2016年08月23日

SALT WATER連載記事 09

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SALT WATER記事、文字数制限等で書ききれなかったこともあったので少し加筆修正。ついでに今回は早いですがUPしておきます。

お時間ある時にでも、脳内フィッシングをお楽しみ下さいませ^^

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KENTARO’S LA13(ラボ) 09
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【生き物の意思表示】
以前、生き物のキモチについて書いたのですが、今回は第二弾です。より釣りに近い話を掘り進めてご案内します。
昔、知り合いが釣り上げたアオリがエギを噛んでいるのを見て「ほら見て!すごい活性。陸に上げられても食べてる」と言われました。皆さんはアオリがエギを噛んだ理由、お分かりだと思いますが、実は他人が聞いたら「そりゃないだろ」という思考でさえ、意外と思い込んでいることって多いです。
魚釣りにおいては釣ることでプレッシャーが掛かり釣れなくなる場合と、逆に釣れやすくなる場合があります。このときの魚の思考ってどういうものでしょう。場合によっては「バラしたら魚が釣れなくなるからバラすなよ!」なんて言われたことや聞いたことはありませんか?ではなぜ釣れなくなる場合と釣れやすくなる場合があるのでしょうか?それ以前に果たして本当にそうなのでしょうか?そもそも、人に釣られていることに魚は気づけているのでしょうか?この辺りを紐解いていきます。

ちなみに昔の私は「魚が釣られた状態で海の中を暴れまわっているのに、バラしたからと言ってどこまで影響する?」と思っていましたが、現在の感覚では「バラしが影響する場合としない場合があるだろうな」と思っています。

【言葉ではなく行動】
魚は言葉を話せませんから側線で感じたり、ニオイで感じたり、行動を見て判断します。そんな魚は往々にして「釣られている仲間」を見て捕食スイッチが入ることが多いのです。なんかおかしくないですか? 人間的思考・感覚だと、釣られている仲間を見た場合は危険を察知して食わなくなりそうなものですが、実際には食わなくなるどころの話ではないのです。稀に隙あらば獲物(ルアー)を横取りしようと釣られた仲間を追いかけまわし、場合によっては1つのルアーでダブルヒットにさえなります。いったい何が起こっているのでしょう?混乱しているのでしょうか?釣られた仲間を助けようとしているのでしょうか?
ちなみに、この行動は回遊魚系の魚が比較的多いですがメバルやアオリ等でも見られます。そしてルアーがフックから外れて「逃げる仲間」を見て食わなくなる魚もまた、確実にいます。
さて、もしかしたら上記を読んでだいぶモヤモヤが溜まったころかと思います。そうだとしたら、私の作戦勝ちです(笑)可能なら、練習だと思って答えをご自身で想像し、考えてみた後に答え合わせしてみてくださいませ。なんせ身に付けて頂きたいのは情報でなく、自身で答えを導き出せる力ですので^^

【答え合わせ】
結論を先に書きます。
釣られている間は「ラインに引っ張られていること」で「逃げる行為」になっていないというのが私の結論であり確信です。

つまるところ、釣られている本人?本魚?にしてみればフックが外れていようがいまいが「逃げる行為」であることには間違いありません。でも重要なのは周りの魚にどう見えているかです。

もう少し掘り下げます。例えば釣られていない状態でルアーに限らず違和感を察知して逃げる場合を思い出して下さい。魚は見切った瞬間に一目散で逃げたり隠れたりします。人の影に気づいて逃げる時もそうです。けど、釣られている場合はライン抵抗に邪魔されて「右へ行っても抵抗。左に行っても抵抗」の「逃げも隠れもできない状態」になります。唯一、反転した瞬間にライン抵抗が減るので結果的に右へ左へと方向転換を繰り返します。

この動きがキモです。

こういった動きは魚にとっては「逃げ」でなく「追い」や「捕食」の行動にとても近いのです。そう、必死に抵抗している様は偶然にも獲物を瞬間的に追う時の動きに近いってことです。最初にルアーを捕食しているのも周りの魚は見ていますしね。重要なのはこれら一連の動きで「仲間が捕食している」と感じている点です。だからこそ、釣られている魚を追いかけてくる(ベイトを見つけようとしている、もしくはベイトが口から逃げ出すのを待っている)のです。

ここでもう一つ想像してください。例えばプラグの場合、トリプルフックが付いていることが大半です。ライン抵抗やフックの関係でバキューム時に上手く吸い込めずに針が口の外に掛かることがあります。このルアーが外掛かり状態で泳ぐ仲間を見た魚がどういう思考かは・・・もうお分かりですね?

横取りのチャンスです。
ゆえにダブルヒットになります。

なぜジギングでダブルヒットが多いのかも、もうお分かりですね?
(シーバスと違い口がそこまで大きくなく、バイトの仕方が違いルアーを丸呑みされにく点、ジグが大きいことも多い点、青物は元々群れで密集している点等)

これらが釣ることでスイッチが入ったり活性が上がる正体です。
ゆえに周りの魚は人に釣られていることを理解していないと思うのです。
というわけでフックが外れて逃げる仲間を見たり、隠れる動きを見て食わなくなる魚が多いのは当たり前で、単純に「逃げる行為」そのものだからです。それと急激な合わせを入れてしまうことで、群れが一瞬散る理由も必然的に理解できると思います。

ただ勘違いしないで頂きたいのは、魚がバレたからといって、絶対食わなくなるかというと、そうではありません。違和感(ルアー)から解放された魚がすんなり群れへ戻ることは珍しくないからです。デイゲームでメバルをヒットさせた直後にラインをフリーにしてみると分かるのですが、ライン抵抗がなくなり落ち着いたメバルはゆっくりと群れに戻っていくことが多いです。

ゆえに、釣られた本人にとっても「人に釣られた」という認識であるとは非常に考えにくく「なんかヘンなもん食ったらヘンだった」的なニュアンスであることが多いだろうと思います。

というわけで、皆さまガッテンして頂けましたでしょうか?

「ガッテンッ!」「ガッテンッ!」「ガッテンッ!」
(余談ですが、ガッテンがリニューアルされて面白くなくなった・・・)

【土佐カブラの凄さ】
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伝統漁具「土佐カブラ」をご存知でしょうか。これを進化させメバルにマッチさせて単体でも使いやすいようにしたのがブリーデン「めばるingかぶら」なのですが、デイゲームでは無類の強さを誇ります。多分クリアワームと勝負しても10対1ぐらいの差は出ます。けど、やるかやらないかは別として、カブラの本当の強さは「連掛け」だと思っています。(複数の針で複数の魚を掛ける)
先ほど「逃げ」と「追い」の説明をしましたが、カブラがある意味その究極です。カブラ連掛けの場合は「追いの行動に近い」ではなく、言うなれば「追いの行動ほぼそのまま」と言って過言ではありません。
例えば昼間に群れのメバルを見つけて2本針のカブラを投入したとします。昼間の場合、活性が低いとカブラでさえ中々ヒットに持ち込めない場面はあるのですがヒットさせた瞬間に周囲のメバルの動きが一変します。
今までカブラに見向きもしなかった周囲の個体でさえ、釣られたメバルを見て捕食スイッチが入ります。

それはメバルの動きに合わせて2本針のもう一方のカブラが泳ぐからです。
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構図としては逃げ惑うベイト(カブラ)を追いかけまくる仲間(本当は釣られている)に見えるわけです。この時、カブラ単体で魚を掛けた時とは明らかに周りのメバルの反応が違います。単体の場合は若干テンション上がっているメバルがちらほらいるぐらいが多いのですが、上図のような場合、群れ全体のスイッチがポンッ!と入りやすいです。そうなるとメバル達は「我先に」と逃げ惑うベイト(カブラ)にアタックを開始し、最初のメバルをヒットさせた数秒後には十中八九ダブルヒットになります。
これが3本針なら?4本針なら?です。(ちなみに元来のメバル用土佐カブラは飛ばしウキスタイルで5〜6本針)

ここまでご案内すれば、もう色々と想像できるかと思います。
例えば13VIB30、軽いリフト&フォールがアジやメバルに劇効きですが、リフト時の動きってエスケープ的ではありません。近い動きを考えるとメバルの捕食方法自体もこれにとても近いです。メバルやアジはこれらの動きを見て「ターゲットの捕食」=「捕食しやすいスキ」を感じて捕食スイッチ入っている可能性が高いと思います。(単純に急な動きによる視認という部分もあると思いますが)
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【魚を理解することで釣りを・道具を理解する】
ここからはちょいと余談というか展開・発展です。
同じロッドを使っていてもラインの種類によって方向転換する回数等は結構違います。伸びの少ないPEの場合は魚にとっては抵抗が強く、必然的に方向転換が増えます。けどフロロやナイロンの場合はラインの伸びがある分、魚は抵抗が減るのでその分、方向転換の数は減ります。

ということはです。
必然的に周囲の魚の活性具合に影響を与えてしまうということです。
ラインの伸度やロッドの硬さ、やり取りの仕方で。

ゆえに「タックルバランス」というものが重要になってくるのです。
細かい話をすれば、同じロッドでもラインの号数を一つ上げ下げするだけでバランスは変わってしまいます。それらの違いを感じて自分なりのバランスを見つけ出し、魚にアジャストさせることを楽しんで頂きたいのです。

【ありのままを見る・感じる】
私を含め、人は良くも悪くも思い込みが激しい生き物だと思います。見たままを受け止められたなら、すぐに理解できることも経験や知識が邪魔をしてしまい、他人が聞くと「なんでそういう思考になる?」と思うことは多いです。ゆえに、なんとなく感じていることを釣り友とディスカッションするのは良い方法だと思います。違う目線からの意見が聞けて気づかされることは多いと思います。

願わくば、人とサイズや数を競うのでなく生き物や自然との知恵比べを楽しんで頂けたらと思う次第です。
というわけで、今回は「魚のキモチ・釣り人のキモチ、そして私のキモチ」についてのお話しでした。

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KENTARO’S LA13(ラボ) 09
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kasago2 at 16:45│ SALT WATER連載記事