2017年05月13日

SALT WATER記事 思考の断片02

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2017年6月号より
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前回に引き続き観察好きな私が感じるエギングに関してご案内します。

【横抱きするアオリ】
横抱き
前回は死角を利用するアオリについて解説しました。けど場合によってはエギの後ろに回り込まずに横から抱きますよね。なぜ横抱きするのでしょう?死角を使った捕食方法でないのは明白ですよね。ということは違う意図があるはずです。普通に考えると・・・死角をとる必要がないからだと。例えば瀕死の獲物がいたとしてワザワザ隠れる捕食者ってあり得ないですよね。アオリが横抱きするなら「後ろを取らなくても捕まえられる獲物」と認識していると考えるのが自然です。でも同じ動きでも横抱きする時としない時があります。それは多分個体によって感じ方・活性が違うからだと思います。人によって感じ方が違うのと同じだろうと。そしてシチュエーションが違うから横抱きするのだと思います。

【横抱きが基本?】
まずはアオリでなく別種のイカの捕食方法を思い出してみてください。コウイカ・ケンサキ・スルメはどういう抱き方でしょう?そう、イカって基本的に横抱きです。こういうタイプは激しくルアーを動かすよりゆっくりな動きを好みますよね。横抱きでベイトを捕まえようとすると必然なのかもですね。考えるに、アオリは元々横抱きというオーソドックスな捕食方法があり、目の良さと身体能力の高さを利用し、死角を使った捕食方法を獲得したのかもしれません。ちなみにアオリで横抱きが多発する時は連発する場面が多いですよね。これは単純な話で、群れのベイトをターゲットにしているアオリだからです。アオリは基本的に団体行動です。ゆえにアオリも複数でいることが多いです。この沢山ベイトがいる状態で1匹に対して「気づかれずに」死角をとるのは到底無理です。ゆえに横抱きが多発しているのだと思います。けどアオリ以外もそうですがベイトに逃げられず横抱きできるものなのでしょうか?
それは多分ベイトを「精神的に追い詰めること」で横抱きを可能にしているのだと思います。この解説はちょっと違う方面からの視点も入れないと説明しにくいので少し遠回りな解説をします。

【シャクリの意味するところ】
前回、エギにシャクリを入れた動きにどういう意図があるかをいくつか書きました。でまあ実は1つ確信していることがあります。弱い生物(ベイト)は大別すると隠れるか群れるかで生きています。人は見つけてもらおうとした場合は手を振りますよね。それは生き物が動きにとても敏感で認識しやすいからです。ゆえに隠れる系生物は外敵に認識されないことが重要です。保護色は認識されないためですが、どんなにカモフラージュしていても動けば目立ち、認識されてしまいます。ゆえに隠れる系はよく本能的に「素早く動いて止まる」という行動をとります。捕食者側からすれば獲物が止まると風景と同化して見失いやすくなるからです。「あの辺で今なにか動いたけど・・・」と。
私はエギのシャクリの意図も「隠れる系ベイトの素早く動いて止まる」の演出だと思っているのですが、そう思う理由を以下で解説します。

【ゴキ○リ】
多分「素早く動いて止まる」で一番理解して頂けるのが身近?な「ゴキブリ」です。壁にいるゴキブリは素早く動いては止まるを繰り返しますよね。あの動きです。ちなみにゴキブリに上手くスプレーを噴射できますか?実は超簡単なコツがあります。(ルアーフィッシングにも関係アリ)少し離れている位置からスプレーを少しずつ出し、ゆっくり一定スピードで近づくと・・・逃げられません。スプレーをモロに当てられ、しっかり当たっている状態になっても中々逃げません。さてここで問題です。ゴキブリはスプレーをかけられる前から私に気づいています。ではなぜ逃げないのでしょう?
実は逃げられないんです。それはゴキブリが「外敵(私)に気づかれているか判断できていない状態」であり「外敵(私)に狙われているか判断できない状態」だからです。少し詳しく解説します。動くということは外敵の注意を自ら引き付けることです。ゆえに下手に動けない状態です。けど気づかれていたとしても狙われなければ問題ありません。結果、人が何かしら動いたタイミングで動こうとします。ゆえに最初にゴキブリと対面した段階でひたすらこちらが動かなければゴキブリは警戒心を解き、ゆっくりな動きに戻ります。反面、こちらが機敏に動けばパニックです。素早く動いては止まり、叩こうとしたり強いスプレーをシュッ!としたなら一目散で隙間へ逃げようとします。
というわけでスプレーを取りに行くならスローに動いてください(笑)強いジェットスプレーは勢いにビックリするのでオススメしません。上記を考慮したならスプレーの射程範囲には簡単に近寄れますので弱めのスプレーがオススメです。という感じでスプレーを売ったら売れるんじゃないでしょうか(違)
エギングに戻ります(笑)私はアオリに限らずイカが死角をとらず横抱きできるのは上記が関係していると思っています。(ミノーのポンプリトリーブ、バイブレーションのリフト&フォールなんかも)ベイトにプレッシャーを掛けて動けなくして捕食しているのだろうと。

蛇足ですがゴキブリが異様なほど人に嫌われる要素は「人の動きに対応して動くから」だと。こちらを観察してジッと動かず、人が気を抜いて動けば「ササッ!」と動き、人が止まればゴキブリも止まります。そりゃ怖いっす(笑)でも思い出してください。死角を使うアオリの動きを。同じなんです。違いはゴキブリは逃げる立場、アオリは追う立場ってことです。言うなればゴキブリの動きって捕食者に狙われた時の感じに近いんです。人が本能的に恐怖を感じるのは、そりゃあ当たり前なのだと思います。

【無警戒】
自然界では往々にして「ゆっくりな動き=無警戒状態」が成り立ちます。捕食者はそれを利用して無警戒を装い、近寄ります。ゆえにアングラーがルアーをゆっくり動かすなら無警戒をアピールさせられるってことです。「スラックジャーク」私が今この単語を出した意図も、スラックジャークがアオリに与える意図も、もう説明の必要ないですよね?

続いては・・・とまたスペースがなくなってきたので次回もエギングに関して続ける予定です。最後はロッドについて。

【エギングロッド】
863T_LOGO
ブリーデンに「SWG-SPECIMEN86 3T tiptoptwo」という人気の高いロッドがあります。このロッド、実はとても面白いのです。エギングロッドってシャクリを入れるためバットや全体に張りがあることも多いのですがこのロッドはティップとバットが柔らかく、ベリーに張りがあります。バットが柔らかめということはシャクリ上げる時、一瞬遅れてべリー部分が跳ね上がります。面白いと思うのはココで、エギに瞬発的な力を加えようと思った時、とても楽なんです。それはバットが柔らかいゆえにシナリが入るからです。イメージを伝えるなら「ムチ」です。ムチって力が伝達されて先っぽの早さが増しますよね。これに近いんです。ゆえにタテのシャクリやスラッグジャーク系もしやすく、エギをキャストする際にもシナリを利用してキャストできます。どれか1本と言われれば私はこれを選ぶだろうなというオススメロッドなのでした。

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