2017年09月13日

SALT WATER記事 思考の断片06

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2017年10月号より
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【中心視野と周辺視野】
以前の記事で何度か「自然界では動きが遅いことに意味がある」という内容をお伝えしていますが今回はこの説明を色々な観点から少し詳しくご案内しておきます。まず人間の視野には2つあるのをご存知でしょうか。中心視野と周辺視野です。

私たちは見ようと思った場所に焦点を合わせ、立体感や距離感を計りますよね。この両目でピントが合っているエリアが中心視野です。私たちが日ごろ無意識的に使っている目の使い方です。周辺視野とはピントが合っていない外のエリアのことです。この視野の特徴は細かくは見えない・距離感はつかみにくいという欠点はあるものの、動くものにとても敏感で意識できる範囲がとにかく広いってことです。意識していなくても目の端で誰かが手を振っていると気づきますよね。まさしく周辺視野の特徴です。

草食動物等、狙われる立場の生き物の多くは危険察知能力を上げるために目が顔の左右に配置されていますよね。魚やイカの配置も同じですよね。周辺視野に特化させているからです。ちなみに日ごろ中心視野で見ている、今周辺視野を使ってるなんて考える人は少ないですが球技系のスポーツや格闘技をする人はこの周辺視野を意識的に使います。広い視野で全体の動きを捉えることで相手の動きに対応しやすくなります。

で、ルアーフィッシングで強く関わってくるのはもちろん周辺視野です。周辺視野の特徴は細かくは見えない、動くものには敏感だけど、動かなければ気づきにくい・気づかれにくいってことです。ルアーフィッシングがエサ釣りより優れている部分は動きに敏感な魚に色々な動きでアピールしやすい点です。

というわけで以前「白いアオリ」のことを書いた記事と繋がってきます。白いイカはベイトに悟られないようにスローにスローに動くというお話し。周辺視野は動きに敏感ゆえに、その視野で捕らえにくいようにスローに動いているってことです。体感的に分かりやすい例を挙げるなら、テレビのクイズ番組で1枚の絵が時間経過とともに少しづつ変化していく「モーフィング」ってありますよね。あれと同じです。早送りだとどこが変化しているかは一目瞭然ですが、ゆっくり変化すると分からないですよね。生き物は根本的に変化(動き)がゆっくりだと、とても気づきにくいんです。捕食者はそれを利用しているってことです。

【ラインの太さ】
視覚的な話でもう一つ書いておきたいのがラインの太さについてです。ラインは細いほど魚を釣りやすいってよく聞きますよね。これって本当でしょうか?その前にまず根本的な疑問。ラインは魚に見えている?です。
はい、もちろん見えています。例えば太刀魚はPEラインやリーダーの結束部分をよく噛みます。これは別に釣り糸を切ってやろうと思って噛んでいるわけではありません。ノット部分やラインの境目があることで動きが見えてバイトしてきています。PEラインが数メートルごとに色分けされたものが切られやすい原因はコレです。単色ラインだと境目がないのでラインが動いているように見えないので切られにくいんです。上で書いた周辺視野でラインの動きを捉えているってことです。つまり、ラインは魚に見えています。ちなみに針も見えています。魚種によってはカラ針(針のみ)で魚を釣ることもありますよね。

じゃあ、なぜラインやフックが見えているのに魚は食ってくるのでしょうか。これは単純に罠だと理解できないのが理由の1つです。もう1つは生き物は何かに集中すると回りは見えなくなるからです。この二つの相乗効果です。いわゆる活性が上がった状態です。
「バス 手づかみ」等でWEB検索すると出てくると思いますが、手にエサ(小魚)を持って水面直下で小魚を揺らし、それを食いにきたバスの口を手づかみで捕らえる動画が複数あります。ラインの太さどころの話ではありませんよね。
もう一つ別の例だと、昔TVで見たのですが熱帯雨林で蝶々を捕らえることを生業とした現地の少年はカラフルなハンカチを手に持って振りながら走っていました。そして交尾相手と間違って近寄ってきた蝶々を網で楽々捕らえていました。その少年は蝶々の種類によって柄を変えておびき寄せていました。生き物って、そういうことなのだと思います。人だってそうですよね。携帯電話を見ていて事故を起こして問題になっていますよね。何かに集中すると回りは見えにくくなります。

さて、ルアーの話に戻ります。ルアーフィッシングはルアーを動かしていることが大半です。捕食スイッチを入れられたなら(ルアーに集中させられたなら)ラインの太さは関係ないことが多いことは覚えておいてくださいませ。ちなみに最近流行のケンサキゲームで「中オモリ式」をすると、アタリがあるのに乗せられないことがあります。
中オモリ式

これはオモリにケンサキがバイトしています。サイトで確認して「なるほど!」と思ったのですが、オモリの横にエギがあろうが、オモリの方に捕食スイッチが入ると、笑えるほどオモリばかり追いかけます。なんせ鉛の方がエギよりよく動きますからね。(こういう動きに反応しやすい時は単体のエギで動きを付けて攻略)

ちなみに、この中オモリ式にはエギマルの2.5shallowがとってもオススメ!激スローフォールなので、潮馴染み抜群で食わせの達人になれます。渋い時にはリーダーを長くしてよりナチュラルに攻めると、まあ強いです。お試しあれ。

では続いての疑問。なぜルアーを嫌がったりスレたりするの?です。1つにフックやライン、ルアーの違和感を察知できる状態ってことです。活性が低いってことです。魚の活性の具合で食う食わないが変わるのはご存知の通りです。高活性になればカラ針だろうがエサっぽい動きのものはなんでも食うけど、ちょっと落ち着いてくると全くと言っていいほど食わなくなります。

魚はラインやフックが見えても人の罠だとまでは認識できていません。けど、いつものベイトとはなにか違うことは分かっていると思います。その何となくの違和感が捕食にブレーキをかけているのだろうと思います。それはルアーの動きだけでなく、仲間が急に減ったり、バレた魚が一目散に逃げる動きを見たりして、何かしらの違和感を察知しているのだと思います。

違和感と言えば「釣られた仲間を魚はどう見ている?」という記事を「2016年10月号09」に書いているので、参考にしてみて下さいませ。

というわけで、結局ラインは細い方が有利なの?という疑問については、やはり細い方が有利な場面が多いです。ラインが細いと飛距離も伸びやすいですし、潮の引っ張られ方も変わってきます。細い方がよりナチュラルに流しやすいです。動きの違和感を減らせます。ゆえにラインの「細くて強い」は釣りにおいてアドバンテージは大きいです。けど私の感覚だと視覚的な部分はどちらかというと影響は少ないと感じています。少々太くても問題ないことが大半です。ですので「より魚に見えないように」という思考でラインを細くはしないで頂きたいのです。狙うターゲットに必要な強度はしっかり確保して頂いて大丈夫です。私の尺メバル狙いではリーダーは8〜10LBですが問題ありません。安易に細くして切られても魚をデッドさせる確率を増やすだけです。私の決め事の1つは「獲れないなら狙うべきじゃない」です。ターゲットに合ったライン選択をして釣りを楽しんでくださいませ!

過去の連載記事(2017)
思考の断片01
思考の断片02
思考の断片03
思考の断片04
思考の断片05

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