致し方の無いことだと
自分に言い聞かせて美味そうな
顔をして食べてはいる。
私のアトリエがある東京、上野界隈には
甘味処の老舗が繁盛している。
私も先日、友人と店先でお汁粉の旗が
北風にパタパタと手招きのように揺れている
甘味処に入った。
しかし、繁盛しているが為に狭い店内は
女性客でザワザワとしているし、一杯の
汁粉の量も、お上品で私には少なすぎて
物足りない!
昨年の春頃から、変わった珍客が
私のアトリエに出入りするようになった。
カッパの絵が好きで、月に数回立ち寄る
焼肉屋の店主さん。
この焼肉屋さんにお袋の昔風なお汁粉の話を
何かの折りに話したことがある。
暫く、沈黙の後、私が今度!作りましょうかと
申し出て呉れてから、数ヵ月たったある日に
大きな土鍋を提げて、アトリエにやって来た。
キッチンで何かコトコと暫く遣っているうちに
アトリエ中にあのお汁粉の匂いが充満し出した。
日暮の早い冬のアトリエに大きめなお椀に
美味しそうな香りと湯気をたてたお汁粉が
絵具で汚れたテーブルに四つ並んだ。
居合わせた四人で早速食べたお汁粉の味は
温かで本当に美味かった。
次回は、鏡開きの御供えの餅で
作ってくれるそうである。
はたして、今度はどんな味に仕上がるか、
専門外の調理師さんが作る努力の
お汁粉の味に期待をしている。
折角の汁粉の味に柳の下に鰌が
何匹もいて欲しいものである。
あまり意気込み過ぎると誰かさんみたいに
一匹、いや一度で嫌われる可能性大である。
程好く頑張って楽しませて欲しいものと
空のお椀に葉巻の煙を吹き付けた。
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2010年01月22日
北風とバロック音楽
冷たい北風がビュービュー、ガタガタと雨戸や
窓ガラスに叩きつける様な大荒れの日は暖かに
暖房の効いた室内でバロック音楽を鑑賞すると、
バロック音楽の真髄と言ったらよいのか?
静かで平穏な日に聴くのとはまるで違った
リアリティーがあって楽しい!
これもバロック音楽を聴く一つの
楽しみ方だと私は思っている。
それから静かと云えば、雪が深々と降り注ぐ時に
ストーブの赤々と燃える炎を相手にしなから聴く
バロック音楽も、自分の吸い込む空気さえも
なんと楽しく、温かく感じられる。
普段から馴染みなバロック音楽の曲であっても、
周りの自然界の違いで、楽しさはがらりと
変わってくるものである。
パッヘルベルのカノン〜バロック音楽の楽しみ
バロック音楽はなぜ癒すのか 現代によみがえる心身音楽
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2008年11月14日
軍鶏鍋と北風
私が使っていた田舎のアトリエの
近所には親戚や友達、知人が居た。
農家の作業場を兼ている広い庭の
鳥小屋には軍鶏が飼われていた。
田畑の仕事が暇な時期などには軍鶏を
戦わせて楽しむとの事だが、喧嘩に強い
軍鶏は残されて飼い主の自慢の種となるが、
喧嘩に弱い軍鶏は潰されて軍鶏鍋となる。
当たり前と思える話である。
アトリエには四坪のコンクリート床の
部屋があり、薪ストーブが置いてある。
この地は晩秋から春先迄は風が冷たく、
薪ストーブの暖かさには心身共に癒される。
十二月に入ると間もなく、早めの忘年会と
ばかりに近所の農家の旦那衆が軍鶏肉と
野菜を持って二、三人で遣ってくる。
酒は私が地酒屋から生酒を用意しておく。
ストーブにかけた鍋から軍鶏肉と野菜の
匂いが家の中に広がる頃にはすでに
口当たりの好い生酒は一升ビンが
三分の一程に減っている。
日暮れ近くから始めた軍鶏鍋忘年会は
夜には十人近くになる時もあり、
そんな日は何羽かの喧嘩に弱かった
軍鶏は災難に遭ってしまう。
料理の上手な農家の主人が手際よく調理した
軍鶏鍋は寒い北風が窓ガラスを白く曇らせる中、
身体が温まり旨いが、チョット私には脂っこく
感じる時もある。
朝が早い農家の旦那衆は夜の九時頃には酒も回り、
腹も満腹と眠くなってきてお開きとなる。
中にはアトリエの居間で鼾等かいて仮眠していく人も
いたが、この人達は先祖を辿れば皆親戚なのかと
寝顔をじっくりとデッサンした事もあった。
近年は軍鶏を飼っている家も少なく成ってしまった!
流行が去ってしまったのか。
当時の旦那衆は今頃は炬燵に入って
孫と大型テレビでも観ているのだろうか?
柿の葉がサラサラと音をたてて北風と戯れていた。
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