東京など関東一円で雪になっているようですが、Kasayanの住む長野市街地も未明から雪に・・・・・・
今年に入ってから、一日一枚、その日の天気傾向を象徴する写真を残すことにしているのですが、下の写真は昨日の一枚。
長野市の西の空ですが・・・・・昨日、西日本南岸を(今朝の雪をもたらしている)低気圧が東進・・・・低気圧のはるか東側の上空に湿り気が流れ込んで、上空に薄い雲が広がってくる様子を撮影したもの。
観天望気のことわざには、太陽が傘をかぶったら雨なんていうモノが多いのですが、いずれも雨の降りだし前に温暖前線などの接近によって上空に湿り気が入る様子を表現しているわけですが・・・・今回の雪は冬型の気圧配置の雪とは異なり、南岸低気圧という一般的な雨と同じ原因で降る雪なので、まさにことわざ通りになりました。
そんな今朝の実況。
九州の南にしっかりと南岸低気圧があって東進中。
北日本の高気圧から吹きだす北風が寒気を運び、低気圧の降水は広く雪になっているようです。
また、水蒸気画像では九州の西側に上空の気圧の谷が接近・・・・低気圧は上空の谷から悪天パワーをもらって、雨や雪は活発傾向。
6時現在の積雪は・・・・
気になる方は、気象庁HPで最新の情報をチェックしてください。
アメダス積雪深: http://www.jma.go.jp/jp/amedas/206.html?elementCode=4
雪雲の様子(レーダー): http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/
で・・・・一番気になるのは、この雪・・・何時まで、どの程度降るの?ということだと思いますが・・・・・
詳しいチェックの前に、今回の雪のメカニズムを簡単に把握しておきましょう。
この図は、今朝午前3時の日本付近の空気の性質を示したモノ。
冬の空気と春の空気がぶつかりあっているわけですが、ぶつかるといっても、冷たい冬の空気が日本付近の地上を覆い、暖かい春の空気が太平洋岸から冬の空気の上を滑り上がるという構造になっています。
このため、春の空気は上空で冷やされて(断熱膨張)、雨(雪)雲が発生。
地上付近の冷たい空気の温度次第で、雪のまま落ちてくるか、融けて雨になるかが決まるわけですが、アメダスの気温の観測値を見る限り、今朝は地上付近で1℃前後でも雪になっているようです。
そんな様子をMSMシミュレーションで詳しく。
地上付近の空気の流れ(矢印)を見ると、低気圧の南側では暖湿気を運ぶ南東~南西風、北側では寒気を運ぶ北~北東風が吹いていることがわかります。
続けて午前9時の上空約3000mの風の様子もチェックしてみると・・・・
低気圧のかなり北側・・・日本海沿岸まで、南寄りの風が吹いていることがわかります。
先に見た立体図のように、暖かい南風が冷たい北風の上を滑り上がって雨(雪)雲が発生している様子がイメージできますよね。
そして・・・・暖かい空気の下にある冷たい空気の温度は、北風の強さや風向によって決まってくるということもイメージできるはずですが・・・・上のアニメを見ると、関東付近の地上付近の風は北東の風中心。
上のアニメでは、北東の風が北関東中心に強く吹きこみ、赤の等温線が南側に凹型・・・気温が低くなり、北関東や東京西部中心の雪になることが予想されるわけです(実際すでにそのような降り方をしているようです)。
また、MSMシミュレーションを見る限り、関東の雪や雨は夕方まで続くと思っておいたほうがよさそう。
日中の気温次第で、雪になったり、雨になったりとその姿は変化するというイメージでしょうか?
一応、普通の天気図で、気圧配置の変化の様子もチェックしておきましょう。
北日本中心に高気圧が通過・・・一方、南岸には常に低気圧がウロウロ。
今朝⇒今夜⇒明日夜と、周期的に似たような天気が繰り返されそう・・・・
そこで、3月2日かけて降水の様子をGSMシミュレーションでチェックしてみると・・・・
南岸低気圧が周期的にやってきそう。
気温は高めに推移しそうですから、明日以降は雨主体になりそうですが、週末も似たような状態。
寒波寒波の2月でしたが3月の声とともに、春と冬のせめぎ合いのシーズンに入ってきたようです。
府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm
大雪に関する関東甲信地方気象情報 第3号
平成24年2月29日05時25分 気象庁予報部発表 抜粋
[雪の予想]
今後新たに予想される降雪量(3月1日06時までの24時間降雪量)は、いずれも多い所で
山梨県東部・富士五湖及び神奈川県西部山地 20センチ
関東地方の山沿い及び甲信地方 15センチ
関東地方の平野部 10センチ
の見込みです。
なお、東京都心でも1、2センチ程度の積雪となる見込みです。
短期予報解説資料(29日03時40分発表)抜粋:
大雪ポテンシャル(06 時からの24 時間:地点最大)東日本~東北の太平洋側10~20 センチ
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