「最高気温は25℃」という予報を耳に、
半袖ポロシャツの上に防寒ジャケットという、
”どっちに転んでもOK”?なフレキシブルないでたちにての出発。
ちなみに、朝のホテル発の時点では
タルガ4+カイエンというちょっと異色?な布陣。
はい、今回の日本チームは2台だけなんですヨ。。
というわけで、ジブラルタル海峡もさほど遠くないスペイン南部の
この地を舞台に始まった今月2度目のポルシェの国際試乗会(驚)は、
今やマカン以外の全てのモデルに用意をされる
『GTS』のグレードを一堂に集めてのイベント。
極寒を求めて訪れた2月のスウェーデンでは、
余りの”グズグズ路面”に正直「きちんと乗れなかった」カイエンと、
GTSの中では最も新しいタルガ4を途中で乗り換えつつ、
ワインディング路を経由で1時間半ほどで到着なったのは、
最初はV10エンジンを積んだBMWのM6、
その次は3年前のパナメーラGTS・・・と、
かつて2度ほど訪れたことのある『アスカリ』という会員制サーキット。
かくしてそんなコースで、
3種のボディに2種のトランスミッションと2種の駆動方式を用意して、
「それだけ」でも随分なバリエーションとなる911シリーズを筆頭に、
待望のサーキット初試乗となるボクスターにケイマン、
そしてここまで乗って来た前出のフロント・エンジン2モデルと、
様々なGTSモデルをとっかえひっかえ。
一応、911ターボSによる先導がついて1セッションが4周ずつ・・・
という決まりではあったものの、
それでもこちらが”食らいついて”行く限りはどんどんとペースが上がるし、
参加ゲストの数も限られているしで、
昼食を挟んで午後まで乗っていると結構”お腹イッパイ”に w
それにしても、途中のメンテなんて何にもせずに
サーキットを何時間も走り続けているのに、
”誰1台”として音を上げないんだから、
ポルシェ車ってばどんだけ丈夫なんでしょ。
ということで、「やっぱり半袖ポロで正解だったナ」という中、
無事にサーキット・プログラムを終了し、
今度はケイマンとタルガ4という2台を連ねてホテルへと戻ることに。
推奨ルートをナビに設定してもらい、
まずはケイマンにてのスタート。
で、そんなコースを中ほどまで来たところで、
後続タルガ4のお二人と車両をチェンジに。
ちなみに、往路同様カメラのOさんと組んで、
ステアリングを握るのはずっと当方。
かくして、すでにインプレッションは十分に取れているので、
Oさんと相談して「ちょっと早めに帰ってビールでも飲みましょうか!」と意気投合
――って、こんな不埒な考えが、
その後のトホホの事態を引き起こすわけですが ww
なるべく早く帰りたい、と、ナビ設定を”ホテル直帰”へと変更。
と、推奨ルートを外れ、高速道路経由のコースが画面上に。
到着予想時刻は一気に30分以上の短縮。
「これで楽勝だね」とOさんとハナシをしつつ、
交通量がまばらな高速道を海に向けての快走。
で、しばらく進むと本線上に料金所が出現。
けれども、いつもは両面テープでウインドシールドに張り付いている
”ETC”の無線機が何故か見当たらず。。。
このままゲートに突っ込んでバーが上がらないと面倒なので、
念のために現金で通過をすることに。
ごめんなさい、サイフを持って来てないので、
Oさんお金を貸して貰えますか?
「あれ、自分も今日はサイフを持って来てないよ!」とOさん。
だったら、クレジットカードでも良いんですけど。
「それもサイフの中だ」とOさん。
わかりました、だったらトランクに入れたリュックに
サイフがありますから、と自分。
ところが、良く考えたら今回はサーキット試乗中に
荷物の管理が出来ないこともあって、
敢えてサイフはホテルの部屋に置いてきてしまい。
ということは、もしかして2人ともお金持ってないんですか!?
料金所のブースには『乗用車は5ユーロ』の文字。
その位だったら、手持ちのカバンの底にでも転がってるんじゃないかな、
と探してみれば、当方は1ユーロ・コインを発見し、
Oさんも25セントを発掘という、これまた情けない状況!
5ユーロのところを1ユーロ25セントじゃ、
やっぱり通してくれないですよね・・・って、
大の大人2人の手持ち現金が”200円”にも満たないんですか www
かくして、料金所の100mほど手前で立ち往生する私たち。
もしかして、どこかにETCが転がっているんじゃないか、
と、コンソールやグローブボックス内も家探しするものの、
どこにもその痕跡を発見出来ず。
今回の推奨ルート中には”有料区間”がないんだ・・・。
こうして、15分ほどをジタバタしてみたものの、
「無いものはナシ」という結論に。
いやいや私たち、ほんの650円ほどが払えないために
ここで立ち往生ですよ・・・。
一時はOさんと、「有人ブースに行って事情を説明しようか」と
ハナシがまとまりかけたものの、冷静に考えれば
ユーロはおろか”自国通貨も一文無し”という、
シュトゥットガルト・ナンバーのポルシェに乗る怪しい東洋人を、
あっさり通してくれるとも思えず。
むしろ、そんな事をして”スペイン語しか話せない
恐いオバちゃん”にでも出会った日には、
それこそヤブヘビというものではありませんか!
かくして、そこまで考えた我々がとったのは・・・・・・
「万一の際にはここに連絡を」と車内に置かれた札に書かれた
イベントスタッフの番号に電話をかけるという最終手段。。。
んーと、えーと、今、高速の料金所の100m手前に居るんですが、
お金が無くて通れないんです・・・
「高速? 場所はどこ?? どっち向いてるの???」と
電話に出てくれたお兄さん。あ、そうなんだ。
ボクらは推奨ルートから外れてるので、これじゃ場所わかんないんだ。。
えーと、高速は多分46号線で、ホテルまでの距離は39km・・・って、
そんな風にいきなり言われても、確かに難解ではあるはず。
「だったら、GPSで居場所を教えて!」と言われ、
とりあえず電話を切ってのナビ操作。
で、これにも悪戦苦闘をしていると、
しばらくして緯度と経度を表示させる方法が、
ショートメールにて到着。
それに従って操作をすると、なるほど緯度と経度らしき数字が
・・・でも、これってエーゴだと何て読めば良いの!?
というわけで、口頭だと自信が無いので、
とりあえず数字の羅列をメールで返信。
”度”だか”分”だかは分からないけれど、
最後に”W”とか”N”とかをくっ付けておけば、
きっと緯度や経度だって理解出来ますよね(自信ナシ・・・)。
かくして、もはや”神頼み”状態で送信してみると、
しばらくしてメール着信。
そこには、
「My colleague is on the way with money・・・」って、
一体どんだけ迷惑なヤツなのか。
でも、何とか通じたみたいだぞ(嬉)
そんなこんなで、結局立ち往生から小1時間で、
ついに夢にまでみたVWトランスポーターに乗る
救援お兄さんが到着!!
ちなみに、そんな立ち往生の最中には、
パトロールで通りかかった白バイ警官にも
”職質”を受けるハメに。
かくかくシカジカで、
ボクらお金が無くて止まってるんです。
「だったら、今回だけはブースに事情を話して通れるようにしてあげるから」
・・・と、もしやそんな展開になるかと思いきや、そんな気配はまるでナシ w
「じゃ、ここで待ってナ」と言い残して走り去る白バイ2台を眺めつつ、
日本でこのパターンだったら一体どうなるんだろうと、
さらにマヌケな事を考えたり。。
そんなこんなで最後は、アホな日本人に5ユーロを届けるために(!)、
往復80kmほどを助けに来てくれた
VWトランスポーターとのランデブー走行。
いやいや、これまでも特設の雪上コースで壁に刺さって救援されたり
とかはあったものの、
公道上での人生初レスキューの要請が、
こんな情けないものになるとは・・・(泣)
ハイ、もちろん予想時刻よりも大幅な遅着は当然。
そもそものトラブルの原因となった”ビールの時間”なんかは
吹っ飛んでしまったことも言うまでもなく w
しかし、やっぱり”世の中、金次第”なんですね~(?)
というわけで、ホテルへの帰還後に、
試乗会用ポシェットに速攻50ユーロ札を忍ばせることに。
そんなこんなで今回の”最後の晩餐”は、
ホテル内テラスでのバーベキュー・ディナー。
これもまた、「参加者が揃ったらバスでディナーへと出発」
なんてパターンではなかったのはラッキーだったかも。。
ということで、思わぬメモリアルデーとなってしまった今年3月の最終日は、
無事・・・ではなかったけれど何とか終了に。