気象予報士Kasayanのお天気放談

故郷長野に帰ってきたヨットオタクの気象予報士Kasayan。 天気予報は当たるのか?天気予報がハズレたらどうなるのか?天気予報の安全マージンは? 一般的な天気予報とは異なる視点からの解説をモットーに、日々の天気を放談?します。

2012年09月

 Twitterでは、今日の記事の内容をひとことでまとめています。お時間の無い方・更新時間を知りたい方はご利用ください。https://twitter.com/kasayangw

台風17号の影響について(120930)

 20時00分追記
19時アメダスレーダー合成図120930

19時愛知県上陸電文120930

 気象庁の解析によると、台風17号が愛知県東部に上陸したようです。
 今朝、この記事に掲載したMSMモデルとほぼ同様の場所に上陸し、風もほぼモデルと一致。
 

 17時25分追記
17時アメダスレーダー合成図120930

 志摩半島付近に上陸する可能性も?
 満潮の時刻と、風向の関係から、三重県・愛知県などでは高潮警報も発表されています。

   海上保安庁 潮汐推算: http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/TIDE/tide_pred/index.htm


 15時50分追記
15時アメダスレーダー合成図120930
 
 今日は台風モード

実況120930


 さすがに台風17号が上陸するかもしれない・・・ということを知らない人はいないでしょうし、台風の「影響」が一番興味のあるところでしょうから・・・・「台風の通過によって何が起こるのか?」を中心に、いつもと異なる構成でまとめておきたいと思います。

 なお、昨日も書きましたが・・・・台風の予想進路は、新しい観測値に基づいて時々刻々と更新されます。
 したがって、ブログを書いている時点の観測値をもとに予想進路や上陸地点を云々しても意味がありませんし、予想進路図をブログに引用しても賞味期限切れの生ものを提供するようなものです。

 そこで、このブログからは、台風による雨・風・波・高潮などの「影響」を把握するにとどめていただき、下記URLでチェックした新しい予想進路図の台風位置をもとに、把握した「影響」の内容を微修正していただきたいと思います。

    気象庁予想進路図(5日間予想): http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html

    米軍予想進路図(KADENA WEATERE 日本時間換算+9時間):
         http://weather.kadenaforcesupport.com/update/TyphTimeLine.html
    米軍予想進路図(JTWC 日本時間換算+9時間):
         http://www.usno.navy.mil/JTWC/


 では、MSMモデルという普通の天気予報に用いられている気象庁のシミュレーションを見ながら、何が起こるのか?・・・台風の「影響」をチェックしていきましょう。

 まずは、 今日(30日)09時~15時

全国流線アニメ3009120930

全国流線アニメ3015120930

 ご存じのように、台風は四国沖を北東進するとみられていますが、台風が北上するに伴って、台風の東側に流れ込む暖湿気=雨の原料がぶつかる山岳風上斜面で雨雲が活発化することが考えられます。
 MSMシミュレーションから考えると、四国山地東部、紀伊山地東部などが要注意ということになりそうですね。

 また、ご存じのように、高潮は風上に口を開けた湾で発生の可能性が高まります。
 この図を参考にしつつ、新しい予想進路図で台風の位置を修正し、潮汐情報も併せて対策の参考にしてください。

   海上保安庁 潮汐推算: http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/TIDE/tide_pred/index.htm

 なお、30日05時気象庁発表の府県天気予報の風の予想について、代表的な地点をピックアップして掲載しておきました。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/

 予報官が同様の計算値を見て判断した予想ですから、MSMシミュレーションに加えて最寄りの地域の府県天気予報もチェックして、予報官の思考過程を考えつつ安全マージンを考慮して、対策に役立ててください。

 ちなみに、府県天気予報の用語は厳格に定義されていて、府県天気予報だけで予想される風速まで把握することができますから・・・ご参考まで。

府県的予報風用語120930


 続けて、今夜(30日)21時~明日(01日)09時まで。

全国流線アニメ3021121530

全国流線アニメ0103121530

全国流線アニメ0109121530

 必要なチェックポイントを書き込んでおきましたが・・・・台風の上陸?とともに中部・関東地方では風向がめまぐるしく変化
 風向の変化に伴って、地形的な影響で、強風が吹く時間帯や場所、激しい雨が降る場所なども複雑に変化します。
 進路に一定の安全マージンを持たせて考える必要もある以上、大変だとは思いますが、全方位について最悪の事態を想定した対策が必要があると思います。

 あと・・・つきなみですが・・・・台風が速度を上げる東北方面では、急激な風の強まりに警戒が必要ということになりますね。


 なお、気象庁の予報官も、同様の計算値をチェックしながら、「何が起こるのか?」「何に注意すべきなのか?」を、文字情報の台風情報・気象情報としてまとめあげ、一般に発表しています。
 
 全般的な台風の情報(暴風・大雨・波浪・高潮など)については、全般台風情報で・・・・

   全般台風情報(文字情報): http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh_text.html

 各地方に特有の現象については、府県気象情報で・・・・

   府県気象情報(文字情報:全県選択可): http://www.jma.go.jp/jp/kishojoho/322_index.html

 いずれも全国ニュース、ローカルニュースのニュース原稿の元ネタになっている情報ですから、インターネットさえつながっていれば、ニュース番組より早く、全文に目を通すことができます
 これらの情報をチェックしつつ、MSMシミュレーションで情報の内容を具体的にイメージすることも「何が起こるのか?を把握することも、対策を立てる上で役立つのではないかと思います。


 続いて波の情報

沿岸波浪120930

 ご覧いただいたままですが・・・・地域特有の波の高まりなど、府県天気予報では修正がかけられているかもしれませんから、この図に関しても最寄りの地域の府県天気予報と併せてチェックしてください。

 なお、沿岸の風の実況は、アメダスより海上保安庁の通報のほうが海上の実況に近いと思われますので、気になる方は以下のURLでチェックしてください。

   海上保安庁風・波等観測値: http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/mics/


 以上・・・シミュレーションをチェックしながら、府県天気予報や気象情報に目を通し、台風17号の「影響」についてざっくりとチェックしてきましたが、気象庁には先にご覧いただいたMSMモデル以外にGSMモデルという別のシミュレーションもあります
 さらに、台風モデルなどのシミュレーションもあって、今朝の時点では、気象庁発表の台風予想進路図とほぼ一致しているようですが(重箱のスミをつついても意味がないということ)・・・・一応、ご紹介だけしておきます。

台風GSMアニメ120930

 また・・・Kasayanが長野県に住んでいるということもありますので・・・・・MSMシミュレーションの長野県付近拡大版アニメを作っておきました。

中部流線アニメ120930

 長野県には北アルプス(南には乗鞍・御岳なども)、中央アルプス、南アルプス、そして美ヶ原・霧ヶ峰、八ヶ岳、志賀高原、北進五岳など、2000m~3000mの山々が連なっています
 この山々は台風にとっては巨大な壁ですから、台風が通過すると、しばしば台風の中心が数か所に分かれてしまったり、盆地や谷筋に沿って思わぬ強風が吹き抜けることがあります(反対に影響が全くないことも)。

 今回に関しても、正直なところ台風のコースがわずかに変化しただけで、どうなるのか?予測は困難です。
 最悪の条件を考慮して対応したいところですけど・・・・・収穫がまだ先のリンゴなどについてはどう対策するのか?・・・・Kasayanにはわかりません。
 もしご存じの方がいらしたら、この機会にぜひ教えていただきたいと思います。

 最後に・・・・台風の東側に吹き込む暖湿気による大雨・・・をイメージしていただけるように、暖湿気の流れ込みの様子をアニメにしておきました。

相当温位立体アニメ120930

 ということで・・・今日は何か目新しいことがあれば、この記事に追記のカタチで書き込みをしたいと思います。 

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

 ご意見・ご質問等は、コメント欄・メール(kasayangw@yahoo.co.jp)にてどうぞ。
 可能な限り返信いたします。

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(当ブログに引用の天気図等は、気象庁、WNI、プログラム配布先より使用許諾を得ています)
(当ブログはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください。)
(私が撮影した映像・動画は無断転載OKです。連絡をいただければ原本を差し上げます。)

台風17号の進路と影響について(120929)


 今朝の長野市周辺はうろこ雲・・・秋の気配プンプンですが・・・・

菅平120929

 今朝の実況を見ると・・・・

実況120929

 いよいよ台風17号が沖縄本島付近に迫ってきました。

 ちなみに、気象庁アメリカ軍予想進路図は、それぞれ以下のURLのとおり。

    気象庁予想進路図(5日間予想): http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html

    米軍予想進路図(KADENA WEATERE 日本時間換算+9時間):
         http://weather.kadenaforcesupport.com/update/TyphTimeLine.html
    米軍予想進路図(JTWC 日本時間換算+9時間):
         http://www.usno.navy.mil/JTWC/

 新しい観測値に基づいてシミュレーションされた計算結果が刻々とアップされますから、あえてブログに進路図は引用したり、あれこれ無暗にコメントしない・・・・というのがこのブログのKasayanのコンセプト。
 予想進路に関しては、それぞれのサイトに記載されているデータ更新時間をチェックして、気象庁の予想進路図を主治医の見解、米軍の予想進路図をセカンドオピニオンとして、最新の情報で判断するようにしてください。
(例えば・・あと5分でデータが更新されるのに、それを知らないで進路をチェックしても意味ないですよね。それから、気象庁・米軍、いずれも名医?ですから、結論が出る前にどちらが正しい?という話をしても・・・・です。)


 このように・・・・Kasayanとしては、進路については最新の情報をチェックすべきと考えるので・・・このブログでは、「台風の接近・通過に伴って何が起こるのか?」・・・・台風の影響について詳しくチェックしたいと思います。
 台風の影響さえチェックしておけば、新しい予想進路に基づいて、影響の種類や程度を微調整して対策に役立てることができるからです。

 そこで、まずはGSMモデルという気象庁が普通の天気予報(短期予報)や週間予報に用いているシミュレーションで、台風の雨や風、そして台風を押し流す上空の風(偏西風)の様子を詳しくチェックしていきましょう。

 まずは、今日29日(土曜日)

29日09時GSM120929

29日21時GSM120929

 台風の位置はあまり変化しません。
 というのは、上空の気圧の谷と偏西風の位置が北寄りなので台風17号に届かないから。
 台風は東の太平洋高気圧縁辺の弱い南風に流され、今夜にかけて奄美諸島付近までノロノロと北上してくることが予想されています。
 
 ちなみに、今夜までの進路については、このGSMモデルと、今朝(29日08時現在)の段階で気象庁と米軍が発表している予想進路図との間で、大きな違いはないようです。

 続けて明日30日(日曜日)

30日09時GSM120929

30日21時GSM120929

 上空の気圧の谷が東進するに伴って南下してくる偏西風に、台風17号が流されることになります。

 したがって、明日は西日本南岸を中心に、時々刻々暴風雨のエリアも東進し、風向も大まかに南東⇒東⇒北西へとダイナミックに変化することが考えられます(台風のコースによって風向は微妙に異なるので注意)。
 そして、GSMモデルのように推移するのであれば、21時前後に、紀伊半島の南をかすめるか紀伊半島付近に上陸することも考えられます。


 そして、月が変わって10月1日(月曜日)

01日09時GSM120929

01日21時GSM120929

 上空の気圧の谷の前面・・・偏西風の風速が強い場所に押し流され、足早に東日本を駆け抜けて、夜には北海道の東海上に達すると予想されています。
 
 急激に風雨が強まるということがイメージできるんじゃないでしょうか?

 それでは補足的に、暴風・強風エリアの変化、大雨の原料になる暖湿気の流れ込みの変化、暖湿気とぶつかって雨雲を成長させる上空の寒気の位置もまとめてチェックしておきましょう。

GSM風速120929

GSM相当温位120929

GSM気温120929

 必要なことは書き込んでおきましたが、台風が暴風を維持したまま上陸する可能性があること、台風の前面に強い暖湿気が流れ込み、大陸から南下してくる寒気とぶつかって大雨をもたらす可能性があること・・・などが読み取れると思います。

 なお、予想降水量については、気象庁発表の台風情報(文字情報)で確認ください。

  台風情報(文字情報): http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh_text.html

 さらに、海上の波の様子

沿岸波浪120929

 予報用語集には、波高4mをこえ6mまでを「しける」、6mをこえて9mまでを「大しけ」、9mをこえる場合を「猛烈にしける」と定義されていますが・・・・・この波浪予想図からすると、台風の接近に伴って、西日本沿岸でも、沖縄付近と同様に「猛烈にしける」ことが予想されます。
 
 今年の台風の中では、太平洋側に最も高い波をもたらすことになるかもしれません。

   海上保安庁風・波等観測値: http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/mics/

 また、風下沿岸部では高潮の恐れも高くなっていますから、以下のURLで潮汐を確認して対策をお考えください。

   海上保安庁 潮汐推算: http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/TIDE/tide_pred/index.htm


 ということで・・・以上が気象庁のGSMモデルから読み取ることができる台風17号の影響ですが、繰り返しになりますけど、台風の予想進路は新しい観測値によって時々刻々と変化します。
 ですから、これらの図からは台風の影響だけを読み取って、予想進路が変化するたびに、台風の位置にあわせて影響の内容を修正してくださいね。

 ということを繰り返し確認したので・・・・台風が紀伊半島付近を通過、あるいは上陸すると思われる、明日30日夜のGSMモデルを、中部地方にズームしてご紹介しておきます。

30日上陸GSMアニメ120929

 あくまで「台風の影響がどこに?どの程度?あるのか」ということをイメージしていただくために作ったアニメですから、現時点で、どこに上陸するのか?ということにこだわっても意味がありません。
 台風のコースに安全マージンを持たせ、最悪の場合に何が起こるのか?ということを想定して、対策に役立ててください。
 (場合によっては伊勢湾台風コースになる可能性も?最悪の場合は・・・ですけど)


 それでは最後に、いつものMSMシミュレーション明日朝までの空模様を具体的にイメージしておきましょう。
 これも一つの計算値にすぎないということを忘れないでくださいね。

MSM全国流線アニメ120929


     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm


 ちなみに・・・・アメリカの気象機関のGFSモデルというシミュレーションはこうなっています。

GFS比較用120929

 あくまでセカンドオピニオンですよ。

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2

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台風18号につづいて台風17号接近。そして台風19号??(120928)


菅平120928

 台風18号が伊豆諸島方面に北上していますが・・・長野はほぼ快晴
 標高2000m級の菅平の山々の向こう側に、関東(群馬県)の雲が顔を出しています。

 そんな今朝の実況・・・・

実況120928

 普段、天気マークしか気にしない人も、台風が接近するときは天気図を目にすることになるでしょうから、現在の状況をいまさら詳しく説明するほどもないですよね?

 ただ、台風18号と17号の動向に大きく影響してくるのが、朝鮮半島付近にある上空の低気圧・・・・・-20℃前後の強い寒気が反時計回りの渦を巻いているので「寒冷渦」なんていいます。
 この渦が、あたかもアメーバーのように「上空の気圧の谷」という触手?を延ばしながら回転していて・・・この触手?が台風をキャッチすると、偏西風というベルトコンベアーに乗せて北東方向に一気に押し流すというチカラを持っています。

 したがって、寒冷渦と、寒冷渦から延びる上空の気圧の谷・・・そして上空の気圧の谷に沿って流れる偏西風3点セットの位置が今後の空模様を大きく左右することになります。


 そんな様子を気象庁のGSMモデルというシミュレーションの天気図でチェックしてみると・・・・

 まず今日28日(金曜日)の様子。

500図①120928

 上段の図・・・・今日のところは、寒冷渦も上空の気圧の谷も、二つの台風に十分届かず、台風は上空の太平洋高気圧縁辺の流れにゆっくりと押し流されることになります。

 このため・・下段の図・・・先島諸島、伊豆諸島付近が台風モード
 そして、東日本の太平洋岸も、風や波が強まります。

 続いて明日29日(土曜日)

500図②120928

 上段の図・・・上空の気圧の谷が朝鮮半島を通過し、日本海を北東進
 これに伴って、先行する台風18号は、偏西風の南側をやや速度を上げて北東に進むことが計算されています。

 ただ、上空の気圧の谷という触手は台風17号をキャッチすることができません
 台風は偏西風に乗ることができず・・・下段の図・・・台風はノロノロと沖縄本島、奄美付近を北上することになります。

 そして、明後日30日(日曜日)・・・・

500図③120928

 上段の図・・・新たに発生する寒冷渦に伴う上空の気圧の谷台風17号をキャッチすることができるので・・・下段の図・・・・台風は四国の南へと進み・・・その後本州に上陸?というコースをたどることが予想されています。

 以上はざっくりと気象庁GSMモデルの計算結果を読み上げただけですが・・・・台風モデルという別の計算値も駆使して作成されている気象庁発表の予想進路図も、今朝の時点ではほぼこのストーリーと同じになっています。

    気象庁予想進路図(5日間予想): http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html

 では、アメリカのGFSモデルというシミュレーションではどうなっているでしょうか?

GFS120928

 昨日朝の計算値では、30日21時に台風17号を紀伊半島付近に計算していましたから、さらに気象庁より台風の速度を早めに計算しています。

 その理由を上空の寒冷渦と上空の気圧の谷から考えてみると・・・・やはり両者の位置が気象庁GSMモデルより若干南寄り・・・台風に触手が届きやすい位置に計算されているから・・・だと思われます。
 つまり、昨日に引き続き、日本の計算値のほうが、上空の気圧の谷1本分だけ遅い進行を予想しているということ(正確には2本分?かもしれませんが・・・そのあたりはアイマイ)。

 米軍の予想進路図も相変わらず気象庁より早めの予測になっています。

    米軍予想進路図(KADENA WEATERE 日本時間換算+9時間):
         http://weather.kadenaforcesupport.com/update/TyphTimeLine.html
    米軍予想進路図(JTWC つながらない可能性あり)
         http://www.usno.navy.mil/JTWC/

 なんで日米でこれだけ差がでるの?ということですが、台風はまさに今が転向点・・・・北東に針路を変える場面だから・・・ということがあると思います。
 カーブを曲がるにあたって・・・・ブレーキをかけたりハンドルを切っている段階で、カーブを出た後の速度を予測するのは誤差が大きくなるから。

 したがって、台風がある程度北東に進んだ今夜あたりから進路図が安定してくるんじゃないかな?なんて思っています。


 ということで・・・・台風の動向次第で、天気が大きく変化してしまう週末の空模様ですが・・・・
 ざっくりとチェックはしておきましょう。

予想図アニメ120928

 すでに、気象庁GSMモデルで天気変化もチェックしてありますから、おおざっぱな流れだけ把握していただければOK。

 続いて・・・MSMシミュレーションで、明日朝にかけての空模様と海況を具体的にイメージ。

全国流線波浪アニメ120928

 今日は東日本と北日本・・・・明日は九州方面で、台風の間接的?遠隔的?な影響がありそうですね。

 あと・・・すでに南岸はしけ模様
 プレジャーボートは内海だけでそこそこ楽しんで、台風対策を忘れないようにしてください。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/


 で・・・最後・・・・今日のタイトルに書いた台風19号?になるかも知れない低気圧について。

19号GSM120928

 気象庁GSMモデルには、2日以降、小笠原の南に低気圧を計算しています。
 そのカタチから熱帯低気圧あるいは台風と思われますが・・・・・

 アメリカのGFSモデルを見ても・・・・

19号GFS120928

 同様・・・というよりはどう見ても台風と思われるだけ発達したモノが・・・・
 (実はこの後にもイヤな気配が見えたりしますが・・・そこそこ確からしい話はここまで)

 台風で行事やスケジュールを順延する場合には、この台風19号?の動向も意識したいところですが、まだまだ流動的なので、具体的な考慮は台風17号が上陸する頃からでイイと思います。

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2


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台風18号の影響と、台風17号の動向(120927)


美ヶ原120927

 今朝の長野市は・・・ほぼ快晴
 窓を閉め、布団をかけて寝ることができる快感?に、秋眠暁を覚えず?・・・つい寝過したくなります。

 でも、今朝の実況をみると・・・・

実況120927

 台風18号が目前に迫っていて、台風17号の動きに至ってはまだ同じような場所をウロウロしていて、非常に悩ましい状態が続いています。

 ということで・・・今朝も台風中心に天気図をチェックすることにしたいと思いますが・・・・目の前に迫っている台風18号については、普通の天気図でシッカリ解説があるでしょうから・・・週末に影響してくるかもしれない台風17号を中心にまとめてみたいと思います。


 ということで・・・・まずは気象庁のGSMモデルというシミュレーションと、アメリカのGFSモデルというシミュレーションを比較しながら、台風17号の動きの予測が難しくなっている理由を考えてみましょう。

 まずは、29日(土曜日)21時の、地上の気圧配置と、台風の進路に影響する上空の気圧配置をチェック。

台風GSM29日120927

台風GFS29日120927

 地上の気圧配置も、上空の気圧配置も、GSMとGFSでそれほど大きく異ならないと感じられたのではないでしょうか?
 ただ、気象庁のGSMのほうが、若干台風の進行を遅めに計算しているようですが・・・・その理由は図の書き込みのように・・・・上空の気圧の谷の接近に伴って南下してくる偏西風と台風の位置関係によって・・・・どの程度台風が北東に流されるのか?という微妙なさじ加減が異なるから・・・・といえます。

 続けて30日21時の計算値を見比べてみると・・・・

台風GSM30日120927

台風GFS30日120927

 GSMとGFSの差が大きくなって、アメリカGFSは紀伊半島に台風を上陸させていますが、気象庁GSMはまだ奄美付近を予想しています。

 どうやら、アメリカGFSは最初の上空の気圧の谷(上空の気圧の谷①)の接近によって台風が偏西風に乗ることを予想しており、気象庁GSMは最初の上空の気圧の谷では偏西風に乗り遅れ、次の上空の気圧の谷(上空の気圧の谷②)の接近で偏西風に乗ることを予想しているようですが・・・・上空の気圧の谷という電車?に一本乗り遅れることで、台風の位置がこれだけ変わってしまうという興味深い例だと思います。

 たとえるなら・・・くねくねと蛇行した小川に流される木の葉が淀みの中で動きを止めた場合、木の葉にフッと息を吹きかけてやるかやらないかのわずかな違いで再び流れ始めるタイミングが異なり、流れた先の木の葉の位置が大きく異なってしまう様子に似ているような気がします。

 ですから・・・日本の気象庁の予想進路が正しいのか?アメリカなど他国の計算値が正しいのか?・・・・結論が出ていない時点で問われるなら、どちらも正しいという答えにならざるを得ません。
 加えて、それほど大きな違いが出てしまうような状況であることを認識せざるをえないと思います。

 ちなみに、以上のような単なる計算値ではななく、公式の予想進路は・・・・

    気象庁予想進路図(5日間予想): http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html
    米軍予想進路図(KADENA WEATERE):
         http://weather.kadenaforcesupport.com/update/TyphTimeLine.html
    米軍予想進路図(JTWC つながらない可能性あり)
         http://www.usno.navy.mil/JTWC/

 以上のURLでチェックすることができますが・・・・米軍の予想進路の更新のタイミングはいつなのか?(新しい観測値に基づく更新頻度は気象庁の予想進路図のほうが多い)、予想進路の時間表示=世界標準時を日本時間に換算するにはどうすればよいのか?(9時間を加算)をキチンと把握したうえで利用しなければなりません。
(気象庁は台風モデルという台風専用の計算値も使っているということも)

 以上の点を十分に理解していただいたうえで、命にかかるなら最悪の事態を想定し、そうでなければ多数決的・中間的な事態を想定して、対応と修正の方法を想定しておくのがよいと思います(Kasayanとしては・・・ですけど)。

 ちなみに、進行速度は別として、進路に関しては・・・

各国計算値比較120927

 各国の計算値(アメリカ・カナダ・イギリス)がほぼ一致してきたといえます。

 そして、に関しては・・・・

波浪120927

 台風に先行してずいぶん高くなってきます。

 尖閣諸島にやってきた台湾漁船が帰港したタイミングは、台風17号からの避難っぽいですから、もし台風17号が来なかったら・・・どうなっていたんでしょうね?


 台風チェックはこれくらいにして・・・今日の空模様をざっくりと。

予想図アニメ120927

 台風18号が伊豆諸島方面を通過して三陸沖を北東進することから、関東から東北太平洋岸で荒れ模様ということは容易の想像できると思いますけど、普通の天気図では荒れ模様のさじ加減?まではなかなか読み取ることができません。
 
 専門の天気図をチェックすると・・・・

500図120927

 上段の図・・・地上の空模様の骨格にあたる上空の気圧配置ですが・・・・台風18号は、電車に乗り遅れる?台風17号と違って・・・上空の気圧の谷が朝鮮半島付近に東進するのに伴って南下する偏西風に乗って、三陸沖を北東進するようです。

 このため・・・下段の図・・・・関東は台風の直撃を免れますが、台風北側の北東風が吹きこみ、北東風は北日本の冷たい空気を引きづり込みますから、横殴りの冷たい雨が活発化することが予想されます。
 もちろん、沿岸は大しけ・・・・陸地への影響が少ないのは良かったといえますが・・・三陸沖の漁船の捜索が困難になるのは辛いところです。

 あと・・・再び上段の図・・・上空の太平洋高気圧が東シナ海方面に張り出していて、台風17号北上をブロックしている様子もわかりますよね?
 そして、今日から明日にかけて通過する上空の気圧の谷の「次の上空の気圧の谷」に台風17号が乗れるか乗れないか?が台風がやってくるタイミングを大きく左右することになります。

 では最後にMSMシミュレーションで、明日朝9時までの台風18号の様子を具体的にイメージ。

全国流線アニメ120927

 下層雲(紫色)も掲載しておきました(西日本はずっと晴れですね)。

 沿岸部にどれだけ影響してくるのか?というところは、台風予想進路図をこまめにチェックして修正する必要がありますからご注意を。

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm

     専門の天気図は以下のURLで、無料で入手可能です。
                 http://n-kishou.com/ee/exp/exp01.html?cd=fxfe502&cat=e2


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台風18号・台風17号の動向と影響。でも今日は秋晴れ(120926)


菅平120926

 今朝長野市は秋晴れの朝。
 菅平高原には関東方面(群馬県)の雲が顔をのぞかせていますが・・・そんな菅平の今朝の気温は5℃

気温ランキング120926

 北海道より低い全国2位を記録しています。

 実況をチェックしてみると・・・・

実況120926

 水蒸気画像では、関東の太平洋岸を除いて、「白くない」乾燥した秋の空気におおわれていることがわかります。
 秋の空気におおわれると同時に、秋晴れの放射冷却が発生して気温が下がったものと思われます。

 まあ・・・そんなのどか?な話題はこのくらいでイイとして・・・・衛星画像にしろ、実況天気図にしろ、ずいぶん賑やかになってきましたよね。
 北海道で鉄道事故を発生させた上空の寒気の渦(寒冷渦)は東海上に抜けて、全国的に秋の移動性高気圧に覆われ始めていますけど・・・ご存じのように南海上には台風17号と台風18号が北上中

 そのうち台風18号は、今日にも小笠原諸島を通過して明日には伊豆諸島方面まで北上してくる気配を見せていますが・・・・素直に北上しないかも?という状態になっています。
 というのも、一昨日から西日本に南下していた上空の気圧の谷が、ついには寒気を伴った上空の低気圧(寒冷渦)に変化・・・・紀伊半島沖に漂っていて・・・・この寒冷渦と台風18号が相互作用を起こすかもしれないから。
 複数の台風間の相互作用を藤原の効果(絶対、藤原紀香とゴロが同じですよね?)といって、全体として反時計回りに回転することが知られていますが、寒冷渦と台風の相互作用はちょっと珍しい気がします(感覚的にですけど)。


 で・・・・今日は秋晴れモードなので、今日は台風中心に天気図をチェックしていくことにしましょう。

 まずは、台風18号が変な(複雑な)動きをするかもしれない?という理由から詳しく・・・・

500図120926

 上段の図・・・地上の空模様の骨格になる上空の気圧配置ですが・・・まず目につくのは、南海上に赤で書き込んだ「渦」がたくさんあるということ。
 台風以外の渦は、上空の偏西風が大きく蛇行して・・・あたかも蛇行する川の曲がり角のよどみに渦ができるように発生した反時計回り(低気圧性)の渦ですが、そのうち、紀伊半島に南に位置する渦が、台風18号と相互作用を起こす渦(寒気を伴うので寒冷渦といいます)。

 台風18号も含め、全体として反時計回りに回転すると、台風18号が東海方面に引き寄せられてくることになりますから、ちょっぴりイヤ~な感じがします。

 あと17号にも目を向けてみると・・・東シナ海方面で、上空の高気圧が元気になる傾向が見られるので・・・台風17号は北上を抑えられ、フィリピン付近で足踏みをするということもわかりますよね?


 そんなことを意識しながら・・・この専門の天気図と同じ気象庁のGSMモデルというシミュレーションのアニメで、週末30日夜までの台風の動きを見てみましょう。

台風GSMアニメ120926

 (ちょっと早いアニメになっちゃった?)台風18号は、小笠原を通過した後、チョッピリ西寄りに進みますが・・・・寒冷渦の影響は小さくて・・・幸いなことに太平洋高気圧の縁辺を北東に進み、次の上空の気圧の谷(南西の偏西風)の東進に伴って、足早に遠ざかっていくようです。
 
 ただ・・・台風17号・・・昨日の記事に掲載した計算値と、今朝の計算値は大きく異なっています。
 結局、台風17号の動向はまだまだわからない・・・不確定と考えたほうが良さそうですが・・・・海外の気象機関の計算値は・・・・

台風18号モデル比較120926

台風17号モデル比較120926

 台風18号については各国(アメリカ・カナダ・イギリス)の計算値がほぼそろっているようですが、台風17号については一応バシー海峡付近で北東方向に転向することは確かなようですが・・・方向も速度もまだバラバラ
 昨夜21時初期値の、アメリカのGFSモデルというシミュレーションだけを取り出してみると・・・・

台風GFSモデル120926

 昨日の気象庁のGSMモデルとそっくりの計算値になっています。
 気象庁のシミュレーションとアメリカのシミュレーションが交互に似たような計算値をたたき出すという珍しい状態になっていますが・・・これもまた、台風17号の動向が読み切れないことの現れといえるでしょう。

    気象庁予想進路図(5日間予想): http://www.jma.go.jp/jp/typh/typh5.html
    米軍予想進路図(KADENA WEATERE):
         http://weather.kadenaforcesupport.com/update/TyphTimeLine.html
    米軍予想進路図(JTWC つながらない可能性あり)
         http://www.usno.navy.mil/JTWC/

 ただ、今日から太平洋岸で波やうねりが高くなってくるということは確かです。

台風波浪モデルアニメ120926



 ということで・・・台風18号と台風17号の動向がわかったところで・・・・秋晴れの今日の空模様をざっくりチェック。

予想図アニメ120926

 今日は朝鮮半島付近に中心を持つ秋の移動性高気圧に覆われて・・・晴れ

 ただ明日以降は・・・・台風の北上に伴って秋雨前線の雲と台風北側の雲が一体になって東日本太平洋岸に影響してくることになります。

 秋晴れで、日差しも強まりますから、気温もちょっと上がり気味
 上空と地上付近の気温の分布をチェックしてみると・・・・・

500気温120926

 下段の図・・・上空約1500m・・地上の細かな影響を受けない代表的な気温の分布ですが・・・西日本方面に15℃ラインが北上
 思い出していただければ・・・・晴れたとき、地上の気温30℃(真夏日)ラインと一致したあの気温帯です。
 ですから・・・西日本では30℃の真夏日モードが復活する可能性大。

 そして・・・上段の図・・・上空の寒気が紀伊半島の南側に南下していますが、これが台風18号と相互作用する寒冷渦の寒気
 位置的に東海付近に影響してきそうですが・・・・SSIという大気不安定を示す計算値をみると、東海付近ではっちょっぴり不安定傾向
 曇り気味程度だと思いますが・・・日差しが強く、よほど気温が上がるようなことがあれば、山沿いで局地的ににわか雨があるかも?


 ということで・・・MSMシミュレーションで今日~明日の空模様を具体的にイメージ。

全国流線アニメ120926

 北海道は回復に向かって全国的に秋晴れモードになるけれど・・・・明日には南岸に台風北側の雨雲がかかる・・・・という流れ・・・そのまんまですよね?

     府県天気予報(更新5時・11時・17時): http://www.imocwx.com/yohoud.htm
       気象庁時系列予報: http://www.jma.go.jp/jp/jikei/

      府県週間天気予報(更新11時・17時): http://www.imocwx.com/weekd.htm

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プロフィール

Kasayan

大昔、気象会社や東京の放送局で天気予報番組を作っていたこともありますが今は故郷長野で2回目の日本一周を夢見るただのヨット好き。山岳ガイドのタマゴたちと気象の勉強中。最近多くの時間を野尻湖畔の山小屋で過ごしています。

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